調査研究成果公表

「15歳から69歳までの男女合計6,600人に対し、科学技術の進歩が健康状態、身の周りの安全、経済成長、脱炭素等の22のウェルビーイング分野の増進に繋がっているかどうかを尋ねた。その上で、繋がっているという回答割合が、回答者の属性、具体的には家族等の人間関係、健康維持への意識、就業環境等によりどのような影響を受けるかを調べた。調査の結果、例えば「父母、祖父母、きょうだいに子育てを気軽にお願いできる」との回答と「科学技術の進歩が子育てのしやすさの増進に繋がっていると思う」との回答の間に有意な正の相関があった。」

要旨

概要

全文

科学技術に関する国民意識調査 -人間関係等のウェルビーイングへの影響-

 

科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、研究開発を実施している我が国機関の基本的情報を収録する「NISTEP大学・公的機関名辞書」の作成、維持、公開に取り組んでいます。このたび、最新バージョンであるNISTEP大学・公的機関名辞書(Version 2023.2)を公表します。
機関名辞書には、大学及び公的研究機関を中心に、研究活動を行っている我が国の約2万1千の機関(約1万6千の代表機関と約5千の主な下部組織)の情報を掲載しています。
NISTEP大学・公的機関名辞書(Ver. 2023.2)では、掲載機関数がver.2023.1に比べて82機関(代表機関64、下部組織18)増加しました。また、全機関21,287のうち19,925機関(93.6%)に英語名が付けられています。

 

  • NISTEP大学・公的機関名辞書はこちらからダウンロードできます。
  • 大学・公的機関における研究開発に関するデータはこちらをご覧ください。

科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、「科学技術イノベーション政策における『政策のための科学』」推進事業の一環として、「データ・情報基盤の構築」を進めています。構築したデータ・情報基盤を活用促進する取り組みとして、科学技術イノベーション政策に資するデータ・情報に関する課題や問題点を検討しており、本報告書は、主に2019年度から2022年度における検討結果を取りまとめたものです。

「データ・情報基盤の構築」として、「科学技術・イノベーション白書」に記されたテキスト情報を検索できる「科学技術・イノベーション白書検索」を2019年11月に公開しました。また、科学技術基本計画などの政策文書を検索するシステムとして「科学技術基本政策文書検索」を2021年7月に公開しました。これらは科学技術に関する政策・施策の動向を調べる機能を備えた検索ツールであり、毎年更新しています。本報告では、これらを用いた分析を通して使用方法を紹介しています。一方、政府の事業レベルの予算については、内閣府から2016年5月に公開された「行政事業レビューに基づく科学技術関係予算」を用いて、事業レベル、担当する府省庁レベルで試行的に分析しました。

科学技術についての将来予測調査である「デルファイ調査」を検索する「デルファイ調査検索」システムを2013年9月に公開し、その後も改訂しています。この検索システムについても分析例を紹介しています。

「データ・情報基盤の活用」を促進する取り組みとして、NISTEPでは我が国の主要な研究ファンディング機関の専門家等による会合を「関係機関ネットワーク会合」として2013年度から2020年度まで開催してきました。相互に各機関の状況を紹介し、情報を共有するとともに、e-CSTIに関して内閣府から情報を提供していただきました。

詳細については、以下のリンクよりご覧ください。

ライブラリはこちらをご覧ください。
科学技術イノベーション政策の基礎となるデータ・情報基盤構築の進捗 ~構築した検索システムの紹介と試行的分析~

文部科学省科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、日本の研究者によるデータと論文の公開状況や認識を明らかにするために2016,2018,2020年に引き続き、2022年10-11月に科学技術専門家ネットワークを活用したウェブアンケート調査を実施しました。(有効回答1,237名(回答率73.9%))
 
その結果、公開データの入手経験は71.0%(823名)が有しており(2020年から1.3ポイント増加)、主な入手先は論文の補足資料(64.2%)、学術機関のリポジトリ(60.1%)、個人や研究室のウェブサイト(52.6%)でした。入手経験をもつ回答者のうち62.9%(518名)は入手に関して問題があると認識しており、主な問題はデータごとにフォーマットが異なること(44.8%)や、利用条件がよくわからないこと(42.1%)でした。
その他、助成機関等が要求しているデータマネジメントプラン(DMP)の作成経験や、研究データ公開に関する認識(インセンティブ、資源、図書館等へ依頼したい内容)などを伺った結果を掲載しています。

報告書の詳細については、以下のリンクより御覧ください。

ライブラリ https://doi.org/10.15108/rm335

科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、STI Horizon 2023冬号(Vol.9 No.4)を公開しました。
東北大学総長 大野 英男 氏インタビュー、Nature Architects 株式会社 代表取締役CEO 大嶋 泰介 氏インタビュー、東北大学 未踏スケールデータアナリティクスセンター 教授 Tokyo Artisan Intelligence 株式会社(大学発ベンチャー)代表取締役社長 中原 啓貴 氏インタビュー、株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所 東京リサーチ リサーチディレクター 一般社団法人 NeuroPiano 代表理事 古屋 晋一 氏インタビューなど、科学技術・イノベーション政策に資する情報を幅広く掲載しています。

詳細については、以下のリンクより御覧ください。
STIHorizonLogoTop

科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、地球環境の持続可能性への関心が高まっていること、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)大流行を契機として社会変化や人々の価値観変化等が起こっていることから、カーボンニュートラルをテーマに掲げて、北海道及び徳島県において地域ワークショップを開催し、2050年の未来社会像の検討を行いました。続いて、地域ワークショップで得られた未来社会像を実現するための科学技術や社会システム等について専門家による検討を行いました。

その結果、地域にとって望ましく、カーボンニュートラル実現にも寄与する未来社会像として、地産地消と地域の自立、自然資源活用と環境保全の両立、不自由のない移動、お金の循環を通じた価値創造などが挙げられました。一方、カーボンニュートラルの観点からの重要度と地域の観点からの重要度が合致しない未来社会像も見られました。
検討を通じ、地域がメインプレーヤーとなって新しい社会の在り方を主導する可能性が示唆されました。また、地域の視点から見たカーボンニュートラルの推進方策は、エネルギーミックスの最適化、循環経済の促進、交通手段の脱炭素化、森林保全などと整理されました。

 詳細につきましては以下のリンクより御覧ください。

ライブラリ http://doi.org/10.15108/rm334

 科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、「研究責任者を対象とした研究室・研究グループの研究活動の継続的な実態調査(研究室パネル調査)」を2020年度から実施しています。

 本報告書では、「我が国の研究力向上に向けた政策的インプリケーション、インセンティブ設計の提示」を目指し、1)研究室・研究グループの研究力にかかわる指標群の整理・提案、2)研究室・研究グループの特性と注目度の高い論文の産出との関係の分析を行いました。また、その前提として研究室パネル調査における研究力の定義、及び分析テーマ・問いの検討を行いました。

 研究室・研究グループの研究力にかかわる指標群は、先行研究やこれまでの調査結果等を踏まえ、1)教員の基本属性、2)研究室・研究グループのメンバー、3)研究室・研究グループの研究開発費、4)研究室・研究グループの研究環境、5)教員の価値観及び研究室・研究グループのマネジメントにかかわる指標群から構成されています。ただし、これらはあくまで案であり、今後の詳細分析の結果や関係者との議論等も踏まえ、適時、改善がなされることを想定しています。

 研究室・研究グループの特性と注目度の高い論文の産出との関係の分析からは、「Top10%論文の産出を目的とした政策等の検討を行う際には、その源泉となる環境面に着目すること」が重要であることが示唆されました。特に理工農分野では、①研究開発費と研究時間、②知的好奇心を重視しつつ研究に取り組むことのできる環境、③研究室・研究グループ内で最新の知識を共有しチームメンバーの研究能力を高めることが重要である可能性が示されました。なお、同分析は論文という限られた成果についての分析であるとともに、成果という限られたテーマに基づく分析です。今後は、論文以外の成果に関する分析や分析テーマ・問いの検討から得られた研究成果以外のテーマに基づく分析についても取り組む予定です。

詳細につきましては以下のリンクより御覧ください。

ライブラリ http://doi.org/10.15108/rm333

 科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、2021年度(調査資料320)に続き、近年諸外国で実施されたフォーサイトの動向調査を行いました。
文献調査及び専門家による講演を通じて13か国・国際機関(OECD、EU、米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、韓国、アラブ首長国連邦、英国、ドイツ、オランダ、フィンランド)の情報を収集し、政策立案に資するフォーサイトの要件について分析しました。
 その結果、法律等による実施義務付けなど制度的枠組みを設けている事例や、研修などを通じて政策担当者のフォーサイト能力向上を図っている事例が多く見られました。また、自国の政治システムに合わせてフォーサイトプロセスを設計する必要性が指摘されました。さらに、スキャニングにより変化の方向性を把握し、様々な未来シナリオを供することが有用とされました。

 詳細につきましては以下のリンクより御覧ください。

ライブラリ http://doi.org/10.15108/rm332

科学技術・学術政策研究所(NISTEP)が公開している「科学技術基本政策文書検索」について以下の通りデータを更新しました。

■「科学技術基本政策文書検索」のデータの更新
「統合イノベーション戦略2023」を追加

■「科学技術基本政策文書検索」へのアクセス方法:

以下のNISTEPのウェブサイト(SciREX関連公開データのページ)

https://www.nistep.go.jp/research-scisip-whitepaper-search

【参考】
■「科学技術基本政策文書検索」について
科学技術に関する基本政策は、科学技術基本法のもとに、科学技術基本計画等が策定され、推進されてきました。2020年には、同法が改正され、科学技術をイノベーションまで含めた、科学技術・イノベーション基本法となりました。これらの政策文書の相互の関連や、時系列的な動向を把握するために、NISTEPは、科学技術基本政策に関する以下の文書を収録し、検索できるシステムを令和3(2021)年7月に公開しました。なお、収録文書は以下の通りです。

【基本法】科学技術・イノベーション基本法 (科学技術基本法(1995年公布)が2021年に名称変更)

【関連法】イノベーション活性化法/ 研究開発力強化法(2018年)

【基本計画】科学技術・イノベーション基本計画/科学技術基本計画(1996年度から5年ごと)

【答申】科学技術会議の答申(1960年~1992年)

【戦略】統合イノベーション戦略 / 科学技術イノベーション総合戦略(2013年度から毎年)

検索機能については、以下の通りです。

○上記、収録文書がデータベース化され、 各年代の科学技術に関する政策や施策の動向を調べることができます。

○ キーワードだけでなく、類義語も併せて検索する「あいまい検索」や期間を指定して検索することもできます。

○ よく使われている語句を大きく表示する「キーワードマップ」の機能があります。

○ 注目するキーワードがどの年に多く出現しているかなど、白書への出現回数を知ることができます。

○ 注目するトピックの変遷がわかる機能があります。

 当研究所では、我が国の科学技術活動を客観的・定量的データに基づき、体系的に把握するための基礎資料として、科学技術指標を作成しています。このたび、2023年8月8日に公表した科学技術指標2023のHTML版を作成しました。
 科学技術指標で使用している表の全てがエクセルでダウンロードできます(統計集については公開済み)。
 詳細につきましては、以下のリンクより御覧ください。

科学技術指標2023(HTML版)

 

科学技術指標の詳細はこちら

NISTEPでは、フランス国立資格調査研究所(Cereq)で2020年まで博士人材調査のプロジェクトリーダーを務めていたジュリアン・カルマン博士をお招きし、フランスと日本の博士の就業状況、特に産業界に就職する博士人材の動向について御講演いただきました。

詳細につきましては、以下のリンクより御覧ください。

産業界の雇用に向けた博士学生のトレーニング:日本とフランスの2つの事例から

 

本研究では、「令和4年度 博士(後期)課程1年次における進路意識と経済的支援に関する調査」の調査結果に基づき、令和4年度における博士(後期)課程1年次学生の進路意識と経済的支援の状況を明らかにしました。

本研究では標記調査の回答データを[非社留:社会人学生でも留学生でもない学生][社学生:社会人留学生を除く社会人学生][留学生:社会人留学生を含む留学生]に区分し、集計しました。進路意識に関しては、3種のいずれの区分でも人文、社会、教育分野において博士課程修了後に希望する就職先・専門職として「大学・教育機関」の割合が最も高くなっていました。一方で工学分野の[非社留][社学生]においては、修了後に希望する就職先として「民間企業」が「大学・教育機関」を上回り、最大の割合を占めていました。また、総じて[留学生]では、教育研究職を志向する割合が、[非社留][社学生]に比べて高くなっていました。

標記調査においては、経済状況および経済的支援の状況に関して「TA収入」「RA収入」「アルバイト・副業収入」「授業料の減免額」「給付型の経済的支援」「貸与型の経済的支援」および「(在職している社会人学生の場合の)雇用先からの収入」を尋ねました。その回答データに基づき各種の収入や授業料減免を含む経済的支援の該当割合、該当した場合の年間受給額の中央値を掛け合わせることで期待値相当額を算出しました。この期待値相当額を[非社留][社学生][留学生]の区分別に見ると、顕著な違いを確認できました。

博士(後期)課程1年次学生の中でも[非社留][社学生][留学生]の3つの区分によって、進路意識や経済的支援の状況は大きく異なっています。本研究から、各区分に適した政策や支援が求められることを改めて確認できました。

 

詳細については、以下のリンクよりご覧ください。

要旨

概要

報告書全文

ライブラリはこちらをご覧ください。

博士(後期)課程1年次における進路意識と経済的支援状況に関する調査-令和4年度(2022年12月~2023年1月)実施調査-

 

科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、STI Horizon 2023秋号(Vol.9 No.3)を公開しました。
東京大学大学院理学系研究科 教授 菅 裕明 氏インタビュー、国立研究開発法人 防災科学技術研究所 主任研究員 久保田 達矢 氏インタビュー、東京農工大学 グローバルイノベーション研究院テニュアトラック 准教授 津川 裕司 氏インタビューを幅広く掲載しています。

詳細については、以下のリンクより御覧ください。
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