5.研究開発のアウトプットの状況

(4) パテントファミリーにおける国際共同(共同国数2か国以上)割合は欧米で高く、アジアで低い傾向にある。

 パテントファミリーにおける国際共同(共同国数2か国以上)割合を見ると、2020年において割合が最も高いのは英国であり39.8%、これに米国が30.0%、フランスが25.4%、ドイツが23.3%と続いている。中国は16.0%、韓国は5.6%であり、日本は4.1%と最も低い。推移を見ると、中国では国際共同割合が大きく低下しているが、他の主要国については中国ほどの大きな変化はない。


【概要図表 19】 主要国のパテントファミリーにおける国際共同割合の推移

注:
共同国数2か国以上が、国際共同に対応。

参照:科学技術指標2025図表4-2-8


(5) 日本の技術(特許)は他国と比べて科学的成果(論文)を引用している割合が低い。また、日本の論文が世界の技術に引用されている割合は世界の平均程度である。

 科学と技術のつながりを見るために、パテントファミリー(2013-2020年の合計)が引用している論文の情報を用いて分析を行った。論文を引用しているパテントファミリー数を国・地域別に見ると、日本は世界第2位である。しかし、日本のパテントファミリーの中で論文を引用しているものの割合は6.9%であり、日本の技術は他国と比べて科学的成果を引用している割合が小さい。他方、2013-2020年のパテントファミリーに引用されている論文数(1981-2020年の合計)では世界第5位である。論文数に占めるパテントファミリーに引用されている論文数割合は3.1%であり、ここに示した国・地域の平均程度である。

【概要図表 20】 論文を引用しているパテントファミリー数
:上位10か国・地域

参照:科学技術指標2025図表4-3-2

【概要図表 21】 パテントファミリーに引用されている論文数
:上位10か国・地域

参照:科学技術指標2025図表4-3-3


(6) 主要国のパテントファミリーが最も引用しているのは米国の論文である。

 日本のパテントファミリーから論文への引用の26.7%が日本の論文に対するものである。しかし、日本のパテントファミリーが最も引用しているのは米国の論文(40.6%)である。いずれの主要国においても、各国のパテントファミリーが最も引用しているのは米国の論文である。米国において自国の次に多く引用しているのは英国の論文である(10.6%)。中国のパテントファミリーでは自国の論文を引用している割合が他の主要国に比べて低い(13.0%)。


【概要図表 22】 主要国間の科学と技術のつながり

参照:科学技術指標2025図表4-3-4