文部科学省科学技術政策研究所は、「ワークショップ 日本の数学の将来シナリオを考える」を 2005 年 5 月 10 日午後 1 時 30 分より虎ノ門パストラル新館 6 階ロゼにおいて、社団法人日本数学会のご協力により開催いたします。
本ワークショップは、ご発表およびご討論を通じて、日本における数学研究の現状の理解および問題点について、産学官の関係者で認識を共有することを目的としております。
奮ってのご参加をお待ち致しております。
数学は、諸科学の中で最も基礎的な学問である。数学で得られる事実には、時代や地域を越えた普遍性や、抽象的であるがゆえの汎用性がある。例えばひとつの定理が物理現象の解明に役立てば、経済現象にも適用できるという具合に、数学は様々な科学分野の基礎を支えている。
翻って見れば、科学技術の構造変革をもたらした計算機の開発や、数理ファイナンス、複雑系等の学問分野の創造は、数学研究から端を発している。数学の成果は、社会を根底から変革する可能性を秘めている。
欧米各国は、このような数学の特徴を踏まえて、国家として数学研究を推進している。特に、近年では数学に対する公的支援として、数学と他分野との研究の連携や融合を重視している。
我が国の科学技術政策においても、分野間の連携・融合を推進していく必要性が増しており、多くの分野の基礎となる数学は一層重要になるだろう。そこで問題となるのは、数学研究の推進体制自体が十分なものかどうかである。
本ワークショップの目的は、まず、数学が置かれている状況をきちんと認識することにある。さらに、21 世紀に日本発の新しい分野や領域を発展させ、科学技術において国際的なリーダーシップをとるために、日本における数学研究の重要性を考え、数学に関する日本のポテンシャルの他分野活用の可能性を探り、それを実現可能とする数学研究支援の方策等を産学官関係者で討議し、認識を共有することが目的である。