第3章 高等教育と科学技術人材

 科学技術に関連する人材の育成は、科学技術振興を図る上で最も重要な基盤のひとつである。本章では、学校教育における科学技術人材の育成について、主に高等教育機関である大学の状況を見る。高等教育の各段階での入学の状況、卒業後の進路、社会人学生の状況、また、学位取得者についての国際比較を試みる。

3.1日本の教育機関の学生数の現状

 図表3-1は、日本の教育システムのうち、本章で注目する大学等に加えて、高等学校、中学校、小学校について、2020年度の学生・生徒等数を示したものである。棒グラフの高さは、各教育機関の修業年限、面積は各教育機関に在籍する学生・生徒等の数を表している。
 小学校の児童数は630.1万人、中学校の生徒数は321.1万人、高等学校は308.3万人である。
 大学学部の学生数は262.4万人(うち自然科学系87.7万人)、短期大学の学生数は10.5万人(うち自然科学系1.3万人)である。大学院修士課程は16.0万人(うち自然科学系10.0万人)、博士課程は7.5万人(うち自然科学系5.1万人)である。


【図表3-1】 学校教育における学生・生徒等の現状(2020年度)

注:
1) 各教育機関の本科に在籍する学生・生徒等の数とその理工系の内訳(色つき部分)を、概念的に図示したものである。
2) 棒グラフの高さは、各教育機関の修業年限、面積は各教育機関に在籍する学生・生徒等の数を表している。
3) 大学、大学院の「自然科学系」とは、理学系、工学系、農学系及び医歯薬系学部の合計である。
4) 短期大学の「自然科学系」とは、工業、農業、保健学科である。
5) 大学院の学生数は専門職学位課程を除く。
6) 高等学校の「自然科学系」とは、工業に関する学科である。
資料:
文部科学省、「学校基本調査報告書」

参照:表3-1