山地から河川、海域にわたる
流砂系問題に対する実証的研究の推進

井上 素行
客員研究官

1.はじめに

 我が国は国土の約7割が山地からなっており、斜面の侵食や崩壊などにより、毎年大量の土砂が生産されている。これらの土砂は河川の流水によって運ばれ、河川流域では洪水時に氾濫と堆積を繰り返し、また河口や海岸域では、波浪や潮流などの影響を受けて堆積と侵食を繰り返して、現在の平野や河口デルタ、砂礫浜を形成してきた。かつては如何に河床の上昇を抑えて洪水氾濫を防ぐかが大きな課題であったが、一方で、豊富な土砂の供給が白砂青松の自然豊かな国土と多彩な生態系を維持してきたのである。

 我が国では高度成長時代を迎えた1960年頃から、河川の上流域に治水、発電、用水確保などを目的として多数のダムが建設された。大規模なダムは、土砂の流下経路を遮断して、土砂流出が激しい流域では大量の土砂がダム貯水池に堆積している。また、河川や海域では大量の砂利が採取されて、海域への土砂の供給が減少するとともに、港湾・漁港などの大型の海岸構造物が多数建設されて海岸に沿った漂砂注1)を遮断する状況が生じている。

 これにより、ダムが本来有するべき機能が低下するとともに、ダム下流域では河床が低下し、河口や海岸では砂浜が侵食されるなど、流砂系注2)のアンバランスによる様々な問題(ここでは流砂系問題と呼ぶ)が顕在化している。

 このような状況を踏まえ、1998年7月に当時の建設省河川審議会総合土砂管理小委員会は、流砂系の総合的な土砂管理に向けた取り組みを求める報告書を提出した。また、2006年からスタートした第3期科学技術基本計画では、「流砂系全体の土砂動態予測技術、土砂対策およびそれが流砂系全体に及ぼす影響を評価する技術」を社会基盤分野の戦略重点科学技術として取り上げている。

 流砂系問題の解決には、ダムからの排砂を含め、流砂系全体にわたる治水、利水および環境面の調和がとれた土砂収支のバランスを図る取り組みが必要である。しかしながら、これまで災害防止のために河川上流域で土砂の流出を防止する考え方はあっても、下流に必要な土砂を計画的に供給するという考え方はなかった。そのため、山地から河川、海域までを含む流砂系を一貫した検討体制は存在していない。また、土砂の移動現象は広範囲にわたり、かつ現象の複雑さ、測定の難しさから、流砂に関わる実態の把握が十分とはいえない状況にある。このため、土砂を流下させた場合の河川下流域や海域への影響を評価し問題の改善効果を評価する技術、さらには制御する技術が確立できていない状況である。

 本稿では、ますます深刻化する流砂系に関わる土砂問題の実情および対策技術・研究の動向を概観するとともに、流砂系を一貫した土砂管理の展開に向けて今後は何が必要なのかを述べる。

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2.我が国における流砂系問題の実情

2-1 山地からの土砂流出の特徴

 我が国は、環太平洋火山帯に位置し、地震や火山活動が活発であり、急峻な地形に脆弱な地質が分布している。火山岩類の貫入による破砕作用や熱水変質作用を受けた岩盤は、雨水の浸透や凍結・融解の繰り返し作用、岩盤のクリープなどによって崩れやすくなっている。加えて、台風や前線、低気圧によって激しい降雨が発生するなどの厳しい気象条件を有していることから、山地では活発な土砂の生産が行われている。年間の平均生産土砂量はおおよそ2億m3と見積もられているが1)、土砂の生産量には地域差があり、糸魚川・静岡構造線や中央構造線沿いの地域など、地質的に脆弱な地域で多く、中部・北陸地方で全体の約半分を占めている。

 日本列島は脊梁山脈が国土を貫き、急勾配の短い河川が平野や海域に直結している。山地で生産された大小さまざまな粒径からなる土砂は、間歇的に生ずる洪水によって大量に、また平常時の流水によって持続的に河川を流下し、その過程で、各所で氾濫と堆積、そして再移動を繰り返してきた。河川が急勾配の山間地から平地に流れ出る場所では比較的粒径の大きな礫や砂が堆積して扇状地ができ、勾配が緩い平地では粒径が小さい砂や微粒の土粒子に含まれる栄養塩などが堆積して肥沃な平野や河口デルタが形成されている。また、海域では河川などからの土砂の供給によって、干潟や砂浜海岸を形成してきた。

 このように、山地からの土砂は国土の形成と維持のための血流としての役割を果たし、地域固有の風土と生態系を育むとともに、人間の生活に脅威を与えてきたのである。

2-2 流砂系の歴史的変遷

2-2-1 高度成長期以前

 我が国では、江戸時代以前にあっては、建築用あるいは燃料となる木材の切り出しなどのために山林が荒廃し、そのため、土砂流出が大量で河床が高いために洪水氾濫が頻発した。明治には外国人技師が、植林その他の砂防工事による土砂流出軽減に乗り出した。また、新田開発が積極的に進められた。沖積平野における農地開発では、霞堤注3)を廃止して連続堤にしたために、遊水機能を果たしていた低湿地を減少させた。そのような場所は必然的に水害に弱いため、災害の多発につながった。大量土砂流出の傾向は、1960年代まで続き、戦後の大洪水頻発の一原因をなしていた2)

2-2-2 高度成長期以降

 第二次世界大戦後、河川の氾濫原であった領域にまで住宅が数多く建てられるようになったことから、台風や前線性の豪雨によって多数の死者を出す災害が相次いで発生し、水害に強い河川を造ることは、当時の国民の悲願であった3)。このため、河川堤防の強化とともに、山地緑化に力が入れられ、砂防工事が土砂流出を抑制することを目的として行われてきた。また、食糧の増産を支えるための農業用水の確保や、コレラ・赤痢などの疫病の蔓延から都市の住民を守るための清潔な水道水の確保、エネルギー需要の急激な増加に対応するための大規模水力発電の建設が必要とされた4)

 このような背景があって、高度成長時代を迎えた1960年頃から、洪水調節、水力発電、水道、工業用水の確保などを目的として、多数の大規模なダムが築造された。これらのダムは洪水の危険を軽減して住民の生命と資産を守り、下流域の土地の高度利用を拡大して、産業を発展させることに大きく貢献している。水力発電量は2006年時点において年間約950億kwhで、我が国の総電力需要の1割弱を担っており、CO2を排出しない貴重な純国産資源となっている5)。一方、大規模ダムは、貯水池計画において通常100年間分の堆砂容量を確保し、流水とともに土砂を貯水池にため込む前提で設計されている。このため、ダムからの放流水に含まれる微粒の土粒子を除いて、上流域から流入する土砂の大部分を貯水池で捕捉し堆積させている。また、砂防工事として数多くの砂防堰堤が設置されて、荒廃した山地や渓流から流出する土砂をためている。

 図表1に、我が国全体の、山地から河川、海域に至る土砂流出の模式図を示す。ダム等の河川を横断する構造物への堆砂量は年間約1億m3となっており、年平均生産量の約半分の土砂が下流域への供給を遮断されている。高さ15m以上の約2700ダムのうち、堆砂量の報告が義務付けられている総貯水容量100万m3以上の877ダムについてみると、2005年現在で約13億m3の土砂が貯留されている1)。土砂流出が激しい流域では、洪水時に一気に流出する大量の土砂がダム貯水池に捕捉されることにより、かつて暴れ川と呼ばれた河川の中・下流域で、近年、河床上昇が抑制されて、洪水の疎通能力が向上し、洪水氾濫を大幅に抑制している面もある。

 さらに、高度成長期以降、コンクリート骨材の需要に応じるため、河川および海域において大量の砂利採取が行われてきたことも流砂環境の大きな変化要因である。川砂利の採取量は1966年には年間1.3億m3にも及んだが、その後厳しく規制されて、1989年には2200万m3、2004年には840万m3に減っている。海砂利の採取についても禁止される傾向にあるが、2004年時点では1700万m3の採取量となっている。また、海域では港湾・漁港などの大型の海岸構造物が多数建設されているが、これが海域の沿岸方向の漂砂の移動に大きな影響を及ぼしている。航路や泊地に堆積した土砂の大部分は砂浜に戻されることなく、沖合や陸域に処分されている。

2-3 流砂系のアンバランスによる問題の発生状況

 河川における土砂移動の特徴と、ダム貯水池での土砂貯留、ダム下流域での河床表層砂礫の粗粒化(アーマリング現象)や河床の低下、下流域での河床上昇、海岸侵食など、発生している土砂問題の全体概要を図表2に示す。問題の発生内容や程度は、流砂系の自然特性と人為作用の組み合わせによって大きく異なる点に留意する必要がある。

2-3-1 ダム貯水池における土砂の貯留

 ダム貯水池の建設にあたっては、一般に、100年分の堆砂容量をダム近傍の貯水池の深い部分に確保しているが、上流からの流砂は貯水池への流入部付近の有効容量の領域内に堆積することが多い(図表3)。このため、堆積土砂は貯水池計画で目論まれている有効容量を減少させて、洪水調節、水道用水、発電等の貯水池の機能を低下させるとともに、貯水池流入部の河床を上昇させて、洪水時の氾濫危険度を増大させるケースが生じている。堆砂が進行すると、放流設備や取水設備などのダム付帯設備の機能に影響を及ぼすことも懸念される。

 土砂の生産が活発な中部地方で見ると、2005年現在、総貯水容量が100万m3以上のダムでは、総容量の30%以上が土砂で埋まっているダム数が27ダムで全体の34%となっている1)。全国のダムで見た場合、貯水池の計画堆砂量をすでに上回っているダムは140ダムで全体の16%となっている。近年、中山間部の過疎化が進展しており、山林の管理が十分でなく、土砂崩壊の抑止力が低下していることも今後の不安要因となっている。

 貯水池の規模が大きく貯留水の回転率が低いダムでは、出水時に流入した粒径10μm程度以下の大量の微粒土粒子が懸濁質となって長期間にわたって貯水池内に滞留し、下流河川に濁水の長期化をもたらす現象や7)、流入した窒素、リン等の栄養塩類が高濃度で長時間滞留することにより、藻類が異常繁殖してアオコや水の華などが生じる、いわゆる富栄養化による水質悪化をもたらす現象も発生している7)

2-3-2 河川中・下流域における河床の低下

 河川の中・下流域では、ダム等による流砂遮断と過度の砂利採取の影響により河床が低下して、護岸や橋脚基礎が洗掘されたり、農業用水や水道などの取水堰が機能麻痺に陥る例が生じている。また、上流域からの砂礫の供給が減少したために、細かい砂分が流されて河床材料が粗粒化するとともに、出水時の河床砂礫への研磨作用が低下して付着藻類の更新が滞るなど、魚類を始めとした水生生物の生息環境に影響を及ぼしていることが指摘されている8)。さらに、ダムの運用によって洪水の頻度と規模が減少したことと相俟って、下流河川の洲が移動できなくなることによって植生が固定化する状況が生じている。これによって植物層の分布に影響を与えているとともに、ヤナギ類などが樹林化して大洪水時の疎通能力を阻害している状況も生じている1)

 また、川砂利採取の影響に対する反省から、近年、河床での砂利採取が大幅に規制されているが、大規模なダムがない流域などでは河川下流域で局所的に河床上昇が生じて洪水の危険度が増大したり、規制がダム等における砂利採取にまでおよび砂利資源の不足をきたす状況が生じている。このため、山を切り崩しての大量の砕石生産が行われており(図表4)、山紫水明の自然景観を損なう状況が生じている。

2-3-3 河口域および砂礫海岸の侵食

 河川上流域からの供給土砂の減少や、河床や海域における砂利採取、さらに港湾・漁港などの海岸構造物の設置による沿岸方向の漂砂の遮断などにより、河口域や砂礫浜での侵食が進行している10)。昭和から平成にかけて、年平均で約160haの砂礫浜が消失しており11)、高波を減衰させる防災機能や、海水の浄化作用、仔稚魚の成育環境、ウミガメの産卵場への影響などの問題が指摘されている。

 海岸の侵食を食い止めるために消波ブロックや離岸堤などのコンクリート構造物がいたるところで見られるようになっているが、これらの対症療法的な侵食防止対策工法は、他の領域の侵食を促進することがあるなどの問題を有している12)。また自然豊かな美しい砂浜海岸の景観を大きく損ねている。図表5に、遠州灘における1987年と2005年の海岸の状況を比較して示す。天竜川からの土砂供給の減少に伴う砂浜の侵食防止対策として、左側の1987年の写真において、天竜川と写真中央の馬込川の間に離岸堤が設置された。この対策によって当該部では沿岸方向の漂砂が捕捉されて侵食防止の効果が見られたが、漂砂の下手側にあたる写真下方の中田島砂丘では砂の供給が減少し、2005年の写真では中田島砂丘の海岸が大きく侵食されている様子がわかる。

 2005年現在、我が国の海岸延長3万5000kmのうち、すでに延長約9500kmにおよぶ海岸保全のための施設が設置されているが、これらの構造物の耐用年数を50年と考えた場合、将来、年間200kmの区間について毎年補修または更新が必要となり、次世代に大きな負担を強いることになる。

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3.流砂系問題に対応する技術とその研究の動向

3-1 総合土砂管理への方針の転換

 河川や海岸などの資源を高度に利用し、また、災害から身を守るために、自然現象を何とか制御しようと各種の砂防構造物、貯水池、堤防・護岸、堰、海岸堤防・防波堤等を建設してきた結果、それぞれの事業目的に対しては成果が得られた。しかし、その反面、流砂系に対してはそれぞれの負の影響が他の領域におよび、また時間の経過を経て様々な問題が顕在化するようになった。このような背景を踏まえて、当時の建設省河川審議会総合土砂管理小委員会は、「流砂系の総合的な土砂管理に向けて」と題した報告書(1998年7月)を提出した。報告書では、流域の源頭部から海岸までを含めた「流砂系」という新たな概念が導入され、土砂を止める対策に重点を置いてきた従来の土砂管理の考え方を改めて、適切な土砂移動を図ることが重要であることが強調された。これを受けて、建設省は、それぞれの河川・海岸の特性を踏まえて、土砂の移動による災害の防止、生態系・景観等の環境の保全、河川・海岸の適正な利活用を図ることを目標とした、河川流域および海域を包括したスケールの総合的な土砂管理に向けた取り組みを進めることになった14)

 河川法は、1997年に、従来の治水・利水に加えて、環境を考慮した総合的な河川管理を目指すように改正された。海岸法も、1999年に従来の海岸背後の人命・資産の防護から、海岸の環境や利用まで含めて調和のとれた海岸保全を目指すように法改正が行われている。

3-2 流砂系の各領域における固有技術の研究動向

3-2-1 土砂の動態調査

 流砂系の総合土砂管理技術の高度化へ向けた取り組みの一環として、近年、流砂の影響が顕著に現れている地点で土砂の動態に関する調査が行われている。

(1) 河川における土砂の動態調査

 天竜川においては、佐久間ダムの貯水池堆砂、下流河道部および海岸部の土砂の粒径分布を比較して、ダムから土砂を流した場合に、そのまま海域の沖合まで流出する粒径成分、砂浜の形成に寄与する成分、下流河床に堆積する恐れがあり治水上の十分な管理が必要な成分などの評価が行われている15)。安倍川においては、流砂量の観測結果を河川の流量と関係づけて、洪水時の粒径集団ごとの土砂の移動量が推定されている。流域最下流での洪水時の流砂量のうち海浜変形に寄与する成分(0.1〜10mm)が約72%を占めていて、海浜形成に有効であること、洪水時に途中の河床で堆積が生じるために治水安全上、土砂の継続的な排除が必要であることなどが明らかにされている16)。河川の流砂の観測技術については、地形の変化や浮遊砂の観測は可能となっているが、河床への堆積により氾濫につながる恐れがある粒径が大きい土砂の流れについては、いまだ測定が困難な状況である16)

 一方、矢作川においては、ダムからの土砂供給量の変化が底生生物相に及ぼす影響についての調査が行われている。ダム直下流では流砂量が少なく、河床は砂や小礫の割合が少ない。一方、貯水池で増殖した流下動物プランクトンが多くなっている。このような生息環境の変化により、底生生物相に明瞭な変化が現れるが、ダム下流域では、支川の合流によって緩和傾向にある17)

(2) 海域における土砂の動態調査

 安倍川河口部では、河口テラスの地形の変化が現地の測量データに基づいて調べられている。洪水時の河川からの流入土砂によって河口テラスがどのように発達するか、また、その後、波浪の影響を受けてテラスが変形することによって海岸に土砂が供給される状況について検討が行われている18)

 また、天竜川が注ぐ遠州灘周辺においては、古地図や空中写真、地中レーダのデータを組み合わせた長期にわたる海岸変形の歴史的変遷の調査、山地や河川、砂浜の土砂の鉱物分析によって海浜土砂の供給起源を広域的に解明するための調査が行われている。また、海域での土砂の移動を長期的かつ広域的に把握するために、超音波を用いた新たな観測技術の開発や、漁協と協力してシラス漁船の魚探データを用いて広域・高頻度で海底地形の変化をモニタリングするなど、浮遊砂や海底地形の観測技術の開発などが進められている。大学、民間、国土交通省、自治体が協力して、科学技術振興調整費重点課題解決型研究である「先端技術を用いた動的土砂管理と沿岸防災(通称、遠州灘プロジェクト)」として行われており、流砂系関係の研究者から注目されている13)

 また、手取川が注ぐ金沢海岸や宮崎県東部の日向灘海岸においては蛍光砂によるトレーサー調査や鉱物分析、深浅測量による土砂の動態調査が行われ、沖合への損失土砂や岬を越えての土砂の移動の実態が明らかにされつつある19)

3-2-2 山地における土砂の流出予測技術

 信濃川水系高瀬ダムは流域面積あたりの年間堆積土砂量が我が国第一位のダムである。ダムの管理を行っている電力会社は、長年月にわたる空中写真による上流域の地形変化計測、崩壊斜面における侵食・堆積変化の現地観測データなどに基づいて、斜面の崩壊・侵食による土砂の生産と斜面や渓床での堆積による一時貯留の特徴を把握し、どのような降雨条件で土砂が流出するかを大学と共同で研究し20)、渓流からの混合粒径土砂の流出予測モデルを作成している21)

3-2-3 ダムからの排砂技術

 従来は、大規模なダム貯水池における排砂は、掘削や浚渫によるものが主であったが、近年、ダムの流域や設備の特性に応じて、図表6に示すような様々な排砂技術の適用性の検討が行われている22)。高度成長期に建設された多くのダムにおいて、今後、機能維持のための堆砂対策が想定される中で、排砂に着目したライフサイクルコストとサービス水準の関係についてのダムのアセットマネジメントに関する研究が始まっている23)。このような中で、大規模なダムや砂防堰堤において、流入土砂を下流域に流す試みがスタートしている。

(1) 排砂バイパス

 新宮川水系旭ダム24)、および天竜川水系美和ダム25)では、貯水池の上流からダムの下流をつなぐ水路トンネルを設置して、洪水時に貯水池に流入する土砂を迂回させて流下させるシステムを整備して運用する試みが行われている。図表7の旭ダムでは、貯水池の上流部に貯砂堰を設置し、土砂を含んだ洪水をトンネルでダム下流に導いている。従来から問題になっていた貯水池の濁水の長期化現象が大きく改善し、貯水池の堆砂の増加を抑制した。ダム下流では河床にきれいな砂が蘇り、地元からは好評を得ている。ただし、ダムからの流下土砂は下流のダムに流入して堆積しており、河川を連続した排砂には至っていない。また、流砂によってトンネル設備が洗掘されるため、毎年補修が必要になっている。

(2) フラッシング排砂

 黒部川水系出し平ダムと宇奈月ダムでは、連携して貯水池を空にして、河川の流水の力で貯水池内に堆積している土砂をゲートから排出する試みが始まっている(図表8)。1回あたりの排砂量は2万m3〜172万m3となっている。このような排砂の方法は小規模なダムではこれまでにも実施されてきたが、大規模なダムでは排砂後の貯水池の再湛水に時間がかかり、発電などの機能の確保ができないことなどから実施されなかった。しかし、本事例では、貯水池容量に比して河川の流量が大きいために排砂後の再湛水のリスクが小さいこと、またダム下流が急流河川となっていて、わずか数十kmで日本海に流入しており、土砂排出による下流域の河床変動への影響が比較的小さいことから、大規模なダムでも導入しやすい地点条件であったといえる。

 長年月間土砂を貯水池にため込むと排砂時の水質が悪化するなどの影響が出るため洪水時に合わせて排砂するとともに、河川および海域における濁質濃度や溶存酸素濃度などのモニタリングを行うなど、土砂の排出に伴う下流域への影響に配慮しながら実施されている26)

(3) 土砂を流す砂防堰堤、洪水調節専用の流水型ダム

 砂防堰堤は土砂を堰き止めて災害を防止することを目的としている。近年、大規模な土砂流出時には土砂を堰き止めるが小規模な出水時には下流域に土砂を流下させる鋼管型やスリット型の砂防堰堤が設置され始めている(図表9)。

 また、一部で洪水調節専用の流水型のダムも設置され始めている。常時は流水を全く貯留せずに、洪水時には流入水を一部通過させながら貯水して流量調節し、その後速やかに排水する。洪水時に上流から流入した土砂の自然排砂が可能であり、堆砂量の抑制と流砂の連続性を確保することを狙いとしている(図表10)。

(4) 河川土砂還元

 近年、ダムの機能維持や下流河川の生態系に対する環境改善などを目的として、ダム貯水池の堆積土砂の一部をダムの下流の河床に置き土し、洪水時に下流域に流下させる試みが始まっている(図表11)。2008年現在、全国21箇所のダムで実施され、さらに他のダムでも実施に向けての検討が行われている。大規模な施設の整備を必要としない点に特徴がある。しかし、1回あたりの置き土量は数百m3〜数万m3程度であり、まだそれほど多量の流下は実施されていない。実施にあたっては、下流域で生じている環境上の問題点や、置き土に伴う濁水の発生、流下後の下流河床への堆積による治水上のリスクなどを考慮して、置き土の粒径や安全に流下させるための対象洪水規模、河床への土砂の置き方などが検討されている29)。濁水の発生などに対してまだ地元からは抵抗感が示されるケースも多い。しかし、実施前後のモニタリングによって下流域での河床地形や河床材料、底生生物、藻類などについての改善効果が確認されて、むしろ地元から歓迎されている事例もある。

3-2-4 堆積土砂の有効利用技術

 従来から、主に貯水池流入部における堆積土砂を採取し、コンクリート用骨材などに利用している。しかし、消費地までの輸送コストや質の安定性、法規制などの問題があって、必ずしも十分利用されているとはいえない。

 貯水池内の堆積土砂は、位置別に概ね図表12に示すような特徴を持っている。近年、従来の堆積土砂の利用方法に加えて、ダム直近の湖底に堆積している高濃度の腐植酸鉄を海岸の磯焼け回復に活用し、海藻類の増殖を促進するための実証試験31)や、貯水池内の各領域において混在している種々の粒径の土砂を簡易な方法でサイズ分けして河川土砂へ還元させるフィールド研究32)などが行われている。

3-2-5 河床変動予測技術

 大小さまざまな混合粒径から成る土砂が、河床において侵食あるいは堆積する量を推定するための数値解析モデルの開発が必要である。流砂の変化を考慮した河川の維持管理を適切に行えるようにするには、洪水中に河床が大きく変化することを十分考慮する必要があるが、現状はまだそのような解析ができていない。現在、現地実験データに基づいて、洪水流と河床変動の時間変化の相互作用を考慮することにより、洪水中に生じる河床変動や水面形状の解析の信頼度を高めるための研究が行われている33)

3-2-6 海岸変形予測技術

 河口域や海岸部での地形変化データや堆積物の粒径調査結果、波浪データなどから、混合粒径土砂の堆積・侵食過程を地形や海岸構造物の影響も含めて解明する研究も進められている。前述した「遠州灘プロジェクト」では、広域の土砂動態の調査結果に基づいて、河口から海浜形成にいたる土砂輸送機構の解明と高精度地形変化予測モデルの開発が進められている。土砂動態の把握技術と地形変化予測技術を組み合わせることによって、土砂動態や地形の変化に対して柔軟かつ継続的に対応できる、順応的な土砂管理技術の構築を目指している13)。また、鹿島灘の波崎海岸では、固定観測施設による20年間にわたる波、流速、土砂濃度、海底地形変化などの連続観測データを用いて、岸沖方向の沿岸漂砂量の分布や海底地形の変化を求めるシミュレーションモデルの開発が進められている34)。また、室内実験に基づいて火力・原子力発電専用港湾を対象とした混合粒径による三次元海浜変形モデルの開発が行われている35)

3-2-7 サンドバイパス・サンドリサイクル

 海岸構造物の影響によって侵食が発生している海岸への対策として、沿岸漂砂の上手側に堆積した土砂を構造物の下手側に人工的に移動させて流砂の連続性を回復するサンドバイパス(図表13)や、侵食海岸の下手側に堆積している土砂を侵食域に戻すサンドリサイクルによる養浜の試みが一部でスタートしている。千代川流砂系では鳥取砂丘や白兎海岸の侵食の拡大を防止するために、河川管理者や港湾・漁業管理者、海岸管理者などが協力して、河口や航路・泊地などの浚渫土砂を侵食海岸に投入する試みが行われている36)。また、天竜川の東側に位置する福田漁港では、天竜川からの沿岸漂砂の大量堆積による漁港機能の低下と漂砂の下手側の浅羽海岸の侵食を防止するため、パイプラインによる恒久的な砂輸送システムを整備したサンドバイパスが試みられている。海岸地形や底質粒径の変化、水質、底生動物やプランクトンなど生物環境への影響、アカウミガメ・シラスへの影響など周辺環境への影響や、また砂輸送システムの耐摩耗性などを調査しながら実施されている37)

3-3 海外動向

3-3-1 ダム貯水池の排砂の実施

(1) 欧州

 欧州委員会は水管理指令(2000年)の中で、総合土砂管理の観点で、域内の国際河川を対象に河川を連続した流砂の質と量の保全を政策課題として打ち出している。代表的な排砂方法として、フラッシング排砂が用いられており、下流域の人命・財産および生態系などの環境への影響に配慮して実施されている38〜40)。スイスでは、フラッシング排砂作業の計画や運営の指針として連邦ガイドラインを発行するとともに、実施時期や方法については州の認可を必要とするなど、制度として明確化している。また、フランスでは上流のスイスのダムと排砂のタイミングを合わせて下流域の水質の環境基準を満たすための検討が行われている。

(2) 中国

 中国では、かつてはダムに100年分の堆砂容量を確保して対処する設計が行われていたが、黄河の三門峡ダム(1957年完成、高さ106m)において短期間に大量の土砂が堆積した経験などを踏まえて、現在ではダムへの流入土砂は下流域に流下させることを基本としている。黄河や揚子江においては微粒の土砂が多いことから、出水期は貯水位を低下し貯水池内の流速を増大させて運用し、貯水池への流入土砂の通過促進を図っている。これにより、水力発電量は減少するが、「蓄清排砂」「静水舟航、動水流砂」という考え方で、自然の営力を利用したダムからの排砂を行っている。

(3) 米国

 米国のほとんどのダムは貯水池規模が非常に大きいため、ダムの堆砂はあまり問題にされていない。下流の河川についても、河床の洗掘が起こっている箇所については、土砂を重機で移動させて対処している41)

3-3-2 海岸侵食への対応

(1) 欧州

 オランダでは、地球温暖化にともなう海面上昇に対する海岸保全対策の検討が行われたが、構造物対策ではなく養浜によって現状の海岸線を防護する考えが政策決定されている42)

(2) 米国

 沿岸域管理法における政策宣言において、「現在とこれに続く世代のために、沿岸域の資源を保存、保護、開発、そして可能ならば修復、増強する」ことが掲げられている。沿岸域管理の目的を広く捉え、開発と保全の調和を目標にしている。州法において、海岸の価値を保護するためのさらに踏み込んだ内容が定められている。たとえばフロリダ州法では、港湾設備は漂砂の沿岸方向の移動を遮断してしまうことがあるので、維持管理のために浚渫する土砂は、漂砂の流れの下手側に供給し、年間の沿岸漂砂量を確保すべきと記述している。

 米国でも海岸侵食の問題は深刻であり、1960年代以前は構造物による対策がかなり実施されていたが、1970年代以降は養浜による侵食対策が主流になっている42)

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4.流砂系問題解決に向けた課題と手段

4-1 日本における流砂系問題の課題

 我が国は、山地において大量の土砂が生産されて、河川から海域へと供給されることで国土のバランスが保たれ、生態系が維持されている特徴を有している。黄河や揚子江などで対象としている貯水池の堆砂の大部分は非常に細粒であるが、我が国においては大小さまざまな粒径の土砂に対する防災・環境面の特段の配慮が必要である。

 流砂系問題の解決には、流送土砂の連続性を確保し土砂がバランスよく供給されるメカニズムを取り戻すことが必要であるが、流砂系の各領域においてさまざまな構造物が存在し、その機能を前提として社会が成り立っている我が国においては、全く元の自然状態に戻そうとすることは現実的ではない。例えば、大規模貯水池の除去などは下流域に悪影響を及ぼす危険性を十分考える必要がある。したがって、将来の流砂系のあるべき姿は、流出土砂の全てを流すということではなく、地域の特性を踏まえ、地域住民の生命・財産の安全を保障したうえで、資源の持続的な利用を可能にし、さらには多様な生態系などの豊かな自然環境が維持されるものでなければならない。

 しかしながら、土砂の移動現象は広範囲にわたり、かつ台風や豪雨などが多い我が国で異常気象時を含めた土砂動態の複雑さ、測定の難しさなどから、流砂に関わる実態の把握は十分とはいえない。特に、地域や行政の関係部署および科学技術の専門分野が多岐にわたっていることもあって、流砂系全体を俯瞰する連続的あるいは広域的なフィールドデータが非常に不足している。このことは、固有技術の信頼度を高めることを難しくしている。土砂を流下させた場合に懸念される河床上昇による洪水氾濫のリスクの増大や生態系への影響などを適切に評価し制御する技術、さらに河川からの土砂の供給による海岸侵食の改善効果などを予測する技術がまだ確立できていない。連続性がある流砂系の問題は、個々の行政の関係部署や各専門分野による局所的・対症療法的な取り組みでは、安全、利用、環境面で調和のとれた根本的な解決を見出せない12)43)。総合的な土砂管理の取り組みが提唱されてから10年を経た現在に至っても、流砂系全体にわたる管理技術の体系化や流砂系スケールでの対策の実現には程遠いものがある。

4-2 問題解決に向けて

(1) 実態の把握

 まずは、流域の源頭部から海岸の漂砂までの土砂移動の実態をモニタリングによって的確に把握し、生じている問題およびその箇所、因果関係、影響範囲などを、流砂系全体の視点で、改めて的確に診断することから始める必要がある。そのうえで、各領域で必要な流砂の量と粒径についての改善目標を明らかにし、問題の解消・緩和に向けた適切な土砂の供給対策を、防災、利用、環境の観点から一体的に考えることが必要である。このようなフィールドデータに基づいて、流砂系問題に関わる固有技術の検証・高度化を行うことが必要である。土砂の移動現象を対象とする土砂水理学は、これまで主に実験室での研究に基づいて作り上げられてきている。そのため、上流域からどのように土砂が供給されるかの予測技術、土砂の粒径分布が地形変化に及ぼす影響の評価などが十分わかっていない。フィールドデータの充実によって既存技術の検証と改良が進められ、信頼度が向上することを期待する。また、研究者間でデータを共同有効活用できる仕組みの充実が必要である。山地における土砂の生産と流出現象は流域の地形・地質条件や気象・水文条件によって大きな差が生じる。また、河川や海域における土砂の動態は時間的・空間的に大きく変化し、地形や水文・気象条件、土砂の粒径などが相互に関連し合う。先端技術を用いた新たな土砂の動態観測技術を開発し、観測システムを改善・充実させるとともに異常気象時を含めた継続的な実態把握に取り組む必要がある。

(2) 一貫した実証的研究のフロー

 流砂系の各領域において管理部署が異なり、それぞれの管理システムが既に存在している中で、それらを貫いて全体最適の考え方を構築することは決して容易なことではない。山地から海域に至る行政の関係部署や地域関係者、流砂系に関わる専門分野の研究者等が参加し、これまで各領域で培ってきた知見を結集して、一貫した実証的研究を実施する必要がある(図表14)。

(3) モデル流砂系と各改善目標の設定

 流砂系問題が顕在化し、改善の必要性が認識されつつあるモデル流砂系地域を特定し、これに対して集中的に研究資源を投入して、問題解決型の研究を推進することが有効であろう。

 モデル流砂系における各改善目標設定については、問題の因果関係を評価して、地形の変化と生態系への影響を改善する必要がある。特に、土砂の「粒径」に着目した評価と供給管理が重要である。また、山地からの流出土砂はそのまま流下させると災害につながる恐れがあることから、貯水池や中・下流域の河床での堆積土砂の有効活用にも十分配慮することが必要である。山地、河川、海を結んだ地域全体を見据えて目標を設定し、地域内では、情報の公開と多様な分野を巻き込んだオープンな議論が進められることを期待する。

(4) 新たな土砂流送の考え方の構築

 ダムからの排砂を含めた土砂の流送については、下流域河床への堆積による氾濫リスクや、利水、および生態系を含めた環境面への影響などを十分確認し、持続可能な技術を模索していく必要がある。流砂系ごとに土砂流出の量や粒径、流送の特性は大きく異なっている。土砂をダムで止めることのプラス面、マイナス面を流砂系ごとにきちんと評価し、ダム貯水池、下流河川、海岸など地域の特性に見合った、土砂流送の制御技術の構築が必要である。また、ダムからの排砂方法についても地点条件をふまえて、スルーシング排砂など各種の排砂技術を組み合わせた新たな手法についての検討が必要である。

 このような一連の検討の過程で、自然の営力を活用して流砂対策を実施する視点も大切であると考えられる。たとえば、ダムと堤防で守られた窮屈な河川を、河川勾配の変化点や支川との合流点など、出水時に土砂が大量に堆積する場所については、ある程度氾濫を許容する余裕を持つなど、自然に近い土砂動態に戻して、景観や生態系の復元を目指す取り組みも考えられる。このためには河川区域の拡大が必要であり、当該箇所については湿地や田畑に戻すことが必要になるが、来世紀に向けて我が国の人口が大幅に減少して行く中で、堆積土砂の有効利用や食料自給率の向上を図り、自然豊かな環境を大切な資源としてとらえ、将来の地域社会の再生と関係付けて検討が進められることを期待する。このような考え方は、極端に激しい異常気象時の災害リスクの分散対策にも通じる。

(5) 研究フォーラムの形成

 流砂系の諸問題の解決にあたっては、個別部署による局所的・対症療法的な対策では限界があることはすでに述べてきたとおりである。地域や行政の関係部署、さらに、科学・技術の専門分野が多岐にわたっていることから、流砂系全体の実態についての共通認識と問題解決に向けた連携した調査・研究活動、さらには関係者間の合意形成が必要である。まず、環境や生態系をも含めた流砂系に関わる学問分野が学術的に発展できるような研究フォーラムを形成することが望まれる。問題解決に向けて、山地から河川、海域にわたる行政や専門分野を超えた全体的な活動を推進し、さらに総合的土砂管理の制度構築への反映をも視野に入れたフォーラムであることが望ましい。

 現状からのブレークスルーのためには研究の推進に必要な資金の確保とともに、大学院生などの若い人材をフィールド調査に積極的に参加させ、長期にわたる多面的な実証的研究のために人材の厚みを増すことが必要である。そして研究者が強い意志のもとで関係部署を横断した人智を結集することが望まれる。

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5.おわりに

 今後、地球温暖化によって、異常降雨の増大や海水面の上昇など、これまで経験しなかった自然現象の大きな変化により、土砂の激しい流出や大規模な海岸侵食の発生が危惧されている。本稿で論じている山地からの土砂の流出現象は将来にわたって継続するものであり、我々、および我々の子孫の生活に密接に関係する問題である。土砂問題への対応にあたっては、流砂のメカニズムに基づいて長期的な視点に立って社会基盤のありかた、その保全に係わるコストを再評価し、自然と共生するための持続可能な対策を検討することが大切である。

 我が国は、先進国の中では、地形変化が激しいという稀有な環境にある。また、脊梁山脈が国土を貫き、急勾配の短い河川が、人口が密集している氾濫平野や海域に直結しており、流砂による恵みと脅威にさらされている。将来の国土の的確な保全に向けて、流砂系に係る技術・総合管理を確立するとともに、これらの取り組みで得られた国土保全の総合管理技術を、類似の自然条件を有するアジア諸国等への国際貢献に活かすことが望まれる。

謝辞

 本レポートを作成するにあたり、京都大学高橋保名誉教授(元総合土砂管理小委員会委員長)、角哲也教授、立命館大学里深好文教授、九州大学島谷幸宏教授、東京大学磯部雅彦教授、佐藤愼司教授、土木研究センター宇多高明理事に貴重なご意見をいただきました。また、ダム水源地環境整備センター棚橋通雄理事、末次忠司研究第一部長、国土技術政策総合研究所布村明彦所長、藤田光一環境研究官、小山内信智砂防研究室長、諏訪義雄海岸研究室長、小田勝也沿岸海洋研究部長、港湾空港技術研究所栗山善昭沿岸土砂管理研究チームリーダ、電力中央研究所宮永洋一環境科学研究所長、清水隆夫物理環境領域リーダ、池野正明上席研究員をはじめ、各所の関係者の皆様には貴重なご意見と資料を提供していただきました。ここに、深く感謝申し上げます。(所属は2009年3月現在)

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1) (財)ダム水源地環境整備センター、ダムの堆砂対策技術ノート、2008年3月

2) 高橋保、土砂流出現象と土砂害対策、近未来社、2006年4月

3) 高橋裕、河川にもっと自由を、山海堂、1998年8月

4) 岡野眞久、日本におけるダムの役割、ダムの役割を考える国際セミナー、2008年4月

5) 経済産業省資源エネルギー庁HP、エネルギー白書2008:http://www.enecho.meti.go.jp/topics/hakusho/2008/index.htm

6) 国土技術政策総合研究所HP、健全な水循環系・流砂系の構築に関する研究:http://www.nilim.go.jp/japanese/project/ppdf/p06.pdf#search

7) 松尾直規、ダム貯水池の水質問題、電力土木No.238、1992年5月

8) 竹門康弘、貯水ダム下流の生態系影響とその伝播距離、シンポジウム貯水池土砂管理の現状と将来、2006年12月

9) 独立行政法人産業技術総合研究所HP、日本の骨材資源:http://staff.aist.go.jp/sudo-gsj/kotsuzai0212/kotsu0212-1.html

10) 土木学会海岸工学委員会研究現況レビュー小委員会編集代表河田恵昭・芝山知也、漂砂環境の創造に向けて、1998年7月

11) 磯部雅彦、国土管理の基本となる流砂系土砂管理、学術の動向、2008年3月

12) 宇多高明、大災害来襲 第6章深刻化する海岸侵食の要因を探る、丸善、2000年11月

13) Shinji SATO, A comprehensive study on regional sediment movement in the Tenryu River watershed and the Enshuunada Coast、PARI Seminar, Dec 17,2008

14) 建設省河川局砂防課、河川審議会「総合土砂管理小委員会」報告と今後の取り組み、河川11月号、1998年

15) 岡野眞久、粒径集団別流砂技術による貯水池土砂管理の提案、ダム水源地環境技術研究所報、2006年11月

16) 国土技術政策総合研究所、健全な水循環系・流砂系の構築に関する研究、2007年2月

17) 萱場祐一、皆川朋子、土砂供給量が底生動物相に及ぼす影響、土木技術資料50-10、2008年

18) 山田浩次、河口域における海浜変形評価手法、土木技術資料50-10、2008年

19) 国土技術政策総合研究所HP、漂砂系における流砂量モニタリングに関する調査:http://www.mlit.go.jp/chosahokoku/h16giken/pdf/0405.pdf#search

20) Motoyuki Inoue,Haruo Senga,Tamotsu Takahahi, Sedimentation Process in a Steep and High Mountain River Basin, Civil & Environmental Engineering Conference, Proceedings Vol.5, 1999.11

21) 高橋保、井上素行、中川一、里深好文、山岳地域からの土砂流出モデルを用いた貯水池堆砂の予測、水工学論文集45巻、2001年2月

22) 角哲也、土砂管理で「千年ダム」の実現を、河川レビューNo.131、2005年8月

23) 小林潔司、角哲也、森川一郎、堆砂対策に着目したダムにおけるアセットマネジメントの適用性研究、河川技術論文集第13巻、2007年6月

24) 原田稔、森本浩、小久保鉄也、バイパス排砂システムの運用実績と効果、大ダムNo.173、2000年10月

25) 竹田正彦、矢澤聖一、美和ダム再開発事業・洪水バイパス施設の概要、ダム技術、2007年7月

26) 南雲克彦、黒部川における連携排砂について、シンポジウム貯水池土砂管理の現状と将来、2006年12月

27) 京都大学防災研究所HP:http://www.dpri.kyoto-u.ac.jp/~rcfcd/sabo/index.html

28) 島根県HP、益田川ダム、:http://www.pref.shimane.jp/section/mizube/dam/masudagawa-dam.htm

29) 土木学会水工学委員会環境水理部会、置き土シンポジウム講演集、2008年12月

30) 大矢通弘、角哲也、嘉門雅史、ダム堆砂の性状把握とその利用法、ダム工学Vol.12No.3、2002年

31) Takashi TOYODA, Takeshi KOMAI, Masami FUKUSHIMA, et al., CHARACTERIZATION OF HUMIC SUBSTANCES DEPOSITED ON THE ROTTOM OF DAM RESERVOIR AND THERE EFFECTIVE UTILIZATION, ICOLD, 2009

32) 角哲也、久保田明、渕上吾郎他、ダム堆砂の河川還元利用における簡易処理手法に関する研究、河川技術論文集、2008年6月

33) 福岡捷二、土砂環境の変化に対応した洪水流と河床変動予測技術、2008年度・河川技術に関するシンポジウム 河川技術論文集、2008年6月

34) 栗山善昭、坂本光、長期間平均の沿岸漂砂量の岸沖分布、海岸工学論文集第54巻、2007年11月

35) 池野正明、清水隆夫、石井敏雅他、露岩域を有する砂浜海岸に港湾を建設する場合の海浜変形モデルの適用、電力中央研究所報告、2001年10月

36) 鳥取県HP、千代川流砂系の土砂管理計画:http://www.pref.tottori.lg.jp/secure/222627/no3.pdf

37) 静岡県HP、サンドバイパス事業:http://www.pref.shizuoka.jp/kensetsu/ke-430/040427HTML/sandobaipasu.htm

38) Jean-Louis Boillat, STATE OF THE SEDIMENT MANAGEMENT IN SWITZERLAND, 貯水池土砂管理国際シンポジウム、2000年10月

39) Jean-Pierre Bouchard、EDF の貯水池における土砂管理、貯水池土砂管理国際シンポジウム、2000年10月

40) Candido Avendano-Salas、スペインにおける貯水池土砂管理の現状、貯水池土砂管理国際シンポジウム、2000年10月

41) 末次忠司、今本博臣、菊池英明、米国におけるダム堆砂及び設備の異常作動に関する調査、ダム水源地環境技術研究所年報、2007年

42) 磯部雅彦、海岸環境と流砂系土砂管理、河川11月号、1998年

43) 辻本哲郎、藤田光一、流砂系管理に向けての学術・技術の展開の方向、河川技術論文集第10巻、2004年6月

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