お知らせ

 本研究では、オープン・イノベーションにおけるインバウンド型とアウトバウンド型という活動類型の有無が、企業の収益にどのような影響を与えるかを調査しています。企業のオープン・イノベーション活動を把握するデータとしては、文部科学省 科学技術・学術政策研究所(NISTEP)が実施した「民間企業の研究活動に関する調査」アンケートの2008年から2018年の回答を用いました。分析の結果、インバウンド型オープン・イノベーションは企業の収益に対して有意にプラスの影響を示した一方で、アウトバウンド型オープン・イノベーションは企業の収益には影響を与えていないことが示されました。これは外部の技術を積極的に取り込んで開発を実施するインセンティブが企業にあるのに対して、自社技術を積極的に外部に提供するインセンティブが無い、もしくは非常に弱いことを示唆しています。すなわち、オープン・イノベーション活動を通じた生産性向上の課題として、企業が死蔵している技術情報の公開促進などの政策課題があることが示唆されます。

 報告書の詳細については、以下のリンクより御覧ください。

要旨
本文

ライブラリ
オープン・イノベーション活動が企業収益に及ぼす影響に関する実証研究 [DISCUSSION PAPER No.213]

開催概要
  • 日時:2022年10月5日(水)16:00~ 18:00 オンライン開催
  • 演題:「オープンアクセスの変遷と日本の研究者の状況」
  • 講師:西川 開(科学技術予測・政策基盤調査研究センター 研究員)
  • 言語:日本語
講演趣旨

 日本の科学技術政策では、第四期科学技術基本計画以降現在に至るまで、論文のオープンアクセス(以下 OA)が推進されてきた。特に第五期科学技術基本計画以降、国際的なオープンサイエンスの推進と歩を合わせる形で OA 化を進めるための具体的な施策が実施されており、日本および世界的に OA 論文の数は着実に増加している。しかし、OA が進展する一方で、OA が提唱される契機となった学術雑誌の購読料の高騰という問題は依然として解消されておらず、OA 化のための費用である APC(Article Processing Charges)の高額化という新たな課題も現れている。こうした状況のもと、日本の一線級の研究者を対象とした意識調査である NISTEP 定点調査から、研究者が論文へのアクセスや OA 化に関して苦しい状況に置かれていることが見えている。
本講演では、1990年代に電子ジャーナルが普及するに伴いはじまったOAの現在に至るまでの変遷の様子を俯瞰するとともに、そうした変遷のなか日本の大学に所属する自然科学系の研究者がOAに関して置かれている現状を把握するために実施した調査結果を報告する。最後に、これを踏まて、今後の日本の学術情報流通に関する展望を述べる。

講師経歴

 西川開氏は、学術情報流通や科学計量学、データ・情報の管理制度を専門に研究を行ってきた。2020年4月より文部科学省 科学技術・学術政策研究所 (現)科学技術予測・政策基盤調査研究センターに研究員として在籍。博士(図書館情報学)

講演会の参加申し込み

下記URLからお申し込みください。
https://zoom.us/meeting/register/tJcldOmopj4iE9AnI0D0e3Zoe7-q9Bpmksrc

参加申込締切: 10月4日(火)17:00
講演内容についてのお問い合わせ

科学技術・学術政策研究所 データ解析政策研究室 (担当:林)
Tel:03-3581-2393
E-mail:d-unit@nistep.go.jp

2021年12月に選定された「ナイスステップな研究者2021」の10人の研究者による全3回(第1回:6/7、第2回:7/1、第3回:7/29)の講演会について、YouTube動画を掲載しました。
 

科学技術・学術政策研究所(NISTEP)が公開している「科学技術・イノベーション白書検索」について、令和4(2022)年度の「科学技術・イノベーション白書」を追加し、データを更新しました。

■「科学技術・イノベーション白書検索」および「科学技術基本政策文書検索」へのアクセス方法:

以下のNISTEPのウェブサイト(SciREX関連公開データのページ)

https://www.nistep.go.jp/research-scisip-whitepaper-search

【参考】
■「科学技術・イノベーション白書検索」について

科学技術・イノベーション白書(令和2年度版までは「科学技術白書」)は、文部科学省において昭和33(1958)年から現在まで継続的に発行されており、日本の科学技術政策に関する施策やトピックなど、様々な情報が蓄積されています。NISTEPではこの点に着目し、以下のような機能・特徴を備えた「科学技術・イノベーション白書検索」を開発し、令和元(2019)年11月に公開しました。主な機能は以下の通りです。

○ 昭和33(1958)年版以降の科学技術・イノベーション白書のテキスト情報(本文や図表の表題など)がデータベース化されています。
○ 各年代の科学技術に関する政策や施策の動向を調べることができます。
○ キーワードだけでなく、類義語も併せて検索する「あいまい検索」や期間を指定して検索することもできます。
○ よく使われている語句を大きく表示する「キーワードマップ」の機能があります。
○ 注目するキーワードがどの年に多く出現しているかなど、白書への出現回数を知ることができます。
○ 注目するトピックの変遷がわかる機能があります。

 科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、一般統計調査「民間企業の研究活動に関する調査」の2022年度調査を実施します。本調査は、総務省「科学技術研究調査」に対して社内で研究開発を実施していると回答した企業のうち、資本金1億円以上の企業を対象としています。調査結果は2023年6月頃の公表を予定しております。御回答いただきました企業には、調査結果の報告書をお送りさせていただきます。
 御多忙の折、誠に恐縮とは存じますが、趣旨を御理解いただき、回答に御協力いただきますよう、お願い申し上げます。

オンライン回答システムは、こちらです。

  • 今回の調査に関して、発送・データ入力、オンライン回答システム等の一連の業務は、株式会社日本統計センターに委託しております。
  • この委託に当たり、データ利用に関する秘密保持契約を結んでおります。
  • 本調査は2022年8月31日に開始しました。

お問合せ先

返送に関するお問合せ先、オンライン回答システムの操作方法、調査票の再送付の御依頼先

    株式会社 日本統計センター
    電話:0120-121-621
    FAX :03-3866-4944
    E-mail:surveyjimu[at]ntc-ltd.com
    (メールアドレス中の[at]には”@”を入れてください。)

調査の趣旨、調査票の記入方法についてのお問合せ先

    文部科学省 科学技術・学術政策研究所 第2研究グループ
    担当:富澤・高山
    E-mail:minken[at]nistep.go.jp
    (メールアドレス中の[at]には”@”を入れてください。)

過去の調査結果

民間企業の研究活動に関する調査2021 

 科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、我が国の大学・公的研究機関の188研究組織(大学部局、附置研等)を対象として、組織に所属する研究者の分野多様性と、研究者が参画するチームの分野多様性の関係性について分析を実施しました。

 その結果、多くの部局分類・学問領域において組織とチームの分野多様性には正の相関が観測され、異分野の研究者が数多く集まる組織に所属する研究者は、個人でも異分野の研究者が所属するチームに参画する傾向にあることが明らかとなりました。また、日本の各研究組織について組織・研究チームの分野多様性における相対的な位置づけを可視化し、特徴的な研究組織も特定しました。

 詳細につきましては以下のリンクより御覧ください。

ライブラリ http://doi.org/10.15108/dp212

科学技術・学術政策研究所における 新型コロナウイルス感染者の発生をお知らせします(8/18)

科学技術・学術政策研究所における 新型コロナウイルス感染者の発生をお知らせします(8/15)

 科学技術・学術政策研究所では、第6期科学技術・イノベーション基本計画期間中の科学技術やイノベーション創出の状況を把握するため、第一線で研究開発に取り組む研究者や有識者約2,300名を対象とした5年間の継続的な意識調査(第4期NISTEP定点調査)を開始しました。1回目の結果がまとまりましたので公表します。

 初年度調査の主な結果は次の通りです。①学術研究・基礎研究及び研究時間等の研究において普遍的に重要な事項について、継続的な問題意識が示されました。②研究者を目指す若手人材・若手研究者の数が不足しているとの認識が示されました。③地域創生の取組について、主に大都市圏以外の大学の研究者による評価が高い一方で、一部の有識者の評価が低い状況が示されました。④人文・社会科学研究者の回答から、「競争的資金等の確保」、「研究者の業績評価の観点の多様化」において評価が高い一方で、「ベンチャー企業を通じた知識移転や新たな価値の創出」、「博士号取得者のキャリアパス多様化への環境整備」で評価が低い傾向が示されました。

■NISTEP定点調査専用ページはこちら

科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、「科学技術指標2022」を取りまとめました。

 科学技術指標は、科学技術活動を客観的・定量的データに基づき体系的に把握するための基礎資料であり、約170の指標で日本及び主要国の状況を表しています。
 昨年から続いて日本の研究開発費、研究者数は主要国(日米独仏英中韓の7か国)中第3位、パテントファミリー(2か国以上への特許出願)数では世界第1位です。
 日本の論文数(分数カウント法)は世界第4位から第5位、注目度の高い論文数のうちTop10%補正論文数は第10位から第12位、Top1%補正論文数は第9位から第10位となりました。Top1%補正論文数では中国が初めて米国を上回り、世界第1位となりました。
 日本の博士号取得者数は2006年度をピークに減少傾向にあります。韓国、中国、米国では2000年度(中国は2005年度)と最新年度を比較すると2倍以上となっています。

■科学技術指標専用ページはこちら

科学技術・学術政策研究所における 新型コロナウイルス感染者の発生をお知らせします(8/8)

当所が、令和4年6月22日に公表した「民間企業の研究活動に関する調査報告2021」[NISTEP REPORT-193]において、結果数値の一部に誤りがあることが判明しましたので、おわびしてお知らせいたします。

民間企業の研究活動に関する調査は、政府の一般統計として、2008年度以降、当研究所が毎年度実施しています。2021年度調査では、資本金1億円以上でかつ社内で研究開発を行っている民間企業3,685社を対象として調査票を送付し、1,891社からの回答を回収し、それに基づいて結果数値を集計しました。この度、判明した結果数値の誤りは、調査回答に際しての単位の誤りによるもので、回答企業に問い合わせを行って回答数値を修正し、再集計を実施しました。

再集計の結果、本文の訂正及び表の差し替えが生じました。本訂正について改めておわび申し上げるとともに、訂正の経緯及び今後の対応並びに修正箇所についてまとめましたので、御報告いたします。

今後、本統計調査を実施する際には、回答データについて複数の基準で確認を行い、集計結果の信頼性の一層の向上に努めてまいります。

正誤表および発生原因・発生防止策についてはこちらを御覧ください。
訂正した報告書は 、こちらからダウンロードできます。

SDGsへの認知について伺ったところ、性別では男性(内容を(ある程度)知っている58%)の方が女性(内容を(ある程度)知っている54%)よりも高い一方、年代別では若い世代(24歳以下)とシニア世代(60歳以上)で高いことが判明した。

SDGsをどんな場面で聞いたことがあるか訊いたところ、性別では男性はインターネットや新聞などが高く、女性はテレビや家族や友人、知人、職場の人で多くなっている。

このほか、科学技術・イノベーションのSDGsへの貢献に関する意識も訊いている。

要旨

概要

報告書全文

科学技術に関する国民意識調査-SDGsについて-