5.2主要国の産業貿易の構造と付加価値

ポイント

  • 主要国の貿易額(輸出額)における製品とサービスのバランスに注目すると、各国最新年において、韓国(13.4%)、ドイツ(19.2%)、日本(19.5%)はサービスの割合が小さく、英国(48.2%)、米国(33.3%)、フランス(30.1%)では、サービスの割合が大きい。
  • 主要国の産業貿易の構造を見ると、ミディアムハイテクノロジー産業が最も多くを占める国が多い。各国最新年においてミディアムハイテクノロジー産業の割合が大きな国は日本(55.7%)、次いでドイツ(48.2%)である。中国では、ハイテクノロジー産業が最も多くを占めている(30.6%)。ミディアムハイテクノロジー産業の割合も28.2%と高く、それぞれの産業が一定の重みを持っている。
  • ハイテクノロジー産業貿易収支比を見ると、日本は長期的に貿易収支を減少させている。2011年以降1を下回り、入超となった。2021年の日本の収支比は0.71である。韓国は主要国中、最も収支比が高く、2020年で1.54、これに、中国1.20、ドイツ1.15が続いている。最も低いのは米国であり、2021年で0.57である。
  • 2021年の日本のミディアムハイテクノロジー産業貿易収支比は2.58であり、主要国中第1位である。推移を見ると、1990年代中頃に、急激な減少を見せた後は漸減傾向にある。米国、ドイツ、フランス、英国の貿易収支比が大きく変化しない中、貿易収支比を増加させているのは韓国、中国である。ただし、韓国は2014年以降、微減に推移している。最新年(2020年)の収支比は中国は1.51、韓国は1.56である。
  • 全産業の総付加価値に対する「情報」産業付加価値の割合を見ると、各国最新年では、韓国(13.1%)が最も大きく、米国(8.4%)、英国(7.8%)、日本(6.5%)と続く。
  • 「情報」産業の付加価値の内訳を見ると、日本は「コンピュータ、電子および光学製品」が減少し、「ITおよびその他の情報サービス」が増加している。これに対して、韓国では「コンピュータ、電子および光学製品」が最も多く、拡大し続けている。

5.2.1主要国の貿易

 貿易の主たるものは製品であるが、目に見える製品の輸出入以外にも、サービスの貿易が様々な形態によって行われており、各国の国内においてもサービス分野の比重は高まっていると考えられる。ここでは主要国の貿易について、製品とサービスに分類した輸出入額の推移を見る(図表5-2-1)。
 輸出入額全体の推移を見ると、ほとんどの国で、2008年まで増加傾向にあり、2009年に一旦落ち込んだ後、増加に転じている。中国の輸出を除いて、2020年の貿易額が減少している。国によって程度の差はあるが、製品の方がサービスより貿易額が多い。
 各国別に状況を見ると、日本の輸出額については、2009年以降、製品、サービスともに年によるゆらぎはあるが、増加傾向にあった。ただし、製品は2019年、2020年に、サービスは2020年に減少している。サービスの輸出額の全体に占める割合は、長期的に増加傾向にあったが、2020年では前年度より2.7ポイント減少し、19.5%となった。
 米国の輸出額については、長期的に見ると、製品、サービスともに増加していたが、いずれも2020年に大きく減少した。全体に占める割合は、長期的に増加傾向にあったが、ピークであった2016年と比較すると1.9ポイント減少し、33.3%となった。
 ドイツ、フランス、英国については、2009年以降の輸出入額は増加しており、製品、サービスともに同様の傾向であった。しかし、2020年では、全ての輸出入額が減少し、2021年では増加した。2021年のサービスの輸出額に注目すると、ドイツでは輸出額全体の19.2%、フランスでは30.1%、英国では48.2%をサービスの輸出額が占めている。ドイツ、英国ではサービスの輸出の割合は伸びていたが、フランスについては2010年代半ばから伸びは停滞している。
 韓国については、他の国と異なり、2012年以降は、輸出入額は増減しつつおおむね横ばいに推移している。サービスの輸出額は、輸出額全体の13.4%(2020年)であり、他の国と比較して、最も小さい割合であり、2010年代に入ってからほぼ横ばいに推移している。


【図表5-2-1】 主要国における貿易額の推移

注:
1) 中国は「製品」と「サービス」に分類されたデータが記載されていなかった。
2) ドイツの2018~2021年、フランスの2019~2020年、韓国の2020年は暫定値である。
資料:
OECD,“National Accounts” Gross domestic product (GDP)

参照:表5-2-1


(1)主要国の産業貿易の構造

 ハイテクノロジー産業やミディアムハイテクノロジー産業といった「研究開発集約活動(R&D - intensive activities)」(3)の貿易については、技術貿易のように科学技術知識の直接的なやり取りについてのデータではないが、実際に製品開発に活用された科学技術知識の間接的な指標であると考えられている。ここではまず、OECDの定義による研究開発集約のレベル(研究開発費/粗付加価値)にもとづき、産業を分類し、産業貿易のバランスを見る。
 図表5-2-2では、主要国の産業貿易のうち、輸出額について、①ハイテクノロジー産業(HT産業)、②ミディアムハイテクノロジー産業(MHT産業)、③ミディアムテクノロジー産業(MT産業)、④ミディアムロウテクノロジー産業(MLT産業)、⑤その他の5つに分類し、その構造を見た。
 日本ではMHT産業が最も大きく、2021年では、55.7%を占めている。他国と比較しても最も大きい。次いでHT産業が15.9%、MT産業が14.6%、MLT産業は5.5%である。時系列を見ると、MHT産業は長期的には増加傾向にある。HT産業については、2000年以前は30%程度で横ばいに推移していたが、その後減少し、2010年頃から再び横ばいに推移している。MT産業は2000年代に割合が増加した後、2011年をピークに微減に推移している。
 米国はMHT産業が最も大きく、2021年では、33.2%を占めている。次いでMLT産業が24.6%、HT産業が22.1%、MT産業が9.5%となっている。時系列を見ると、MHT産業は2000年代半ばから微減傾向にある。HT産業は、2000年代に入り減少した後、2010年代前半は増加していたが、近年では減少傾向にある。MLT産業は2000年代後半から長期的に増加している。MT産業は漸増していたが、2010年代に入るとほぼ横ばいに推移している。
 ドイツはMHT産業が半数を占めており、2020年では48.2%である。次いでHT産業が19.1%、MLT産業が16.9%、MT産業が10.9%となっている。時系列を見ると、ドイツは他国と比較すると変化が少なく、MHT産業、MLT産業、MT産業は横ばい又は微減、HT産業は2000年頃まで漸増した後は横ばい、2015年頃から微増している。
 フランスはMHT産業が最も多く、2020年では36.1%を占めている。次いでMLT産業が22.8%、HT産業22.4%、MT産業が10.5%である。時系列を見ると、MHT産業は2000年代後半から減少した後、2010年代に入ってからはほぼ横ばい、HT産業は長期的には増加していたが、最新年では減少した。MLT産業、MT産業は2010年頃からほぼ横ばいに推移している。
 英国はMHT産業が最も大きく、2020年で31.4%である。次いでHT産業が20.5%、MT産業が19.6%、MLT産業が17.9%である。時系列を見ると、MHT産業は長期的に見れば、微減傾向にある。HT産業は2000年頃まで増加した後は減少に転じ、2013年以降増加、2016年から減少している。MT産業は2013年に大きく増加した後、減少に転じ、2020、2021年と増加した。
 中国は1990年ではMLT産業が多くを占めていたが、1990年代にHT産業、MHT産業が増加、それに伴いMLT産業が減少し、2020年ではHT産業が30.6%と他国と比較しても最も大きい。MHT産業が28.2%、MLT産業が25.0%と、研究開発集約型の産業からそうでない産業まで3つの産業がほぼ同程度となっている。
 韓国では、1990年ではMLT産業が最も多くを占めていたが、その後は2010年頃まで継続的に減少が続き、これに代わってMHT産業の増加が見られた。HT産業については、2004年まで漸増した後は減少、2012年を境に増加に転じている。2020年では、MHT産業が最も大きく39.7%である。次いでHT産業33.5%、MT産業14.7%、MLT産業が11.4%である。

 

【図表5-2-2】 主要国の産業貿易輸出割合
(A)日本
(B)米国
(C)ドイツ
(D)フランス
(E)英国
(F)中国
(G)韓国
(H)産業貿易の内訳

資料:
OECD,“STAN Bilateral Trade in Goods by Industry and End-use (BTDIxE), ISIC Rev.4”

参照:表5-2-2


(2)ハイテクノロジー産業貿易

 ハイテクノロジー産業とはOECDの定義(High R&D intensive industries)に基づいている。具体的には「医薬品」、「電子機器」、「航空・宇宙」の3つの産業を指す。
 図表5-2-3は主要国のハイテクノロジー産業貿易額の推移である。ほとんどの国で「電子機器」が多くを占めている。日本の輸出額は長期的に見ると、増減しながら減少傾向にあった。また、輸入額については、増加傾向が続いた後、2012年以降は、増減しながらおおむね横ばいに推移していた。ただし、2021年では輸出入ともに増加した。内訳を見ると、輸出、輸入ともに「電子機器」が多くを占めている。
 米国は輸出、輸入額ともに長期的に拡大傾向にあるが、伸びは輸入額の方が大きく、2000年代から入超である。なお、輸出額は2020年に大きく減少、2021年に大きく増加した。米国の輸出は「航空・宇宙」が他国と比較しても大きいことが特徴であるが、2020年には「航空・宇宙」が40.1%減と大きな減少をみせた。「医薬品」については、2021年に大きく伸びた。対前年比率は42%増である。輸入額については、「電子機器」、「医薬品」が大きい。2021年では「電子機器」が大きく増加した。対前年比率は18%増である。
 ドイツの輸出額については、長期的に見ると増加傾向にあるが、2020年では減少した。輸入額についても、長期的に増加しているが、2010年代に入って増加の度合は小さくなっている。輸出入ともに、「電子機器」の額が大きいが、収支はほぼ均衡している。また、「医薬品」と「航空・宇宙」は、ともに出超である。特に「医薬品」の輸出額は、ここに示した国の中で最も大きい。
 フランスの輸出入額についても、2020年では大きく減少した。輸出額の対前年比率は24%減である。フランスは「航空・宇宙」の輸出額が「電子機器」の2倍程度なのが特徴であったが、2020年の「航空・宇宙」の輸出額は大きく減少した。対前年比率は45%減である。また、2020年の「医薬品」については輸出入額ともに増加し、出超である。
 英国については、輸出額は2012年頃からほぼ横ばい、輸入額は2014年まで増加した後、横ばいに推移していた。輸出入額ともに2020年に大きく減少した。長期的に見ると、輸出額については「航空・宇宙」が増加しており、「電子機器」は減少傾向にある。「医薬品」については2015年頃から微減している。輸入額については、「電子機器」は一定の規模を保って推移し、入超となっている。「医薬品」についても、輸出より輸入の伸びが大きく、近年は額が同程度となっている。
 中国は輸出、輸入額ともに著しく拡大し、2000年代後半に入ると輸出額は米国を上回り、大きく伸びた。2013年を境に、輸出、輸入共にその伸びは停滞していたが、近年は再び増加している。ただし、2020年では減少した。産業の構成を見ると、輸出、輸入ともに「電子機器」が大部分を占めている。
 韓国についても、輸出、輸入額ともに「電子機器」がほとんどを占めている。特に輸出額の増加が著しいが2019年に大きく減少した。
BRICsのデータを見ると、ロシア、ブラジル、インドともに輸入額が大きい。ブラジルは「航空・宇宙」で出超であったが、2020年では輸出額が大きく減少する一方で、輸入額が大きくのび、入超となった。インドは「医薬品」で出超であり、輸出額も増加傾向にある。

 

【図表5-2-3】 主要国におけるハイテクノロジー産業貿易額の推移

資料:
OECD,“STAN Bilateral Trade in Goods by Industry and End-use (BTDIxE), ISIC Rev.4”

参照:表5-2-3


 図表5-2-4に、ハイテクノロジー産業全体の貿易収支比の推移を示した。日本は長期的に貿易収支を減少させている。2011年以降、1を下回り、入超となっている。2021年の日本の収支比は0.71である。
 米国、ドイツ、フランス、英国の収支比は、1990年代は、1前後に推移していた。米国、英国については、2000年前後から1を下回り、入超で推移し続けている。2021年では米国は0.57、英国は0.86となっている。
 ドイツは2000年頃から1を上回り出超となり、2012年以降は横ばいに推移している。2020年では1.15である。
 フランスは1990年代前半には1を上回り、出超で、ほぼ横ばいに推移している。2020年では1.03である。
 中国は収支比を上昇させていたが、2008年以降、微減している。2020年では1.20である。
 韓国は主要国中、最も収支比が高い。2020年で1.54となっている。

 

【図表5-2-4】 主要国におけるハイテクノロジー産業の貿易収支比の推移

資料:
図表5-2-3と同じ。

参照:表5-2-4



コラム:ハイテクノロジー産業貿易の相手先国・地域

 科学技術指標では以前より、ハイテクノロジー産業貿易について、主要国の状況を見ている(本編5.2.1(2))。そこでは、中国が輸出入ともに拡大、米国は、輸入がより拡大しており、日本でも輸入の伸びの方が輸出より目立つ。また、いずれの国でもハイテクノロジー産業の項目では「電子機器」が多くを占めている状況にある。では、これらハイテクノロジー産業貿易の相手先はどのような国・地域なのであろうか。
 図表5-2-5にハイテクノロジー産業貿易の相手先国・地域を示した。輸出について、1990年(中国は1992年)と最新年を比較すると、日本、韓国では米国が最も大きな輸出相手であったが、その後は中国およびアジア(日中韓以外)への輸出が多くなった。米国、ドイツ、中国については属する大州(アメリカ州、ヨーロッパ州、アジア州)への輸出が一定の規模を保っている。米国では、日本への輸出が減り、中国への輸出が増えている。
 輸入について、1990年(中国は1992年)と最新年を比較すると、日本では58%を占めていた米国が14%となり、中国が1%から36%を占めるようになった。
 米国では、34%を占めていた日本が4%となった。代わって台頭したのは中国であり、2%から36%(2012年~2014年)まで増加した。その後2019年に割合が大きく減少し、最新年では27%となった。中国では、1993年時点、日本(30%)、米国(22%)が多くを占めていたが、両国ともに減少し、近年では8%前後となっている。日米に代わってアジア(日中韓以外)(2020年:53%)が多くを占めるようになった。
 公安調査庁、「内外情勢の回顧と展望 令和4年(2022年)1月」によると、「米国バイデン政権は、同盟国・同志国との連携を強化しつつ、前政権の取り組みを維持、中国は、法整備を実施するなどして対中規制措置をけん制、経済分野を含む様々な領域における米中の対立には、引き続き相互にけん制する状況が続いている」とされている。ハイテクノロジー産業貿易においても、その影響が少なからず現れている可能性がある。
(神田 由美子)


【図表5-2-5】 主要国におけるハイテクノロジー産業貿易額の相手先国・地域別推移

注:
元資料の中国の輸入額の相手先国・地域には、中国も含まれている。これは再輸入に対応する。概要の図表を作成するにあたっては除いた。
資料:
OECD,“STAN Bilateral Trade in Goods by Industry and End-use (BTDIxE), ISIC Rev.4”。

参照:表5-2-5


(3)ミディアムハイテクノロジー産業貿易

 図5-2-2で見たように、ミディアムハイテクノロジー産業は主要国の多くで、輸出額において1番の重みを持っており、その状況を把握する事は、ハイテクノロジー産業貿易の状況を把握する事と同様に重要である。
 ここでいうミディアムハイテクノロジー産業とはOECDの定義(Medium-high R&D intensive activities)に基づいており、国際標準産業分類第4次改訂版(ISIC Rev.4)を用いたデータを使用した。具体的には、「化学品と化学製品」、「電気機器」、「機械器具」、「自動車」、「その他輸送」、「その他」といった産業から構成される。
 図5-2-6のミディアムハイテクノロジー産業貿易の輸出額を見ると、常時、トップであったドイツが2020年において、輸出額を大きく下げた。中国は増加し続け、2020年の値では主要国中、最も多くなった。これに米国、日本が続いている。輸入額を見ると、米国が最も大きい。過去はドイツが続いていたが、2010年以降、中国が上回っている。
 2020年において、輸出額では中国以外の国・地域で、輸入額では韓国以外の国・地域で前年と比べて減少した。
 各国の輸出、輸入の内訳を見ると、日本の輸出額の内訳は「自動車」が最も大きく、次いで「機械器具」が大きい。全体の約7割を占めるこれらの産業は、2000年代に入ってから急激な伸びを示した後、2009年に大きく減少した。その後、回復を見せ、おおむね横ばいに推移していたが、2020年に減少し、2021年には増加した。輸入額では「化学品と化学製品」が最も大きく、次いで「機械器具」が大きい。これらの産業も2020年に減少し、2021年には増加している。
 米国の輸出額では、「化学品と化学製品」が最も大きく、これに「機械器具」、「自動車」が続いている。輸入額では「自動車」が最も大きいが、「機械器具」も大きい。これらを含めた多くの産業で、2020年で減少、2021年での増加が見られた。
 ドイツの輸出額は「自動車」が最も大きく、次いで「機械器具」が大きい。輸入額は「自動車」が最も大きく、これに「化学品と化学製品」が続く。輸出入ともに「自動車」において、2020年に10%を超える減少がみられる。
 フランスでは輸出、輸入ともに、産業の種類別の規模のバランスが似通っている。輸出は「化学品と化学製品」、「自動車」の順で大きく、輸入は「自動車」、「化学品と化学製品」の順で大きい。いずれも2020年で減少している。
 英国も輸出、輸入ともに産業の種類別の規模のバランスが似ている。輸出、輸入共に「自動車」が最も大きく、2020年での減少、2021年での増加が見られた。
 中国においては輸出額では「電気機器」、「機械器具」が大きく、輸入額では「化学品と化学製品」、「機械器具」が大きい。なお、中国ではこれらの大きな産業の2019~2020年の変化において、他国のような大きな減少は見られなかった。
 韓国においては、輸出額では「化学品と化学製品」と「自動車」が大きい。両者とも2010年頃までは大きく伸びていたが、2010年代に入って伸びは鈍化した。輸入額では「機械器具」、「化学品と化学製品」が大きい。
 ロシア、ブラジル、インドについては、その他の国と比較すると規模が小さい。また全ての国で輸入額の方が大きい。輸入額の内訳を見ると、ロシアでは「機械器具」、ブラジル、インドでは「化学品と化学製品」が最も大きい。

 

【図表5-2-6】 主要国におけるミディアムハイテクノロジー産業貿易額の推移

注:
その他は「磁気、光学メディア」、「医療及び歯科用機器・備品」、「軍用戦闘車両」等である。
資料:
OECD,“STAN Bilateral Trade in Goods by Industry and End-use (BTDIxE), ISIC Rev.4”

参照:表5-2-6

 

図表5-2-7に、ミディアムハイテクノロジー産業全体の貿易収支比の推移を示した。
2021年の日本のミディアムハイテクノロジー産業貿易収支比は2.58であり、主要国中第1位である。推移を見ると、1990年代中頃に、急激な減少を見せた後は漸減傾向にある。
韓国の収支比は長期的に増加傾向にあったが、2014年以降、微減している。2020年では1.56を示している。
ドイツの2020年の収支比は1.55であり、継続的に出超である。2000年代半ば以降は、微減している。
中国の収支比は、長期的に増加傾向にある。2020年では1.51となっている。
フランスの収支比は、長期的に減少しており、2020年では0.86である。
英国の収支比は、1991年以外は入超で推移している。2021年では0.72である。
米国の収支比は未だ1を超えたことはなく、2021年では0.62である。

 

【図表5-2-7】 主要国におけるミディアムハイテクノロジー産業の貿易収支比の推移

資料:
図表5-2-6と同じ。

参照:表5-2-7


(3)2019年5月に入手したOECD,“STAN Bilateral Trade in Goods by Industry and End-use (BTDIxE), ISIC Rev.4”では、それまでの「研究開発集約産業(R&D intensive industries)」から「研究開発集約活動(R&D - intensive activities)」に変更されていた。各レベルについて、対象となる産業は今までと同様である。