真のバルクGaN単結晶の必要性と
研究開発動向

皿山 正二
客員研究官

1.はじめに

 現在、シリコン(Si)半導体デバイスは、パーソナルコンピューター(PC)・テレビ(TV)・携帯電話などの各種家電製品や自動車などの民生品を始め、電車・工場制御機器などの産業分野まで、幅広くほとんど全ての電子機器に搭載されている。Si半導体はMOS型トランジスタやバイポーラトランジスタなどとして、主にメモリやCPU(中央演算処理装置)などの電子デバイスとして用いられている。

 一方、ガリウムヒ素(GaAs)注1)インジウムリン(InP)注1)に代表される化合物半導体は直接遷移型であることから発光デバイスに適しており、半導体レーザ(LD:Laser Diode)や発光ダイオード(LED: Light Emitting Diode)などの光デバイスに応用されている。LDは光通信やCD(コンパクトディスク)・DVDなどの光ディスクに、またLEDは近赤外波長域での家電製品などのリモコンや表示用赤色LEDなどの身近な製品に使われている。化合物半導体の別の特徴として、高キャリア移動度や低リーク電流・低容量があり、高周波トランジスタとしても携帯電話や衛星放送受信機などにも広く応用されている。また、炭化ケイ素(SiC)などは高出力デバイスにも応用されている。

 化合物半導体のなかでも、窒化ガリウム(GaN)を中心とするGaN系半導体注2)材料は直接遷移型のワイドバンドギャップ半導体であることから、SiやGaAsなどの半導体材料では実現できない紫外〜青色〜緑色の発光デバイスや高速大電力トランジスタに適した半導体である。SiやGaAsなどの半導体は1940年代から1970年代にかけて盛んに研究開発がなされて実用化に結びついた経緯があるのに対し、GaN系半導体は結晶成長の困難さから研究開発に長い時間を要し、なかなか実用化されなかった。GaN系半導体は1993年に初めて青色LED(pn接合型)が商品化され、その後、白色LEDや青紫LDなどが実用化された。現在、白色LEDは携帯電話を始め種々の液晶ディスプレイのバックライトや懐中電灯・自動車のヘッドライトとして実用化されており、今後は市場の大きな一般照明などにも展開されようとしている。また、紫外〜青色LEDは光触媒用光源として脱臭装置などに、青色〜緑色LEDは交通用信号機や各種インジケータなどに用いられている。LDとしては青紫色LDがブルーレイディスク用光源として実用化されており、ハイビジョン映像の録画再生に用いられている。また、電子デバイスとしては、将来の携帯電話基地局用の高速高出力トランジスタやハイブリッドカーのインバーター用スイッチングデバイスなどで実用化を目指した開発が活発に行われている。このようにGaN系半導体デバイスは、我々の日常生活に必要不可欠なデバイスとなってきている。

 (独)科学技術振興機構が作成した「電子情報通信分野 科学技術・研究開発の国際比較2008年版」1)によると、日本のGaN系半導体デバイスは、海外に比較して研究・技術・産業のいずれも、“非常に進展”あるいは“進んでいる”と評価されている。しかし、近年のトレンドとしては“現状維持”であり、海外のうちでも特に中国・韓国・台湾は“上昇傾向”とされており、これらの国の追い上げにあっている。

 基板材料としては、Si半導体およびGaAs・InPなどの化合物半導体に関しては、日本がトップシェアを握っており、国際競争力を有している。しかし、SiCのみは米国が主導権を握っている。一方、本稿で詳しく述べるように、GaNについては基板材料の製造技術が確立していない。半導体基板材料において、その製造技術が確立していない残り少ない材料であるGaNの結晶成長技術で主導権を握ることは、今後のGaN系半導体デバイス技術全体に対して重要な意味をもつと考えられる。

 本稿では、GaN系半導体デバイスにおいてGaNの「真のバルク単結晶」を研究開発する必要性と、その研究開発の現状および課題を述べる。本稿でいう「真のバルク単結晶」とは、Si・ GaAs・ InPではすでに得られているような、結晶欠陥(転位)が少なく、任意の結晶面を切り出すことが可能なバルク結晶を意味する。

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2.GaN系半導体におけるヘテロエピタキシャル技術の限界とバルク結晶の必要性

2-1 GaN系半導体の適応領域

 GaN系半導体材料の研究開発の歴史は古く、GaAsなど他の化合物半導体と同様に、1960年代から気相成長法による結晶成長の研究開発が行われた。そして、同分野における科学的ブレークスルーの二大トピックスと言える1986年の低温バッファ層2)による結晶性の向上と1989年のp型伝導の発見3)とを経て、1993年の青色発光ダイオードの上市に至った。2つの科学的ブレークスルーは、いずれも名古屋大学(当時)の赤崎勇教授らによって成された成果である。その後、気相成長法による結晶成長技術開発が大きく進み、LEDやLDを中心に実用化され、現在は我々の日常生活に密接に関わっている。GaN系半導体と他の半導体との物性比較と、その物性を活かしたデバイスについて図表1に示す。

 発光デバイスとしては、直接遷移型であることとバンドギャップが広いことから、紫外〜可視域の発光デバイスが実現している。GaN、AlN、InNの混晶を組み合わせることで、紫外から赤外域の発光デバイスが実現される可能性もある。これを具体的に図示すると図表2のようになる。GaN系半導体の発光デバイスとしてのポテンシャルは、紫外域の200nmから光ファイバーで用いられる1500nm近くまでの波長域となる。このうち、現在、研究開発レベルの発光デバイスとして、LEDで210〜550nm、LDで342〜488nmの波長域がそれぞれ実現されている。市販されているものでは、LEDで365〜520nm、LDで400〜450nmの波長域である。しかし、残りの波長領域はポテンシャルはあるものの実用的には未踏領域であり、残りの波長域も利用するためには今後の技術革新が必要である。

 一方、図表1によるとGaN系半導体は、その電子移動度・絶縁破壊電界・飽和電子速度・熱伝導率において優れており、高周波高出力トランジスタ用材料としても大きな可能性がある。図表3に各種半導体の電子デバイスとしての適応領域を示す。GaN系半導体は他の半導体材料では実現できない高周波高出力領域でのポテンシャルをもつ。

 また、GaN系半導体は、GaAsに含まれるAsのような有害物質を含有しないため、環境親和性も高い。GaとNは元素枯渇の懸念が無く、これも将来のデバイス材料として有望な点である。

2-2 ヘテロエピタキシャルの適応アプリケーションとその限界

 Si・SiC・GaAs・InPは、いずれもバルク結晶が存在し、結晶をエピタキシャル成長注3)させる場合にはそれぞれSi基板・SiC基板・GaAs基板・InP基板が用いられている。このように同材料の基板を用いた結晶成長を「ホモエピタキシャル成長」と言う。しかし、GaN系半導体ではバルク結晶が得られていないために、デバイス作製のための結晶成長の際には異種材料の基板が用いられている。このことが、GaN系半導体が優れたポテンシャルを発揮できない大きな壁となっている。現在、GaN系半導体デバイスは、サファイア(Al2O3)やSiCの基板上にGaN系半導体薄膜を結晶成長させることにより作製されている。このような異種(ヘテロ)材料の基板上にエピタキシャル成長させる結晶成長を、「ヘテロエピタキシャル成長」と呼んでいる。図表4に、GaN系半導体結晶の形成方法における、各種のヘテロエピタキシャル成長とホモエピタキシャル成長の違いを示す。

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  ヘテロエピタキシャル成長した結晶には、結晶欠陥(転位)や有極性面の問題がある。まず、結晶成長する材料と基板材料が異なることから、熱膨張係数差と格子定数差により転位が多数発生し4)、出力や寿命などのデバイス性能に悪影響を与える5、6)。また、異種基板との結晶面方位の関係から自発分極が発生し、発光効率向上の阻害要因になる。

 LEDに実用化されているGaN結晶は、サファイア基板やSiC基板上で、有機金属気相成長(MOVPE: Metal Organic Vapor Phase Epitaxy)法により、1000℃以上の温度で数μm膜厚のGaN系薄膜を成長させたものである(図表4のタイプA)。しかし、基板とGaN系材料の格子定数差と熱膨張係数差により、109cm-2以上の高密度の転位発生が避けられない。したがって、タイプAの結晶では、紫外域への波長領域の拡大・高出力化・LD化などの展開を図ることができなかった。そこで、ヘテロエピタキシャル成長による転位密度低減の研究開発が行われ、サファイア基板上にGaN 結晶を気相成長VPE (Vapor Phase Epitaxy) 法により横方向選択成長(ELO:Epitaxial Lateral Overgrowth)させて転位密度を107cm-2台に低減させることができた7)(図表4のタイプB)。その後、このタイプBを発展させて、GaAs基板8)やサファイア基板上に数100μmのGaN 厚膜を結晶成長させた後に、GaN 結晶を基板剥離することにより、転位密度が105cm-2前後のGaN厚膜基板を得ることもできた8、9)(図表4のタイプC)。このタイプCでは局所的に105cm-2以下の転位密度を実現している成果もある10)。その低転位領域幅は500μm前後と限定されているが、それでもタイプCを基板として用いてブルーレイディスク用の青紫色(405nm)LDが実用化されている。この応用では、LDの活性層(発光領域)が数μm幅と狭く、それをタイプC 基板の低転位領域にアライメントさせることでLDが作製できるからである。しかし、LED やトランジスタのようにmmオーダーのサイズを必要とする応用には不十分である。なお、VPE法でのタイプBとタイプCは日本発の技術であり、現在、青紫色LD 用基板としては日本企業がトップシェアを有している。

 一方、基板との格子定数差の関係から、通常のヘテロエピタキシャル成長面は、結晶面方位が(0001)面(C面)となる。このC面は極性を有する結晶面であるために、自発分極が生じる。自発分極が生じると、デバイスに注入したキャリアが効率良く発光やトランジスタ動作に寄与しないという問題が生じる。このような観点から言えば、根本的にヘテロエピタキシャル成長の結晶には性能向上の限界がある。

 日本の化合物半導体基板メーカーである住友電気工業(株)や日立電線(株)は、タイプCの厚膜GaN基板を量産あるいはサンプル出荷している8、9)。このうち、住友電気工業(株)製のGaN基板は青紫色LD用基板として実用化されている。GaAs基板上にピットを作りながら転位を集約する方式により、数100μm幅の低転位密度領域を作ることに成功しており10)、基板サイズも2インチを実現している。一方、日立電線(株)の方式では基板剥離方法に特徴があり、サファイア基板上にGaN薄膜をMOVPE法により結晶成長させ、その上にチタン(Ti)薄膜を蒸着した後にさらにGaN厚膜を数100μm気相成長させる。そうすることで、Ti膜の付近でボイドが発生し、取り出した際にこのボイド部分が熱剥離して、GaN厚膜基板が形成できる。転位は平均的に106cm-2前後であるが、この方式では基板サイズφ3インチのものが得られている。しかし、いずれにしても、得られた結晶の主面の面方位はC面(0001)であるため極性があり、まだ結晶品質やコストについても課題が残る。特にコストについては、タイプCは犠牲となる基板が必要なことから、φ2インチサイズ1枚で数10〜100万円の高価格になる。

 このように、現時点ではいずれの基板メーカーも実現性の高い気相成長法を用いているが、「真のバルク単結晶」を実現できているわけではない。前述したように、SiやGaAsは転位フリーの完全結晶が得られており、任意の面を切り出して基板として用いることができることから、その上にホモエピタキシャル成長させて、種々の応用を実現できる。したがって将来的にはGaNにおいても、転位フリーの「真のバルク単結晶注4)」(図表4のタイプD)の実現が待たれる。

2-3 「真のバルク単結晶」実現によるアプリケーションの拡張とその社会的インパクト

 GaN系半導体で「真のバルク単結晶」が実現することで、図表5に示すデバイス特性の向上とアプリケーションの拡がりが期待できる。


 GaN系半導体で「真のバルク単結晶」が実現した場合、LEDおよびLDのような発光デバイスにおいては、欠陥密度低減と無極性面の活用により、高出力化・高効率化・波長領域の拡大が期待できる。LEDを用いた照明では、高効率化・高演色性による一般照明器具としての普及とともに、新規な特殊照明の開拓も考えられる。現在、液晶ディスプレイのバックライトなど一部の照明用途に用いられている白色LEDが高効率化・低コスト化することで、白熱電球・蛍光灯・ハロゲンランプなどの一般照明や特殊照明が本格的にLED照明に置き換わる可能性がある。LED照明の普及による省エネルギー効果(年間電力削減効果)は約20%にも達するとの試算もある注5

 LDとしては、ブルーレイディスク用光源として青紫色(405nm)数10〜200mW程度の光出力のものが市販されている。これは前述したように、タイプCの有極性基板の局所的に転位密度が小さい領域に活性層をアライメントすることで、レーザ寿命を確保している。将来、タイプDの基板が実現すれば、高品質で転位の分布やバラツキを考慮せずにLD構造を製作することができるため、性能向上と低コスト化を両立させることができる。さらには、無極性面を用いることで長波長化も可能となり、緑色(>500nm)LD実現にも寄与できる。現在、緑色レーザは第二高調波(SHG:Second Harmonic Generation)を用いた波長変換デバイスが一般的であるが、小型化・低コスト化に課題が残っている。ここでも、GaN系デバイスで緑色LDが実現することで、携帯プロジェクターやレーザTVなどの小型化・低コスト化が可能となる。また、現在TVの主力となりつつある液晶TVやプラズマTVでは大画面化が進展しており、それに伴い消費電力が増大している。低価格のレーザTVが実現すれば、大画面化しても同サイズの液晶TVやプラズマTVに比較してエネルギー消費は1/2〜1/3となり13)、大画面化と省エネルギー化の両立が可能となる。(下記コラム参照)

コラム「レーザTVによる大画面化と省エネルギー化の両立」
 現在市販されているTVはプラズマと液晶が一般的であり、大画面化が進んでいる。このうち、50インチ以上の大画面TVは2012年にはプラズマ約1,260万台、液晶約2,040万台との試算がある14)。50〜55インチクラスのプラズマTVや液晶TVの消費電力は500W前後(パナソニック社TH-50PZ800:585W、ソニー社KDL-55XR1:480W)であり、平均的なTV視聴時間を1日当たり4時間15)とすると、50インチ以上のTVの年間総消費電力量は251億kWhとなる。これがレーザTVのような200Wの低消費電力のTVに置き換えられた場合には、年間154億kWhの省エネルギーとなる。これは日本の一般家庭における年間消費電力量5,650kWh16)で換算すると約273万世帯分に相当する。また高演色性もレーザTVの特徴である。


 電子デバイスにおいて、現在はタイプAで横型デバイス注6)であるHFET(Hetero-junction Field Effect Transistor)が作製されて、GHzまでの高周波デバイスとして携帯電話などの移動体通信基地局用として実用化されている。しかし今後、さらなる移動体通信速度の高速化・大容量化のために、大出力でミリ波帯(30〜100GHz)に対応したトランジスタが必要となる。図表3に示したように材料物性からはGaNが最も適しているはずであり11)、システムの小型化・低消費電力化につながる。一方、縦型デバイス注6)は、Siデバイスのインバーターが産業用途やハイブリッドカーに用いられているが、これらも、将来はGaN系デバイスに置き換えることで、システムの高効率化が図れ、その結果、省エネルギーや自動車の燃費向上が実現すると考えられている。GaN系電子デバイスを携帯電話基地局の送信機用増幅器と産業用インバーターに応用した場合の省エネルギーによる削減電力量は、約100億kWh/年(2020年)と試算されている11)

 以上のように、GaN系半導体は発光デバイスや電子デバイス(トランジスタ)として、省エネルギーや地球温室効果ガス排出削減に貢献する鍵となりうる材料である。

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3.真のバルク単結晶成長技術の現状と課題

3‐1 真のバルクGaN単結晶の技術動向

 ここで述べる「真のバルクGaN単結晶」とは、前述したように転位フリー、ないしはヘテロエピタキシャル技術では実現できない低転位密度(≦103cm-2)で、かつ任意の結晶面を切り出すことができるGaN系バルク結晶の基板材料を目指すものである。

 「真のバルクGaN単結晶」を目指すとは言っても、結晶成長の元となる種としては、やはり基板や種結晶を用いる場合が多い(後述の自発核成長の場合を除く)。結晶成長の元となる種として基板を使うか、種結晶を利用するかによって、方式としてはエピタキシャルバルク(エピバルクと略す)方式とバルク方式に大別される。それぞれの方式のうちに気相成長法と液相成長法がある。

 これまでにバルクGaN単結晶の成長方法として、気相・液相の両方の研究開発が行われてきたが、どちらの方法でも「真のバルクGaN単結晶」は実現していない。研究開発の困難さは、GaNの窒素かい離圧が高いために17)、Si・GaAs・ InPのように融液として存在し難いことに起因する。しかし、これを解決すべく、よりよい基板材料を目指して図表6のように国内外で活発に研究開発が行われている。

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 エピバルク方式の気相成長では、VPE法が用いられている。これはタイプC の基板上に、塩化ガリウムガスとアンモニアガスから気相で結晶成長を行い、厚み方向に任意結晶面を切り出すことができる程度まで膜厚を増やすという方法である。この方法では、均一に高品質な結晶成長を行うことは難しく、厚み方向に□10mmの無極性面(m面)が得られたとの報告もあるが18)、高品質で大面積の基板は得られていない。元の基板がヘテロエピタキシャル技術で作製されていることから、転位密度も105cm-2程度である。

 エピバルク方式の液相成長としては、高圧溶液法・安熱法(アモノサーマル法とも言われる)・フラックス法がある。高圧溶液法は高温(1600℃)のGa融液中に超高圧(1〜2万気圧)の窒素を溶解させGaNを成長させる方法である19、20)。基板上に数100μmの厚みを成長させたとの報告21)があるが、厚さ方向に切り出せる程度の結晶サイズは実現していない。安熱法は超臨界から亜臨界のアンモニア(400〜500℃、1000〜4000気圧)中にGaN原料を溶解させて再結晶化させる方法である22)。タイプCの基板上に酸性鉱化剤を用いて数10μm23)、アルカリ性鉱化剤を用いて5mm程度の結晶を成長させたとの報告24)がある。フラックス法はリチウム(Li)・カリウム(K)・ナトリウム(Na)などのアルカリ金属とGaからなる800℃前後の混合融液に数10気圧の窒素を溶解させてGaN結晶を成長させる方法であり25、26)、主にNaを用いていることからNaフラックス法とも呼ばれる。フラックス法ではφ2インチの基板上でエピバルクを得ようとする研究開発が行われ27)、3mm程度の厚さまで結晶成長させることができている。図表7(a)にエピバルク方式のNaフラックス法で実現したφ2インチサイズの結晶の例を示す。転位密度も105cm-2程度と、他の方法に比較すれば結晶欠陥は少ない。これは厚膜エピ成長過程において、転位の横方向への曲がりや合体が起こっていることに因ると考えられている。

 バルク方式にも気相成長と液相成長があり、気相成長には気相合成法・昇華法がある。気相合成法は1200℃以上の高温下で、Ga蒸気とアンモニアや窒素ガスからGaNを直接合成する方法である28)。昇華法はGaN原料を昇華させ、低温領域の種結晶に成長させる方法であるが29)、得られる結晶サイズは小さい。気相合成や昇華法は、その結晶成長の難しさから近年研究の進展という意味では低調である。

 バルク方式の液相成長には融液成長と溶液成長がある。GaNは窒素のかい離圧が高く、融液としては6万気圧、2200℃以上の高温高窒素圧下でのみ融液として存在することが確認されている30)。これは実用的な温度圧力条件では無いため、研究開発は活発ではない。したがって、バルク方式の液相成長では主に溶液成長が研究開発されている。バルク方式の溶液成長にも高圧溶液法・フラックス法・安熱法がある。3つの溶液成長は基本的にはエピバルクと同様であるが、自発核成長注7)や種結晶成長から結晶成長させる点がエピバルクと異なる点である。図表7 (b)は自発核成長による結晶の例である。高圧溶液法では、自発核成長によりmmオーダーの板状結晶(厚さ数10μm)が得られているだけで、実用化には至っていない。安熱法では、酸性鉱化剤を用いて自発核成長で数100μmの針状結晶が、またアルカリ性鉱化剤を用いて1インチのウェハ状結晶が成長できている31)。フラックス法では自発核成長や種結晶成長により、mmオーダーの高品質の柱状結晶が成長しており26)、るつぼサイズを大きくすることによる結晶サイズの拡大も確認されている。

 いずれにせよ、バルク方式では結晶サイズが数100μmから数mmと実用的な大きさが得られていない。転位は観察されず極めて高品質であるが、無極性面を得るために高品質を維持しつつ、六角柱状結晶の径方向と軸方向に結晶を切り出すことが可能な程度までの結晶サイズの拡大が必要である。

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4.技術的課題解決に向けた各国の取り組み

4-1日本で行われた産学官研究開発プロジェクト

(1)高効率電光変換化合物半導体開発プロジェクト
 高効率電光変換化合物半導体開発プロジェクト(通称「21世紀あかりプロジェクト」)は、1998〜2003年度に(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が支援して進められた32)。このプロジェクトでは、照明用LED実現を目指し、高効率の近紫外LED・蛍光体・基板用結晶成長技術などの研究開発が進められた。この中で前述の高圧溶液法が山口大学や(株)ジャパンエナジーによって研究開発された。成果として、自発核成長により10mmサイズの板状結晶で転位密度は103cm-2以下の高品質結晶が得られた。結晶の主面の面方位はC面(0001)であり、有極性面である。

 しかし、結晶の厚さが数10μmであるため工業的にハンドリングすることが困難であり、また、設備的にも大型であったため、実用化するまでに至らなかった。

(2)次世代照明をもたらす半導体基板結晶製造技術
 科学技術振興調整費のマッチングファンドを活用して、2004〜2006年度に、東北大学と三菱化学(株)が中心となり、エピバルク方式の安熱法を中心としたGaNバルク結晶の研究開発が進められた23)。本プロジェクトでは、φ2インチのタイプCのGaN結晶を基板として数10μmの膜厚のGaN結晶をエピタキシャル成長させることができた。成長速度は約1μm/hであった。

 しかし、結晶の主面の面方位はC面(0001)であり、有極性面である。また、転位密度は基板(106〜8cm-2)と同等あるいはそれよりも増加しており、実用化には至っていない。これまでの安熱法では、エピバルク方式での真のバルク結晶の要件である、高品質(転位低減)と任意の結晶面を切り出すことができるサイズの両立は実現していない。

(3)高効率UV発光素子用半導体開発
 2004〜2006年度のNEDOプロジェクトとして、高効率UV 発光素子用半導体開発が進められ、大阪大学・豊田合成(株)・日本ガイシ(株)が、Naフラックス法によるエピバルク方式の研究開発を実施した33)。その結果、φ2インチサイズで転位密度105cm-2が得られた(図表7(a))。ここで用いられた基板も前述の(2)と同様に、φ2インチのVPE法で成長したGaN基板(タイプC)であり、その基板上にNaフラックス法により3mmまでの膜厚でGaN結晶を成長させることができた。この方式では、得られた結晶の転位密度が105cm-2で、基板の転位密度(108cm-2)より低減している。これはフラックス法による結晶成長過程において、図表4タイプBのELOのような転位の曲げ・合体がマスク無しでも生じているためである。成長速度も30μm/h程度と溶液成長の中でも最も速い値が得られている。結晶の主面の面方位はC面(0001)であり、有極性面である。現在、大阪大学の研究者が中心となった合同会社フロンティアアライアンスから、この技術により作られたサンプル結晶が提供されている。さらに実用化を進めるためには、成長速度増大や長時間安定成長させることができる大規模装置の開発などが必要である。

4-2 その他の日本の研究開発動向

(4)民間企業における研究開発
 国内の民間企業では、(1)〜(3)で言及した(株)ジャパンエナジー、三菱化学(株)、豊田合成(株)、日本ガイシ(株)の他、(株)リコーもNaフラックス法での研究開発を行っている26)。(株)ジャパンエナジーと(株)リコーは、自発核成長により高品質(低転位密度)結晶を成長させることができており、特に、(株)リコーのNaフラックス法では無色透明の柱状結晶でm面(柱状の側面)が得られている(図表7(b))。しかし、いずれも結晶サイズはまだ不十分である。特に高圧溶液法では結晶厚みが薄くデバイスを作製することができない。一方、Naフラックス法で得られている結晶もmmオーダーであり、デバイスを量産するにはさらなる結晶の拡大が望まれる。

4-3 海外の研究開発動向

(5) 米国のMURI(Multi University Research Initiative)プロジェクト
 2001〜2003年にノースカロライナ大学が中心となり、“Growth of Bulk Wide Bandgap Nitrides and Wafering”を目的としたプロジェクトが行われた。このプロジェクトではバルクGaN結晶成長として、気相合成法・安熱法・フラックス法がそれぞれ研究開発された。実用化に至ったという情報は得られていない。

(6) 米国のカリフォルニア大学サンタバーバラ校(UCSB)の研究
 UCSBにあるSolid State Lighting and Display Center(SSLDC)において、安熱法により82日間で5mmサイズの結晶が得られた24)。前述の(2)や(3)と同様に、タイプCのVPE GaN基板を用いたエピバルク方式によるものである。結晶が着色していることとX線回折の結果から結晶品質は高くないと判断されるが、安熱法で初めてバルク体のものが得られたことは評価できる。この方式は鉱化剤と呼ばれる溶解度を高める材料にアルカリ性のものを使用している。アルカリ性鉱化剤を使うとGaNは負の溶解度(温度が低いほど溶解度が高くなること)を示す。一方、日本の(2)の研究では酸性鉱化剤を使用しており、GaNは正の溶解度を示す。

(7) ポーランドの研究開発
 高圧溶液法は、元々はポーランドのHPRC(High Pressure Research Center)にて開発された方式である。高品質なGaN結晶が得られているが、サイズ ・装置設備などの問題があり、実用化に至っていない。

 また、安熱法については、ポーランドのアンモノ社が研究開発を行っており、2007年にはアルカリ性鉱化剤を用いた安熱法により、φ1インチの高品質結晶が得られたとの発表があった31)。ただし、成長速度・再現性・工業性などは不明である。安熱法は日米欧にてそれぞれ研究が行われているが、現在のところ、このポーランドの研究が最も進んでいると言える。

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5.「真のバルクGaN単結晶成長」のための研究開発の課題

 「真のバルクGaN単結晶成長」のための研究開発課題として、デバイスニーズから抽出される要件を主な結晶成長方式ごとにまとめたものが図表8である。主な要件とは、基板としてのサイズ≧φ2インチ、高品質(転位密度<103cm-2)、任意極性面(有極性でも無極性でも切り出すことが可能な面)である。

 各機関の研究開発により、各方式の技術的メリットとデメリットが明らかになりつつある。気相成長(VPE)法は成長速度が速く(数100μm/h)、この技術に関しては、今後も民間主導で技術の改善がなされていくものと考えられる。これに対して液相成長(溶液成長)法は高品質な結晶が得られる見込みがあるが、成長速度が遅く(数μm/h〜数10μm/h)、装置技術や結晶成長条件の確立にはまだブレークスルーと時間を要する。

 「真のバルクGaN単結晶」の実現には、まずは転位密度<103cm-2の高品質の達成と、任意の結晶面を切り出すことができるかどうかが最大の要件であり、これらを達成した上で、2インチ以上のサイズを実現することが大きな目標となる。図表8をみると、品質と任意極性面の要件を満たすものあるいは満たす可能性があるものとしては、エピバルク方式ではフラックス法、バルク方式では安熱法とフラックス法である。このうち、エピバルク方式のフラックス法は、基板よりも低い転位密度で作製することが可能である点が他のエピバルクと異なる点であり、高品質化の見込みがある。また、(3)で示したように産学官プロジェクトとして実施されており、すでにサンプル出荷も行っている段階にある。現在、さらなる転位密度の低減と任意極性面を維持した上でのサイズの大型化を目指し、研究開発が進められている。一方、バルク方式の安熱法とフラックス法は、どちらもこれまで産学官プロジェクトとしては実施されていない。安熱法は、海外、特にポーランドで高品質、大型化の研究が進展しており、知財も海外が主導している。これに対して、フラックス法は1997年に東北大学山根久典教授が見出した技術であり、現在でも日本で活発に研究開発が行われている。フラックス法の基本となる特許は、エピバルク方式とバルク方式とに共通で、日本企業が所有している。また周辺特許についても日本の企業や大学が取得している。

 よって日本は、当面、エピバルク方式・バルク方式のいずれにおいても、フラックス法による結晶成長方法を開発・活用することにより、実用的な「真のバルクGaN単結晶」実現を目指すべきであると考えられる。

 いずれにしても実用化のためには、最終的には結晶サイズの大型化が鍵である。高品質な結晶から出発してそれをデバイス作製のために必要となるφ2〜4インチまで大型化するには、装置開発も合わせて推進することも求められる。産学官連携での役割分担として、官のコーディネートのもとで、大学が結晶成長メカニズムの解明を行い、企業が結晶成長装置のデザインから結晶成長プロセス開発を行うという研究スタイルが望ましいと考えられる。

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6.おわりに

 GaN系半導体デバイスは、日本で過去2回の科学的ブレークスルーを成し遂げ、それが今日の実用化につながっており、日本発の半導体デバイスと言っても過言ではない。結晶成長の技術開発により、単に高機能をもつデバイスが実現するのみならず、省エネルギーを通じて地球温暖化防止にも大きく寄与することができる。

 Si・GaAs・InPはいずれも高品質のバルク結晶が存在し、それを元に基板が作製され、その基板上にデバイスを作製することができる。しかし、GaNは高品質のバルク結晶、すなわち、「真のバルク単結晶」が存在せず、そのためにGaNが本来有しているポテンシャルを十分に活かしきれていない。

 GaNの結晶成長技術に関しては、気相成長(VPE)法は成長速度が最も速く、この技術開発に関しては、今後も民間主導で技術改善がなされていくものと考えられる。しかし、より高品質な「真のバルク単結晶」が得られるはずの液相成長法は基礎的な研究段階にあり、もう一段のブレークスルーと時間を要する。したがって、今後は、大学が結晶成長メカニズムの解明を行い、企業が結晶成長装置のデザインから結晶成長プロセス開発を行い、官がそれをコーディネートするような役割分担による産学官連携を組むことにより、「真のバルクGaN単結晶」の研究開発を推進することが望まれる。我が国が他国に先駆けて早期に「真のバルクGaN単結晶」を実現することで、将来的にもGaN系半導体デバイス分野で日本の国際競争力を維持発展させることができると考えられる。

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謝辞

 GaN系デバイスのパイオニアであり、低温バッファ層・p型化のブレークスルー技術を研究開発された名城大学天野浩教授には、研究黎明期のお話を伺いました。大阪大学森勇介教授および(株)リコーからはGaN結晶の写真提供を頂きました。(財)新機能素子協会と(財)金属系材料研究開発センターからは調査資料の説明を頂きました。御協力を頂いた皆様に厚く御礼申し上げます。

1) 「電子情報通信分野 科学技術・研究開発の国際比較 2008年版」、(独)科学技術振興機構 研究開発戦略センター(2008年2月)
2) H. Amano, N. Sawaki, I. Akasaki and Y. Toyoda: App. Phys. Lett. 48, 353 (1986)

3) H. Amano, M. Kito, K. Hiramatsu and I. Akasaki: Jpn. J. App. Phys. 28, L2112 (1989)

4) S. D. Lester et al.: High dislocation densities in high efficiency GaN based light-emitting diodes, App. Phys Lett., 66, 1294 (1995)

5) 天野浩:短波長可視・紫外発光デバイス開発と半導体ヘテロエピタキシー、応用物理、71、1329 (2002)

6) 竹谷元伸他:GaN系半導体レーザにおける転位密度と信頼性の関係、秋季第63回応用物理学会関係連合講演会予稿集、27a-YH-11 (2002)

7) A. Usui et al.: Thick GaN Epitaxial Growth with Low Dislocation Density by Hydride Vapor Phase Epitaxy, Jpn. J. Appl. Phys., 36, L899 (1997)

8) K. Motoki et al: Preparation of Large Freestanding GaN Substrates by Hydride Vapor Phase Epitaxy Using GaAs as a Starting Substrate, Jpn. J. Appl. Phys., 40, L140 (2001)

9) Y. Ohshima et al.: Preparation of Freestanding GaN Wafers by Hydride Vapor Phase Epitaxy with Void-Assisted Separation,Jpn. J. Appl. Phys., 42, L1 (2003)

10) 元木その他:Advanced-DEEP法による低転位GaN結晶、日本学術振興会第161委員会第54回研究会資料、5 (2007)

11) 平成18年度窒化物系化合物半導体に係る技術戦略マップに関する報告書、(社)日本機械工業連合会、(財)金属系材料研究開発センター(2007)

12) 第72回総合科学技術会議 議事3、最近の科学技術の動向「最新発光ダイオードが照らす明るい未来」(2007年12月);平成18年度窒化物系化合物半導体に係る技術戦略マップ作成に関する調査報告書、(社)日本機械工業連合会・(財)金属系材料研究開発センター(2007年3月)

13) Laser Focus World Japan, 2008. 8, P. 34

14) SID 2008, BC-4, iSuppli, The TV Market and its Impact on the Display Business (2008)

15) NHK放送文化研究所、2005年国民生活時間調査報告書(2006年2月)

16) (財)電力中央研究所、(改訂)「オール電化住宅は地球温暖化防止に寄与するのか?」への疑問:
http://criepi.denken.or.jp/pieceeco/data/071001.pdf

17) J. Karpinski,J. Jun and S. Porowski: Equilibrium pressure of N2 over GaN and high pressure solution growth of GaN, J. Cryst. Growth, 66, 1 (1984)

18) K. Fujito et al.: High-Quality Nonpolar m-Plane GaN Substrate Grown by HVPE, ICNS07 I1 (2007)

19) S. Porowski and I. Grzegory: Thermodynamical properties of III-V nitrides and crystal growth of GaN at high N2 pressure,J. Cryst. Growth, 178, 174 (1997)

20) T. Inoue,Y. Seki,O. Oda: Growth of Bulk GaN Single Crystals by the Pressure-Controlled Solution Growth Method,The 1st Asian Conference on Crystal Growth and Crystal Technology, T-B-12, 341 (2000)

21) I. Grzegory et al.: Seeded growth of GaN at high N2 pressure on (0001) polar surfaces of GaN single crystalline substrates, Materials Science in Semiconductor Processing, 4, 535 (2001)

22) D. R. Ketchum and J. W. Kolis: Crystal growth of gallium nitride in supercritical ammonia, J. Cryst. Growth, 222, 431 (2001)

23) 「次世代照明をもたらす半導体基板結晶製造技術」報告書、東北大学多元物質科学研究所、三菱化学(2008年2月)

24) T. Hashimoto et al.: Growth of Bulk GaN Crystals by the Basic Ammonothermal Method, Jpn. J. Appl. Phys., 46, L889 (2007)

25) H. Yamane et al.: Preparation of GaN Single Crystals Using a Na Flux,Chem. Mater.,9,(1997),413.

26) S. Sarayama and H. Iwata: High Quality Crystal Growth of Gallium Nitride by Flux Method, Ricoh Technical Report, 30, 9(2004)

27) F. Kawamura et al.: Growth of a Two-Inch GaN Single Crystal Substrate Using the Na Flux Method, Jpn. J. Appl. Phys., 45, L1136 (2006)

28) H. Shin et al.: Growth and decomposition of bulk GaN: role of the ammonia/nitrogen ratio, J. Cryst. Growth, 236, 529 (2002)

29) S. Kurai et al.: Homoepitaxial Growth of GaN on Thick GaN Substrates Prepared by Sublimation Method, Proceedings of TWN’95, Nagoya, B-6 (1995)

30) W. Utumi et al.: Congruent melting of gallium nitride at 6 GPa and its application to single-crystal growth,Nature Materials, 2, 735 (2003)

31) R. Doradzinski et al.: Excellent crystallinity of truly bulk ammonothermal GaN,5th International Workshop on Bulk Nitride Semiconductors (2007)

32) 高効率電光変換化合物半導体開発(21世紀のあかり計画)成果報告書、(財)金属系材料研究開発センター(2003年3月)

33) 「高効率UV 発光素子用半導体開発プロジェクト」報告書、(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構 ナノテクノロジー・材料技術開発部(2008)

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