「科学技術動向」1・2月号の公表について

2015年1月23日(金)

「科学技術動向」1・2月号では以下のレポートを掲載しています。

  • レポート1「オープンサイエンスをめぐる新しい潮流(その3)研究データ出版の動向と論文の根拠データの公開促進に向けて」では、研究データ出版の動向を紹介し、論文の根拠データの公開促進に向けた提言を行っています。研究データの管理、保存と共有は、非常に重要なテーマですが、幅の広い研究データの取扱いについては、まだ十分なコンセンサスが得られていません。そこで、まずは、研究論文に付随するデータの公開、共有に着目し、昨今創刊が相次いでいるデータジャーナルの取組と合わせて、各関係者が取り得る活動について論じています。
  • レポート2「2014年の世界の宇宙開発動向」では、2014年の世界の宇宙開発・利用活動を紹介しています。注目すべき動きとしては、米国の「オリオン」宇宙船の試験飛行、欧州の「アリアン6型」ロケット開発決定、ロシアの「アンガラ」ロケットの初打ち上げ、我が国の小惑星探査機「はやぶさ2」の打上げなどが挙げられます。全世界で合計92回のロケット打上げがあり、通信放送衛星や有人宇宙船など計242機の衛星が軌道に投入されました。我が国は世界の宇宙開発動向を常に把握し、国際協力と国際競争の両面から宇宙開発・利用を効果的・効率的に推進することが望まれます。
  • レポート3「サービス生産性向上と高付加価値化のための新しい科学:サービス学」では、サービス学の動向を紹介しています。サービス学は2004年に米国の「イノベート・アメリカ」で取り上げられたことで脚光を浴び、我が国においても様々な取組がなされてきました。近年では2012年に「サービス学会」が設立されるなど活動が進んでいます。今後は、製造業におけるエンジニアのように、サービス実務の中で研究成果を実践する人材の育成が求められるほか、研究分野としては、文理融合での取組を進めることが求められます。
  • レポート4「スポーツにおける情報活用-オリンピックから健康づくりまで-」では、スポーツでの情報の活用について、各種ウェアラブルセンサの応用例とともに紹介しています。ICT技術の向上により、スポーツに関連した多くの情報が得られるようになりましたが、これらを有意義に活用するには、その取得からその解析、提供までそれぞれのステップにおける研究分野の連携が必要と考えられます。大学・研究機関や諸学会、関連する企業、スポーツ運営組織や競技団体等が協力して研究を実施できるような分野横断的なプラットフォームが求められます。