科学技術・学術政策研究所(NISTEP)が発行する「STI Horizon(エスティーアイ ホライズン)」誌は、科学技術・イノベーション政策に資する情報をお届けして参ります。
スペシャルレビュー(アンケート)を実施しております。当誌に関するご意見をお寄せください。
目次:2025 秋号 (Vol.11 No.3)
所長就任挨拶
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NISTEP着任に当たって
- 文部科学省 科学技術・学術政策研究所 所長 塩崎 正晴
はじめに
- STI Horizon 2025秋号発行に当たって
- STI Horizon 誌編集長 林 和弘
(科学技術・学術政策研究所 上席フェロー)
- STI Horizon 誌編集長 林 和弘
ナイスステップな研究者から見た変化の新潮流
- ナイスステップな研究者2024の御紹介(1)
2024年12月17日(火)に選定した10名の「ナイスステップな研究者 2024」選定者のうち、本稿では佐々田 槙子氏(東京大学大学院 数理科学研究科 教授)、高山 和雄氏(東京科学大学 総合研究院 難治疾患研究所 教授)、及び坪山 幸太郎氏(東京大学 生産技術研究所 講師)の研究活動等を御紹介する。
ほらいずん
- 産学官の連携が織り成す地域のエコシステム
-岩手地域の産学官連携システムの分析-- 第2研究グループ 主任研究官 西川 洋行
第2調査研究グループ 上席研究官 松本 泰彦
産学官連携の黎明期から特徴的な取組・活動を続け、地域に多大な貢献をもたらしてきた岩手地域の事例から、これまでの産学官連携の経緯を振り返り、今後の地域のエコシステム構築に向けた取組を紹介し、そのヒントを探る。
- 第2研究グループ 主任研究官 西川 洋行
- 社会における研究者のウェルビーイング向上のための多元的指標体系の構築
- 科学技術予測・政策基盤調査研究センター/データ解析政策研究室 主任研究官 酒井 朋子
本稿では、「研究者ウェルビーイング向上のための多元的指標体系構築」プロジェクトを紹介する。本研究は、従来の論文数中心の評価から脱却し、研究者の多様な価値観を反映した新指標体系を通じて、研究エコシステム全体の質的変革を実現する政策科学のアプローチを提案する。
- グローバル・サイエンスに関するマスカット宣言を読む
- データ解析政策研究室 客員研究官 近藤 康久
2025年1月に発出された「グローバル・サイエンスに関するマスカット宣言」を解説する。宣言は、科学がグローバルな公共財であるという立場を明示した上で、科学が社会正義・平和・安全保障・持続可能性を促進する役割を担うことを強調した。
レポート
- 大学の研究活動の多角的把握に向けた試み
-NISTEP定点調査を活用した新たな分類視点-- 科学技術予測・政策基盤調査研究センター長 伊神 正貫
産学連携・知的財産活動関連の指標を用いた新たな大学グループ分類を試行し、NISTEP定点調査の再分析を行った。NISTEP定点調査のモニタリング機能を生かした大学における研究活動の多角的把握の一環として、今後の分類方法や分析の在り方について探索的な示唆を提供する。
- 日本の研究機関における研究データ管理(RDM)の実践状況2024
-政策の効果と継続的な課題-- データ解析政策研究室 客員研究官 池内 有為、客員研究官 南山 泰之、室長 林 和弘
大学等を対象とした研究データ管理に関する2024年度の調査結果を二次分析した。データポリシーの策定・検討率は70.8%(4年間で+47.3ポイント)、機関リポジトリの提供率は54.6%(同+30.7ポイント)であり、政策の効果やコミュニティによる取組の成果がみられた。
- 地域イノベーションの現状と課題
-九州沖縄地域でのヒアリング調査から見えてきたもの(1)-- 第2調査研究グループ 総括上席研究官 藤田 健一、上席研究官 松本 泰彦
地域経済衰退の中、地方においては産学官連携のための国の競争的資金などを獲得し、地域イノベーションの実現に向けて取り組んでいるが、当該資金は時限的であり、その後の事業継続に支障を来している。人材不足・資金不足が顕著であり、対策が求められる。