第12回科学技術予測調査 ビジョニング総合報告書 ~個々人の多様な価値観に基づく「ありたい」未来像の共創~[調査資料-331]を公表しました(9/25)

2023年9月25日(月)

科学技術・学術政策研究所では、2055年までを展望する第12回科学技術予測調査を現在実施しています。第12回科学技術予測調査は、ホライズンスキャニング、ビジョニング、デルファイ調査、シナリオ分析により構成され、最終報告書は2025年に刊行予定となります。今回、2022年度に行ったビジョニングの調査結果を取りまとめ、公表いたします。

ビジョニングでは、ワークショップ、市民アンケート調査、ビジョナリー調査などにより、個々人及び社会の価値観を考慮しながら、「ありたい」「望ましい」と想う多様な未来像を共創的・ボトムアップに描きました。特に、20~30年後に30~50歳代となり、社会で主要な役割を果たすことが期待される若者世代の声をできるだけ多く反映するようにいたしました。得られたビジョンを暫定的に24のビジョンにまとめ、さらに6つのビジョンに統合しました。内面の豊かさなど精神性を重視するビジョンが多く、大まかには、個々人の生き方・暮らし方(固定的な属性からの解放、自分らしさの追求、生活の余白・余裕等)、他者とのつながり・関係性(利他主義、深いやさしさ・共感に溢れる等)、社会のかたち・ありかた(多様性・包摂性、地域性・自律性・分散性、資本主義的価値観からの脱却等)、科学技術との向き合い方(人に寄り添い人を幸せにする、身体性・感性・人間性を活かす等)等に関連するビジョンが多く描かれました。また、地域の文化・歴史観・自然観の継承を重視するビジョンも多くありました。

今回の結果は、第12回科学技術予測調査の他の調査結果とも併せて総合的に分析し、未来像に向けた方策を描いていく予定です。

詳細につきましては、以下のリンクよりご覧ください。
http://hdl.handle.net/11035/0002000020

参考:科学技術予測について
science-and-technology-foresight-and-science-and-technology-trends