調査研究成果公表

 科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、NISTEP定点調査から得られた定性データ、各種定量データを多角的な視点で見ることで、エビデンスベースの政策立案の前提となるデータの再確認を行い、今後の科学技術イノベーション政策の検討に向けた前提条件の共有を試みるワークショップを開催しました。具体的には、大学の研究開発費に注目し、NISTEP定点調査から得られた研究者・有識者の認識と研究開発統計の一致点・不一致点についての議論や、欧州における大学へのファンディングの状況を踏まえた、日本が取るべき今後のアクションの検討を行いました。約90名の参加者による議論を通じて、研究現場の閉塞感を打破するためのメッセージとして、以下の3点が得られました。

    1. 現場研究者が実感できる形での基盤的経費の確保・充実が必要である。
    2. 定量データや定性データには、それぞれ限界があることに留意しつつ、特定のデータだけに依存して施策や評価を行うことには危うさがあると認識すべきである。
    3. 大学に対する投資の確保・充実の重要性を主張するために、研究教育活動の可視化を行う必要がある。

詳細につきましては以下のリンクより御覧ください。

ライブラリ:研究現場の閉塞感を打破するには: エビデンスベースの政策立案の前提条件の 共有に向けて ― NISTEP定点調査ワークショップ2019より ―[調査資料-286]

科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、STI Horizon誌2019冬号(Vol.5 No.4)の一部をweb先行公開(11月分)しました。今回は以下の記事を掲載しています。

ナイスステップな研究者から見た変化の新潮流
・東北大学 東北アジア研究センター 学術研究員/日本学術振興会 特別研究員 大野 ゆかり 氏インタビュー
-市民参加型調査「花まるマルハナバチ国勢調査」を立ち上げ、マルハナバチの全国分布データを作成-

・早稲田大学 理工学術院 Edgar Simo-Serra 専任講師インタビュー
-日本の陶芸を愛する若きAI研究者のチャレンジ-

詳細については、以下のリンクより御覧ください。
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 科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、我が国の研究活動の国際的影響の状況を把握するため、論文データベースを用いて、国際的被引用及び国際共著の状況について新たな指標の導入及びそれらを用いた地理的分析を実施しました。
 全分野及びSDGsなどに関係した6分野の詳細分析から、研究規模の大きな国・地域の中では米国、中国、韓国、台湾が、研究の成長性が高い国・地域ではインドネシア、ベトナム、フィリピンと言ったASEAN加盟国が、日本と高引用・高共著関係にある国・地域、つまり研究成果の普及・協力関係の構築において日本と関係が強い国・地域として特定されました。

詳細につきましては以下のリンクより御覧ください。

ライブラリ:論文の引用・共著関係からみる我が国の研究活動の国際展開に関する分析[調査資料-285]

 本報告書では、持続可能な開発目標のための科学技術イノベーション(STI for SDGs)に関わる基礎資料を作成することを目的とし、また、自然言語処理などの「AI(人工知能)関連技術」の適用の可能性を調査しました。
 その結果、AI 関連技術の適用については、「知の構造化」の過程でのSDGs の各目標と膨大な数の研究テーマとの関連づけの作業において、ある程度実用に耐える可能性が示されました。ただし、単一基準で機械的に処理する場合は、例えば分野による精度の違いが伴う可能性があることなど、データを解釈する上で注意が必要であることも改めて確認しました。

詳細は、以下を御覧ください。 
要旨
報告書全文

ライブラリ:STI for SDGs に関する政策レビュー及び研究助成との関連づけへの人工知能(AI)関連技術の試行的活用 [DISCUSSION PAPER No.174]

 本報告書では、平成元年度以降30年間の学校基本調査データを用いて、理学、工学、農学、保健の分野別、国公私立大学別、男女別の博士課程入学者数の推移を分析しました。
 その結果、男女別、分野別、国公私立別に区切った博士課程への入学者の集団は、それぞれ異なる規模や変動パターンを示していることが分かりました。
 なお、本稿は、博士課程学生の多様化という現象の変遷の一端を、学校基本調査の暦年データを用いて定量的に把握する方法の例を示すことを目的として構成されています。
 
要旨
概要
報告書全文

ライブラリ:理系分野の博士人材の多様化の計測 ―平成元年度~30年度学校基本調査データによる女性博士課程入学者数等の検討―[DISCUSSION PAPER No.173]

科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、STI Horizon誌2019秋号(Vol.5 No.3)を発行しました。科学技術・学術審議会総合政策特別委員会主査/科学技術振興機構 濵口 道成 理事長のインタビュー等、科学技術・イノベーション政策に資する情報を幅広く掲載しています。

詳細については、以下のリンクより御覧ください。
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科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、奈良女子大学と共催の「博士のキャリアデザイン」をテーマとしたワークショップを開催しました。
本ワークショップでは博士号を取得する価値の再認識をスタートとし、日常の研究生活で情報が不足しがちと思われるアカデミア外に広がる博士のキャリアを取り上げました。前半は、講師3名から、アカデミア外での博士の活躍はどのようなものか、仕事における博士の優位性や特徴、国際ビジネスでの博士の地位、社会に出たときの博士課程の経験の価値など、実例やデータを交えて紹介しました。後半は、パネルディスカッションの形で講師間及び会場との意見交換により議論を深めました。

詳細は以下を御覧ください。
講演録-309

ライブラリ:科学技術・学術政策研究所、奈良女子大学共催ワークショップ「博士のキャリアデザイン」[講演録-309]

科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、11回目となる科学技術予測調査を2017年から実施しており、これまでの検討結果を取りまとめた速報版を作成しました。
本調査では、2040年をターゲットイヤーとして、社会の未来像と科学技術の未来像を検討し、それらを統合して科学技術の発展による社会の未来像を検討しました。
1.社会の未来像検討では、50の未来像が描かれ、そこから重視すべき4つの価値(Humanity、Inclusion、Sustainability、Curiosity)が見いだされました。
2.科学技術の未来像検討では、実現が期待される科学技術トピック702件に関するアンケートにより、重要度や実現見通し等に関する専門家の見解が得られました。
3.科学技術トピック702件の分野の枠を超えたクラスタリングとエキスパートジャッジにより、推進すべき領域(横断8領域と特定8領域)が得られました。詳細は、Discussion Paper No.172を御覧ください。
4.科学技術の発展による社会の未来像を検討では、4つの視点から未来像が描かれ、「人間性の再興・再考による柔軟な社会」とまとめられました。

詳細については、以下のリンクより御覧ください。
第11回科学技術予測調査 ST Foresight 2019(速報版) -「人間性の再興・再考による柔軟な社会」を目指して-(2019.7)

科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、第11回科学技術予測調査の一環として、科学技術イノベーション政策の観点から大きく取り上げるべきクローズアップ科学技術領域の抽出を試みました。
始めに、2018~2019年実施のデルファイ調査にて選定した702科学技術トピックに対して、AI関連技術を活用した自然言語処理(分散表現化)と階層的クラスタリング分析を行い、32の科学技術トピッククラスターをつくりました。
次に、この科学技術トピッククラスターを目視で定量・定性分析しました。
最後に、上記の分析結果と専門家会合でのエキスパートジャッジとを組み合わせることにより、分野横断・融合のポテンシャルが高い8領域と特定分野に軸足を置く8領域を抽出しました。

詳細につきましては、以下のリンクより御覧ください。
要旨
概要
報告書
報告書付録
ライブラリ:未来につなぐクローズアップ科学技術領域―AI関連技術とエキスパートジャッジの組み合わせによる抽出の試み― [DISCUSSION PAPER NO.172]

科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、科学技術に関する国民意識調査を行いました。2019年3月のインターネット調査の結果、科学技術関心度、科学者信頼度、科学技術肯定性はいずれも前回2018年10月の観測値から低下傾向にあります。
また、2016年調査と同様の設問を設けることによって、世間一般におけるSociety5.0 に関する現時点での認識と経時的な意識変化を把握し、さらに変化の背景について分析を行いました。その結果、特にIoTに関する認知度が急速に上昇しています。また、回答者の年代別に分析すると50-60代の男性の認知度が大きく上昇したことが分かります。さらに、どの業種で「ロボットや人工知能(AI)など」が「人」の就業者より信頼できるかを訊いたところ、男性は建築業を除く全ての業種で2016年3月より信頼できると回答しています。

要旨
概要
報告書全文

ライブラリ:科学技術に関する国民意識調査 - Society5.0-[調査資料-282]

科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、STI Horizon誌2019夏号(Vol.5 No.2)を発行しました。株式会社 三菱ケミカルホールディングス取締役会長 小林 喜光 氏のインタビュー等、科学技術・イノベーション政策に資する情報を幅広く掲載しています。

詳細については、以下のリンクより御覧ください。
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科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、STI Horizon誌2019夏号(Vol.5 No.2)の一部をweb先行公開(5月分)しました。今回は以下の記事を掲載しています。

特別インタビュー
・株式会社 三菱ケミカルホールディングス取締役会長 小林 喜光 氏インタビュー
社会課題に取り組む産業界の科学技術イノベーションの潮流と新しい時代を担う基礎研究・人材育成について
-心・技・体を鍛える、本当の企業経営と国家価値のとらえ方-

ナイスステップな研究者から見た変化の新潮流
・VLP Therapeutics CEO 赤畑 渉 氏インタビュー
-感染能を有しないウイルス様粒子(VLP)を用いた基盤技術に基づく創薬ベンチャーを米国で創業し、ワクチンを開発-

・国立研究開発法人海洋研究開発機構 超先鋭研究開発部門 高知コア研究所 地球微生物研究グループ 鈴木 志野 研究員インタビュー
-地球深部の厳しい環境に住む謎の微生物の発見とJ・クレイグ・ヴェンター研究所の経験を踏まえた日本人研究者へのメッセージ-

レポート
・全米科学振興協会(The American Association for the Advancement of Science ; AAAS)年次大会2019の報告
-90分シンポジウム「国際的な科学協力 新しい潮流」の開催-

詳細については、以下のリンクより御覧ください。
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科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、2018年10月にJGRAD登録情報の分析に寄与するために実施したアンケートによる意識等調査を実施しました。

博士課程在籍時の経験について、修了者は、「異分野研究者との交流」が現在の業務役立っていると回答する一方、振り返りでもっと経験しておくべきだったと考えることとして、「語学力向上カリキュラム」、「研究関係者との交流」や「研究に関係なく各界で活躍する人々との交流」、「IT技術の習得」が多く挙げられました。

また、海外研究活動については、希望しない修了者より希望する修了者の方が多い結果となりました。希望する理由は、研究レベルが高い、研究したい分野が発達している、当該国での勤務経験に興味がある、などが上位にあげられています。海外研究を希望するにあたり気になることとしては、家族、当該国でのポスト獲得方法などが見られました。

詳細については、以下を御覧ください。
要旨
概要
報告書全文

ライブラリ:博士人材データベース(JGRAD)を用いたキャリアパス等に関する意識調査-JGRADアンケート2018結果報告-[調査資料-281]

JGRADの概要はこちらをご覧ください。