4.高等教育と科学技術人材の状況
(1) 日本の大学院の入学者数は伸び悩んでいたが、修士課程入学者数は2020年度、博士課程入学者数は2022年度を境に増加に転じた。博士課程入学者数の2024年度の対前年度比は4.9%増である
日本の大学院修士課程の入学者数は2010年度をピークに減少傾向にあったが、2020年度を境に増加している。2024年度では対前年度比2.8%増の7.9万人、そのうち社会人の割合は8.8%である。
大学院博士課程の入学者数は2003年度をピークに長期的に減少傾向にあったが、2023年度から増加し、2024年度は対前年度比4.9%増の1.6万人となった。社会人の割合は2024年度では39.8%であり、2020年度を境に低下している(1)。ここで示した全ての専攻で、2022年度から2024年度にかけて入学者数が増加した。「その他」は16.8%増、「工学」は15.1%増、「社会科学」は12.9%増である。
(A)専攻別入学者数の推移(修士課程) (B)社会人入学者数の推移(修士課程)
(A)専攻別入学者数の推移(博士課程) (B)社会人入学者数の推移(博士課程)
注:
修士及び博士課程の専攻の「その他」は、「教育」、「芸術」、「商船」、「家政」、「その他」である。そのうちの「その他」とは「学校基本調査」の「学科系統分類表」のうちのその他であり、専攻名を構成する単語には「環境」、「人間」、「情報」、「国際」等が多くみられた。
(2) 日本、米国共にアジアからの大学院生が多いが、出身国・地域のバランスに変化が起きている。
日本における外国人大学院生は、2024年度において中国が最も多く、約4.0万人である。これにインドネシアと韓国・朝鮮が共に約2,200人で続いており、10位以内にはアジアの国・地域が多い。
米国における外国人大学院生を見ると、インドと中国が拮抗しつつその数を伸ばしている。2020年には両国とも減少したが、その後のインドは大きく増加し2023年では19.7万人となった。中国の伸びは小さく、同年で12.3万人となった。
(A)日本

(B)米国

注:
1) 全分野を対象としている。
2) 日本の場合の外国人とは、日本国籍を持たない者。2012年7月に新しい在留管理制度が導入されたことにより、中国と台湾の学生を分けて集計している。科目等履修生・聴講生・研究生も含む。
3) 米国の場合の外国人とは、教育課程を履修可能な非移民向けの一時的なビザを用い、米国内で現に教育課程を履修している者である。
参照:科学技術指標2025図表3-5-1
(1)博士課程入学者のうち留学生について、2024年度では0.3万人、対前年度比は3.7%減である。
