科学技術イノベーション政策における重要施策データベースの構築[NISTEP NOTE No.8]中の通史・概説

2.重点研究開発の推進

2.12 ソフトサイエンス、テクノロジー・アセスメント、政策研究

ソフトサイエンスは、「現代社会における複雑な政策課題の解明を目的としたソフトサイエンスは、情報科学、行動科学、システム工学、社会工学など最近急速に進歩しつつある意思決定の科学化に関する諸分野の理論や手法を応用して、人間や社会現象を含めた幅広い対象を学際的に研究、解明しようとする総合的科学技術である」とされている(昭和51年版白書)。

科学技術会議は、昭和46年4月、諮問第5号「1970年代における総合的科学技術政策の基本について」に対する答申及び昭和52年5月の諮問第6号「長期的展望に立った総合的科学技術政策の基本について」に対する答申において、ソフトサイエンスの振興の必要性を強調した。

その後、ソフトサイエンスに関連して、テクノロジー・アセスメントの推進、総合研究開発機構(NIRA)や科学技術政策研究所(NISTEP)の設置などが進められた。

白書では、昭和62年版以降、科学技術と人間・社会との調和の実現や国際社会との融和に大きな役割を果たすものとして、ソフト系科学技術の重要性が記載されるようになった。ソフト系科学技術は「人間・社会、ハードウェアといった実体的対象の能力や機能を発揮させ、その最も有効な利用・運用を図るための科学技術」とされている。

平成5年1月のソフト系科学技術に関する基本計画の内閣総理大臣決定がなされた。この計画では、今後の科学技術に新たなブレークスルーをもたらす基礎的・先導的科学技術として、また、人文・社会科学と自然科学を融合した新しい総合的科学技術として重要な役割を果たすとして、ソフト系科学技術に関連した研究機関や大学の学科の整備を進めるものとした。

平成23年度から、科学技術イノベーション政策における「政策のための科学」推進事業を実施している。