長期のインプット・アウトプットマクロデータを用いた日本の大学の論文生産の分析[DISCUSSION PAPER No. 180]の補遺の公表について

2020年6月24日(水)

科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、日本が生み出す論文数が停滞している要因を明らかにするために、日本の大学を対象に1980年代からの論文数、研究者数、研究開発費の長期マクロデータを整備し、過去、日本の論文数が増加している時期も含めて重回帰分析及び要因分析を行った結果を2020年4月3日にDiscussion Paperとして公表しました。

今回、Discussion Paperの補遺として、論文数の停滞の主な要因と考えられる、研究専従換算係数を考慮した教員数や博士課程在籍者数、原材料費に注目し、主に停滞からの回復を念頭においた3つのシナリオについて推計を行った結果を公表します。

現状の変化が継続した場合、日本の理工農分野の大学の論文数は減少する可能性がありますが、総合科学技術・イノベーション会議による「研究力強化・若手研究者支援総合パッケージ」(令和2年1月23日)に掲げられている「学内事務等の割合を半減し、研究時間を確保」との目標を達成した場合、整数カウントの論文数が5~8千件増加する可能性が示唆されました。

なお、本補遺の結果は、さまざまな仮定や留意点の下で行った、資源配分のエビデンスや将来予測として用いる段階に至らない発展途上の結果です。分析に用いたデータも含めて公表することで、建設的な議論が進展することを期待しています。

報告書の詳細については、以下のリンクより御覧ください。本調査研究で用いたデータについても、参考資料として公表します。

ライブラリ:長期のインプット・アウトプットマクロデータを用いた日本の大学の論文生産の分析[DISCUSSION PAPER No.180]