科学技術政策研究所では、「民間企業の研究活動に関する調査報告2011」を取りまとめました。本調査は、民間企業の研究開発の実施から収益獲得までの一連の動向とそれに関連する戦略的・組織的動向を把握することを目的としています。1968年度より本調査を実施しており、2011年度は、研究開発を行っている資本金1億円以上の企業を対象に2012年2月~3月に実施しました。集計された企業は1,263社(回収率37.4%)でした。

詳細につきましては、以下のリンクより御覧ください。

科学技術政策研究所では、我が国における博士課程を修了した者のうち、人文・社会科学分野を専攻していた者の基本属性と進路動向を明らかにすることを目的として、2002年度から2006年度に博士課程を修了した者(博士号取得及び満期退学者)を対象とした分析を行いました。主な調査結果は以下のとおりです。

  1. 大学教員として就職する者の割合が約45%(専任及び専任以外を含む)であり、理系の19.7%に比べて高いことが分かりました。
  2. 博士課程修了直後にポストドクターとなった者のうちポストドクターの職に留まる者は博士課程修了から時間が経つにつれて減少し、博士課程修了5年後に専任の大学教員になった者は人文科学の場合56.6%、社会科学の場合74.4%まで増えていることが分かりました。これはポストドクターから専任の大学教員になるというアカデミックなキャリアパスが開かれていることを示しています。
  3. また、博士課程修了直後に大学の非常勤職等に就いた者は、博士課程修了から5年後にもそれぞれ65.7%、46.1%が非常勤職等に留まっていました。

詳細につきましては、以下のリンクより御覧ください。

科学技術政策研究所では、大学研究者に対して自らが所属する研究室以外の研究施設や機器の利用状況についてアンケート調査を実施しました。

その結果、多くの大学研究者が外部の研究施設・機器を利用していましたが、利用に関して「事前の情報がない」、「専門知識を有したスタッフがいない」等の様々な問題を感じており、研究施設・機器の共用化に向けて大きな期待を持っていることが明らかになりました。更に訪問調査により米国のスタンフォード大学では学科や学部単位など様々な共用の拠点が存在し、これらはいずれも稼働率が高く、専門人材が拠点ごとに運営・管理を担当していることがわかりました。

これらのことから日本の大学において研究施設・機器を集めた拠点を複数つくるためには、効率的な共用化の障壁となっている法制度等の検証や、共用化による経済的社会的効果の測定が重要であると考え、そのための実証実験の必要性を提言しました。

詳細につきましては、以下のリンクより御覧ください。

科学技術政策研究所では、第4期科学技術基本計画期間中の我が国における科学技術やイノベーションの状況変化を把握するため、産学官の研究者や有識者に対する意識定点調査(NISTEP定点調査)を新たに開始しました。

詳細につきましては、以下のリンクより御覧ください。

報告書等
データ集

科学技術政策研究所では、マクロ経済モデルにより研究開発投資の経済効果を分析し、その分析結果を政策立案へ応用していくことに関する現状や課題について議論を行うための検討会を開催しました。本検討会では、分野別の投資効果の影響を評価するために現在取り組んでいる分野別の知識ストックに係るデータの収集・整備に関する状況、内閣府経済財政モデルなど既存モデルの概要や試算結果、研究開発投資の効果を測定していくためのマクロ経済モデルの在り方、海外における状況等についてのプレゼンテーションの後、参加者間においてディスカッションを行いました。
詳細につきましては、以下のリンクより御覧ください。

科学技術政策研究所では、ライフサイエンス分野、情報通信分野、環境分野、物質・材料分野、ナノテクノロジー分野、エネルギー分野、宇宙開発分野及び海洋開発分野の8分野について、研究成果が実用化されるまでのタイムラグや技術の陳腐化率に関するデータを分野ごとに収集・整備するとともに、当該8分野のタイムラグ、陳腐化率及び研究費のデータを用いて、分野別知識ストックを推計しました。

詳細につきましては、以下のリンクより御覧ください。

科学技術政策研究所では、我が国の科学技術活動を客観的・定量的データに基づき体系的に分析した「科学技術指標2012」を取りまとめました。 主な調査結果は以下のとおりです。

  1. 日本の研究開発費総額は17.1兆円で、2008、2009年度に引き続き、2010年度も減少しています。
  2. 日本の研究者の新規採用者数は、2010、2011年と連続して減少しています。また、大学院博士課程入学者数は、2002年をピークに減少傾向が続いています。
  3. 日本の論文数(2009-2011年の平均)は、世界の論文の生産への関与度を示す整数カウントで見ると、米、中、独、英に続き世界第5位です(1999-2001年の平均は第2位)。また、日本の被引用数の高いTop10%補正論文数(2009-2011年の平均)は、世界のインパクトの高い論文への関与度を示す整数カウントで見ると、米、英、独、中、仏、加に次ぐ、世界第7位です(1999-2001年の平均は第4位)。

詳細につきましては、以下のリンクより御覧ください。

科学技術政策研究所では、研究活動の成果物の一つである科学論文(以下、論文)に着目し、各大学の“個性(強み)”を把握するためのベンチマーキングを行いました。
本調査は、2002-2011年の10年間で1000件以上の論文を産出した128大学を分析対象とし、大きく2つのパートから構成されています。まず個別大学の分野特徴や時系列での変化を把握するために、大学ごとの研究状況シートを作成し、比較を行いました。次に、個別大学の相対的な状況を把握するため、国内大学内でのポジショニングの分析および各種研究分野における世界と競える強みを持つ大学の分析を行いました。

詳細につきましては、以下のリンクより御覧ください。

科学技術政策研究所では、博士課程修了者の就職活動の実態や、国内外の多様な場で活躍していくために今後必要な取組の視点を明らかにすることを目的に、2010年度に博士課程を修了した者(修了予定を含む)を対象とした調査を実施、分析を行いました。

  1. 博士課程進学時には国外を含め課程修了後の進路を幅広く考えていた学生が多いですが、就職活動での応募先は絞り込まれています。進学時の就職意識と実際の応募先機関の種別にはギャップがみられます。
  2. 教育機関(大学等)への就職活動と比べ、民間企業への就職活動は開始や終了の時期が早く、短期決戦で実施されていますが、その間に費やされた時間的な負担(割合)は多いことが示されています。
  3. 国外での研究経験や民間企業でのインターンシップ経験がある者は、国外機関や民間企業に応募した割合が高いことが示されました。また、民間企業でのインターンシップは、民間企業への就職意識がなかった者の企業応募への後押しになっていることから、企業への就職を考えていない者が企業でのインターンシップを経験する機会を増やすことは、キャリア選択の多様化につながると考えられます。

詳細につきましては、以下のリンクより御覧ください。

2012年6月7日、科学技術政策研究所(所長:桑原輝隆)と早稲田大学総合研究機構(機構長:森原隆)は、科学技術政策研究所が実施する科学技術予測及び科学技術動向調査と、早稲田大学総合研究機構に所属する次世代科学技術経済分析研究所が実施する産業連関分析を主な手法とする科学技術の経済的分析について、相互の連携及び協力による研究活動の実施や研究能力の向上等を目的とした覚書を締結しました。
詳細はこちらを御覧ください。

科学技術政策研究所では、日本の研究者に占める女性比率が国際的に低いという問題について、研究者の約6割が所属する大学の教員に占める女性比率や、大学・大学院の学生に占める女性比率について分析しました。

  1. 近年、日本の大学学部卒業者及び大学院修了者に占める女性比率は増加し、例えば1975年から2010年の35年間に博士課程修了者の女性比率は約5倍に増え3割程度になっています。
  2. 多くの分野では大学から大学院に上がるほど女性学生比率が低くなりますが、工学と社会科学分野では大学と大学院での女性比率がほぼ等しくなっています。これは大学院で女性留学生が増加するためです。
  3. 擬似コホートを用いた分析によって、若い世代ほど改善しているとは言え、大学教員では職階が高いほど女性比率が低いことが示されました。2007年度の日本人女性教員の離職率(定年退職を除いた値)は6.6%であり日本人男性よりも2.2%ポイント高いことから、女性が大学に勤務する上で男性と異なる隘路があると考えられます。

詳細につきましては、以下のリンクより御覧ください。

科学技術政策研究所は、鹿児島県地域において地方国立大学と地域産業との連携に関する調査を実施し、分析結果を取りまとめました。アンケート調査を鹿児島大学 産学官連携推進センター中武貞文准教授が担当し、質問票の集計・分析を科学技術政策研究所が担当しました。質問票郵送方式(配布500社、有効回答162社、回収率 32.4%)・インタビュー形式(2社)併せて164社の有効回答を得ました。
分析の結果、本調査回答企業の30%に当たる49社が産学連携を経験しており、回答企業の23%にあたる37社が鹿児島大学と連携していました。鹿児島大学の連携に着目すると、県内企業と鹿児島大学との連携は2000年代に活発化し、地理的にも拡大していました。今後、大学・高専は、卒業生とのリンクを活用して、より広い意味での産学連携支援体制を構築していく必要があることを指摘しました。

詳細につきましては,以下のリンクより御覧ください。

科学技術政策研究所では、日本、アメリカ、ドイツの回答者に25個の事例を提示し、それぞれに対してイノベーションと思う程度を回答してもらいました。また、その回答の際に用いた基準についても調査しました。その結果、ある事例をイノベーションと認識する程度は、全体的にアメリカで最も強く、次いでドイツ、日本の順になる傾向がみられました。また、イノベーションと思う程度を回答する際に「技術・アイデアの先進性」が3か国ともにその基準として最も重視され、中でも特に日本でその度合いが強くなる結果が得られました。また、「登場時のインパクト」が日本やドイツよりもアメリカで重視された一方、「現時点での新規性」と「社会的な重要度」はアメリカよりも日本やドイツで重視されました。

詳細につきましては,以下のリンクより御覧ください。