科学技術政策研究所では、工学系の3研究領域の論文誌に論文を発表した研究者を分析対象に、どの国の大学・大学院で学位(学士・修士・博士)を取得し、今どの国の組織で研究に従事しているかという観点から研究者の国際的流動性を分析した報告書をとりまとめました。
報告書では、中国とインドの大学・大学院の出身者を中心に世界中から人材が米国の研究大学に集まる様子や、日本の主要大学の研究者は、自校出身者が多くを占め、国際的な移動も少ないなど、国・研究組織別の特徴が明らかになりました。 報道発表資料

科学技術政策研究所では、我が国の科学技術活動を客観的・定量的データに基づき体系的に分析する「科学技術指標2011」を作成しました。日本において2009年度の研究開発費総額が前年より8.3%減少し、特許出願件数、技術貿易額、ハイテク産業貿易額などの減少も見られました。なお、特許出願件数とハイテク産業貿易額については、日本だけでなく、多くの主要国でも減少が見られました。日本と米国の民間企業のイノベーション調査結果を用いた日米比較では、両国ともに、研究開発費使用額が大きい企業ほどイノベーションの実現割合が高いことがわかりました。 日本の論文数(2008-2010年の平均)を見ると、「世界の論文の生産への関与度(整数カウント法)」では、米国、中国、イギリス、ドイツに続き、日本は世界第5位です。一方、日本の被引用数の高いTop10%論文数(2008-2010年の平均)を見ると、「世界のインパクトの高い論文の生産への関与度(整数カウント法)」では、米国、イギリス、ドイツ、中国、フランス、カナダに続き、日本は世界第7位です。
日本語版全文
報道発表資料
統計集

企業境界の変化が、イノベーションの決定要因に及ぼす影響は、十分に明らかにされてきませんでした。
本報告書では、我が国の製薬企業間の合併を対象事例として、合併に伴う企業境界の変化が、イノベーション の決定要因である専有可能性と技術機会に、どのような影響を及ぼしているのかを分析しました。

詳細につきましては、下記のリンクを御覧ください。

これまでの地域イノベーション政策が地域に中長期的に与えた影響・効果に関して、インタビュー調査や文献調査等に基づいて分析しました
その結果、地域イノベーション政策が一定の成果をあげており、クラスター形成が進んでいることが判明した一方で、クラスター形成支援の在り方について再考すべき課題が残されていることを指摘しました。

第2回科学技術政策研究レビューセミナーが、昨年12月の第1回レビューセミナーに引続き、平成23年6月17日(金)午後2時から旧文部省庁舎6階の第2講堂において開催されました。

第2回科学技術政策研究レビューセミナー 開催報告

本セミナーは、科学技術政策研究所における科学技術政策に関する調査研究の中から4つのテーマについて研究成果御紹介し、より多くの方々に科学技術政策研究に関心をもって頂くことを目的としています。 詳細を見る »

科学技術政策研究所では、第3 期科学技術基本計画期間中における日本の科学技術の状況変化を把握するため、 日本の代表的な研究者・有識者約1,400 名に対する意識定点調査(定点調査)を2006 年度より5 年間継続して実施しました [NISTEP REPORT No.146(総合報告書)No.147(科学技術システム定点調査)No.148(分野別定点調査)]。
この5 年間で日本の科学技術システムは多くの面で改善を見せているが、まだ充分な状況ではないと日本の代表的な研究者・有識者は考えています。 また、中国を筆頭とした各国が、日本以上の速度で科学技術における進展を示していることや研究開発人材の状況について警鐘が鳴らされています。

科学技術政策研究所では、2010年に実施した大学等発ベンチャー1780社へのアンケート(回収率33.5%)と13社へのインタビューに基づいて、大学等発ベンチャーの現状やベンチャー活動を通じた研究者に対する効果について分析しました
その結果、バイオベンチャー(医薬関連の製造業)は事業化まで長期化するうえ、研究開発費が極めて高額な点で特殊であること、研究者はベンチャー活動への参加を通じてアカデミックな研究やキャリア形成の面でよい効果を得ていることなどが明らかとなりました。

科学技術政策研究所では、自然科学部門の大学組織・公的研究機関に属する研究者に各職歴の研究環境・権限に関する大規模調査(有効回答4,456人, 回収率66.3%)を実施しました。1970年代生まれの世代における35歳時点の研究環境・権限は、1950年代生まれの世代における35歳時点の研究環境・権限に比べ、総じて改善しており、より早期に独立する傾向があることが定量的に確認されました。

第1回科学技術政策研究レビューセミナー 開催報告