調査研究成果公表

科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、STI Horizon誌2021春号(Vol.7 No.1)の一部をweb先行公開(2月25日)しました。今回は以下の記事を掲載しています。

ほらいずん
・抗ウイルス材料・表面に関する科学技術の最近の動向

詳細については、以下のリンクより御覧ください。
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 本報告書では、 1990年以降に出版された日本の著者による学術論文(約230万件)と日本特許庁に対する出願特許(約1200万件)のタイトル・要旨のテキストデータを用いて、科学(論文)と技術(特許)の相互連関関係について分析を行いました。
 その結果、1990年代、2000年代、2010年代と時代が新しくなるにつれて、論文の近傍特許数は減少し、特許の近傍論文数は上昇するトレンドが見られました。全体として、科学的なフロンティアの拡大が先に進み、技術的な進展が科学的な知見が多い分野をフォローする動きを表していると解釈できます。
 特許の非特許(論文)引用情報から、科学集約度の高い技術領域の抽出は行われてきているものの、このアプローチによって、この科学→技術の関係に加えて、技術→科学(技術応用可能性が高い論文の学術領域の特定)の双方向の連関分析が可能となることを示しています。

詳細については以下のリンクより御覧ください。
ライブラリ:論文・特許のテキストデータを使った 科学と技術の連関分析[DISCUSSION PAPER No.192]

大学において、産業界との連携が基礎研究をどのように影響して変化させるのかということに関連して、大学研究者による特許出願への関与と発表論文数との間にどのような関係があるのかという形で、これまで主に欧米各国の大学研究者を対象に多くの実証研究が行われており、両者の間には代替的というよりはむしろ補完的な関係があるとする分析結果もありました。そこで、本論文では、大学研究者による論文産出と特許出願経験との関係を、我が国有数の理工系研究大学の一つであって研究者に関する公開情報が利用可能である東京工業大学の研究者からなるサンプルを用いて分析し、累積的な出願経験数と論文数との長期的な関係が一定程度補完的なものであることなどが示唆されました。

詳細については以下のリンクより御覧ください。
ライブラリ:特許発明の奨励は大学の基礎研究を阻害するのか?[DISCUSSION PAPER No.191]

科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、博士人材の活躍状況を把握するため、博士人材データベース(JGRAD)を構築・運営しています。2020年3月から5月にかけて、博士人材データベースの登録者(博士課程在籍者および博士課程修了者等)に対して「教育プログラムへの満足度等に関する調査」のウェブアンケート調査を行いました。このウェブアンケート調査の結果を調査資料として公表いたします。

 

[結果概要]

  • 博士課程プログラム(専門分野)に関する8つの側面の満足度を6拓の択一式で尋ねた結果[とても満足している]と[まあ満足している]の合計割合が最も高かったのは、博士課程在籍者と博士課程修了者等の双方ともに「得られた研究への態度・考え方」であった。
  • 博士課程プログラム(専門分野)に関する8つの側面の満足度を6拓の択一式で尋ねた結果[とても満足している]と[まあ満足している]の合計割合が最も低かったのは、博士課程在籍者と博士課程修了者等の双方ともに「経済的支援」であった。
  • 「博士課程教育リーディングプログラム」または「卓越大学院プログラム」の該当者は非該当者に比べて、博士課程プログラム(専門分野)に関する「経済的支援」の満足の割合が有意に高かった。

 

報告書の詳細については、以下のリンクより御覧ください。
ライブラリ:博士課程の教育プログラムへの満足度等に関する調査-2020年における博士人材データベース(JGRAD)ウェブアンケート調査- [調査資料-302]

 近年、プレプリント(学術雑誌に投稿する予定の査読・出版前の論⽂草稿)を公開する動きが分野を問わず拡がっており、特に2020年は、COVID-19に関する研究成果を中⼼とした利活⽤が急増しています。
 そこで、科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、今後の学術情報流通政策に資するために、2020年8⽉から9⽉にかけて⽇本の研究者によるプレプリントの利活⽤の状況と認識に関するオンライン調査を実施しました。
 対象は科学技術予測センターが運営する科学技術専⾨家ネットワーク(2000人規模)で、1,914名中1,448名からの回答を得ました(回答率75.7%)。
 その結果、プレプリントの⼊⼿経験は52.1%、公開経験は20.4%が有していました。⼊⼿、公開のいずれも若年層ほど⽐率が⾼く、所属機関や分野による差がみられました。プレプリントの公開理由は、研究成果の認知や先取権確保の⽐率が⾼く、採⽤や昇進に関わるものも認められました。プレプリントを公開したいと思わない理由は、査読誌への投稿優先などの⽐率が⾼いことが分かりました。

報告書の詳細については、以下のリンクより御覧ください。
ライブラリ:プレプリントの利活⽤と認識に関する調査[調査資料-301]

科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、STI Horizon誌2020冬号(Vol.6 No.4)を公開しました。
理化学研究所理事長 松本 紘氏の特別インタビュー、ナイスステップな研究者インタビュー、歴代「ナイスステップな研究者」鼎談(ていだん)、第11 回科学技術予測調査デルファイ調査における分野別分科会の座長インタビューの連載など、科学技術・イノベーション政策に資する情報を幅広く掲載しています。

詳細については、以下のリンクより御覧ください。
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科学技術・学術政策研究所は、2017~2019年に「第11回科学技術予測調査」を実施し、この中で702の科学技術トピック(実現が期待される研究開発課題)の実現見通し等に関する調査(デルファイ調査)を実施しました。さらに2019年9月から、日本及びフィンランドの両国において今後重要となる分野として、特にサーキュラーエコノミーを対象として、ビジネスフィンランドとの共同研究を開始しました。

具体的には、NISTEPにて実施済の第11回科学技術予測調査に用いた702の科学技術トピックのうち、まずフィンランド側でサーキュラーエコノミーに関する161トピックを選択しました。これら161トピックについてフィンランドでデルファイ調査及び専門家ヒアリングを実施し、その結果を日本の第11回科学技術予測調査のデータと比較することで、サーキュラーエコノミーに関連したトピックについて両国間の違いを明らかにしました。結果の一例は以下のとおりです。

•各科学技術トピックの国際競争力と重要性の傾向は、日本とフィンランドでは真逆の相関関係がみられた。
•例えば、農業、都市や環境に関する大部分のトピックは日本と比較してフィンランドの方が早期実現すると予想したが、他方、ICTと材料科学の多くのトピックは日本の方が早期実現すると予想した。

今後はデルファイ調査の結果も踏まえたシナリオを引き続き検討します。なお本報告書は、ビジネスフィンランド発行の英語報告書(2020.6)を和訳し、一部補足を加えたものです。

詳細につきましては以下のリンクより御覧ください。
ライブラリ:将来のサーキュラーエコノミー社会のためのフォーサイト~日本-フィンランド共同プロジェクト~[調査資料-300]

科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、STI Horizon誌2020冬号(Vol.6 No.4)の一部をweb先行公開(11月25日)しました。今回は以下の記事を掲載しています。

ナイスステップな研究者から見た変化の新潮流
・九州大学 大学院工学研究院 応用化学部門 准教授/
 国立研究開発法人 科学技術振興機構 さきがけ研究者 楊井 伸浩氏インタビュー
 -自ら厳しい挑戦を課し、自らのサイエンスを追求し、実現させた異分野融合の背景を追う-

詳細については、以下のリンクより御覧ください。
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科学技術・学術政策研究所は、2017~2019年に「第11回科学技術予測調査」を実施し、この中で702の科学技術トピック(実現が期待される研究開発課題)の実現見通し等に関する調査(デルファイ調査)を実施しました。
新型コロナウイルス感染症の世界的大流行が科学技術の進展に影響する可能性があることから、コロナ禍を経た科学技術の中長期発展に関する専門家の認識の変化について調査を実施しました。

その結果、第11回科学技術予測調査において早い実現が予測されたトピックはより早く実現、遅い実現が予測されたトピックはより遅く実現するとの認識が明らかになりました。実現が早まると予測されたのは、仕事や働き方、健康危機管理に関するトピックなどでした。一方、実現が遅れると予測されたのは、宇宙や深海、エネルギー変換に関するトピックなどでした。また、仕事や働き方など生活に関するトピックや健康危機管理に関するトピックの重要度が高まりました。

詳細については、以下のリンクより御覧ください。
コロナ禍を経た科学技術の未来(速報版)

[訂正]2021年2月10日(水)
当該資料の「第11調査結果」の年の表示に誤りがありましたので、以下のとおり訂正してお詫びいたします。
「社会的実現年」を示すところ、一部、「科学技術的実現年」が示されていた等の原因によるものです。
なお、早まる・遅れる等の結果の年については修正ありません。

正誤内容

p12
(上から順に)
(正)2030 (誤)2028
(正)2030 (誤)2028
(正)2031 (誤)2029
(正)2030 (誤)2027
(正)2029 (誤)2026
(正)2032 (誤)2028
(正)2030 (誤)2029
(正)2029 (誤)2027
(正)2031 (誤)2030
(正)2027 (誤)2025

p19
右表(最下段)
(正)2048 (誤)2045

p22
左表(上から順に)
(正)2030 (誤)2031
(正)2030 (誤)2029
(正)2030 (誤)2031

p23
左表中段
(正)2027 (誤)2029
左表下段
(正)2030 (誤)2031

 当研究所では、我が国の科学技術活動を客観的・定量的データに基づき、体系的に把握するための基礎資料として、科学技術指標を作成しています。このたび、2020年8月7日に公表した科学技術指標2020のHTML版を作成しました。
 科学技術指標で使用している表の全てがエクセルでダウンロードできます(統計集については公開済み)。
 詳細につきましては、以下のリンクより御覧ください。

科学技術指標2020(HTML版)

 

科学技術指標の詳細はこちら

 科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、研究に関する評価指標開発を目的とし、知識源の新結合に着目した、引用文献の組合せ(類似度)により測定される新規性指標の提案を試みました。併せて、日本の機関に所属する研究者の論文を対象としたサーベイ調査の結果を用いて、本研究で提案する新規性指標が、どのような研究の新規性を測っているのか、validation分析も実施しました。
 その結果、本研究で提案した新規性指標は、自然科学系の分野のさまざまな研究成果の類型において、研究者が判定する研究の新規性を反映するものであることがわかり、研究者による研究の新規性を計測するための代理変数として有用であることが伺えました。

 詳細につきましては以下のリンクより御覧ください。

ライブラリ:知識結合に基づく新規性評価に関する研究[DISCUSSION PAPER-190]

科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、プレプリントを⽤いたエマージングな研究動向の把握⼿法開発を念頭に、arXiv や medRxiv など主要なプレプリントサーバにおける COVID-19 に関する⽂献リストを対象として、COVID-19 に関する研究の概況把握を試み、2020年6⽉30⽇に Discussion Paper として公表しました。

しかしながら、COVID-19 についてはその後も状況の変化が激しいため、今回 補遺として 2020年9⽉末 時点までのデータを追加し、同様の分析を⾏いました。加えて新たに国・地域ごとの特徴の把握も試みました。

結果、今回調査したプレプリントサーバの範囲においては、

  1. 前回調査の終点である5⽉末ごろをピークとして投稿数が減少していること
  2. トピック⾃体は変化していないこと
  3. トピックの⽐重は徐々に社会経済・公衆衛⽣等にシフトしてきていること

などが分かりました。

また、新たに追加した国・地域の分析においては、5⽉以降は中国に代わって⽶国の投稿数が伸びていることが確認されました。

詳細につきましては以下のリンクより御覧ください。

ライブラリ:COVID-19 / SARS-CoV-2 関連のプレプリントを用いた研究動向の試行的分析[DISCUSSION PAPER No.186]

科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、第11回科学技術予測調査結果を踏まえ、科学技術イノベーション政策関連のシンクタンクと連携して研究開発領域の抽出を行いました。
具体的には、NISTEP、科学技術振興機構研究開発戦略センター(JST/CRDS)、新エネルギー・産業技術総合開発機構技術戦略研究センター(NEDO/TSC)の3機関がそれぞれの調査研究結果を持ち寄り、共通して重要と考える領域とその社会実装に向けた課題についてワークショップ形式で検討しました。

その結果、今後推進すべき重要科学技術領域として以下の4領域が抽出されました。
・持続的な経済と人間を守る、全脳AIを搭載した人間調和型ロボット
・日本のものづくりをリードする、先進的計測とシミュレーション
・個別医療・先制医療を浸透させる先進技術とプラットフォーム
・災害への備えから復興までを支える観測・予測と材料科学技術

詳細につきましては以下のリンクより御覧ください。

ライブラリ:科学技術イノベーション政策関連シンクタンクの専門家ワークショップによる研究開発領域抽出[調査資料-299]