科学技術イノベーション政策における重要施策データベースの構築[NISTEP NOTE No.8]中の通史・概説

2.重点研究開発の推進

2.9 宇宙・航空

わが国における宇宙空間研究着手の発端は、昭和29年(1954年)、IGY(国際地球観測年、昭和32年~33年1957~58年)のロケット観測計画に参加することを決めたときである。昭和30年には、東京大学生産技術研究所が、2段式ペンシルロケットの公開水平発射に成功している。

宇宙開発の体制としては、昭和35年に総理府に宇宙開発審議会が設置された。昭和37年には、科学技術庁研究調整局に航空宇宙課が新設された。昭和39年には宇宙開発推進本部が設置され、東京大学宇宙航空研究所が設置された。昭和43年5月、宇宙開発委員会が設置された。

我が国における宇宙開発は、宇宙開発委員会が毎年度定める「宇宙開発計画」に従って、東京大学宇宙航空研究所(昭和56年4月に文部省宇宙科学研究所へ改組)、宇宙開発事業団を中心とする関係機関が相協力して実施してきた。ロケット及び人工衛星の開発は、科学研究の分野については東京大学宇宙航空研究所が、実利用の分野については宇宙開発事業団がそれぞれ担当して実施してきた。

平成15年には、宇宙3機関(宇宙科学研究所、独立行政法人航空宇宙技術研究所及び宇宙開発事業団)を統合し、我が国の宇宙開発の中核的機関となる独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)が発足した。

平成20年5月には、宇宙基本法が成立し、内閣総理大臣を本部長とする宇宙開発戦略本部の下、政府が一体となって宇宙開発利用を進める体制が構築された。

航空技術に関しては、昭和30年に航空技術研究所(後に航空宇宙技術研究所)が設置され、研究が進められてきた。