調査研究成果公表
当研究所の上席フェロー赤池伸一が、研究・イノベーション学会にて、2022年度の学会賞を受賞しました。
受賞理由は「政策研究の成果を科学技術イノベーションに具現化する活動における顕著な業績」です。
令和4年11月24日、研究・イノベーション学会第37回年次総会において、表彰式(オンライン)が行われました。


※ 受賞者紹介
氏名 赤池 伸一(あかいけ しんいち) |
主な経歴 科学技術庁(1992年) 文部科学省(省庁編成による)(2001年) 在スウェーデン日本国大使館一等書記官 (科学技術アタッシュ)(2002年) 内閣府参事官補佐(原子力担当)(2005年) 文部科学省科学技術・学術政策局国際交流官付国際交流推進官(2008年) (独)科学技術振興機構研究開発戦略センター(JST/CRDS)副センター長補佐、フェロー(2009年) 一橋大学イノベーション研究センター教授(2011年) 科学技術・学術政策研究所科学技術予測センター長(2016年) 2018年より現職。 その他、科学技術・学術政策局付、JST/CRDS特任フェロー、政策研究大学院大学科学技術イノベーション政策研究センター(SciREXセンター)プログラムコンサルタント、横浜市立大学非常勤講師、内閣府科学技術・イノベーション推進事務局参事官(エビデンス・統合戦略担当)に併任 |
研究分野
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最近の主な研究成果等 researchmapを御参照ください。
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【研究・イノベーション学会概要】
研究・イノベーション学会は、①イノベーションの創出に向けた企業経営・マネジメントの向上、②科学技術・イノベーション関連政策の分析、評価、提言など、研究開発およびイノベーションに関する経営および政策についての学術研究および研究交流を図ることを目的とし、1985年に設立されました。
2016年9月現在の会員数は、個人会員931名、法人会員11社で、学術大会の開催を始め、講演会及び分科会の開催、機関誌の刊行等の活動を展開しています。(参考: 研究・イノベーション学会HP)
本研究では、企業における役員の女性比率(女性役員比率)の上昇が労働生産性に与える効果および女性役員比率とイノベーション実現の内容との関係について定量的に検証しました。
分析の結果、女性役員比率が上昇すると労働生産性が上昇すること、女性役員比率とビジネス・プロセス・イノベーション実現との間には正の相関があることの2点が確認されました。
特に、因果の意味において、女性役員比率を向上させることが当該企業の労働生産性を上昇させることにつながることを示唆しています。
詳細については、以下のリンクよりご覧ください。
ライブラリ:女性役員比率の労働生産性へ与える効果及びイノベーション実現との関係 [DISCUSSION PAPER No.217]
NISTEP企業名辞書(以下、企業名辞書)及び企業名辞書の関連ファイルである接続テーブルのデータ改訂を行いました。改訂の概要は以下の通りです。
■NISTEP企業名辞書(ver.2022_1);
企業名辞書掲載基準に基づく見直しを行い、累積特許出願件数、株式上場等の基準を満たした新規企業の追加及び掲載企業情報の最新化を行った。
また、日本版バイドール制度を適用し特許出願を行った企業や東京証券取引所における2022年4月4日からの新市場区分への移行を反映した最新のデータを追加している。
この企業名辞書の掲載数は、企業数12,656社(+1,197)、同左変遷企業数15,158社(+1,063)、合計27,814社(+2,260)である。(括弧内前版比)
■IIPパテントデータベースとの接続テーブル(ver.2022_1);
上記企業名辞書とIIPパテントデータベースとの接続を行うテーブルの改訂を行った。接続テーブルには11,995,439件(+499,910)の企業名辞書掲載企業と特許出願企業とを接続する情報を有している。
企業名辞書その他関連ファイルのダウンロードは、以下のURLからお願いいたします。
http://www.nistep.go.jp/research/scisip/rd-and-innovation-on-industry
当研究所では、我が国の科学技術活動を客観的・定量的データに基づき、体系的に把握するための基礎資料として、科学技術指標を作成しています。このたび、2022年8月9日に公表した科学技術指標2022のHTML版を作成しました。
科学技術指標で使用している表の全てがエクセルでダウンロードできます(統計集については公開済み)。
詳細につきましては、以下のリンクより御覧ください。
科学技術指標の詳細はこちら
科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、研究開発を実施している我が国機関の基本的情報を収録する「NISTEP大学・公的機関名辞書」及び「大学・公的機関名英語表記ゆれテーブル」の作成、維持、公開に取り組んでいます。このたび、最新バージョンである大学・公的機関名英語表記ゆれテーブル(Version 2022.1)を公表します。
表記ゆれテーブルは、我が国の約1万5千の機関とその主な下部組織を対象に、機関名英語表記のゆれを調査・分析し、リスト化したものです。
詳細については、以下のリンクより御覧ください。
「大学・公的機関名英語表記ゆれテーブル(Ver. 2022.1)」
- こちらからダウンロードできます
科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では,
米国における公的研究資金ベースの研究動向を分析するためNSF(全米科学財団)のデータに着目し,研究内容等の変遷を調査しました。
米国における公的研究資金に関わるデータは,NSFの他にも複数の機関で公開されています。
本調査ではそれらのうち主なものを調査して,量や分野網羅性の観点からNSFのデータについて着目し,自然言語処理等の技術を活用して動向の分析を試みました。
また,全般的な動向の分析に加え,人工知能(AI),量子,バイオの3領域についてはより絞り込んだ分析も実施し,米国の政策動向との比較も試みました。
報告書では,さらに科研費(科学研究費助成事業,学術研究助成基金助成金/科学研究費補助金)課題のタイトル・概要を機械翻訳し,NSF課題と混合することで,日米の研究動向比較分析の可能性も検討しています。
詳細につきましては以下のリンクより御覧ください。
科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、「コロナ禍がフォーサイトに与えた影響(テーマA)」「フォーサイトにおける共創と創造性(テーマB)」の2テーマを掲げ、フォーサイト専門家によるセミナーをオンラインにて開催しました。
テーマAでは、ワイルドカード(不確実な将来の機会や脅威)の扱いや政策立案への影響、テーマBでは、外挿だけでは見えない未来を描くための共創や創造性を活用する上の課題等が紹介されました。
その後の意見交換では、将来に対して複数のイメージを持つこと、市民を含む多くのステークホルダーの参加を得ること等の重要性が挙げられました。また、データ分析ツールの活用、共創と創造性を活かしたワークショップ設計、フォーサイト研究に関する教育、世界的ネットワーク構築の必要性が指摘されました。
詳細につきましては以下のリンクより御覧ください。
科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、日本(NISTEP)、米国(全米科学財団; NSF)、ドイツ(ドイツ連邦教育研究省; BMBF)の科学技術指標及び関連した報告書で使用されている指標の変遷に注目し、その傾向を見ました。
研究開発費等については、研究開発費、政府予算についての指標が主ですが、ドイツでは教育についての支出もあります。研究開発人材では、3か国ともに博士号取得者の状況に注目しています。研究開発のアウトプットである論文については、日本、米国はドイツと比べて指標数が多い傾向にあります。米国ではオープンアクセスや女性著者の割合など新しい視点の論文指標も登場しています。イノベーション関連の主な指標としては、イノベーション調査結果、技術貿易、産業貿易があります。
報告書では、各国の指標について約10年間の変遷をリスト化した一覧表や、章別ののべ指標数、平均継続年数などデータを示しています。
詳細につきましては以下のリンクより御覧ください。
科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、新型コロナウイルス感染症流行後に地域が目指す社会像を検討するため、岩手、山形、愛知・岐阜の3地域を対象として、多様な関係者の参加によるワークショップを開催して検討を行いました。
その結果、2040年の社会は、仮想空間と実空間を併用し、地域資源を活用して、自分らしさ、人とのつながり、自然との共生を大切に心豊かに暮らすことへの期待が示される一方、現場感や現実感などの喪失によるイノベーション機会の減少、人間関係の希薄化などの懸念が示されました。科学技術が社会に貢献するには、システム障害による社会機能停止、情報セキュリティ、プライバシー問題、情報格差や新たな地域格差の発生などの懸念が挙げられ、多様な関係者による横断的な議論と合意形成が必要とされました。
詳細につきましては以下のリンクより御覧ください。
本報告書は、工学系領域において、大学等との連携を活用した民間企業の研究開発力強化の状況を分析し、課題を検討しています。最初に、日本の民間企業での研究開発関連業務における、日本の大学との連携状況の全体像を整理しています。その全体像では、研究開発企画から研究開発の実施、製品開発・製造までの幅の広い多様な業務において、大学との連携が実施されていることを示します。日本の大学は、論文に関する指標で見ると、海外の大学との比較において研究開発力が高くはないとの議論があります。しかし、論文に関する指標のみで、連携先としての大学を評価することが難しい研究開発関連業務は種々あります。
それらの研究開発関連業務では、海外の大学と対比において、日本の大学との連携が合理的な場合もあります。特に、研究開発組織の研究開発力を強化する際に重要な研究開発者育成では、海外の大学と対比して、日本の大学との連携が有利な様々なプログラムが検討できます。
更に、日本の大学での取り組みと民間企業の取り組みを接続させた具体的な実施プログラム例を、①機械・電機・材料分野、②化学分野、③建築・土木・都市計画分野のそれぞれについて示しています。実施プログラム例では、日本の大学における社会人博士制度も活かした博士レベルの研究開発人材育成を含めています。分析の一環として、民間企業の研究開発力強化における博士課程の役割や課題を深堀し、また、民間企業の研究開発リーダの育成プログラムについても例示しています。
報告書の詳細については、以下のリンクより御覧ください。
ライブラリ
民間企業の研究開発関連業務における日本の大学との連携状況の分析 ―研究開発者育成を含めた工学系領域における研究開発力強化の課題検討― [DISCUSSION PAPER No.214]

