1. はじめに
科学技術基本法が、21 世紀に向けて「科学技術創造立国」を目指して科学技術の振興を強力に推進していく上でのバックボーンとして1995年に制定されて今年で 10 年になります。この基本法に基づき、5 年間の第 1 期及び第 2 期科学技術基本計画が策定され、わが国の科学技術が強力に推進されてきました。また、この間、2001 年 1 月の中央省庁の再編、総合科学技術会議の発足、国立試験研究機関の独立行政法人化、特殊法人改革、国立大学法人の発足など、科学技術に関連する様々な改革も行われてきました。
当研究所はこのような科学技術に関する大変革に対応しつつ、2001 年 9 月には中期計画を今後 5 年間程度の調査研究の活動計画として策定するとともに、2002 年 11 月には研究所全体として外部専門家による機関評価を受け、政策指向型の調査研究を重視して科学技術政策研究を実施してまいりました。具体的な調査研究として、第 3 期科学技術基本計画策定のための検討資料を提供するという目的で、科学技術振興調整費の配分を得て、2003 年度から 2 ケ年にわたり「基本計画の達成効果の評価のための調査」及び「科学技術の中長期発展に係る俯瞰的予測調査」に取り組んできました。現在までの調査・研究結果は 26 編に上る NISTEP Report として発表・公開され、総合科学技術会議の調査・審議に使われるなど多方面の科学技術政策関係機関で活用されています。
一方、これまで通り、より広く長期的視点に立った科学技術人材、イノベーション、産官学連携、地域科学技術などの調査研究を調査グループ、研究グループを中心として実施してきています。
この年報は 2004 年度の活動概要を取りまとめたものです。今後とも、わが国の科学技術政策立案に資する調査研究活動を積極的に推進していく所存です。皆様方からのご意見、ご批判をいただければ幸いです。
所長 小中元秀