次に、パテントファミリーの出願先(自国への出願分は除く)を見ることで、主要国からの特許出願の国際的な広がりの時系列変化を見る(図表4-2-13)。
日本からのパテントファミリーの出願先は、1981年時点では約9割が米国・ヨーロッパとなっていたが、1990年代に入って中国への出願が増加している。2019年時点では米国への出願が40.5%、中国への出願が27.2%、欧州特許庁への出願が14.0%となっている。ヨーロッパ各国の特許庁への直接出願については、長期的にその割合が減少したが、2000年代後半からは3~4%台で推移している。2019年時点では、4.0%である。
米国からのパテントファミリーの出願先は、1981年時点では約6割がヨーロッパ、16.1%が米国以外の北米・中南米、17.6%が日本となっていた。1990年代に入って日本以外のアジアの国への出願が増加し、2019年時点ではアジアへの出願が全体の45.1%を占めている。また、アフリカへの出願も一定数存在している。
2019年時点に注目すると、ドイツについては30.5%がアジア、29.5%が米国を含む北米・中南米、37.7%が欧州に出願されている。
フランスについてはアジアが26.6%、米国を含む北米・中南米が30.4%であり、39.3%が欧州に出願されている。
英国については26.3%がアジア、38.5%が米国を含む北米・中南米、30.8%が欧州に出願されている。これらの国についてアジアにおける出願先を見ると、日本の割合が相対的に下がり、中国や韓国の割合が上がっている。米国と同じく、アフリカへの出願も一定数存在している。
中国からの出願は1980年代後半時点では、欧州への出願が約半数を占めており、それにアジア、米国が続いていた。その後、米国への出願の割合が大幅に増加する一方で、欧州への出願の割合は減少している。2019年時点では45.7%が米国を含む北米・中南米、24.9%がアジア、27.6%が欧州となっている。
韓国からの出願は1986年時点では、欧州が約4割、アジアが約3割、米国が約2割を占めていた。その後、米国への出願の割合が大幅に増加し、2019年時点では50.5%が米国を含む北米・中南米、32.7%がアジアとなっている。アジアにおける出願先を見ると、日本の割合が相対的に下がり、中国の割合が上がっている。
(A)日本 |
(B)米国 |
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(C)ドイツ |
(D)フランス |
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(E)英国 |
(F)中国 |
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(G)韓国 |
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注:
パテントファミリーの分析方法については、テクニカルノートを参照。
資料:
欧州特許庁のPATSTAT(2024年秋バージョン)を基に、科学技術・学術政策研究所が集計。
参照:表4-2-13




