イノベーション人材育成をめぐる現状と課題
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NISTEPブックレット-2 8 (4)論文生産活動における若手人材の役割 ポストドクターの経験を有する研究者の比率は若い世代ほど高く、ポストドクターの経験は、研究者の経歴として一般的になってきていると推察される(【図表13-1】)。 ポストドクター経験のある研究者の英語論文数は多く、特に45 歳以上の年齢層において、論文数の違いが大きく現れている(【図表13-2】)。 出典:科学技術政策研究所「科学技術人材に関する調査 ~研究者の流動性と研究組織における人材多様性に 関する調査分析~」, NISTEP REPORT No. 123, 2009 論文筆頭著者の日米比較をみると、日本より米国の方が、学生やポストドクターが論文筆頭著者として貢献している割合が高い(物理科学系分野)ことがうかがえる。 生命科学系では日米いずれにおいても論文生産における若手研究者の寄与が大きく、ポストドクターが高被引用度論文(トップ1%論文)において筆頭著者として寄与する比率が高い(【図表14】、【図表15】)。 6%24%5%26%25%32%23%18%9%60%43%57%71%75%81%5%8%6%5%7%9%0%20%40%60%80%100%全体( N=9,369 )34歳以下( N=1,746 )35~44歳( N=3,306 )45~54歳( N=2,699 )55~64歳( N=1,325 )65歳以上( N=102 )ある(現在)ある(過去)ない無回答1.8 2.5 3.8 4.1 3.1 4.1 6.1 7.9 9.0 6.9 1.2 1.4 3.0 3.2 1.8 5.7 7.8 13.2 13.1 8.8 05101525~34歳( N0=738, N1=766 )35~44歳( N0=1794, N1=1153 )45~54歳( N0=6795, N1=1824 )55~64歳( N0=3809, N1=721 )全年齢( N0=5369, N1=2762 )25~34歳( N0=747, N1=784 )35~44歳( N0=1808, N1=1170 )45~54歳( N0=1813, N1=620 )55~64歳( N0=935, N1=226 )全年齢( N0=5395, N1=2812 )最近3年間の論文数ポストドクター経験なしポストドクター経験あり日本語論文英語論文6.7%1.5%27.4%18.2%11.1%31.8%21.5%18.2%18.9%16.7%12.6%10.6%1.9%3.0%0%20%40%60%80%100%通常論文(270)トップ1%論文(66)5.0%2.3%32.9%35.7%15.4%18.6%9.1%8.5%13.8%8.5%19.5%22.5%4.4%3.9%0%20%40%60%80%100%通常論文(298)トップ1%論文(129)修士または学部学生博士課程学生ポストドクター助教レベル准教授レベル教授レベルその他5.6%1.7%27.7%11.9%27.1%50.8%11.9%8.5%9.6%11.9%13.6%10.2%4.5%5.1%0%20%40%60%80%100%通常論文(177)トップ1%論文(59)7.1%3.2%15.2%15.2%8.7%14.6%16.5%18.4%21.4%22.2%29.0%25.3%2.0%1.3%0%20%40%60%80%100%通常論文(448)トップ1%論文(158)日本(大学,物理科学系分野) 米国(大学,物理科学系分野) 日本(大学,生命科学系分野) 米国(大学,生命科学系分野) 【図表13-1】 ポストドクター経験の状況 【図表13-2】 ポストドクター経験の有無と論文発表数 8 【図表14】 論文生産性における筆頭著者の職位別内訳 出典:科学技術政策研究所、一橋大学イノベーション研究センター、ジョージア工科大学 「科学における知識生産プロセス:日米の科学者に対する大規模調査からの主要な発見事実」, 調査資料-203, 2011
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