STI Hz Vol.6, No.4, Part.3:2020冬号発行に当たってSTI Horizon

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  • DOI: https://doi.org/10.15108/stih.00232
  • 公開日: 2020.12.21
  • 著者: 赤池 伸一
  • 雑誌情報: STI Horizon, Vol.6, No.4
  • 発行者: 文部科学省科学技術・学術政策研究所 (NISTEP)

STI Horizon 2020 冬号発行に当たって

STI Horizon誌編集長 赤池 伸一
(科学技術・学術政策研究所 上席フェロー)

STI Horizon 2020 冬号をお届けします。新型コロナウイルス感染症の拡大が続く中で、「デジタルトランスフォーメーション(DX)」の重要性が高まっています。DXは、ウメオ大学(スウェーデン)のエリック・ストルターマン教授が2004年に提唱した概念であり、単なるデジタル化を進めるだけでなく、生活様式の変容を伴うものと言われています。研究開発活動においても、ネットワークや計算資源等の基盤の高度化のみならず、データのマネジメント、研究開発プロセスの管理、さらには、市民の科学技術への関与の仕方にも変容をもたらすものと考えられています。NISTEPとしても、自らの調査研究活動のデジタル化だけでなく、DXの概念化、測定、分析等にも取り組んでいきます。

本号では、特別インタビューとして、理化学研究所 松本紘理事長に、変革期に社会から求められる研究開発の在り方とそれを牽引するリーダー像について、お話を伺いました。また、「ナイスステップな研究者」のインタビューとして、慶應義塾大学医学部眼科学教室 篠島亜里特任講師及び九州大学大学院工学研究院応用化学部門准教授/科学技術振興機構さきがけ研究者 楊井伸浩氏にお話を伺いました。

社会や科学技術の新たな「兆し」を報告する「ほらいずん」では、第11回科学技術予測調査デルファイ調査座長として、東京大学大学院工学系研究科 榎学教授(マテリアル・デバイス・プロセス分野)及び東京大学大学院情報学環 越塚登 学環長・教授に、「科学技術の未来」に関するインタビューをしました。また、サーキュラーエコノミー社会のためのフォーサイトに関するフィンランドとの共同研究の成果を報告します。今回初めての取組として、「ナイスステップな研究者」の受賞者である、東北大学副学長 大隅典子氏×株式会社ジーンクエスト代表取締役 高橋祥子氏×千葉大学大学院医学研究院人工知能(AI)医学教授 川上英良氏の鼎談を掲載しました。

NISTEPの研究成果等を紹介するレポートとして、「大学における地域産学連携現況(2019)」及び「新型コロナウイルス感染症による日本の科学技術への影響と科学者・技術者の貢献-科学技術専門家ネットワークアンケート調査より-」をお届けします。

本誌 STI Horizonの各記事が読者の皆様にお役に立てれば幸いです。また、お近くの方々や、SNS等Webメディアへの御紹介もよろしくお願いいたします。