お知らせ

 科学技術・学術政策研究所では、社会における博士人材の活躍状況を幅広く把握するため博士人材データベース(JGRAD:Japan Graduates Database)を運営しています。2020年5月、博士人材データベースに登録している博士課程在籍者および博士課程修了者(退学者含む)に対して「新型コロナウイルス流行の研究活動への影響等に関する調査」を行いました。当該調査の主な結果を速報として、お知らせいたします。

 調査時点において「新型コロナウイルスの流行が既に研究活動に影響を及ぼしている」と回答した割合は、博士課程在籍者では85%、博士課程修了者・退学者では79%でした。また、本調査では「新型コロナウイルスの流行による研究活動への影響」を9種の活動の項目別に尋ねました。その結果、「該当し、研究活動に大きな支障が出ている」の回答割合は「研究活動に利用している建物・研究室、設備(実験機器)等の利用停止」が最も高く、次いで「学会、シンポジウム、ワークショップ等の中止・延期」でした。

 また、新型コロナウイルス流行によって「博士の取得が既に遅れる予定だ(あるいはすでに遅れた)」と回答した博士課程在籍者の割合は6%、「博士の取得が遅れる可能性がある」と回答した割合は30%でした。

速報の内容については、以下のリンクより御覧ください。

  • 報道発表(速報)
  • 別添1:調査結果(択一式)一覧
  • 別添2:調査回答者の基本属性・博士人材データベースの参加大学一覧
  • ※報告書(確報)につきましては、科学技術・学術政策研究所ウェブサイト(https://www.nistep.go.jp/)上に2020年8月頃に掲載予定です。将来的にそちらから報告書(確報)の電子媒体が入手可能となります。

     科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、2005年より毎年、科学技術イノベーションの様々な分野において活躍され、日本に元気を与えてくれる方々を「ナイスステップな研究者」として選定しています。
     過去に選定された方の中には、その後ノーベル賞を受賞された山中伸弥教授(京都大学、平成18年)及び天野浩教授(名城大学、平成21年)も含まれています。(※所属等はいずれも当時)

     2019年12月に選定した「ナイスステップな研究者2019」では、今後活躍が期待される30 代~40 代の若手研究者(平均年齢37 歳)を中心に、衛星データの農業への利用や宇宙と医学、AIとライフサイエンスの融合といった分野横断的な研究、新材料や新薬の開発に繋がる基礎的な研究、大学発ベンチャーの創業といった多岐にわたる分野において、研究活動のみならず様々な形で国内外へ広く成果を還元されている方を選定しています。

     7月15日の講演会では、「ナイスステップな研究者2019」のうち3名から、優れた研究活動や、特色のある取組などについて御紹介いただきます。全3回のシリーズで開催する予定です。今回の開催は、事前に登録された方への限定公開という形でYouTubeでライブ配信を行う予定です。皆様の御参加をお待ちしております。

    開催概要
    • 視聴方法:YouTubeでライブ配信
    • 言語:日本語
    • 定員:なし
    • 登録方法:登録を締め切りました。 

    ナイスステップな研究者2019パネル(全体)

    講演会スケジュール(1講演は質疑含め45分程度)
    ●第1回:7月15日(水)
    14:00- 開会挨拶 所長
    14:05- 宇井 吉美 株式会社aba代表取締役
    介護者負担の軽減を目指しAIにより予測を用いた「排泄」ケアシステムの開発
    15:00- 川上 英良 千葉大学大学院医学研究院人工知能(Al)医学教授/千葉大学治療学人工知能(Al)研究センターセンター長/理化学研究所医科学イノベーションハブ推進プログラム 健康医療データ数理推諭チームチームリーダー
    越境するサイエンス
    15:55- 楊井 伸浩 九州大学大学院工学研究院応用化学部門准教授/国立研究開発法人科学技術振興機構さきがけ研究者
    光機能性材料でエネルギー、バイオ分野に革新を:アップコンバージョンと超核偏極
    16:40頃 閉会挨拶 総務研究官
    登録フォーム(登録されたアドレスに限定公開のURLをお送りいたします)

    ※登録を締め切りました。 

    科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、STI Horizon誌2020秋号(Vol.6 No.3)の一部をweb先行公開(6月25日)しました。今回は以下の記事を掲載しています。

    レポート
    ・システム思考の科学技術イノベーション(STI)政策(後編)
     システム思考の政策分析による論点整理の方法-第5期科学技術基本計画を素材として-

    詳細については、以下のリンクより御覧ください。
    STIHorizonLogoTop

    科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、STI Horizon誌2020夏号(Vol.6 No.2)を公開しました。
    トヨタ自動車株式会社 代表取締役会長 内山田竹志氏や東京大学 先端科学技術研究センター 太田禎生 准教授のインタビューなど、
    科学技術・イノベーション政策に資する情報を幅広く掲載しています。

    詳細については、以下のリンクより御覧ください。
    STIHorizonLogoTop

    科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、日本が生み出す論文数が停滞している要因を明らかにするために、日本の大学を対象に1980年代からの論文数、研究者数、研究開発費の長期マクロデータを整備し、過去、日本の論文数が増加している時期も含めて重回帰分析及び要因分析を行った結果を2020年4月3日にDiscussion Paperとして公表しました。

    今回、Discussion Paperの補遺として、論文数の停滞の主な要因と考えられる、研究専従換算係数を考慮した教員数や博士課程在籍者数、原材料費に注目し、主に停滞からの回復を念頭においた3つのシナリオについて推計を行った結果を公表します。

    現状の変化が継続した場合、日本の理工農分野の大学の論文数は減少する可能性がありますが、総合科学技術・イノベーション会議による「研究力強化・若手研究者支援総合パッケージ」(令和2年1月23日)に掲げられている「学内事務等の割合を半減し、研究時間を確保」との目標を達成した場合、整数カウントの論文数が5~8千件増加する可能性が示唆されました。

    なお、本補遺の結果は、さまざまな仮定や留意点の下で行った、資源配分のエビデンスや将来予測として用いる段階に至らない発展途上の結果です。分析に用いたデータも含めて公表することで、建設的な議論が進展することを期待しています。

    報告書の詳細については、以下のリンクより御覧ください。本調査研究で用いたデータについても、参考資料として公表します。

    ライブラリ:長期のインプット・アウトプットマクロデータを用いた日本の大学の論文生産の分析[DISCUSSION PAPER No.180]

    文部科学省科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、「民間企業の研究活動に関する調査」の2019年度調査結果を取りまとめました。研究開発の内訳では、短期的な研究開発の割合が大きいことが示されました。人工知能(AI)技術や“Society 5.0”の実現のための技術の研究開発を実施する企業の割合は約30%でした。政府調達を通じた研究開発支援を受けた企業の割合は、2017年度までの1~2%程度から2018年度には6.1%へと著しく増加しました。研究開発者の採用では、中途採用を行った企業の割合が著しく増加し、これまでにない高い割合となっています。

    詳細につきましては、以下のリンクより御覧ください。
    ライブラリ:「民間企業の研究活動に関する調査報告2019」[NISTEP REPORT No.186]

    科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、国連で示された「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に資すると考えられる将来の科学技術の探索を目指し、2019年に実施した第11回科学技術予測調査の科学技術トピック(全702件)を対象に、自然言語処理を用いてSDGsとの関連付けを行い、関連度80%以上の科学技術トピック150件を抽出しました。

    それらのうち、国連が掲げるSDGsの達成年の2030年までに日本社会で利用・普及し、かつ日本にとって重要度と国際競争力が高い科学技術は、モビリティ(高齢者等支援を含む)・サービスコンテンツの共用・平時から緊急時までの情報技術・情報セキュリティ・社会基盤施設モニタリング・新しい製造技術の超精密プロセス技術と考えられます。なお、NISTEPが2020年6月18日に公表した「民間企業の研究活動に関する調査2019」では、SGDsへの対応のための研究開発を実施した企業の割合は21.1%であり、このうち、製造業とサービス業は同程度の割合と示されています。このように、SDGsに資する科学技術は日本の強みとなる可能性があります。

    さらに、新型コロナウイルス感染症対策である「新しい生活様式」に関連する科学技術をSDGsに関連度の高い科学技術から探索したところ、行動記録・電子決済・室内換気・オンライン会議・テレワークに関する科学技術が抽出されました。いずれも、2019年調査時点では、重要度、国際競争力は共に中程度、日本社会での実現は2030年前後と予想されていましたが、今後のニーズの高まりにより実現年は大幅に早まる可能性があります。

    詳細につきましては以下のリンクより御覧ください。
    ライブラリ:
    SDGsの達成に資すると考えられる将来の科学技術の試行的探索 [DISCUSSION PAPER No. 184]

    科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、「第11回科学技術予測調査」を実施しました。本調査は、「社会の未来像(ワークショップ報告)」検討と「科学技術の未来像」の検討を基に、「科学技術発展による社会の未来像」を描く調査です。この度、「第11回科学技術予測調査 S&T Foresight 2019 総合報告書」(2019年11月公表)に続き、各論報告書を作成しました。

    詳細につきましては以下のリンクより御覧ください。

    第11回科学技術予測調査 2050年の未来につなぐクローズアップ科学技術領域-AI関連技術とエキスパートジャッジの組み合わせによる抽出・分析-[調査資料-290]
      702の科学技術トピックをAI関連技術によりクラスタリング、専門家の検討を経て、16のクローズアップ科学技術領域を抽出しました。デルファイ調査アンケート結果を基に領域概要を取りまとめました。
    第11回科学技術予測調査 科学技術の発展による2040年の社会-基本シナリオの検討-[調査資料-291]
      社会の未来像(50の社会像)と科学技術の未来像(702の科学技術トピック)を基に科学技術の発展による社会の未来像を検討し、基本シナリオ「人間性の再興・再考による柔軟な社会」を取りまとめました。
    第11回科学技術予測調査 デルファイ調査[調査資料-292]
      2050年までを見通して、7分野計702の科学技術トピック(実現が期待される研究開発課題)を設定しました。その重要度や実現見通しなどに関する専門家アンケートを実施し、結果を取りまとめました。
    第11回科学技術予測調査 科学技術や社会のトレンド把握[Discussion Paper No. 183]
      検討に先立ち、科学技術や社会のトレンド情報を収集しました。

    デルファイ調査の科学技術トピックの検索やデータのダウンロードはこちら

    ※1971年から2019年まで11回のデルファイ調査のトピック等が参照できます。

    科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、研究開発を実施している我が国機関の基本的情報を収録する「NISTEP大学・公的機関名辞書」の作成、維持、公開に取り組んでいます。このたび、最新バージョンであるNISTEP大学・公的機関名辞書(Version 2020.1)を公表します。

    機関名辞書には、大学及び公的研究機関を中心に、研究活動を行っている我が国の約2万機関(約1万6千の機関とその主な下部組織)の情報を掲載しています。

    NISTEP大学・公的機関名辞書(Ver. 2020.1)では、掲載機関数がVer.2019.1に比べて267機関(代表機関138、下部組織129)増加しました。また、機関の英語名の大幅な追加を行い、全機関19,824のうち18,215機関(91.9%)に英語名が付けられています。

    NISTEP大学・公的機関名辞書(Ver. 2020.1)

    こちらからダウンロードできます。

    科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、STI Horizon誌2020夏号(Vol.6 No.2)の一部をweb先行公開(6月8日分)しました。今回は以下の記事を掲載しています。

    レポート
    ・特許文書情報を対象としたコンテンツ分析の手法と出願人タイプ別特性比較

    詳細については、以下のリンクより御覧ください。
    STIHorizonLogoTop

    NISTEPは、社会における博士人材の活躍状況を幅広く把握するため、博士課程修了者の属性や、修了後の継時的なキャリアを追跡する情報基盤として、博士人材データベース(JGRAD: Japan Graduates Database)の構築を進めています。

    「平成31年度大学教育再生戦略推進費 卓越大学院プログラム 公募要領(平成31年2月 文部科学省)」において、採択された大学はJGRADに協力することと示されていることを受け、2月19日の平成31年度「卓越大学院プログラム」公募説明会において、JGRADと相談窓口を御案内しております。
    説明会配布資料は以下よりダウンロードいただけます。
    卓越大学院プログラム公募・申請関係データ(日本学術振興会ウェブサイト)

    NISTEPでは上記プログラムの採択大学に限らず、JGRAD参加大学を継続的に募集しております。参加大学は、自大学登録者の登録データの利用ができるほか自大学登録者に対しアンケート調査を実施することも可能となっております。参加を検討されている大学は、以下の資料を御参考にしていただければと存じます。

  • 相談窓口等の御案内
  • JGRADについて(2019年6月更新)
  • JGRADパンフレット
  • 不明な点等ありましたら、以下までお問い合わせ下さい。

    科学技術・学術政策研究所 第1調査研究グループ
    メール:jgrad-info(at)hr2.nistep.go.jp
    電話:03-3581-2395(担当:星野、齋藤)

     近年、大学院博士課程への進学者数は減少傾向にあり、優秀な学生の進学を促す経済的支援が求められています。また、支援の効果に関する全体像の分析が重要となっています。
     本調査では、制度の異なる経済的支援(給付型、貸与型等)の効果を比較するため、科学技術・学術政策研究所が運用する博士人材データベース (Japan Graduates Database: JGRAD) の登録情報の分析を行いました。
     博士課程在籍年数、中退率、修了後の職業選択等を指標として、試行的分析を行ったところ、博士課程在籍期間については、分析した全ての経済的支援制度で、平均在籍期間の短縮が見られました。中退率については、学費の免除を受けていない者が特に高い数値を示しました。修了後のキャリアパスについては、博士課程教育リーディングプログラム参加者で特に多様化が見られました。

    詳細につきましては以下のリンクより御覧ください。
    ライブラリ:博士人材データベース(JGRAD)の登録情報を用いた博士課程の経済的支援の効果に関する試行的分析[DISCUSSION PAPER No. 182]

     大阪大学キャリアセンターと文部科学省科学技術・学術政策研究所(NISTEP)は、連携協力に関する覚書を令和2年5月22日に締結しました。
     この覚書は、博士人材の情報基盤プラットフォーム*の運用及びこれを活用した調査研究を行ってきたNISTEPと、このプラットフォームに当初から参加し、大学院でのキャリア教育に高い実績を有する大阪大学が相互に連携・協力することで、博士人材のキャリアパスの実態把握及び博士人材の多様なキャリアパス構築に繋げていく、実証的調査研究等の枠組みとなるものです。
     今後は、大学院における効果的なキャリア教育・支援施策に関する調査研究の実施、博士人材の多様なキャリアパス展開に係る実証的調査研究の実施などの具体化に向けて検討を進めて参ります。

    *NISTEPが2014年より整備を進めている博士人材データベース(JGRAD)。社会における博士人材の活躍状況を幅広く把握するため、修了後のキャリア情報等を収集している。(JGRAD: http://jgrad.nistep.go.jp/home.html)

    報道発表資料はこちらこちらを御覧ください。