起業家精神とナショナル・イノベーション・システム
- 開催期間:
- 2000 年 11 月29 日〜 30 日
- 開催場所:
- 科学技術振興事業団
- 開催趣旨:
- 日本における今日の最も重要な課題のひとつは、起業家精神を涵養し、イノベーション (革新)を陸続と生み出すための、国全体の体制づくりである。起業家精神こそ、革新的な企業、革新的な産業、そして革新的な社会の基盤である。そのため、起業家精神に関する議論や、ハイテク分野のベンチャー企業についての議論、さらにはナショナル・イノベーション・システムに関する議論は、いろいろな機会に活発に行われている。しかし、議論の多くは逸話的な情報に基づいており、個別事例についての情報の蓄積は進んでいるものの、体系的な調査研究は未だ十分ではない。本コンファレンスは、「起業家精神とナショナル・イノベーション・システム」をテーマとする国際コンファレンスであり、おもに経験的調査研究に基づく発表で構成されている。議論の対象は様々な産業領域に及び、必ずしも特定分野に限られないが、われわれの主たる関心は科学技術に基づく新規創業企業にある。このコンファレンスでは、アメリカ、ヨーロッパ、および日本におけるこの分野の専門家が、それぞれ調査結果を持ち寄り、現状と課題を議論する。その議論が、新しいナショナル・イノベーション・システムを生み出していく一助になることが、本会議の開催目標である。
< プログラム >
- 議題 1: 概観
- 日本のイノベーションシステム: その現状と課題
- 後藤晃
- 日本の大学基盤のバイオベンチャー: 現在の展望
- Robert Kneller
- 議題 2: 大学の役割
- シリコンバレーの産学関係におけるベンチャー企業の役割: イノベーションと研究基盤にどのような影響を与えるか
- Richard Dasher
- 産学連携システムの国際比較: 日英独米
- 塚本芳昭
- 議題 3: 先端技術産業
- 米国首都地域における技術主導による経済発展
- Roger Stough
- 日本の医薬品における特許指標と技術革新
- 岡田羊祐
- 議題 4: 日本のベンチャー企業
- 日本の起業家企業と起業家
- 榊原清則
- 議題 5: 起業家精神の涵養
- イノベーション支援のための公的プログラムについての欧州の経験
- Arnoud De Meyer
- アンダープライシング、新規公開コスト、引受方法: 入札方式からブックビルディング方式への移行に関する経済分析
- 忽那憲治
- 議題 6: イノベーションの意義
- イノベーションシステムにおける新しい技術基盤的企業: スウェーデン、オハイオ、マサチューセッツからの証拠事実
- Annika Rickne
- 科学と技術のフィードバックの社会的条件: 日本の研究開発は蘇るか ?
- 山口栄一
- 議題 7: 未来への手だて
- 起業家精神と新ビジネスモデル
- 前田昇
- 関連ページ:
- 2000 年度科学技術政策研究所年報 - 3. 国際会議等
- 関連資料:
- 「政策研ニュース」第 148 号 (2001 年 2 月号)