科学技術政策研究所について

科学技術政策研究所の役割
 科学技術政策研究所は、国の科学技術政策立案プロセスの一翼を担うために設置された国家行政組織法に基づく文部科学省直轄の国立試験研究機関であり、行政ニーズを的確にとらえ、意思決定過程への参画を含めた行政部局との連携、協力を行うことが期待されています。このため、科学技術政策研究所は、以下の3つの役割を担っています。
  1. 将来新たに発生する政策課題を予見して自発的かつ掘り下げた調査研究を行うこと
  2. 行政部局からの要請を踏まえた機動的な調査研究を行うこと
  3. 科学技術政策研究分野における中核機関として、知の蓄積・拡大に資すべく、他の研究機関や研究者の研究基盤となる各種データを提供する役割を果たすこと。

調査研究推進の方向性
 近年、科学技術政策研究はイノベーション関連政策等のように対象とする領域が拡大しているとともに、広く国際的な視野からの分析が求められています。こうした中、当研究所がその役割を果たしていくためには、行政上のニーズに機動的に対応すると同時に将来を見据えた自発的な調査研究を行っていく必要があります。当研究所では、5年ごとに中期計画を策定し、調査研究推進のための中長期的・基本的な方向性を定めるとともに、年度ごとの調査研究については、その時々の状況に柔軟に対応して、調査研究を進めています。なお、中期計画は当研究所ホームページで、公開しています。
 第2期及び第3期科学技術基本計画を通して、科学技術システム改革と科学技術の戦略的重点化が大きく取り上げられ、それを踏まえた様々な政策が展開されています。今後の科学技術政策研究の課題としては、科学技術システム全体としてのパフォーマンスをいかに高めていくのか、将来発展性のある分野・領域はどのようなものが予想されるのか、その中でも特に今後我が国として強化すべき分野・領域は何であるか、今後の社会ニーズに対応しつつ、どのように研究開発を強化していくべきかなどが重要であると考えられ、こうした課題に率先して取り組む必要があります。当研究所では、具体的には以下の個別事項の調査研究を進めています。
  1. 科学技術システムに係る調査研究
  2. イノベーションに係る調査研究
  3. 将来発展する分野・領域の探索に係る調査研究
  4. 科学技術と社会の包括的な関係に関する調査研究
  5. 第3期科学技術基本計画のフォローアップに資する調査研究
  6. 科学技術政策の成果等の評価についての調査研究

組織運営の特色
@調査研究の効果的・効率的推進のための運営
 科学技術政策研究の対象領域の拡大・多様化に対応するため、産学官からの様々な研究人材を配して、その知見を活かした的確な研究を進めるとともに、機動的、自発的な調査研究を進められるよう研究者を少人数にグループ化して組織し、効果的、効率的な組織運営を行っています。また、特に重要な研究テーマについては、有識者や科学技術政策の専門家から成る研究会を設置し、関連する研究の現状、今後取り上げる研究課題や手法について深く掘り下げた意見交換を行う仕組みを構築しています。
A外部機関の活用
 第3期科学技術基本計画策定に向けた調査(レビュー調査、予測調査等)で実施したように、自らの研究人材を科学技術政策研究の核心の部分に重点的に投入し、データ収集などシンクタンク等の民間機関に委託できる部分については、可能な限り委託していきます。
B外部資金の獲得
 研究所独自の財源により調査研究を実施することを基本としつつ、科学技術振興調整費、科学研究費補助金、財団法人等の資金などの外部資金についても、目的に応じて適切に確保を図っています。
C人材の確保等
 科学技術政策関連分野の若手人材の育成をより確実なものとするためにも、世界をリードできる科学技術政策研究者を目指す若手人材を、積極的に任用するとともに、研究発表の場の設定、勉強会・シンポジウムへの参画等の機会を提供しています。また民間企業等からの人材については、特別研究員制度を利用し、その活用を積極的に進めてきています。こうしたことにより研究者相互の知的触発、研究成果の向上を図るとともに、民間企業等の研究者の視点によって科学技術政策研究の分析に新たな切り口を加えることができるよう努めています。
 外国人研究者に関しては、共同研究、留学生の受入れ、国際客員研究官制度などにより受入れを行っています。
D国内外機関との連携
 科学技術政策研究所は、政策研究大学院大学と連携大学院協定を結んでいる他、内閣府経済社会総合研究所、科学技術振興機構、一橋大学等の国内専門機関との連携を積極的に進めてきています。
 更に、海外の有力研究機関等と研究協力覚書(MOU)を締結するなど、海外の研究機関との継続的な情報交換、人材交流、連携協力等の充実に努めています。

機関評価
 当研究所では、調査研究活動を含む運営全般について機関評価を受け、評価結果を踏まえた研究資源の適切な確保・配分及び運営上の問題点の改善等を通じて、機関としてのマネジメントの質的向上及び調査研究活動の一層効果的・効率的な推進を図っています。これまでに3回の機関評価が実施されていますが、2004年度の中期計画以降は、科学技術基本計画や中期計画の実施・改定サイクルと整合させる観点から、5年ごとに機関評価を実施していくこととしました。
 第3回機関評価は、2005年11月に外部有識者からなる機関評価委員会を設置し、行政部局関係者からの意見聴取・討議、当研究所の研究職員からの意見聴取等を交えて、調査研究活動及び機関運営全般に係る検討・評価を実施しました。機関評価報告書は2006年6月に取りまとめられ、これを踏まえて中期計画を改訂し、報告書に示された各般の提言を踏まえた業務の展開を行っています。この機関評価報告書は当研究所ホームページで公表しています。

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