科学技術・学術政策研究所では、科学技術の専門家から動向や見解等を収集するため、2,000人規模の専門家ネットワークを構築・運営しています。2020年6月、専門家ネットワークに対して「新型コロナウイルス感染症等による日本の科学技術への影響と科学者・技術者の貢献に関するアンケート調査」を行いました。この度、本調査の主な結果を速報としてお知らせいたします。
本調査では、新型コロナウイルス感染症のパンデミックによる科学技術全体への影響から、感染症対策に資する個々の科学技術、研究現場での実態や課題まで幅広く、専門家の意見を聴取しました。この結果、日本の科学技術への影響として「直接的・間接的に影響を受ける」、「研究開発活動の在り方が変化する」、「新しい科学的な発見や発明、イノベーションが起こるきっかけとなる」と回答した割合が高いことが明らかになりました(それぞれ54%、39%、32%)。
新型コロナウイルス感染症のパンデミックからの教訓や反省を踏まえた、今後の科学技術政策の方向性としては、「国家的危機の克服と社会経済回復への貢献」と回答した割合が最も高く(35%)、次いで「基礎科学研究の長期的視点での着実な推進」(28%)、「共通基盤の充実、産学官等の連携推進」(26%)となりました。さらに、新型コロナウイルス感染症を含む新興感染症の対策に向けて重視すべき政策として「幅広い分野での研究者や技術者の育成・確保」と回答した割合が49%で最も高く、「研究開発事業の拡充・多様化」(43%)、「国内連携・協力」(例:研究データの収集・共有・利活用システム)(34%)との回答も多いことが明らかになりました。
速報の内容については、以下のリンクより御覧ください。
新型コロナウイルス感染症等による日本の科学技術への影響と科学者・技術者の貢献に関するアンケート調査(速報)