人工知能分野の国際会議における国・地域別発表件数の概況(2015年−2024年版)[調査資料-348] を公表しました(6/17)

2025年6月17日(火)

この度、人工知能分野の主要国際会議(AAAI, AAMAS, ICML, IJCAI, NeurIPS)を対象に、2015年から2024年の10年間における研究発表の動向を分析しました。
本調査は、研究活動の国際的な構造変化や日本の立ち位置を把握することを目的としたものです。

各発表の著者所属機関の所在国・地域を整理・集計するとともに、発表タイトルをもとにワードクラウドを作成し、研究テーマの推移を可視化しました。国・地域の推定には、LLMによる著者・所属抽出とROR APIを組み合わせた半自動化手法を導入しています。

分析の結果、以下の知見が得られました:

  • 発表件数は大きく増加し、NeurIPSでは2015年の403件から2024年には4,538件と約11倍に。
  • 増加を牽引したのは中国と米国で、AAAI・IJCAIでは中国が首位。一方、ICML・NeurIPS・AAMASでは米国が最多ながらシェアは低下傾向。
  • AAMASでは2024年に中国が英国を抜いて2位、インドも4位に浮上するなど、地理的構図に変化。
  • 国際共著では米中共著が最大であり、シンガポール・韓国・インドのハブ化が進む中、日本は件数を増やす一方で周縁的な位置にとどまる。
  • 研究テーマは深層学習中心からLLM・生成AI、倫理・公平性、医療・ロボティクスなど応用へと広がりを見せている。