3.研究開発人材から見る日本と主要国の状況

(1) 日本の大学部門や企業部門の研究者数の伸びは他の主要国と比べて小さい。

 企業及び大学部門の研究者数は、中国が主要国中1番の規模である。企業部門の研究者数では、米国と中国が拮抗しつつ伸びていたが、2021年以降中国が大きく増加した。日本は2000年代後半からほぼ横ばいに推移し、2017年以降は微増していたが、2024年は52.4万人、対前年比は1.3%減となった。大学部門についても、中国の研究者数は大きく増加している。ドイツは2000年代中頃から研究者数が増加しており、日本に迫っている。日本の伸びは緩やかであり、最近は横ばい傾向である。


【概要図表 7】 企業部門と大学部門の研究者数の推移
(B)大学

注:データが掲載されてない期間は点線で示した。
参照:科学技術指標2025図表2-2-11

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(2) 日本の研究者における博士号保持者は2024年で18.8万人、研究者(大学院博士課程在籍者を除く)に占める割合は21.5%である。

 2024年において、博士号保持者数が最も多い部門は「大学等(14.1万人)」である。「企業」は同年で2.8万人と他部門と比較すると小さいが、2002年と比較して1.7倍となっている。
 研究者(大学院博士課程在籍者を除く)に占める博士号保持者の割合は「大学等」で大きく、2024年で61.4%である。最も割合が小さいのは「企業」であり、同年で4.6%である。


【概要図表 8】 各部門における博士号を持つ研究者の状況(HC値)

 

注:
1) 研究者はHC(実数)である。
2) 概要図表8(B)における「大学等」の研究者は、「教員」、「医局員・その他の研究員」を対象とし「大学院博士課程在籍者」を除いている。博士号保持者はこの内数である。また、学外からの兼務者は除いている。
3) 該当年の3月31日時点の研究者数を測定している。

参照:科学技術指標2025図表2-1-8


(3) 女性研究者数は前年と比較すると、0.3%減少しているが、博士号を保持する女性研究者数は2.7%増加している。「大学等」での任期有り研究者の割合は男性よりも女性の方が大きい。

 2024年の日本の女性研究者数は18.3万人、全体に占める割合は18.5%である。そのうち博士号保持者は3.8万人であり、着実に増加している。
 「大学等」における任期有り研究者の割合を見ると、「保健」分野では任期有り研究者の男女差が見られないのと比較して、「理学」、「工学」、「農学」では、男女差が大きい。


【概要図表 9】 日本の女性研究者数及び全研究者に占める割合の推移

注:
1) 2001年までは研究本務者の値である。2002年以降はHC(実数)である。
2) 2001年以前の値は該当年の4月1日時点の研究者数、2002年以降の値は3月31日時点の研究者数を測定している。

参照:科学技術指標2025図表2-1-12

【概要図表 10】 大学等における任期有り研究者の割合(2024年)

注:
1) 教員及びその他の研究員を対象としている。HC(実数)である。
2) ここでの任期無し研究者は、教員及びその他の研究員のうち、雇用契約期間の定めがない者(定年までの場合を含む)をいう。任期有り研究者とは、任期無し研究者以外を指す。
3) 該当年の3月31日時点の研究者数を測定している。

参照:科学技術指標2025図表2-2-15