調査研究成果公表

本報告書では、地域における科学技術の資源と活動の現状を把握するため、①企業、②非営利団体・公的機関、③大学、④自治体(科学技術関連予算)、⑤科学研究費助成事業(科研費)、⑥産学連携、⑦特許、⑧論文の8つの項目に着目し分析しました。その結果、地域の状況は、人口や企業が集積している大都市圏において科学技術に関連する項目の数値が高く、地域イノベーションのポテンシャルが高いと言えること、研究開発費や人材の資源配分において地域間格差が拡大しているとは言いきれないが、企業や大学などが集積している東京圏をはじめとした3大都市圏において資源配分は集中・固定しているという状況が確認されました。そのような中でも実数値ではなく規格値に注目すれば、地方圏における地域イノベーションの特色を確認することができました。

詳細については、以下のリンクより御覧ください。

科学技術・学術政策研究所(NISTEP)が公開している「科学技術・イノベーション白書検索」について以下の通りデータを更新しました。

■「科学技術・イノベーション白書検索」のデータの更新
 令和6(2024)年版の「科学技術・イノベーション白書」を追加

■「科学技術・イノベーション白書検索」へのアクセス方法:
 以下のNISTEPのウェブサイト(SciREX関連公開データのページ)
 https://www.nistep.go.jp/research-scisip-whitepaper-search

【参考】
■「科学技術・イノベーション白書検索」について
「科学技術白書」の名称が、令和3(2021)年版から「科学技術・イノベーション白書」と変更されたので、検索システムの名称も「科学技術・イノベーション白書検索」に変更しました。以下、全体を示す場合にはこれを用います。
 科学技術・イノベーション白書は、文部科学省において昭和33(1958)年から現在まで継続的に発行されており、日本の科学技術政策に関する施策やトピックなど、様々な情報が蓄積されています。NISTEPではこの点に着目し、以下のような機能・特徴を備えた「科学技術・イノベーション白書検索」を開発し、令和元(2019)年11月に公開しました。主な機能は以下の通りです。

○ 昭和33(1958)年版以降の科学技術・イノベーション白書のテキスト情報(本文や図表の表題など)がデータベース化されています。
○ 各年代の科学技術に関する政策や施策の動向を調べることができます。
○ キーワードだけでなく、類義語も併せて検索する「あいまい検索」や期間を指定して検索することもできます。
○ よく使われている語句を大きく表示する「キーワードマップ」の機能があります。
○ 注目するキーワードがどの年に多く出現しているかなど、白書への出現回数を知ることができます。
○ 注目するトピックの変遷がわかる機能があります。

本稿では、学術論文と特許情報を著者・発明者レベルで接続したデータベースを新たに作成したうえで、研究者のキャリアと生産性に関して分析しました。

分析の結果、大学に所属する著者については、キャリア年数と論文数との間には上昇ののち、下降するという逆U字型の関係が観察されました。一方で、企業に所属する著者については、明確な関係はみられませんでした。特許出願件数については、大学と企業の所属に関わらず、キャリア年数の長い発明者について逆U字型の関係が観察されました。

詳細につきましては、以下のリンクより御覧ください。

  • 要旨
  • 報告書全文
  • 本調査では、第12回科学技術予測調査の検討に資するため、国内外の政策文書、報告書等における未来に関する記述を幅広く調査しました。
    国内の白書、基本計画、戦略等に関する文書の他、国外のForesightに関する文書を対象として、2030年、2040年、2050年の主要年における未来に関する記述を整理したほか、2025年から2070年までの目標値・予測等に関して年表形式で取りまとめたリストを作成しました。

    共通的に見られた特徴として、情報化社会の到来とそれに伴う影響について多くの機関が着目しており、例えば、世界のIPトラフィックやICT関連機器の使用電力の増加、メタデータ管理ツールの世界市場規模の成長、メタバースの世界市場の成長、データ駆動型の材料最適化の市場規模成長、インターネットに接続されるデバイスの増加等が予測されています。

    詳細につきましては、以下のリンクより御覧ください。

    要旨
    報告書全文
    未来記述年表

    科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、STI Horizon 2024秋号(Vol.10 No.3)を公表しました。
    文部科学大臣科学技術顧問・量子科学技術研究開発機構理事長 小安 重夫 氏への特別インタビュー、講演会「近未来への招待状~ナイスステップな研究者2023 からのメッセージ~」第1 回、ノーベル賞受賞者の主要研究、年齢等に関する分析、人文系研究機関の最新動向など、科学技術・イノベーション政策に資する情報を幅広く掲載しています。

    詳細については、以下のリンクより御覧ください。
    STIHorizonLogoTop

    研究活動のデジタルトランスフォーメーション(DX)やオープンサイエンスに関連して、オープンアクセスやオープンデータなど、「研究の在り方」も変わりつつあります。こうした「研究の在り方」が、どのように、どの程度変わっているかを把握することもSTI政策立案の基礎的資料として重要です。

    本調査研究では、学術活動の中でのオープンデータ(オープンソースを含む)の利用状況を調査した既存調査を更新し、2023年までの状況を調査しました。また、既存調査で取り上げていた物理・情報系のプレプリントサーバarXivに加えて、生物系のbioRxiv、医学系のmedRxivも加えて調査を行いました。

    結果、Zenodoやfigshareなどのオープンデータ言及は増加傾向にはありますが、絶対数は依然として少ないこと、オープンソース利用の代理変数であるgithubの言及はarXivでは2割超でDOIの記載のある原稿数を越えている様子が改めて確認できました。
    また、bioRxivでもgithub言及原稿が2割程度、medRxivでも1.5割程度観測され、非情報系分野でもソースコードの利用が進んでいる状況が確認できました。

    詳細につきましては以下のリンクより御覧ください。

  • 要旨
  • 報告書全文
  • 科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、STI Horizon 2024秋号(Vol.10 No.3)の一部をweb先行公開(9月10日)しました。今回は以下の記事を掲載しています。

    ほらいずん
    ・ノーベル賞受賞者の主要研究、年齢等に関する分析

    ・ノーベル賞受賞における主要研究の被引用数に関する分析

    詳細については、以下のリンクより御覧ください。
    STIHorizonLogoTop

    本研究は、「博士人材追跡調査(JD-Pro)」2012年度修了者の1.5年度、3.5年後、6.5年後のコホート・データを用いて博士人材の職務満足度についての分析を実施しました。

    分析結果からは、研究との関わりの中でも、博士課程での研究と職務の関連度が大きく職務内容に対する満足度と収入に影響していることが確認されました。また就業セクターについては、民間企業で勤務している場合に年収が多い傾向がみられました。一方、雇用条件については任期付契約やパートタイム契約の場合に職務条件への満足度が低い傾向があったものの、統計的に顕著であったのは修了3.5年後のみでした。また学位取得は博士研究と職務の関連度を高めていたものの、取得時期の影響と収入や満足度との間には直接顕著な関連性が見られないといった分析結果となりました。

    詳細につきましては以下のリンクより御覧ください。

    ライブラリ博士課程修了者の職務満足度が高まる要因についての探索的研究

    NISTEP企業名辞書(以下、企業名辞書)及び企業名辞書と特許情報を統合し利用可能とする接続テーブルの更新をいたしました。

    ■NISTEP企業名辞書(ver.2024_1);
    特許出願の累積件数、株式上場、大学発ベンチャーなどの辞書登録基準に基づき、新たな企業の追加登録及び掲載企業情報の最新化を行った。
    これにより、企業名辞書(ver.2024_1)の総登録企業数は、31,129社となっている。

    ■特許情報との接続テーブル(ver.2024_1); 上記企業名辞書と特許情報(IIPパテントデータベース)との接続を行うテーブルの改訂を行った。この接続テーブルには名寄せ処理により生成した企業名辞書登録企業と特許出願企業とを接続する情報12,163,530件が含まれ、企業の全特許出願件数の9割以上を網羅している。

    企業名辞書その他関連ファイルのダウンロードは、こちらからお願いいたします。

     2010 年代に人工知能分野の国際会議における発表件数は急激に増加し、国・地域別の状況を見ると米国の発表件数が他国に比べ非常に多い中、一部の人工知能分野の国際会議において中国の発表件数が急速に増加している。
     本調査研究では、2023年5月に公表した「人工知能分野及びロボティクス分野の国際会議における国別発表件数の推移などに関する分析」(DISCUSSION PAPER No.222)において、人工知能分野の国別発表件数における中国の著しい増加傾向に着目し、その中で、特に中国の発表の増加が著しい米国人工知能会議(AAAI)に焦点をあてて分析を試みた。
     調査分析の結果、AAAI-20 の全発表数は 1589 件であり、その中で中華圏系の氏名と推定される筆頭著者の発表件数は 904 件となっており、全体の約 57%を占めていた。さらに、中華圏系の氏名と推定される筆頭著者904件を分析したところ、中国の606件(67.1%)、米国の189件(21.0%)、オーストラリアの31件(3.4%)、シンガポールの22件(2.4%)、英国の21件(2.4%)、台湾の11件(1.2%)、等となっており、中華圏系の氏名と推定される筆頭著者の約67%が中国の機関に所属し、約 33%が中国以外の機関に所属していた。
     また、中華圏系の氏名と推定される筆頭著者と共著者の分析に関しては、ⅰ) 大学と企業の共著が多くみられること、ⅱ)中華圏系の氏名と推定される筆頭著者の中には欧米豪等の大学等に所属しているものが多くおり、同時に中国の企業及び大学等との共著が見られることなどが分析された。
     一方、AAAI-20 での発表における日系の氏名と推定される筆頭著者に関して、ⅰ) 同じ組織内での共著が多いこと、ⅱ)大学同士、企業同士の共著が多く、大学と企業の共著が少ないこと、ⅲ)海外との共著が少ないことなどが分析された。

    詳細につきましては、以下のリンクより御覧ください。

    ライブラリ:米国人工知能会議(AAAI-20)の動向分析に関する調査研究―機関単位の筆頭著者の分析及び共著者との共著関係の分析―「DISCUSSION PAPER No.232」

    科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、STI Horizon 2024秋号(Vol.10 No.3)の一部をweb先行公開(8月26日)しました。今回は以下の記事を掲載しています。

    レポート
    ・既存企業とベンチャー企業を取り巻くイノベーション・エコシステムの状況
     -「民間企業の研究活動に関する調査2023」を用いた分析-

    詳細については、以下のリンクより御覧ください。
    STIHorizonLogoTop

     科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、研究開発を実施している我が国機関の基本的情報を収録する「NISTEP大学・公的機関名辞書」の作成、維持、公開に取り組んでいます。このたび、最新バージョンであるNISTEP大学・公的機関名辞書(Version 2024.1)を公表します。
     機関名辞書には、大学及び公的研究機関を中心に、研究活動を行っている我が国の約2万1千の機関(約1万6千の代表機関と約5千の主な下部組織)の情報を掲載しています。
    NISTEP大学・公的機関名辞書(Ver. 2024.1)では、掲載機関数がver.2023.2に比べて333機関(代表機関50、下部組織283)増加しました。また、全機関21,620のうち20,249機関(93.7%)に英語名が付けられています。

     

    • NISTEP大学・公的機関名辞書はこちらからダウンロードできます。
    • 大学・公的機関における研究開発に関するデータはこちらをご覧ください。

     本報告書では、研究室パネル調査にて検討した「我が国の研究力向上に向けた政策的インプリケーション、インセンティブ設計」のための分析の枠組みに基づき、日英独の大学の研究環境について比較を試みました。

     この比較を通じ、日本の大学の研究環境の改善や日本の研究力向上に向けた更なる分析のための示唆を得ることを目的としています。日本の状況については主に研究室パネル調査の結果を通じて把握し、英国・ドイツの状況については対象国で研究室の主宰経験をもつ日本人研究者や現地の研究支援部門へのインタビュー調査を通じて把握しました。

     その結果、教員の研究上の裁量・職務活動、研究資金、研究室メンバー及びマネジメント、研究機器・設備の活用等について、各国の特徴が明らかになりました。各国の特徴として把握された事項の比較を通じて、日本の特長を生かすためのヒントが得られました。

     詳細につきましては以下のリンクより御覧ください。

     ライブラリ https://doi.org/10.15108/dp231