科学技術イノベーション政策における重要施策データベースの構築[NISTEP NOTE No.8]中の通史・概説

3.科学技術システム改革

3.12 制度運用改善

制度運用改善に関しては平成7年の科学技術基本法成立、その後の競争的研究資金の拡充・制度の多様化、研究資金配分機関(ファンディングエージェンシー)の機能強化の文脈の中で、資金配分制度の運用改善が課題になった。第2期科学技術基本計画では、「制度の弾力的・効果的・効率的運用」が位置づけられ、「研究開発の特性を踏まえた予算執行の柔軟性・効率性の確保」と「勤務形態等の弾力化」について記載されている。また平成13年4月には多くの国立試験研究機関等の独立行政法人化が行われた。これにより国の財政制度に由来する制約の緩和が図られた。また、国家公務員制度に由来する制約の緩和に対しては、非公務員型の研究開発独立行政法人の発足へとつながっている。これらを受けて、平成13年版白書から「制度の弾力的・効果的・効率的運用」について記載されるようになった。第3期科学技術基本計画では、「円滑な科学技術活動と成果還元に向けた制度・運用上の隘路(あいろ)の解消」が位置づけられた。総合科学技術会議は、制度的な阻害要因として研究現場等で顕在化している諸問題を解決するため、全66の改革事項を提言し、平成18年12月に関係大臣に意見具申した。その後、この提言についてのフォローアップが行われることとなった。

なお、第4期科学技術基本計画では、制度上の問題について独立した項目は位置づけられておらず、平成23年版白書からは、制度運用改善についての記載はなくなっている。