(4) 日本のハイテクノロジー産業貿易収支比は、主要国の中でも低い数値である。他方、ミディアムハイテクノロジー産業においては、日本は主要国の中で第1位を維持している。
日本のハイテクノロジー産業貿易収支比は、最新年で0.72(入超)である。ミディアムハイテクノロジー産業貿易収支比について、最新年の日本は2.58(出超)であり主要国中第1位である。中国は増加傾向が続いており、最新年は1.76となり日本に次ぐ値となった。

注:
ハイテクノロジー産業とは「医薬品」、「電子機器」、「航空・宇宙」を指す。
参照:科学技術指標2023図表5-2-4

注:
ミディアムハイテクノロジー産業とは、「化学品と化学製品」、「電気機器」、「機械器具」、「自動車」、「その他輸送」、「その他」を指す。
参照:科学技術指標2023図表5-2-6
(5) 日本の貿易において、「自動車」は他の概況品と比較してもその輸出の強さが顕著である。
財務省の貿易統計を用いて概況品の貿易収支比を見ると、「自動車」、「半導体等製造装置」、「繊維機械」などは、依然として強い輸出を維持している。特に「自動車」は全期間を通じて大きな出超を維持し続けている。他方、「音響・映像機器(含部品)」や「通信機」などは輸出が減少し、入超に転じている。また、「医薬品」については、全期間を通じて入超の状態が続いている。

注:
概況品とは財務省貿易統計において、いくつかの統計品目をまとめて、一般的な名称を付したもの。
参照:科学技術指標2023図表5-2-8
(6) 日本の貿易において、「通信機」、「音響・映像機器(含部品)」については、中国への依存度が大きい。
2022年時点で入超である概況品に注目すると「通信機」、「音響・映像機器(含部品)」については、中国への依存度が大きな状況にある。輸入については、グローバル企業の生産体制とも関係しているが、中国は「AV機器」、「電気通信」、「デジタル通信」においてTop10%パテントファミリー数シェアを増していることから(本編図表4-2-14(B)参照)、中国の技術力の向上も影響していると考えられる。

注:
輸入額は2020~2022年の3年間の平均。
参照:科学技術指標2023図表5-2-9