(2) 日本はパテントファミリー(2か国以上への特許出願)数において、世界第1位を保っている。中国のシェア増加に伴い、「情報通信技術」、「電気工学」における日本のシェアは低下している。
特許出願に着目し、各国・地域から生み出される発明の数を国際比較可能な形で計測したパテントファミリー数を見ると、1995-1997年は米国が第1位、日本が第2位であったが、2005-2007年、2015-2017年では日本が第1位、米国が第2位となっている。ただし、日本の世界シェアは2000年代半ばから低下傾向にある。中国は2015-2017年で第4位であり、着実にその数を増やしている。
パテントファミリーの技術分野毎の世界シェアを見ると、日本は「電気工学」、「一般機器」、米国は「バイオ・医療機器」、「バイオテクノロジー・医薬品」、中国では「情報通信技術」、「電気工学」のシェアが高い。10年前と比較して、中国のシェアは拡大しているのに対して、日本の「情報通信技術」、「電気工学」のシェアは縮小している。
主要国内の技術分野バランスの推移を見ると、日本において多くを占める「電気工学」の割合は2010年前後から減少傾向にある。同時期に「機械工学」、「輸送用機器」の割合が増加している。米国の1981年と2017年を比べると、「情報通信技術」が増加し、「機械工学」、「化学」が減少している。中国の1985年と2017年を比較すると「情報通信技術」が大きく増加している。

(%、2005-2007年と2015-2017年、整数カウント法)



注:
1) 概要図表18、19、20:パテントファミリーとは優先権によって直接、間接的に結び付けられた2か国以上への特許出願の束である。通常、同じ内容で複数の国に出願された特許は、同一のパテントファミリーに属する。
2) 概要図19:主要国のパテントファミリー数の技術分野ごとの世界シェアである。項目「バイオ・医薬品」は「バイオテクノロジー・医薬品」の略であり、「情報通信」は「情報通信技術」の略である。
3) 概要図表20:主要国のパテントファミリー数の技術分野ごとのシェアである。
4) 概要図表20(D):WIPO, IPC - Technology Concordance Tableをもとに、科学技術・学術政策研究所で分類。
参照:科学技術指標2022図表4-2-9