第1章 研究開発費

 研究開発活動の基本的な指標である研究開発費について、日本及び主要国の状況を概観する。研究開発費とは、ある機関で研究開発業務を行う際に使用した経費であり、研究開発活動のインプットに関する定量データとして広く用いられている。本章では、各国の研究開発費の総額や部門別、性格別などの内訳、研究開発費の負担構造など、様々な角度から研究開発費のデータを見ていく。また、政府の科学技術予算についても一部記載している。

1.1各国の研究開発費の国際比較

ポイント

  • 日本の研究開発費総額(名目額)は、2012年度において17兆3,246億円(OECD推計では15.9兆円)である。2009年以降、ほぼ横ばいに推移している。
  • 日本の研究開発費総額の対GDP比率は2008年を頂点とし、減少傾向にあったが、最新年の2012年は3.67%であり、昨年と同様の数値となっている。他国の研究開発費の対GDP比率では、韓国が2000年代に入ると急速に増加し続けており、2012年値は4.4%と、近年、他国に大きく差をつけている。
  • 研究開発費総額の部門別使用割合は、各国ともに「企業」部門が一番大きな割合を示しており、日本、米国、ドイツは約7割、フランス、英国では約6割を占める。また、中国は「企業」部門の割合が増加しており、近年では約7割を占めている。韓国では約8割を占める。
  • 「大学」部門の研究開発費使用割合は、日本、ドイツ、フランスは2割、米国、韓国は1割、英国は3割を占めている。なお、長期的に見て、増加しているのは英国である。

1.1.1各国の研究開発費の動向

 はじめに、主要国の研究開発の規模とその傾向を概観するために、各国の研究開発費の総額をとりあげる。研究開発費の調査方法に関しては、国ごとに差異があり、厳密な比較は困難であるが、国ごとの経年的変化は各国の動向を表していると考えられる。なお、各国の研究開発費を比較するためには通貨の換算が必要であるが、その換算によって、その国の経済状況の影響を受けることは避けられない。ここでは、原則的に、各国の研究開発費の規模を国際比較するときは換算値を使用し、各国の研究開発費の経年変化を見るときは各国通貨を使用した。
 なお、日本の研究開発費については2つの値を示した。ひとつは総務省「科学技術研究調査」から発表されている値、もうひとつはOECD(1)から発表されている値である。両者で異なる点は大学部門の人件費の取り扱いである。大学部門の経費は研究と教育について厳密に分けることが困難であるという背景があり、「科学技術研究調査」において大学部門の研究開発費は、大学の教員の人件費分の中に研究以外の業務(教育等)分を含んだ値となっている。一方、OECDは日本の大学部門の人件費分をフルタイム換算にした研究開発費の総額を提供している(詳細は1.3.3節、大学部門の研究開発費を参照のこと)。
 この節ではOECDが発表しているデータ(図表では「日本(OECD推計)」と示す)も使用し、各国の研究開発投資の状況を見る。
 図表1-1-1に各国の研究開発費の総額を示した。(A)は円換算の名目額(各年の価格表示の研究開発費)、(B)は円換算の実質額(基準年=2005年の価格で評価した研究開発費)である。(C)は各国通貨での名目額、(D)は各国通貨での実質額(2005年基準)である。
 日本の研究開発費総額は、2012年度(2)(平成24年度)において17兆3,246億円(OECD推計では15.9兆円)である(図表1-1-1(A))。前年と比較すると0.3%の減少であり、2009年以降、ほぼ横ばいに推移している。各国の名目額の最新年を見ると、米国が他国を圧倒している。2009年にいったん減少したが、その後は増加している。中国は2009年に日本を上回り、その後も増加し続けている。ドイツは長期的に増加傾向が続いている。フランス、英国は、2000年代後半から同水準であり、韓国は、近年増加傾向が見える。EUについては近年、横ばいに推移している。一方、実質額(図表1-1-1(B))について見ると、日本は2009年から増加に転じている。他国も同様である。


【図表1-1-1】 主要国における研究開発費総額の推移 
(A)名目額(OECD購買力平価換算)
(B)実質額(2005年基準;OECD購買力平価換算)

 図表1-1-1(C)では各国通貨で見た研究開発費の2000年代前半(2000~2005年)、2000年代後半(2005年~各国最新年)の年平均成長率を比較し、各国の研究開発に対する投資状況を見る。
 2000年代前半と2000年代後半以降の研究開発費(名目額)の年平均成長率を比較すると、前半と比較して後半に入ってからの方が伸びている国は米国、ドイツ、フランス、中国、韓国である。一方、2000年代後半の方の伸びが低調な国は、日本と英国であり、特に日本の場合は年平均成長率がマイナスである。
 また、図表1-1-1(D)では、物価変動の影響を取り除いた2005年基準値の研究開発費(実質額)の年平均成長率を見る。2000年代前半より2000年代後半の方が伸びている国は、米国、ドイツ、フランス、韓国である。日本と英国は実質額で見ても2000年代後半の方が、成長率が低い。


(C)名目額(各国通貨)

(D)実質額(2005年基準各国通貨)

注:
1)研究開発費総額は各部門の合計値であり、国により部門の定義が異なる場合があるため、国際比較の際には注意が必要である。各国の部門の定義については図表1-1-4参照のこと。
2)研究開発費は人文・社会科学を含む(韓国は2006年度まで自然科学のみ)。
3)1990年までは西ドイツ、1991年以降は統一ドイツ。
4)購買力平価換算は参考統計Eを使用した。
5)実質額の計算はGDPデフレータによる(参考統計Dを使用)。
6)日本(OECD推計)は大学部門の研究開発費のうち人件費をFTEにした総研究開発費。OECDが補正し、推計した値。
7)2012年値については、米国は予備値、ドイツは国家の見積もり又は必要に応じてOECDの基準に一致するように事務局で修正された推定値、フランスは暫定値、日本(OECD)及びEUは各国資料に基づいたOECD事務局の見積もり・算出。
資料:
<日本>総務省、「科学技術研究調査報告」
<米国>NSF,“National Patterns of R&D Resources: 2011–12 Data Update”
<ドイツ>Bundesministerium für Bildung und Forschung,“Bundesbericht Forschung 2004,2006”、“Bundesbericht Forschung und Innovation 2010,2012”、2010年からはOECD,“Main Science and Technology Indicators 2013/2”
<日本(OECD推計)フランス、EU>OECD,“Main Science and Technology Indicators 2013/2”
<英国>National Statistics website: www.statistics.gov.uk
<中国>中華人民共和国科学技術部、中国科技統計数値2013(webサイト)
<韓国>国家科学技術知識情報サービス(webサイト)

参照:表1-1-1

 次に、各国の経済規模の違いを考慮して研究開発費を比較するために、「研究開発費総額の対GDP比率」(国内総生産に対する研究開発費の割合)を示す(図表1-1-2)。
 2011年における日本の研究開発費総額の対GDP比率は、比較的高い水準にあるといえる。


【図表1-1-2】 国・地域の研究開発費総額の対GDP比率(2011年)

注:
1)スイスは2008年値、オーストラリアは2010年値。
2)イスラエルは防衛関係を除く。
3)米国、オーストラリアは2008SNAに基づいて作成。
4)米国は大部分あるいはすべての資本支出を除外。
5)EU15、28は各国資料に基づいたOECD事務局の見積もり・算出及び推定値。
6)オーストラリアは国家の見積もり又は推定値。
資料:
図表1-1-3と同じ。OECD,“Main Science and Technology Indica-tors 2013/2”

参照:表1-1-2


【図表1-1-3】 各国の研究開発費総額の対GDP比率の推移 

注:
国際比較注意及び研究開発費については図表1-1-1と同じ。GDPは参考統計Cと同じ。
資料:
研究開発費は図表1-1-1と同じ。GDPは参考統計Cと同じ。

参照:表1-1-3


 また、研究開発費総額の対GDP比率の経年変化により、各国の研究開発への投資水準がどのように推移してきたかを見る(図表1-1-3)。
 日本は2008年を頂点とし、減少傾向にあったが、2011年にはわずかではあるが上昇し、最新年の2012年は昨年と同様の3.67%となっている。
 また、日本(OECD推計)でも同様に2008年を頂点としており、最新年の2012年では3.36%である。
 米国は2000年代後半から増加傾向にあったが近年、横ばいに推移している。ドイツは、2000年代後半からその値を大きく伸ばしている。フランス、EUは近年では横ばいに推移している。英国は1990年代後半から、その伸びは鈍化している。一方、韓国は2000年代に入ると急速に増加し続けており、2012年値は4.4%と、他国に大きく差をつけている。
 また、経済発展が著しい中国は、1996年を機に増加が続いており、主要国との差をかなり縮めてきている。


1.1.2各国の部門別研究開発費の動向

 国全体の研究開発のシステムを理解するためには、各国の研究開発活動を実施している機関を部門別で見ることも必要である。
 ただし、各国の部門分類については、研究開発活動を国際比較する際に、国の制度や調査方法、または対象機関の範囲に違いが生じてしまうという問題点がある。よって各国の差を踏まえた上での比較検討をすべきである。
 この節では、各国の研究開発活動を実施している機関を部門分類し、各国の違いを踏まえて研究開発費の構造を見る。


【図表1-1-4】 主要国における研究開発費の負担部門と使用部門の定義
(A)負担部門


(B)使用部門

注:
1)英国、中国に関しては部門ごとの詳細な情報は得られなかった。
2)EUについては各国の合計であるため、ここには記載しない。
<米国>
 1)FFRDCs:Federally funded research and development center(連邦出資研究開発センター)
<ドイツ>
 1)IfG:Institutions for co-operative industrial research and experimental development.
 2)負担部門に「大学」はない。
<中国>負担部門に「大学」はない。
資料:
科学技術政策研究所、「主要国における研究開発関連統計の実態:測定方法についての基礎調査」(調査資料-143)
総務省、「科学技術研究調査報告」
BMBF,“Bundesbericht Forschung und Innovation 2008”


(1)研究開発費の負担部門と使用部門の定義

 図表1-1-4は、研究開発活動を実施している機関を、OECD「フラスカティ・マニュアル(3)」に基づいた部門に分類し、研究開発費の負担部門(5部門)及び使用部門(4部門)に対応する各国の具体的な内訳(機関)が何であるかを簡単に示したものである。表中には、自国の研究開発統計及びOECDの資料等で使用されている名称を用いているが、表題の部門名は日本の研究開発統計である総務省「科学技術研究調査」で使用されている部門名を用いている。


(2)主要国の研究開発費の負担部門と使用部門

 この節では、各国の研究開発費について、負担部門から使用部門へ、どのように配分されているか、また、どの部門でどの程度、研究開発費が使用されているのかを見る。図表1-1-5は各国の研究開発費を部門別の割合にし、その流れを見たものである。負担部門、使用部門の内容については前述の図表1-1-4を参照されたい。負担部門、使用部門ともに、各国の制度や調査方法、対象機関の範囲に差異があるため、注意が必要である。
 各国の負担部門から使用部門への研究開発費の流れを見ると、いずれの国でも「企業」の負担割合が大きいが、ほとんどは同部門の「企業」に流れている。ただし、ドイツ、中国については、「大学」への研究開発費の流れが他国と比較すると大きい。
 「政府」については、「公的機関」及び「大学」に流れている国が多い。「大学」に最も多く流れている国は、日本、ドイツ、フランス、英国である。「政府」から「企業」への流れはほとんどの国で小さいが、米国については「公的機関」、「大学」だけでなく「企業」への流れも大きい。
 「大学」については、負担部門としての大きさはごくわずかである。特に、ドイツ、中国については負担部門に「大学」は想定されてない。また、日本の場合、負担部門としての「大学」は私立大学のみである。日本は、「大学」の負担割合が他国と比較すると大きい。その主たる理由は、私立大学の教員の人件費のうちの一定の割合が、統計上、研究開発費として算入されていることによる。
 「非営利団体」は、いずれの国でも、その負担の割合は小さい。
 「外国」については英国、フランスでの負担割合が比較的大きい。また、両国ともにその多くが「企業」へ流れる研究開発費であることが特徴である。なお、米国については負担部門に「外国」が分類されていない。
 各国ごとに見ると、日本については「企業」から「企業」への研究開発費の流れが大きく、その他の部門にはほとんど流れていない。「政府」は「大学」への流れが大きいが「公的機関」への流れも大きい。なお、負担部門の「大学」は、上述したとおり私立大学が対象であり、そのすべては使用部門の「大学」に流れている。ただし、この流れは、ほぼ私立大学の研究開発費の自己負担分である。
 米国については、「企業」から「企業」への研究開発費の流れが大きい。また、「政府」の負担部門については、「公的機関」への流れが大きいが、「企業」への流れも大きく、「大学」への流れと同程度の大きさとなっている。
 ドイツについては、「企業」間の流れが主流を占めているのは他国と同様であるが、他国と比較すると、「大学」、「公的機関・非営利団体」への研究開発費の流れは大きいほうである。特に「企業」から「大学」への流れは、主要国の中で最も大きい。また、「外国」の負担割合も他国と比較すると、大きい方である。
 フランスについても、「企業」の負担割合が大きく、次いで「政府」の負担割合が大きい。特に「政府」の負担割合は35.4%と他国と比較しても、最も大きいことが特徴である。また、「海外」の負担割合が比較的大きく、その研究開発費は「企業」へ多く流れている。
 英国は、「外国」部門の割合が19.8%と、他国と比較すると、群を抜く大きさである。また、「外国」の研究開発の流れは、そのほとんどが「企業」に行っているが、「大学」にも多く流れている。負担部門の割合のうち「企業」の負担部門が45.6%と、他国と比較すると小さいが、使用部門では63.3%である。
 中国については、「非営利団体」にあたる部門は「その他」となっている。「企業」の負担割合は他国と比較しても大きく73.9%である。そのほとんどが「企業」へ流れているが、「大学」への流れも大きく、大学が使用する研究開発費の35.3%を負担している。「政府」負担の研究開発費は「公的機関」に最も多く流れている。
 韓国については、「企業」の負担割合は73.7%と大きく、そのほとんどが「企業」へ流れている。「政府」の負担割合も24.9%と大きく、その約半数は「公的機関」に流れている。


【図表1-1-5】 主要国の負担部門から使用部門への研究開発費の流れ 
(A)日本(2012年度)

(B)米国(2012年)

※米国の負担部門に「外国」の分類はない。

(C)ドイツ(2011年)


(D)フランス(2011年)


(E)英国(2012年)


(F)中国(2011年)


(G)韓国(2011年)

注:
1)負担・使用部門については図表1-1-4を参照のこと。
2)*については図表1-2-5で詳細に分析している。
3)**については図表1-3-15で詳細に分析している。
4)米国は予備値。
> 資料:
<日本>総務省、「科学技術研究調査報告」
<米国>NSF,“National Patterns of R&D Resources: 2011–12 Data Update ”
<英国>National Statistics website: www.statistics.gov.uk
<ドイツ、フランス、韓国>OECD,“Research & Development Statistics 2013”
<中国>中華人民共和国科学技術部、「中国科学技術指標」

参照:表1-1-5


(3)主要国の使用部門における研究開発費の推移

 図表1-1-6は主要国の総研究開発費の使用額を部門別に分類し、その割合の推移を示したものである。各国とも研究開発費の使用割合は、「企業」部門が一番大きな割合を示しており、日本、米国、ドイツは約7割を占めている。一方、フランス、英国では約6割と、上記国と比較すると若干少ない傾向にある。また、中国の「企業」部門の割合は1990年はじめ、4割程度であったが、近年では約8割を占めるほど増加している。なお、韓国も約8割を占める。
 国・地域別に見ると、日本の場合、長期的には、「企業」部門が増加傾向にある一方で、「公的機関」部門は減少しつつあるという傾向が見えた。ただし、2009年以降は、「企業」部門の割合が減少し、「大学」部門の割合が増加している。2001年度から「非営利団体」部門の使用割合が大きく減少しているが、これは統計の分類方法の変更によるものである。
 日本(OECD推計)は、「大学」部門の人件費分をFTEした研究開発費を使用しているため、「大学」部門の割合が日本のデータと比較する小さくなっているが、他の部門の推移については同様の傾向である。
 米国の値を長期的に見ると、「公的機関」部門が減少しつつあり、「非営利団体」部門は小さいものの増加傾向にある。「大学」部門の使用割合は長期的に見ると漸増傾向にある。
 ドイツについては「公的機関」部門及び「非営利団体」部門の区分がされてないため一緒になっている。この部門の使用割合の経年変化に大きな変動は見られず、「企業」部門と「大学」部門の変化が状況に影響を及ぼしていると考えられる。近年、「大学」部門の割合が増え、「企業」部門の割合が減少している。
 フランスは、「公的機関」部門の割合が比較的大きな国であり、その割合は長期的な減少傾向が見られたが、近年は横ばいに推移している。また、「大学」部門の割合は増加傾向にある。
 英国は、1990年代以降、「公的機関」部門の使用割合が減少する一方で、「大学」部門の使用割合の増加が見られたが、2000年代後半には横ばいに推移している。
 中国は、「公的機関」部門の占める割合が5割もあったが、1999年以降、減少傾向にある。代わって「企業」部門が増加しており、近年では7割以上を占めている。
 韓国は「大学」部門より「公的機関」部門の使用割合が大きい。近年は「大学」、「公的機関」部門とも横ばいに推移している。
 EU-15、28については、英国、フランスと同様の特徴が見られる。すなわち「公的機関」部門の割合が長期的に減少傾向にあること、及び「大学」部門の割合の増加傾向が見られることである。


【図表1-1-6】 主要国における部門別の研究開発費の使用割合の推移 
(A)日本 
(B)日本(OECD推計) 
(C)米国
(D)ドイツ
(E)フランス
(F)英国
(G)中国
(H)韓国
(I)EU-15
(J)EU-28

注:
1)研究開発費総額は各部門の合計値であり、国により部門の定義が異なる場合があるため、国際比較の際には注意が必要である。各国の部門の定義については図表1-1-4参照のこと。
2)研究開発費は人文・社会科学を含む(韓国は2006年度まで自然科学のみ)。
3)日本(OECD推計)、フランス、中国、韓国、EUの非営利団体は合計から産業、大学、公的機関を除いたもの。
4)2012年値については、米国は予備値、ドイツは国家の見積もり又は必要に応じてOECDの基準に一致するように事務局で修正された推定値、フランスは暫定値、日本(OECD)及びEUは各国資料に基づいたOECD事務局の見積もり・算出。
<日本、日本(OECD推計)>2001年度に、非営利団体の一部は企業部門になった。
<日本(OECD推計)>1996年からOECDが補正し、推計した値(大学部門の研究開発費のうち人件費をFTEにした研究開発費)を使用しているため、時系列変化を見る際には注意が必要である。
<ドイツ>1990年までは旧西ドイツ、1991年以降は統一ドイツ。
資料:
<日本>総務省、「科学技術研究調査報告」、OECD,“Main Science and Technology Indicators 2013/2”
<米国>NSF,“National Patterns of R&D Resources: 2011–12 Data Update”
<ドイツ>Bundesministerium für Bildung und Forschung,“Bundesbericht Forschung 2004,2006”、“Bundesbericht Forschung und Innovation 2010,2012”、2010年からはOECD,“Main Science and Technology Indicators 2013/2”
<英国>National Statistics website: www.statistics.gov.uk
<フランス、中国、韓国、EU>OECD,“Main Science and Technology Indicators 2013/2”

参照:表1-1-6



(1)経済協力開発機構(OECD)は、民主主義と市場経済を支持する諸国が①経済成長、②開発途上国援助、③多角的な自由貿易の拡大のために活動を行っている機関。現在34カ国が加盟。国際比較可能な統計、経済・社会データを収集し、予測、分析をしている。
(2)研究開発費を集計する際の年度の範囲は国によって異なるため、本書では、国際比較にあたって基本的に「年」を用いている。ただし、日本に限って述べる際には、「年度」を使用している。
(3)Frascati Manual 2002 (Proposed Standard Practice for Surveys on Re-search and Experimental Development)
研究開発統計の調査方法についての国際的標準を提示している。1963年、イタリアのフラスカティに於いて、OECD加盟諸国の専門家による研究・実験開発(R&D)の調査に関しての会合が行われた。その成果としてまとめられたのがフラスカティ・マニュアル-研究・実験開発調査のための標準実施方式案である。現在は第6版(2002)が発行されており、各国の研究開発統計調査は主にこのマニュアルに準じて行われていることが多い。