オープンアクセスは誰の研究活動を活性化するのか:OpenAlex による分析「DISCUSSION PAPER No.236」を公表しました(1/22)

2025年1月22日(水)

 本研究では公的資金による研究成果のオープンアクセス(OA)と国・地域の経済状況の関係について調査しました。
 近年、公的資金による研究成果のOA化が進み、研究の透明性と成果への平等なアクセスが注目されています。OAは研究論文を無料公開する仕組みであり、オープンサイエンスの中核とされますが、昨今では論文処理料(APC)の高騰による経済負担の増加も指摘されています。
 本研究は、オープンな書誌データベースであるOpenAlexを用い、国・地域の所得水準や研究分野を考慮してOA出版と引用状況を分析しました。
 その結果、当初の予想とは異なり、低所得国のOA出版率は約70%と高い一方、高所得国では約55%と低いことがわかりました。これは低所得国へのAPC免除制度や高所得国の購読型ジャーナル志向が影響していると考えられます。地域ごとでは、欧州が政策的影響でOA論文を多く引用する一方、中国では非OA論文が自国論文を中心に引用され、OA論文では他国のものを多く引用する傾向が見られました。また、分野間では生命科学・自然科学系でOA率が高く、人文・社会科学系では低い特性が明らかとなりました。
 これらの結果は、OA普及の多様性と国際的支援の重要性を示しています。

詳細につきましては、以下のリンクより御覧ください。

ライブラリ:オープンアクセスは誰の研究活動を活性化するのか:OpenAlex による分析「DISCUSSION PAPER No.236」