科学技術の中長期展望に対する評価 -デルファイ調査で取り上げた科学技術の20年後-[調査資料-330]を公開しました(8/17)

2023年8月17日(木)

科学技術・学術政策研究所では、約5年毎に、今後30年間という科学技術の中長期発展を展望する「科学技術予測調査 デルファイ調査」を実施しており、2019年には第11回調査を公表しました。
この度、調査実施から20年程度が経過した第7回調査(2001年)及び第6回調査(1997年)を主な対象として、調査で取り上げたトピック(実現が期待される研究開発課題)の実現状況を評価しました。
その結果、トピックの約7割が実現しており、情報・通信分野及び環境分野の実現割合が高く、保健・医療分野及び宇宙分野の割合が低いことがわかりました。
また、当時予測された実現年が遅くなるにつれ実現割合が低下する傾向が見えたことや、実現済理由としてニーズ主導が大半を占めたことなど、ニーズが実現に大きく関わったことが分かりました。

これらにより、第7回調査及び第6回調査では、中長期的な科学技術発展を一定程度見通したトピック設定がなされたと評価され、また、実現予測年は実現可能性の指標となり得ることが分かりました。ただし、社会に大きな影響を与えたものの調査では取り上げなかった科学技術も存在することには留意が必要です。将来ニーズを見極め、分野による科学技術発展の特徴を踏まえた調査設計を引続きの課題としています。

詳細につきましては、以下のリンクよりご覧ください。
https://nistep.repo.nii.ac.jp/records/2000010

参考:科学技術予測について
science-and-technology-foresight-and-science-and-technology-trends