調査研究成果公表

科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、SciREX事業の一環としてデータ・情報基盤の整備に取り組んでいます。このたび、科学論文のデータベース、Web of Science Core Collection (WoSCC)の論文IDとNISTEP大学・公的機関名辞書の機関ID(NID)の対応テーブルを更新しました。
本対応テーブルは、1996-2022年の期間にWoSCCに採録された論文のうち、日本の機関に所属する著者を含む論文のデータ(約213万件)を対象に、国内機関の機関名称の名寄せを行った結果です。これにより、WoSCCデータベース中の日本の機関名表記の揺れを吸収した検索、分析が可能です。
詳細については、以下のリンクより御覧ください。
 

  • WoSCC-NISTEP大学・公的機関名辞書対応テーブルはこちらからダウンロードできます。
  • 大学・公的機関における研究開発に関するデータはこちらをご覧ください。

本研究では基幹統計調査「賃金構造基本統計調査」の調査票情報を用いて、我が国において非正規雇用と賃金の関係性が産業の知識集積性によってどのように異なるかを分析しました。

分析の結果、知識集積性の高い産業ほど、非正規労働者と正規労働者との賃金ギャップが大きくなることを明らかにしました。非正規労働者は、流動的な雇用であるため組織内の知識集積に寄与しづらく、このような特徴が賃金ギャップにも反映されたと考えられます。

詳細については、以下を御覧ください。

ライブラリ:労働の柔軟性,イノベーション・レジーム, 及び日本モデルの後退: 『賃金構造基本統計調査』を用いた実証分析[DISCUSSION PAPER No.229]

本報告書では、地域における科学技術の資源と活動の現状を把握するため、①企業、②非営利団体・公的機関、③大学、④自治体(科学技術関連予算)、⑤科学研究費助成事業(科研費)、⑥産学連携、⑦特許、⑧論文の8つの項目に着目し分析しました。その結果、地域の状況は、人口や企業が集積している大都市圏において科学技術に関連する項目の数値が高く、地域イノベーションのポテンシャルが高いと言えること、研究開発費や人材の資源配分において地域間格差が拡大しているとは言いきれないが、企業や大学などが集積している東京圏をはじめとした3大都市圏において資源配分は集中・固定しているという状況が確認されました。

詳細については、以下のリンクより御覧ください。

ライブラリ:地域科学技術指標2021[調査資料No.339]

科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、これまで実施してきた科学技術予測の調査手法を基に、我が国が目指す2050年カーボンニュートラル実現のために注力すべき基盤的な科学技術トピックと関連する社会トピックを抽出し、専門家へのアンケートとヒアリングによって将来を展望する予測調査を実施しました。

その結果、蓄電池・燃料電池、光触媒・炭素再資源化、マテリアルフローなどの科学技術トピック群は、重要度、国際競争力が共に高いと評価され、いずれも2035年以降の社会的実現が見込まれました。そしてその社会実装においては、中長期にわたる持続的な研究開発と、研究開発段階から社会実装を指向したシステム開発、関連する社会・経済システムの構築、国際展開を見据えた戦略的推進が効果的であるとされました。また、サービス工学とサービスデザインの寄与、政府には省庁間ならびに民間との連携、市民の行動変容の可能性を把握する必要性などが指摘されました。

詳細につきましては以下のリンクより御覧ください。

ライブラリ:2050年カーボンニュートラルに資する基盤的科学技術に関する予測調査[調査資料-338]

博士号取得者のキャリア形成はイノベーション・システムにとって大きな課題となっており、博士号取得者の活躍の場を広げる取り組みが各国で進められています。フランスでは、近年高等教育機関が博士課程の学生を実業界に参入させるための取り組みや仕組みを「専門職化」-professionalization-として推進してきました。本稿では、こうしたフランスにおける様々な取組について概観的に紹介しています。

詳細については以下のリンクより御覧ください。

要旨

概要

報告書全文

博士課程、博士号、博士号取得者の専門職化とは何を意味するのか?フランスにおけるイニシアチブ、改革、スキーム
 

文部科学省科学技術・学術政策局人材政策課及び科学技術・学術政策研究所は、若手研究者を取り巻く課題を分析し、今後の研究人材の育成や支援に関する施策の検討に資することを目的として、我が国の大学・公的研究機関を対象に2021年度におけるポストドクター等※の雇用及び進路に関する調査を実施しました。今回の調査では、日本国内の大学・公的研究機関 1,187機関において研究に従事しているポストドクター等の総数、性別、年齢構成、国籍、分野、雇用財源、月額給与水準、任期の状況、進路状況等について明らかにしました。

詳細につきましては、以下のリンクよりご覧ください。

要旨

要旨英訳(Abstract in English)

概要

報告書全文

報道発表資料

ポストドクター等の雇用・進路に関する調査 (2021年度実績)

※博士の学位を取得した者又は所定の単位を修得の上博士課程を退学した者(いわゆる「満期退学者」)のうち、任期付で採用されている者で、①大学や大学共同利用機関で研究業務に従事している者であって、教授・准教授・助教・助手等の学校教育法第92条に基づく教育・研究に従事する職にない者、又は、②研究開発法人等の公的研究機関(国立試験研究機関、公設試験研究機関を含む。)において研究業務に従事している者のうち、所属する研究グループのリーダー・主任研究員等の管理的な職にない者をいう。

科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、STI Horizon 2024春号(Vol.10 No.1)を公表しました。
株式会社みずほフィナンシャルグループ 特別顧問 佐藤 康博 氏の時別インタビュー、国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学大学院人文学研究科 人文学専攻 歴史文化(考古学)准教授 中川 朋美 氏インタビュー、芝浦工業大学 工学部 機械機能工学科 准教授 吉田 慎哉 氏インタビューなど、科学技術・イノベーション政策に資する情報を幅広く掲載しています。

詳細については、以下のリンクより御覧ください。
STIHorizonLogoTop

文部科学省 科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、次期科学技術予測調査における科学技術のトピック検討に資する基礎情報を随時得るため、専門家ネットワークに対し現在注目される科学技術についてのアンケートを行っています。
今回の調査の結果、注目科学技術は652件、兆し科学技術は183件得られました。今回は特に、人工知能、カーボンニュートラルといったキーワードが多く見られています。
特に人工知能については、生成AIが新たに注目のキーワードとして挙げられるようになりました。
詳細については、報告書及び別添付録をご参照ください。
今後は、これまでに行った過去3回の調査結果を振り返りつつ、引き続き調査設計についても検討します。    
なお本調査は、専門家が注目する科学技術を「注目科学技術」とし、専門家の最新の知見を毎年幅広く収集・蓄積し、得られた結果を精査・分析して公表するものです。

詳細につきましては、以下のリンクよりご覧ください。

ライブラリ:専門家が注目する科学技術に関するアンケート調査(NISTEP注目科学技術2023)[調査資料-336]

「15歳から69歳までの男女合計6,600人に対し、科学技術の進歩が健康状態、身の周りの安全、経済成長、脱炭素等の22のウェルビーイング分野の増進に繋がっているかどうかを尋ねた。その上で、繋がっているという回答割合が、回答者の属性、具体的には家族等の人間関係、健康維持への意識、就業環境等によりどのような影響を受けるかを調べた。調査の結果、例えば「父母、祖父母、きょうだいに子育てを気軽にお願いできる」との回答と「科学技術の進歩が子育てのしやすさの増進に繋がっていると思う」との回答の間に有意な正の相関があった。」

要旨

概要

全文

科学技術に関する国民意識調査 -人間関係等のウェルビーイングへの影響-

 

科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、研究開発を実施している我が国機関の基本的情報を収録する「NISTEP大学・公的機関名辞書」の作成、維持、公開に取り組んでいます。このたび、最新バージョンであるNISTEP大学・公的機関名辞書(Version 2023.2)を公表します。
機関名辞書には、大学及び公的研究機関を中心に、研究活動を行っている我が国の約2万1千の機関(約1万6千の代表機関と約5千の主な下部組織)の情報を掲載しています。
NISTEP大学・公的機関名辞書(Ver. 2023.2)では、掲載機関数がver.2023.1に比べて82機関(代表機関64、下部組織18)増加しました。また、全機関21,287のうち19,925機関(93.6%)に英語名が付けられています。

 

  • NISTEP大学・公的機関名辞書はこちらからダウンロードできます。
  • 大学・公的機関における研究開発に関するデータはこちらをご覧ください。

科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、「科学技術イノベーション政策における『政策のための科学』」推進事業の一環として、「データ・情報基盤の構築」を進めています。構築したデータ・情報基盤を活用促進する取り組みとして、科学技術イノベーション政策に資するデータ・情報に関する課題や問題点を検討しており、本報告書は、主に2019年度から2022年度における検討結果を取りまとめたものです。

「データ・情報基盤の構築」として、「科学技術・イノベーション白書」に記されたテキスト情報を検索できる「科学技術・イノベーション白書検索」を2019年11月に公開しました。また、科学技術基本計画などの政策文書を検索するシステムとして「科学技術基本政策文書検索」を2021年7月に公開しました。これらは科学技術に関する政策・施策の動向を調べる機能を備えた検索ツールであり、毎年更新しています。本報告では、これらを用いた分析を通して使用方法を紹介しています。一方、政府の事業レベルの予算については、内閣府から2016年5月に公開された「行政事業レビューに基づく科学技術関係予算」を用いて、事業レベル、担当する府省庁レベルで試行的に分析しました。

科学技術についての将来予測調査である「デルファイ調査」を検索する「デルファイ調査検索」システムを2013年9月に公開し、その後も改訂しています。この検索システムについても分析例を紹介しています。

「データ・情報基盤の活用」を促進する取り組みとして、NISTEPでは我が国の主要な研究ファンディング機関の専門家等による会合を「関係機関ネットワーク会合」として2013年度から2020年度まで開催してきました。相互に各機関の状況を紹介し、情報を共有するとともに、e-CSTIに関して内閣府から情報を提供していただきました。

詳細については、以下のリンクよりご覧ください。

ライブラリはこちらをご覧ください。
科学技術イノベーション政策の基礎となるデータ・情報基盤構築の進捗 ~構築した検索システムの紹介と試行的分析~

文部科学省科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、日本の研究者によるデータと論文の公開状況や認識を明らかにするために2016,2018,2020年に引き続き、2022年10-11月に科学技術専門家ネットワークを活用したウェブアンケート調査を実施しました。(有効回答1,237名(回答率73.9%))
 
その結果、公開データの入手経験は71.0%(823名)が有しており(2020年から1.3ポイント増加)、主な入手先は論文の補足資料(64.2%)、学術機関のリポジトリ(60.1%)、個人や研究室のウェブサイト(52.6%)でした。入手経験をもつ回答者のうち62.9%(518名)は入手に関して問題があると認識しており、主な問題はデータごとにフォーマットが異なること(44.8%)や、利用条件がよくわからないこと(42.1%)でした。
その他、助成機関等が要求しているデータマネジメントプラン(DMP)の作成経験や、研究データ公開に関する認識(インセンティブ、資源、図書館等へ依頼したい内容)などを伺った結果を掲載しています。

報告書の詳細については、以下のリンクより御覧ください。

ライブラリ https://doi.org/10.15108/rm335

科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、STI Horizon 2023冬号(Vol.9 No.4)を公開しました。
東北大学総長 大野 英男 氏インタビュー、Nature Architects 株式会社 代表取締役CEO 大嶋 泰介 氏インタビュー、東北大学 未踏スケールデータアナリティクスセンター 教授 Tokyo Artisan Intelligence 株式会社(大学発ベンチャー)代表取締役社長 中原 啓貴 氏インタビュー、株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所 東京リサーチ リサーチディレクター 一般社団法人 NeuroPiano 代表理事 古屋 晋一 氏インタビューなど、科学技術・イノベーション政策に資する情報を幅広く掲載しています。

詳細については、以下のリンクより御覧ください。
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