科学技術イノベーション政策における重要施策データベースの構築[NISTEP NOTE No.8]中の通史・概説

1. 基本政策

1.1 科学技術会議・総合科学技術会議

昭和31年、各省庁間の科学技術行政の総合調整を主たる任務とする科学技術庁が設置された。しかし、大学における研究に係る事項はその行政対象から除外されていた。

昭和34年には、科学技術会議が設置された。同会議は、関係行政機関の施策の総合調整を行なう必要がある場合に、科学技術一般に関する基本的かつ総合的な政策や長期的かつ総合的な研究目標の設定などについて審議答申するための総理大臣の諮問機関であって、大学における研究に係る事項をも審議の対象とすることとされた。同会議は、諮問に対する答申に加え、昭和39年7月に新たに内閣総理大臣に対して意見具申を行う権限を付与された。科学技術会議は、科学技術政策の基本方策について諮問するとともに、研究開発分野別にも諮問・意見具申を行ってきた。

昭和56年度予算では、科学技術会議の方針に沿って重要研究業務の総合推進調整に用いる科学技術振興調整費が新設された。科学技術振興調整費は、平成13年1月の総合科学技術会議の発足にあわせて横断的な科学技術システム改革や先導的・試行的な研究の推進等を基本方針とするように見直された。

なお、昭和40年12月、科学技術会議は、わが国の科学技術水準の画期的な向上を図るためには、国の科学技術に関する責務を明らかにするとともに、国の行なうべき科学技術に関する施策の方向を示すなど、科学技術を振興するための統一的指針が必要であるとの認識のもとに、科学技術基本法案要綱を添えて科学技術基本法を制定すべきであるとの答申を行なっていたが、法制定が実現しなかった経緯がある。

その30年後、平成7年11月に科学技術基本法が成立し、同法の規定により政府は科学技術基本計画の策定を義務付けられ、また、その策定に当たっては、あらかじめ、科学技術会議の議を経ることとされた。

平成13年1月の省庁再編に伴い科学技術会議は廃止され、総合科学技術会議が内閣府設置法(平成11年法律第89号)に基づき、「重要政策に関する会議」のひとつとして内閣府に設置された。その発足当初は議長である内閣総理大臣の出席の下に原則月1回開催されていた。また、その策定過程が省庁再編期にあたった第2期の科学技術基本計画は、平成12年12月の科学技術会議による「科学技術基本計画について」に対する答申を踏まえて行われた平成13年3月の総合科学技術会議による答申を受けて閣議決定されている。

平成14年度科学技術関係予算の編成に当たっては、総合科学技術会議が精査を行い、平成14年度予算編成に当たって配慮すべき点を「平成14年度科学技術関係予算の編成に向けて(意見)」としてまとめて、内閣総理大臣及び関係大臣に向けて意見具申をした。