お知らせ

 科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、大学院博士課程修了後の就業や研究状況等を把握することを目的に、「博士人材追跡調査」を継続的に実施しております。今回は継続コホートである、2012年度博士課程修了者の修了6.5年後及び2015年博士課程修了者の修了3.5年後の調査を実施しました。

 その結果、以下のようなことが分かりました。

  • 2012年コホート6.5年後及び2015年コホート3.5年後では、博士課程で得られたことが、現在の仕事などで役に立っている項目について質問した。両コホートとも、「論理性や批判的思考力」との回答が最も多く、次いで「自ら課題を発見し設定する力」、「データ処理、活用能力」であった。
  • 2012年コホート及び2015年コホートは、雇用先機関を大学等と回答した者の割合が最も多く、その割合が微増した。また、正社員・正職員の雇用割合も調査を重ねるごとに増加し、雇用の安定化がみられた。
  • 2012年コホート及び2015年コホートとも、大学等及び公的研究機関における任期なし(終身在職権あり)の割合が増加し、雇用の安定化がみられた。
  • 大学等及び公的研究機関における職階は、2012年コホート及び2015年コホートともポストドクターの割合が減少し、助教、講師の割合が増加した。2012年コホート6.5年後は、上位職の准教授・教授の割合が大きく増加した。
  • 所得に関しては、調査を重ねる度に所得が増加傾向にある。2012年コホート1.5年後は400万-500万円未満が16.2%、3.5年後は500万-600万円未満が15.7%、6.5年後は600万‐700万円未満が14.4%と多くなっていた。
  • 社会人経験のあった者の博士課程進学前、修了後のセクター間の移動は、進学前は民間企業の割合が最も多く、博士課程修了後は、大学等の割合が増加した。
  • 外国人博士課程修了者が日本に引き続いて居住し、研究を実施している割合は2012年コホート1.5年後で44.3%、6.5年後には24.1%、2015年コホート0.5年後では38.9%、3.5年後では28.1%であった。日本国籍で博士課程を修了した者が海外に居住し、研究を実施している割合は2015年コホート0.5年後では4.0%、3.5年後では5.3%、2012年コホートにおいては、1.5年後5.2%、6.5年後には2.5%であった。
  • 女性PI(Principal Investigator)は、2015年コホートで、0.5年後0.4%、3.5年後1.7%となり、3年間で1.3ポイント増加となった。また、2012年コホートで、3.5年後1.7%、6.5年後6.8%となり、3年間で5.1ポイントの増加となった。2012年コホートにおける女性PIは、男性PIに比して大きく増加した。
  • 2015年コホート、2012年コホートとも、査読付き論文は0本と複数本の分散化がみられた。

詳細は以下のリンクを御覧ください。
ライブラリ:『博士人材追跡調査』第3次報告書[NISTEP REPORT No.188]

科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、論文データベース分析により、国際的に注目を集めている研究領域を俯瞰したサイエンスマップを作成し、世界の研究動向と日本の活動状況の分析を実施しています。このたび、最新版となる「サイエンスマップ2018」(2013~18年の論文を対象)の結果がまとまりましたので、お知らせします。

サイエンスマップ2018では902の国際的に注目を集めている研究領域が見いだされました。日本の参画領域数はサイエンスマップ2016の299領域から25領域減少し、参画領域割合は30%となりました(サイエンスマップ2016から3ポイント減少)。一方、中国の先導により形成される研究領域数が拡大していますが、現状では中国内での引用が多い状況です。

今回のサイエンスマップでは、人工知能が関係している研究領域の動向、社会科学等が関係している研究領域の動向の分析も行いました。また、インタラクティブにサイエンスマップの表示が可能なウェブ版も併せて公開します。

詳細につきましては以下のリンクより御覧ください。

サイエンスマップ専用ページはこちら

科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、STI Horizon誌2020冬号(Vol.6 No.4)の一部をweb先行公開(11月25日)しました。今回は以下の記事を掲載しています。

ナイスステップな研究者から見た変化の新潮流
・九州大学 大学院工学研究院 応用化学部門 准教授/
 国立研究開発法人 科学技術振興機構 さきがけ研究者 楊井 伸浩氏インタビュー
 -自ら厳しい挑戦を課し、自らのサイエンスを追求し、実現させた異分野融合の背景を追う-

詳細については、以下のリンクより御覧ください。
STIHorizonLogoTop

科学技術・学術政策研究所は、2017~2019年に「第11回科学技術予測調査」を実施し、この中で702の科学技術トピック(実現が期待される研究開発課題)の実現見通し等に関する調査(デルファイ調査)を実施しました。
新型コロナウイルス感染症の世界的大流行が科学技術の進展に影響する可能性があることから、コロナ禍を経た科学技術の中長期発展に関する専門家の認識の変化について調査を実施しました。

その結果、第11回科学技術予測調査において早い実現が予測されたトピックはより早く実現、遅い実現が予測されたトピックはより遅く実現するとの認識が明らかになりました。実現が早まると予測されたのは、仕事や働き方、健康危機管理に関するトピックなどでした。一方、実現が遅れると予測されたのは、宇宙や深海、エネルギー変換に関するトピックなどでした。また、仕事や働き方など生活に関するトピックや健康危機管理に関するトピックの重要度が高まりました。

詳細については、以下のリンクより御覧ください。
コロナ禍を経た科学技術の未来(速報版)

[訂正]2021年2月10日(水)
当該資料の「第11調査結果」の年の表示に誤りがありましたので、以下のとおり訂正してお詫びいたします。
「社会的実現年」を示すところ、一部、「科学技術的実現年」が示されていた等の原因によるものです。
なお、早まる・遅れる等の結果の年については修正ありません。

正誤内容

p12
(上から順に)
(正)2030 (誤)2028
(正)2030 (誤)2028
(正)2031 (誤)2029
(正)2030 (誤)2027
(正)2029 (誤)2026
(正)2032 (誤)2028
(正)2030 (誤)2029
(正)2029 (誤)2027
(正)2031 (誤)2030
(正)2027 (誤)2025

p19
右表(最下段)
(正)2048 (誤)2045

p22
左表(上から順に)
(正)2030 (誤)2031
(正)2030 (誤)2029
(正)2030 (誤)2031

p23
左表中段
(正)2027 (誤)2029
左表下段
(正)2030 (誤)2031

国内外の情勢が大きく変化している中、新型コロナウィルス感染症、災害などの難局や情勢変化に対応するためには「知」の源泉となる研究力の強化が必要です。しかし、研究力の担い手である「人材」については、若手研究者の安定的なポストの不足やキャリアパスの多様性の欠如など、若手研究者を取り巻く環境は厳しく、これが博士課程への進学率の低下や研究者の魅力の低下の一つの要因となっています。このような現状を踏まえると、大学院修了者の社会での活躍状況の変化を継続的に把握することによって、大学院における学生の処遇改善、大学院修了者の産業界を含めた多様なキャリアパスと流動の拡大等、若手研究者を取り巻く状況の改善と魅力の抜本的な向上を図るための支援策に繋げる必要があります。

そのため、科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、平成30年度に博士課程を修了した者(満期退学者を含む)を対象とした「博士人材追跡調査」、及び令和2年度に修士課程(6年制学科を含む)修了(卒業)または修了(卒業)予定者を対象とした「修士課程(6年制学科を含む)在籍者を起点とした追跡調査」を実施します。

これまでの調査結果は、我が国の博士課程修了者の社会における活躍状況を客観的・定量的に示せる信頼性あるデータとして、科学技術白書に引用されるとともに、科学技術・学術審議会人材委員会、中央教育審議会大学分科会をはじめとする、科学技術イノベーション人材政策を審議・検討する政府の審議会における重要なデータの一つとなっております。本年度の調査結果も、これまで同様、積極的に政府に提供してまいりますので、対象者の方におかれましては御多用中とは存じますが、御協力くださいますよう、お願い申し上げます。

対象者
  • 「博士人材追跡調査(平成30年度博士課程修了者(満期退学者を含む))」
    • 平成30年度(2018年4月1日~2019年3月31日)に博士課程を修了した方
  • 「修士課程(6年制学科を含む)在籍者を起点とした追跡調査(令和2年度修了(卒業)予定者)」
    • 令和2年度(2020年4月1日~2021年3月31日)に修士課程(6年制学科を含む)修了(卒業)または修了(卒業)予定者
    調査期間

    2020年11月16日(月曜日)~2020年11月30日(月曜日)17:00

    【調査について】

     本調査は、ウェブ・アンケートとして実施しております。大学から告知された回答用WebサイトのURLにアクセスいただき、回答をお願い致します。

    委託先・お問合せ窓口
      株式会社 インテージリサーチ ソーシャル事業推進部
      TEL:0120-775-763  Mail: graduate2020(at)intage.com
      ※新型コロナウィルス感染症対策の一環として在宅勤務を推進しているため、メールでのお問い合わせにご協力いただけますようお願い申し上げます。
    調査実施主体
      文部科学省科学技術・学術政策研究所 第1調査研究グループ
      Mail: jd-pro(at)nistep.go.jp
      ※(at)は@に置き換えてください。

     当研究所では、我が国の科学技術活動を客観的・定量的データに基づき、体系的に把握するための基礎資料として、科学技術指標を作成しています。このたび、2020年8月7日に公表した科学技術指標2020のHTML版を作成しました。
     科学技術指標で使用している表の全てがエクセルでダウンロードできます(統計集については公開済み)。
     詳細につきましては、以下のリンクより御覧ください。

    科学技術指標2020(HTML版)

     

    科学技術指標の詳細はこちら

     科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、研究に関する評価指標開発を目的とし、知識源の新結合に着目した、引用文献の組合せ(類似度)により測定される新規性指標の提案を試みました。併せて、日本の機関に所属する研究者の論文を対象としたサーベイ調査の結果を用いて、本研究で提案する新規性指標が、どのような研究の新規性を測っているのか、validation分析も実施しました。
     その結果、本研究で提案した新規性指標は、自然科学系の分野のさまざまな研究成果の類型において、研究者が判定する研究の新規性を反映するものであることがわかり、研究者による研究の新規性を計測するための代理変数として有用であることが伺えました。

     詳細につきましては以下のリンクより御覧ください。

    ライブラリ:知識結合に基づく新規性評価に関する研究[DISCUSSION PAPER-190]

    科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、プレプリントを⽤いたエマージングな研究動向の把握⼿法開発を念頭に、arXiv や medRxiv など主要なプレプリントサーバにおける COVID-19 に関する⽂献リストを対象として、COVID-19 に関する研究の概況把握を試み、2020年6⽉30⽇に Discussion Paper として公表しました。

    しかしながら、COVID-19 についてはその後も状況の変化が激しいため、今回 補遺として 2020年9⽉末 時点までのデータを追加し、同様の分析を⾏いました。加えて新たに国・地域ごとの特徴の把握も試みました。

    結果、今回調査したプレプリントサーバの範囲においては、

    1. 前回調査の終点である5⽉末ごろをピークとして投稿数が減少していること
    2. トピック⾃体は変化していないこと
    3. トピックの⽐重は徐々に社会経済・公衆衛⽣等にシフトしてきていること

    などが分かりました。

    また、新たに追加した国・地域の分析においては、5⽉以降は中国に代わって⽶国の投稿数が伸びていることが確認されました。

    詳細につきましては以下のリンクより御覧ください。

    ライブラリ:COVID-19 / SARS-CoV-2 関連のプレプリントを用いた研究動向の試行的分析[DISCUSSION PAPER No.186]

    本調査は終了しました。御協力いただき、ありがとうございました。

    科学技術・学術政策研究所では、政府統計調査「全国イノベーション調査 2020年調査」(一般統計調査)を実施いたします。本ページには、調査対象企業の皆様(調査対象企業には調査票を郵送いたします)が本調査に御回答いただくためのオンライン回答システムへのリンクを掲載しています。オンライン回答に御協力のほど、よろしくお願いいたします。

    オンライン回答システムへのログイン

    オンライン回答システムの開発・運営、調査票の回収・検票・データ入力、督促・問い合せ対応等の調査に係る一連の業務は株式会社サーベイリサーチセンターに委託して実施しております。業務委託に当たり、データ等の取扱いについて秘密保持の契約を結んでいます。

    本調査は国の重要な統計調査であり、得られた結果は、科学技術・イノベーション政策の企画、立案、推進及び評価に必要となる、また新型コロナウイルス感染症への研究開発やイノベーションによる対応の状況等に関する重要な基礎資料となります。御多忙の折、誠に恐縮に存じますが、本調査の趣旨を御理解いただき、御回答いただけますよう、お願いいたします。

    回答期限:令和2年11月30日(月)
    「全国イノベーション調査」の概要や過去の調査結果についてはこちらを御覧ください。

    委託先・お問い合わせ窓口

    株式会社サーベイリサーチセンター 「全国イノベーション調査 2020年調査」事務局
    〒103-0027 東京都中央区日本橋3丁目13番5号 KDX日本橋313ビル 5階
    フリーダイヤル: 0120-901-844
    FAX: 03-6826-5060
    E-mail: jnis2020@surece.co.jp
    受付時間: 10:00~17:30(土曜、日曜、国民の祝日、振替休日、年末年始を除く)

    調査実施主体

    文部科学省科学技術・学術政策研究所 第1研究グループ
    〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-2-2中央合同庁舎第7号館東館16階

    科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、第11回科学技術予測調査結果を踏まえ、科学技術イノベーション政策関連のシンクタンクと連携して研究開発領域の抽出を行いました。
    具体的には、NISTEP、科学技術振興機構研究開発戦略センター(JST/CRDS)、新エネルギー・産業技術総合開発機構技術戦略研究センター(NEDO/TSC)の3機関がそれぞれの調査研究結果を持ち寄り、共通して重要と考える領域とその社会実装に向けた課題についてワークショップ形式で検討しました。

    その結果、今後推進すべき重要科学技術領域として以下の4領域が抽出されました。
    ・持続的な経済と人間を守る、全脳AIを搭載した人間調和型ロボット
    ・日本のものづくりをリードする、先進的計測とシミュレーション
    ・個別医療・先制医療を浸透させる先進技術とプラットフォーム
    ・災害への備えから復興までを支える観測・予測と材料科学技術

    詳細につきましては以下のリンクより御覧ください。

    ライブラリ:科学技術イノベーション政策関連シンクタンクの専門家ワークショップによる研究開発領域抽出[調査資料-299]

    科学技術・学術政策研究所では、博士人材の活躍状況を把握するため、博士人材データベース(JGRAD)を構築・運営しています。2020年5月、博士人材データベースの登録者に対して新型コロナウイルス流行による研究活動への影響等に関するウェブアンケート調査を行いました。調査結果の速報は2020年6月26日に公表しましたが、その確報としての調査資料を公表いたします。

    [結果概要]

    • 調査時点において、新型コロナウイルスの流行により研究活動に「現時点で既に影響が出ている」と回答した割合は、博士課程在籍者で85%、博士課程修了者等で79%となっていた。
    • どのような面で影響が出ているかについては、「(影響が出ていることに)該当し、研究活動に大きな支障が出ている」と回答した割合が最も高かったのは「研究活動に利用している建物・研究室、設備(実験機器)等の利用停止」であった。
    • 博士課程在籍者に新型コロナウイルス流行による博士号取得遅延の見込みを尋ねた結果、「博士の取得がすでに遅れる予定だ(あるいはすでに遅れた)」と回答した割合は6%、「博士の取得が遅れる可能性がある」と回答した割合は30%であった。
    • 求められる支援策を尋ねた自由記述の回答には、経済支援や学位課程の柔軟化等があげられた。

    詳細につきましては、以下のリンクより御覧ください。

    ライブラリ:新型コロナウイルス流行の研究活動への影響等に関する調査-博士人材データベース(JGRAD)におけるウェブアンケート調査- [調査資料-298]

    本調査研究では、筆者らが2020年1月に実施した「研究開発マネジメントに関する実態調査」に基づいて日本企業の研究開発マネジメントとイノベーションの現状を分析しています。具体的には、研究開発活動のインプット(研究開発費、研究開発者)、研究開発活動のアウトプット(イノベーション実現状況)、そしてインプットとアウトプットを結びつける研究開発マネジメント(研究開発組織の位置づけや権限,研究開発プロジェクトの管理方法、研究開発者の人事評価・インセンティブ制度・キャリア形成、リスク選好・時間割引率・企業文化)の概要について要約統計量に基づいて記述的に分析しています。なお、本稿は単純集計に基づく基礎的情報を提供しているにすぎず、示唆は可能性のある解釈に留まります。今後、より精緻な分析を行い、研究開発マネジメントがイノベーションに及ぼす影響について調査していきます。

    詳細については以下のリンクより御覧ください。
    ライブラリ:日本企業の研究開発マネジメントとイノベーションの現状 —「研究開発マネジメントに関する実態調査」結果概要—[DISCUSSION PAPER No.189]

    科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、STI Horizon誌2020秋号(Vol.6 No.3)を公開しました。
    津田塾大学教授/次世代基盤政策研究所(NFI)代表理事 森田 朗 氏の特別インタビュー、ナイスステップな研究者の株式会社aba 代表取締役 宇井 吉美 氏、北海道大学 工学研究院 機械・宇宙航空工学部門 機械材料システム分野 佐藤 太裕 教授のインタビュー、第11 回科学技術予測調査デルファイ調査における分野別分科会の座長インタビュー連載など、科学技術・イノベーション政策に資する情報を幅広く掲載しています。

    詳細については、以下のリンクより御覧ください。
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