我が国が今後も持続的に成長・発展していくためには、イノベーションを通じた生産性の向上が不可欠です。当研究所は、大学・公的研究機関のみならず民間企業にも着目し、そこでの研究開発活動を含めた有形・無形資産への投資によって生み出される知識の蓄積が、イノベーションの実現につながるプロセスの解明等に取り組んでいます。

イノベーションと無形資産

我が国が今後も成長を維持していくためにはイノベーションによる生産性の上昇が求められています。また、先進国である我が国においてイノベーションを実現するためには無形資産への投資が重要です。当研究所では、無形資産への投資がイノベーションを通じて生産性の上昇に結び付くプロセスを、経済学的なアプローチにより解明することに取り組んでいます。総務省一般統計調査として「全国イノベーション調査」を実施し、企業のイノベーション活動に関するデータを収集するとともに、政府統計個票データをはじめとする国内外の様々なデータを活用した無形資産・イノベーション・生産性に関するデータベース構築と実証的な分析を行っています。さらに、これらの調査研究活動を促進するために、経済協力開発機構(OECD)、独立行政法人経済産業研究所(RIETI)、一橋大学等の国内外の機関との連携も行っています。

各国の製造業におけるプロダクト・イノベーション実現割合
Discussion Paper No. 68(日本) Eurostat database(その他各国)

調査研究成果

全国イノベーション調査

全国イノベーション調査は、OECDのオスロ・マニュアル(イノベーションに関するデータを収集するためのガイドライン)に準じて、民間企業のイノベーション活動の実態や動向を調査する政府統計(一般統計調査)です。オスロ・マニュアルに準じたイノベーション調査は世界の約80ヵ国で実施されており、結果の国際比較が可能となっています。
当研究所では、これまでに全国イノベーション調査を3回実施してきました。なお、調査実施に先立って試験的な調査を実施することにより、回答者の負担を最小化するための工夫を行うとともに、「全国イノベーション調査アドバイザリー委員会」を設置して有識者・専門家の意見を収集することによって政策的・学術的な視点からの調査項目・調査方法の見直し・改善を行っています。
また、調査及び結果の国際比較を進めるに当たり、OECD科学技術指標各国専門家ワーキング・パーティ(NESTI: National Experts on Science and Technology Indicators)と連携を行っています。

無形資産投資・イノベーション・生産性に関するデータベース構築

大学・公的機関における研究活動および民間の研究開発をはじめとする無形資産投資が産業におけるイノベーションと生産性に及ぼす影響を科学的に分析するために基礎となるデータベースの構築に取り組んでいます。無形資産投資に関するデータ、企業間および公的機関から企業へのR&Dスピルオーバー効果に関する指標、イノベーションの実現や特許出願といった中間段階の成果指標、生産性や雇用創出などの経済成長に関するデータについて、産業及び地域別の集計データや上場企業のミクロデータを整備します。

構築されたデータベースは「科学技術イノベーション政策における『政策のための科学』」推進事業(データ・情報基盤整備)の一環として順次公開しています(政策のための科学:「データ・情報基盤」のページを開く)

また、データベースの構築にあたっては、RIETIや科学研究費補助金によるプロジェクトを実施する大学と連携するとともに、無形資産計測に関するOECDの「New Sources of Growth Project(成長の新しい源泉プロジェクト)」との国際連携をおこなっています(OECDにおけるNew Sources of Growth Projectに関する詳細)。

無形資産投資・イノベーション・生産性の関係に関するミクロデータ分析

企業における研究開発をはじめとする無形資産投資の決定要因とそれら無形資産投資のイノベーションに対する影響、さらには生産性の上昇に対する影響について研究を実施しています。特に、民間企業における研究開発投資の産業内・産業間のスピルオーバー効果の経路に関する研究、大学等の公的機関における研究活動が企業・産業のイノベーションに与える影響に関する研究に取り組んでいます。また、本研究は「全国イノベーション調査」と「無形資産投資・イノベーション・生産性に関するデータベース構築」で収集されたデータを活用して進めています。

イノベーションと無形資産に関するその他の成果
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研究開発マネジメント

イノベーションのプロセスは、その中心的アクターである企業と政府、大学・公的研究機関との相互作用によって形成されています。イノベーションの創出という観点から科学技術政策を立案・推進していくにあたっては、政府や大学・公的研究機関のみならず、我が国の研究開発費の約7割を負担している民間企業における研究開発活動およびマネジメントの動向を適切に把握しておくことが重要になります。
民間企業による研究活動の動向を把握するため、1968年度より科学技術庁(当時)が総務省承認統計として「民間企業の研究活動に関する調査」を開始、その後、ほぼ毎年実施されており、2008年度調査から当研究所が引き継いで実施しています。
その他、当研究所では、民間企業の研究開発活動の国際展開や産学連携、知的財産マネジメント等に着目した調査研究や大学・公的研究機関の研究マネジメントに関する調査も実施しています。

調査研究成果

民間企業の研究活動に関する調査

一般統計調査である「民間企業の研究活動に関する調査」を毎年実施しています。調査対象は資本金1億円以上で研究開発活動を実施する企業約3,500社です。

産学連携に関する調査

1990年代後半から国等による推進施策が展開されている産学連携活動の実態を捉えるため、産学連携に関するデータベースを整備するとともに、それらを活用して産学連携活動に関する分析を行っています。

知的財産権とイノベーションに関する調査

知的財産権を研究開発の成果指標として利用する方法や、イノベーションを促進するための知的財産制度・マネジメントのあり方に関する研究を実施しています。

企業の研究開発の国際化に関する調査

企業の研究開発活動の国際化が進展している現状を踏まえ、その実態を解明するために、研究開発活動の国際化の現状や現地法人での具体的取組に関する調査、海外との研究開発協力等に関する調査を行っています。

大学・公的研究機関等のマネジメントに関する調査

イノベーションのアクターである大学・公的研究機関等のマネジメントに着目した調査研究を実施しています。公設試験研究所のマネジメントに関する調査研究、世界のトップクラス研究拠点に着目した調査等を行っています。

民間企業に関するその他の調査

民間企業の研究活動以外の活動がイノベーションに与える影響に着目した調査分析を行っています。

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