パテントファミリーにおける国際共同の状況を見ると(図表4-2-7(A))、国際共同(共同国数が2か国と3か国以上)によるパテントファミリーの占める割合は、1980年代には5%に満たなかった。1990年代以降、徐々に増加し、2000年半ばには13%にまで達しており、パテントファミリーにおける国際協力関係が強まっていることが伺えた。しかし、その後、国際共同によるパテントファミリーの占める割合は、減少傾向に転じ、2020年には11.3%となっている。
国際共同国数の内訳を見ると(図表4-2-7(B))、2か国での国際共同の方が3か国以上での国際共同より多い。2020年時点における、2か国での国際共同の割合は9.1%、3か国以上での国際共同の割合は2.2%となっている。
主要国を対象に、国際共同(2か国以上)によるパテントファミリーの占める割合の推移を見た(図表4-2-8)。2020年において割合が最も高いのは英国であり、39.8%、これに米国が30.0%、フランスが25.4%、ドイツが23.3%と続いている。中国は16.0%、韓国は5.6%であり、日本は4.1%と最も低い。推移を見ると、中国では国際共同割合が大きく減少しているが、他の主要国については大きな変化は見えなかった。
パテントファミリーについて、欧米では国際共同で出願する割合がアジアと比較して高い。他方、日本、韓国ではパテントファミリーを単国で出願する割合が高い。中国では国際共同から単国で出願するようになっている。
(A)共同国数別パテントファミリー数
注:
1) パテントファミリーの分析方法については、テクニカルノートを参照。
2) 共同国数が2か国と3か国以上が、国際共同に対応。
資料:
欧州特許庁のPATSTAT(2024年秋バージョン)を基に、科学技術・学術政策研究所が集計。
参照:表4-2-7
注:
1) パテントファミリーの分析方法については、テクニカルノートを参照。
2) 共同国数2か国以上が国際共同に対応。
資料:
欧州特許庁のPATSTAT(2024年秋バージョン)を基に、科学技術政策研究所が集計。
参照:表4-2-8
