STI Hz Vol.10, No.2, Part.6:(ほらいずん)地域ワークショップin 石川 開催報告- 2050 年のカーボンニュートラル実現に向けて-STI Horizon

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  • DOI: https://doi.org/10.15108/stih.00371
  • 公開日: 2024.06.25
  • 著者: 横尾 淑子、蒲生 秀典
  • 雑誌情報: STI Horizon, Vol.10, No.2
  • 発行者: 文部科学省科学技術・学術政策研究所 (NISTEP)

ほらいずん
地域ワークショップ in 石川 開催報告
-2050年のカーボンニュートラル実現に向けて-

科学技術予測・政策基盤調査研究センター 専門職 横尾 淑子、特別研究員 蒲生 秀典

概 要

2023年10月、金沢大学との共催によりワークショップを開催し、2050年のカーボンニュートラル実現に向けた石川地域の社会像について検討を行った。「持続可能なまちづくり」、「次世代海洋利用の在り方」、「環境保全を考えた地場産業の今後」、「循環型社会の実現に向けて」をグループ別対話テーマに設定して検討した結果、伝統の中に織り込まれた革新、海ごみの資源化と循環、空き家活用、地産地消、潮流・太陽光・地下水利用、CO2を排出しない地場産業、若者の参画と就労、がコンセプトとして挙げられた。実現に向けた留意点・懸念点としては、コスト問題、価値観、人材不足が挙げられた。議論の中では、価値観の押し付けにならないことが強調され、理解を深める機会の提供、住民の合意形成と住民参画が鍵とされた。また、広域的視点での制度設計の必要性や、一つの方策のもたらす様々な影響を考慮することの必要性も挙げられた。

キーワード:科学技術予測,未来社会,地域,カーボンニュートラル,ワークショップ

本ワークショップ開催から1か月半後、能登半島地震が発生しました。被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。 また、大切な方々を亡くされた皆様に謹んでお悔やみ申し上げます。

1. はじめに

科学技術予測・政策基盤調査研究センターでは、科学技術の発展及び科学技術と未来社会との関係性を見通すため、5年ごとに実施する大規模な科学技術予測調査1)をはじめとして幅広く予測活動に取り組んでいる。その一環として、多様な地域性及び多様な属性の視点を取り入れて地域の未来を検討する地域ワークショップを2009年度から開催している。本ワークショップの特徴は、当該地域に在住あるいは当該地域を良く知る企業、大学、研究機関、行政、金融等の関係者や市民の参加を得て、それぞれの立場からの意見やアイディアを共有しつつ対話を進めること、及び、望ましい未来社会像だけでなく、その実現に向けた取組や留意事項を含めて検討を行うことである。2021年度までに国内17地域(都道府県又は市町村)を対象としてワークショップを開催2~6)して議論を行ってきた。

新型コロナウイルス感染症の世界的流行を経て人々の価値観、行動様式、社会の仕組み等が変化し、併せて地球温暖化をはじめとする地球環境への関心が高まっていることから、当センターでは2022年度にカーボンニュートラルをテーマとする予測調査を実施した7)。上述の地域ワークショップにおいても、同年度に別途検討を開始した。地域ワークショップにおける検討は、カーボンニュートラル実現を最優先課題とするのではなく、まず将来の地域課題等を踏まえて2050年の地域のありたい姿を描き出し、それとカーボンニュートラルとの関係性を考慮して両立に向けた方策の議論を行うものである。

2022年度は、北海道と徳島県で地域ワークショップを開催して望ましい未来社会像とその実現方策を検討し、それを踏まえて、専門家による技術ワークショップを開催してカーボンニュートラル実現に資する科学技術及び社会システムなどの深堀検討を行った8)。2023年度は、島根県及び石川県を対象として地域の未来社会像の検討を行った。このうち島根県の検討結果概略については、本誌にて報告済みである9)。本稿では、2023年10月に実施した石川県での検討結果概略を紹介する。

2. ワークショップの実施概要

2-1 テーマ設定

カーボンニュートラルとは、二酸化炭素(CO2)をはじめとする温室効果ガスの人為的排出量から、植林、森林管理などによる人為的吸収量を差し引いて排出量合計を実質的にゼロにすることである10)。気候変動問題に関する国際的な枠組みである「パリ協定」を受け、我が国では、2020年10月に「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」ことが宣言され、2021年10月に「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」11)が発表されている。

こうした背景の下、共催機関である金沢大学と協議し、石川県の特徴や将来の地域課題等を踏まえ、「持続可能なまちづくり」、「次世代海洋利用の在り方」、「環境保全を考えた地場産業の今後」、「循環型社会の実現に向けて」をグループ別対話テーマとして設定した。

2-2 実施概要

ワークショップの実施概要を図表1に示す。グループ編成に当たっては、参加者の専門性や関心と併せ、各グループに多様な属性の関係者が含まれるよう配慮した。

当日は、開会挨拶から始まり、趣旨説明及び石川地域の人口推移や将来計画などの情報共有を行った後、対話に進んだ。まず2050年の望ましい暮らしの姿を全体で検討し、その後テーマ別に分かれて議論し意見をまとめた。最後にテーマ別結果を全体で共有して議論した。

最初の全体対話では、暮らしの中の様々な活動(住む、働く、遊ぶ、学ぶ等)を想定し、2050年の望ましい暮らしの姿を検討した。あらかじめテーマ別に座席を用意したが、参加者全員がすべてのテーマを検討できるよう、自分のグループのみならず、各テーマのテーブルを巡回して対話を行うワールドカフェ形式により、全員が全テーマについて意見出しを行った。

次のグループ別対話では、全体対話で出された意見の中から注目される暮らしの姿を選び出し、それらについて①カーボンニュートラルの観点からの重要度、②地域の観点からの重要度、③挑戦度(実現が難しく挑戦的取組が必要)について、各グループのメンバーが投票を行った。この結果を踏まえ、カーボンニュートラル及び地域の観点から重要とされた暮らしの姿を「実現させたい未来社会像」として特定した。続いて、その未来社会像の実現に向けた方策として、必要な科学技術や社会システム等及びステークホルダー別役割を検討するとともに、実現に向けた取組を進める上での留意点・懸念点を検討した。

図表1 ワークショップ実施概要図表1 ワークショップ実施概要

3. 各テーマの検討結果

A. 持続可能なまちづくり

検討結果を図表2に示す。グループメンバーが注目して選んだ暮らしの姿のうち、地域及びカーボンニュートラルの観点から重要とされた姿は、木々に囲われた緑豊かなまち、徒歩圏内で生活が成立、次いで若者が空き家を活用であった。一方、地域の観点から重要とされた姿は、街並みや文化を保全しつつ革新的な発想や技術を組み込む“伝統と革新”であり、カーボンニュートラルの観点から重要とされた姿は、コンパクトシティ、次いで、再生可能エネルギー利用、無料電動バスでどこでも行けるまちであった。これを踏まえ、未来社会像は、「緑豊かに暮らそう~伝統と革新にトライ!! ISHIKAWA」とまとめられた。具体的には、伝統・文化を保持しつつ革新的な発想や技術を取り入れ、伝統と自然と暮らしを共存させるまちづくりを突き詰めていくことが、カーボンニュートラルに結びついている姿として描かれた。例えば、まちの中心部では伝統の街並みが守られ、居住地区は緑豊かなまちとなり、郊外では緑が増加している、などである。

実現に必要な取組として、科学技術については、伝統技術・文化・芸能のデジタル化(web3注1、暗黙知の見える化、AI(人工知能)を用いた保存)、古民家の高断熱化、消雪水を利用した冷房や発電などが挙げられた。社会システム等については、各々の立場での未来に対する義務と責任に関して、住民の意識改革のための教育、企業の協力、行政の指導力などが挙げられた。具体策は、炭素税導入、植林・植樹などへの補助、関連データ収集の仕組み構築などであった。

留意点・懸念点としては、増税、補助金財源確保、企業におけるコストと採算性など、コスト問題が挙げられた。また、自由の制限や価値観の押し付けなど、個人の権利と公共性のバランスに関する懸念や、国際公約を始めとする世界の動きと日本の対応とのギャップに関する懸念も挙げられた。

図表2 「持続可能なまちづくり」の検討結果図表2 「持続可能なまちづくり」の検討結果

B. 次世代海洋利用の在り方

検討結果を図表3に示す。グループメンバーが注目して選んだ暮らしの姿について、地域及びカーボンニュートラルの観点から重要とされた暮らしの姿は、海ごみの資源化であった。次いで、波・太陽光・風力などのエネルギーステーション、海上・海中での大容量通信、などが挙げられた。これを踏まえ、未来社会像は「海とまいがに注2!!~海洋資源循環型社会の実現~」とまとめられた。具体的な姿としては、海ごみが資源として活用され、潮流や太陽光のエネルギーを活用し、海洋資源の循環型社会が構築できている姿が描かれた。

実現に必要な取組として、科学技術については、分別業者と連携した海ごみの種類ごとの資源化・エネルギー化、変動するエネルギー源(海ごみ)を一定化する技術、海上・海中構造物の低コストの長期維持技術などが挙げられた。社会システム等については、海に関する県境を越えた行政・制度、海の利用に関する法制度、特別な取組を行う地域等への支援制度、ごみ回収の換金やポイント付与などのインセンティブ設計などが挙げられた。また、住民の合意形成のための体制構築、生物多様性やサーキュラーエコノミーに関する教育・体験など、住民の意識・認識に関わる取組も挙げられた。

留意点・懸念点としては、政策立案や活動などにおける長期的視点の必要性、制度悪用やグリーンウォッシング注3、技術や規格の乱立と混乱、価値観強制や天然由来至上主義など価値観に関する懸念などが挙げられた。

図表3 「次世代海洋利用の在り方」の検討結果図表3 「次世代海洋利用の在り方」の検討結果

C. 環境保全を考えた地場産業の今後

検討結果を図表4に示す。グループメンバーが注目して選んだ暮らしの姿について、地域及びカーボンニュートラルの観点から重要とされた暮らしの姿は、自家用車以外の交通手段の充実、北陸3県で食料自給率100%であった。一方、地域の観点からは、若者が参画・就労できる社会が重要とされ、カーボンニュートラルの観点からは、繊維産業における環境問題の解決、及びCO2を出さないものづくりが重要とされた。これを踏まえ、未来社会像は 「”ツエーゲン”地場産業~クリーンエネルギーで切り拓くカーボンニュートラル航路~」とまとめられた。具体的には、北陸3県で自給自足し、交通手段も充実し、繊維産業をはじめとする地場産業がCO2を排出せずにものづくりができている姿が描かれた。また、AIにより業務が効率化し、ESG(Environment、Social、Governance)対応の意識改革もあいまって若者をひきつける職場が増加、スタートアップも盛んで、若者が地元で働くことができている姿も挙げられた。

実現に必要な取組として、科学技術については、AIによる効率化、製造手段の自動化、クリーンエネルギー開発、バイオマス加工技術、自動運転、巨大ドローンなどが挙げられた。社会システム等については、人材育成(商品開発人材や経営人材、キャリアアップ制度)、本来するべき仕事に就ける環境整備、スタートアップ支援(エコシステム、ファンド)などが挙げられた。

留意点・懸念点としては、人材不足(少子化、後継者不足、人材獲得の他県との競合、マネジメント層のオーバーワーク)、制度や慣習の変わりにくさ、合意形成の難しさ、価値観ギャップ、挑戦リスク(ファンドのデフォルト、研究開発による事故)、デジタルデバイド、情報漏えいなどが挙げられた。

図表4 「環境保全を考えた地場産業の今後」の検討結果図表4 「環境保全を考えた地場産業の今後」の検討結果

D. 循環型社会の実現に向けて

検討結果を図表5に示す。グループメンバーが注目して選んだ暮らしの姿のうち、地域及びカーボンニュートラルの観点から重要とされた姿は、衣食住の地域内での調達であった。カーボンニュートラルの観点からの重要度はこれより若干低いが、地域の観点から重要とされたのは、空き家ゼロ、住宅建材の再利用、サステナブル農林水産業、自動車を運転せず病院やスーパー等にアクセスであった。仕事と子育ての両立は、地域の観点から重要とされた。一方、地下水からのエネルギー利用は、カーボンニュートラルの観点から重要とされた。これを踏まえ、未来社会像は「空き家ゼロ!人と地域資源が循環する社会」とまとめられた。具体的には、空き家活用を含めて、衣食住において地産地消により物質循環が図られ、持続可能な農林水産業が盛んになっている社会が描かれた。

実現に必要な取組として、科学技術については、3Dプリンタによる空き家リノベーション、空き家の高度資源化(建材の物質循環)、木材再利用のためのデータベース化、スマート農林業、発電・蓄電の効率化技術、交通システム構築(レベル5自動運転、乗り合いタクシー、小型バス、トラム等)などが挙げられた。社会システム等については、実現に向けた仕組み(農林水産業と物質循環の在り方の深堀に基づきロードマップを作成、住民も参画して制度設計)、空き家管理サービス・制度、移住する若者への支援、農林業従事者増のための制度設計が挙げられた。

留意点・懸念点としては、空き家を使った犯罪やトラブル、地元住民と移住者のトラブル、予測を超える気候変動や自然災害による農林業へのダメージ、物質循環重視に伴う悪影響、生態系への悪影響、交通事故対策・保障などが挙げられた。

図表5 「循環型社会の実現に向けて」の検討結果図表5 「循環型社会の実現に向けて」の検討結果

4. 終わりに

金沢大学との共催によりワークショップを開催し、2050年のカーボンニュートラルの実現に向けた、石川地域の社会像について検討を行った。「持続可能なまちづくり」、「次世代海洋利用の在り方」、「環境保全を考えた地場産業の今後」、「循環型社会の実現に向けて」をグループ別対話テーマに設定し、石川地域の実現させたい未来社会像とその実現方策を議論した。その結果、未来社会像について、伝統の中に織り込まれた革新、海ごみの資源化と循環、空き家活用、地産地消、潮流・太陽光・地下水利用、CO2を排出しない地場産業、若者の参画と就労、がコンセプトとして挙げられた。実現に向けては、コスト問題、価値観、人材不足が共通の留意点・懸念点として挙げられた。

本ワークショップでは、まちづくり、海洋、地場産業、暮らしなど当該地域における課題と持続可能性・循環型社会を掛け合わせたテーマ設定を行ったため、地域が目指す社会を実現する中でカーボンニュートラルに取り組む社会像を得ることができた。ここで強調されたのは、価値観の押し付けにならないことであった。価値観を共有して初めて長期的・持続的な取組が可能となり、カーボンニュートラル実現に向かうことができる。子供から大人まで含めて循環型社会や持続可能性に関して理解を深める機会が提供される仕組みとともに、住民の合意形成と住民参画が鍵として挙げられた。また、県境のない海に関しては当然のこと、近隣の県を合わせてより広域的な視点で制度設計を行う必要性が指摘された。さらに、ある方策を推し進めることで別の方面に悪い影響を及ぼす可能性や、CO2排出減のはずが実態は排出増になってしまう可能性など、複雑に絡み合う様々な要素を考慮しつつ進めることの必要性も挙げられた。地域の伝統・文化を保持しつつ未利用資源を上手に活用し、近隣地域を含めて広域的に取り組む体制を構築して、対話を続けながら歩を進めるという方向性が見いだされた。

謝辞

終日のワークショップに参加くださり、活発な御議論を頂きました皆様に御礼申し上げます。あわせて、本ワークショップ開催に当たり、テーマ設定や参加者選定、会場の手配等において多大な御協力を賜りました、金沢大学先端科学・社会共創推進機構の富澤憲慈特任教授、宮ノ下智史特任助教に心より感謝申し上げます。


注1 Web3:ブロックチェーン技術を基盤とする分散型ネットワーク環境。プラットフォーマー等の仲介者を介さずに個人と個人がつながり、双方向でのデータ利用・分散管理を行うことが可能となることが期待されている。(総務省:令和5年度情報通信白書)

注2 海とまいがに:海と上手につきあう(「まい」は、上手、うまい、美味の意味)

注3 グリーンウォッシング:実際は環境改善効果がない、又は、調達資金が適正に環境事業に充当されていないにもかかわらず、環境面で改善効果があると称すること。(環境省:グリーンボンド及びサステナビリティ・リンク・ボンドガイドライン)

参考文献・資料

1) 直近の調査:科学技術予測センター、「第11回科学技術予測調査 S&T Foresight 2019総合報告書」、NISTEP Report No.183(2019年11月):http://doi.org/10.15108/nr183

2) 科学技術動向研究センター、「将来社会を支える科学技術の予測調査地域が目指す持続可能な近未来」、NISTEP Report No.142 (2010年3月):http://hdl.handle.net/11035/687

3) 科学技術予測センター、「地域の特徴を生かした未来社会の姿~2035年の『高齢社会×低炭素社会』~」、調査資料-259 (2017年6月):http://doi.org/10.15108/rm259

4) 科学技術予測センター、「2035年の理想とする“海洋産業の未来”ワークショップ in しずおか」活動報告、STI Horizon Vol.4, No.1 (2018年3月):http://doi.org/10.15108/stih.00118

5) 河岡将行・蒲生秀典・浦島邦子、「理想とする2050年の姿 ワークショップin 恵那」活動報告、STI Horizon Vol.4, No.4 (2018年12月):http://doi.org/10.15108/stih.00154

6) 浦島邦子・蒲生秀典・横尾淑子、「地域の未来を再考する~新型コロナウイルス感染症流行後に目指す社会及びその実現に向けた方策の検討~」、調査資料-319 (2022年10月):https://doi.org/10.15108/rm319

7) 蒲生秀典・小倉康弘・黒木優太郎、「2050 年カーボンニュートラルに資する基盤的科学技術に関する予測調査」、調査資料-338(2024年3月):https://doi.org/10.15108/rm338

8) 浦島邦子・蒲生秀典・横尾淑子、「地域の目指す未来社会とカーボンニュートラル」、調査資料-334 (2023年12月):https://doi.org/10.15108/rm334

9) 横尾淑子・蒲生秀典、「地域ワークショップ in 島根 開催報告- 2050 年カーボンニュートラルを目指す島根版サーキュラーエコノミー-」、STI Horizon Vol.10, No.1 (2024年3月):https://doi.org/10.15108/stih.00362

10) 脱炭素ポータル カーボンニュートラルとは:https://ondankataisaku.env.go.jp/carbon_neutral/about/

11) パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略(令和3年10月22日閣議決定):
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/keikaku/chokisenryaku.html