科学技術イノベーション政策における重要施策データベースの構築[NISTEP NOTE No.8]中の通史・概説

2.重点研究開発の推進

2.1 分野の戦略

昭和45年版白書では、先導的技術分野として原子力、宇宙、海洋の3分野について記載している。昭和48年版白書では、さらに、ライフサイエンス、材料、電子、極限、標準計測といった分野についても記載がなされるようになった。昭和49年版白書では、エネルギー、海洋、宇宙の3分野が「新領域の開拓」の項目で記載された。

科学技術会議は、第6号答申(長期的展望に立った総合的科学技術政策の基本について、昭和52年5月)、第11号答申(新たな情勢変化に対応し、長期的展望に立った科学技術振興の総合的基本方策について、昭和59年11月)、第12号答申(科学技術政策大綱について、昭和61年12月)において、重点分野を提示してきた。第12号答申を受けて、政府は、「科学技術政策大綱」を閣議決定した(昭和61年3月)。

平成4年に、科学技術会議は、「新世紀に向けてとるべき科学技術の総合的基本方策について」を答申した(第18号答申、平成4年1月)。第1期科学技術基本計画(平成8年7月閣議決定)は、研究開発の推進に当たっては、科学技術会議の第18号答申を踏まえ、基礎科学を振興するとともに、重要分野の研究開発を推進する、とした。

第2期科学技術基本計画(平成13年3月閣議決定)では、「基礎研究の推進」とともに「国家的・社会的課題に対応した研究開発の重点化」が位置づけられた。重点化の分野としては、

  • ライフサイエンス分野
  • 情報通信分野
  • 環境分野
  • ナノテクノロジー・材料分野
  • エネルギー分野
  • 製造技術分野
  • 社会基盤分野
  • フロンティア分野


  • の8分野が位置づけられ、ライフサイエンス、情報通信、環境、ナノテクノロジー・材料の4分野に対して特に重点を置くこととされた。これら重点分野の設定は、第3期基本計画(平成18年3月閣議決定)においても引き継がれた。

    第4期科学技術基本計画(平成23年8月閣議決定)では、我が国が取り組むべき課題を予め設定し、その達成に向けて、研究開発の推進から、その成果の利用、活用に至るまで関連する科学技術を一体的、総合的に推進するため、「震災からの復興、再生の実現」、「グリーンイノベーションの推進」及び「ライフイノベーションの推進」が主要な柱として位置づけられた。