③.調査研究の効果的・効率的推進のための運営のあり方

1.組織及び人材

(1)優れた人材の確保等

 十分なデータの分析・評価能力を有する所内要員の増強や外部からの非常勤職員の任命などにより、広範な分野から優れた人材を確保する。

(2)柔軟かつ効率的な組織運営と体制整備

 社会情勢の変化等に応じた柔軟かつ弾力的な組織・体制の運用、見直しを行うとともに、行政職職員及び研究職職員双方の長所が最大限発揮されうる両者のベストミックスに配慮した組織運営を行う。

(3)外部機関等の有効活用

 アンケート実施、収集データ整理、会合開催に係る事務等の定型的業務のアウトソーシングを促進し、調査研究部門の職員の事務作業負担を軽減することにより、研究活動の迅速化・効率化を図る。また、民間シンクタンク等の活用による一部調査研究業務の外注、客員研究官等の外部有識者による調査研究報告書の分担執筆を実施する。

(4)研修の実施

 所員を対象とした課題別研修を実施する。また、所内及び所外関係機関の科学技術政策研究者を主な対象とし、社会調査法・統計検定基礎、メッセージ分析法、文献調査法、論文作成法等の政策研究のプラクティスに係る本格的研修を、要すれば所外からの講師招聘も含めて実施する。さらに、科学技術行政関係者を主な対象とし、政策科学の基礎、基本的政策形成・評価手法、諸外国の政策動向等に関する基本的研修を実施する。また、政策研究大学院大学等との連携協力により、将来的には連携大学院大学方式の導入等も視野に入れつつ、研修参加者の学位取得を促進する。

2.関係機関等との連携・交流

(1)各府省科学技術行政部局等との連携強化

 内閣府総合科学技術会議事務局との連携・交流を一層強化し、幹部会への出席や科学技術行政部局の関係者を対象とした調査研究報告会・セミナーの開催等を通じ双方向の定常的情報交流を促進する。これにより、これら部局の戦略立案上のニーズを的確に把握するとともに、当研究所の調査研究成果を戦略立案プロセスに対し適切かつタイムリーにインプットする。更に、他省庁の科学技術行政担当部局、政策研究機関、地方自治体との協力関係を充実強化する。  特に、「技術予測」、「科学技術指標」等当研究所の定期的実施課題に関しては、総合科学技術会議を中心とした5年毎の「科学技術基本計画」策定作業に適切に反映すべく、成果取りまとめの時期に十分配慮する。

(2)大学との連携・交流の強化

 人事交流、客員研究官任用、共同研究、研修生受入れ等により、多くの学問分野で豊富な人材を擁する大学との連携・交流を強化し、当研究所の調査研究の多様化・活性化を図る。また、連携大学院方式による連携・交流を検討する。

(3)内外の研究機関等との連携・交流の強化

 社会科学系研究機関、民間シンクタンク、教育・文化関係機関等異分野及び多様な内外の機関との交流を促進し、当研究所の調査研究能力向上及び視野を拡大する。また、他の試験研究機関の専門家を科学技術動向研究センター等に招聘し、個々の研究分野・研究現場により密着した調査研究を実施するとともに、調査研究成果の各試験研究機関における中期業務計画等の経営方針作成への有効活用を図る。

3.研究活動のネットワーク機能の強化

 機関評価報告書の指摘を踏まえ、以下の研究ネットワーク機能強化方策を検討・実施する。

a.フリーゾーン(共通の研究の場)の形成:人材問題等特定テーマに係る政策研主催討論会(コロキウム)の開催等
b.共同研究テーマの公募:多様な研究ニーズ汲み上げの観点から所外研究者より希望テーマを公募、採択テーマにつき研究参加者を募集
c.双方向電子情報ネットワークシステムの構築:当研究所と多数の外部専門家の間に双方向ネットワークシステムを構築、科学技術動向研究センターにおける重点研究開発分野の動向把握・分析等の効率向上、人的ネットワーク整備を図る

4.政策研究基礎データの整備

 過去に実施したアンケート調査票のうち継続性等の観点から重要度の高いものを電子化し、政策研究基礎データとして適切に整備・管理する。これにより、これらのデータを用いた研究を促進する。

5.調査研究成果の普及活動の充実・強化

 当研究所の活動成果を国内外に広く発信し、科学技術政策研究における中核的研究機関としての地位を確立するとともに、下記方策により成果普及活動を充実・強化し、外部との連携促進を図る。

a. 調査研究成果物の普及促進:重要レポートの出版働きかけ、NISTEP REPORT等の概要(必要に応じ本文)のホームページへの掲載促進(主要なレポートは英文化を進める)
b. 「政策研ニュース」の充実:科学技術振興及び政策研究に関連を有する各層が広く関心を持てるよう内容・配布先を見直し
c. 政策研ホームページの充実:成果物の速やかな掲載、更新頻度増大等速報性を向上

6.国際交流の推進

 当研究所の調査研究活動の効果的推進の観点から、戦略的重点化を図りつつ、所要の予算・人員の確保を通じ二国間及び国際機関を通じた国際交流を一層強化する。特に、傑出した外国人専門家・研究者を「国際客員フェロー」として招聘するとともに、当研究所職員の海外派遣枠の拡大を図る。また、国際研究集会の相互開催による人的ネットワークの構築・強化を図る。