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【1】「欧州スーパーコンピュータシステム」の配備計画の進行
ペタスケールクラスのスーパーコンピュータを研究開発に活用する動きは、世界的に進められている。欧州では、16カ国の研究組織の代表で構成するPRACEコンソーシアムが「欧州スーパーコンピュータシステム」の配備計画を進め、欧州の科学者・技術者へのペタFLOPSクラスのシステムの配備とその活用の推進を行っている。現在、2009〜2010年のシステム運用準備として、試作機の調達と、選定アプリケーションプログラムの移植や最適化、およびペタスケールへの拡張などの技術的な検討を行っている。また、2010年以降のマルチペタFLOPSシステムをねらったAdvanced
HPC Technology Platform も検討している。
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【2】音声認識・検索技術のWeb上での公開実験
音声情報を自動でテキスト化できれば、音声情報の内容も検索が可能となる。2008年6月12日、(独)産業技術総合研究所は、インターネット上にある日本語の音声データを文字情報に自動変換しての全文検索サービス「Pod Castle(ポッドキャッスル)」をWeb上で一般公開し、音声認識・検索技術向上への実証実験を始めた。元の音声データと自動変換された文字情報を公開し、不特定多数のユーザーに誤認識を訂正してもらい、その結果を学習・反映させることで、性能の向上を図る。開発した音声認識・検索技術を実用化し、Webサービス、コールセンター、議事録作成などへの応用に展開する予定である。
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【3】カーボンナノチューブの長さと健康障害との関係
カーボンナノチューブ(CNT)は、その機能性の広さから多分野での使用が期待されているが、その一方で、環境や生体への影響を懸念する意見もある。そうした中、国立医薬品食品衛生研究所と東京都健康安全研究センターの研究グループ、およびエジンバラ大学を中心とする研究グループは、相次いで多層カーボンナノチューブ(MWCNT)が健康障害を及ぼす可能性があると報告した。エジンバラ大学のグループの実験では、マウスに長短のMWCNTなどの試料を投与したところ、CNTが引き起こす障害にはその長さが関係している可能性が高いことが判明した。
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【4】国際エネルギー機関による2050年までのエネルギー技術展望
2008年6月、国際エネルギー機関(IEA)は、「エネルギー技術展望2008 (ETP2008)」を発表した。G8(主要国首脳会議)からの要請に応えたもので、2050年までに世界全体として実現すべきエネルギー技術の展望を、2段階のシナリオを用いて提示している。必達すべき「ACT
MAPシナリオ」は、実現性の目途が得られた技術を用いて世界の2050年のCO2排出量を2005年レベルに戻すことを目標とし、2050年までに必要となる追加投資額を17兆米ドルと見積もっている。さらに目標を強化した「BLUE
MAP シナリオ」は、実現性の目途がまだ得られていない将来の新技術も導入しCO2排出量を2005年に比べて半減させるもので、必要な追加投資額を45兆米ドルと見積もっている。本報告書は、不確実な将来技術を迅速かつ効率的に見極めていく必要性を示し、国の枠組みを超えた連携と政策誘導無しではエネルギー変革が果たせないことを述べている。
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【5】治水安全度の評価に航空レーザー測量を活用
一級河川のうち中小河川と呼ばれる都道府県が管理する区間では、洪水に対する安全性の評価を行うための基本的な情報である河川の測量が十分には実施されていない。国土交通省では短期間で広範囲、高密度の地表面三次元データが得られる航空レーザー測量を実施して測量空白区を解消し、河川の安全性を評価・公表する「LPプロジェクト」を2005年より実施してきた。今般、109ある一級水系について、都道府県管理区間も含めた治水安全度の情報の公表を開始した。
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【6】国際ガンマ線天文衛生の打上げ
2008年6月11日、米航空宇宙局(NASA)のガンマ線大口径宇宙望遠鏡衛星GLAST(グラスト)が、米国フロリダ州のケープ・カナベラル空軍基地からデルタIIロケットで打ち上げられた。日本、イタリア、フランス、スウェーデンおよびドイツの研究機関が衛星開発に参加した。最も高いエネルギー領域の電磁波であるガンマ線は、高エネルギーの物理現象で生成されるため、ガンマ線望遠鏡で見た宇宙は、肉眼で見るのとは全く異なる姿になる。主要観測装置であるガンマ線大口径望遠鏡LATは、ガンマ線から対生成される電子・陽電子対の飛跡を検出器で測定してガンマ線源の位置を特定できるとともに、これら粒子のエネルギーをカロリメータで測定してガンマ線のエネルギーを計測できる。飛跡検出器には、広島大学が設計し、浜松ホトニクス株式会社が製作した高性能半導体センサー約1万枚が使用され、従来の約30倍の観測精度が実現している。
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【レポート1】ノロウイルスによる食中毒・感染症
−我が国における発生状況とその対策について−
近年、食にまつわる安全管理において、ノロウイルスが注視されている。食中毒だけではなく、感染者の排泄物を介した伝播により罹患者が多くなる傾向にあることと、ノロウイルスの微生物学的特性として培養細胞を用いた感染性ウイルスの増殖ができず、必要十分な発生予防対策を見出せなかったことが、注視されている理由である。有効な抗ウイルス剤やワクチンなど予防・治療法も開発されていない。
ノロウイルスは、ヒトの腸管のみで増殖可能なヒト由来の微生物である。ヒトが高密度で存在し、長期間感染性を保つ水環境があれば、継続して存在する。ノロウイルスによる食中毒・感染症を予防するためには、ヒト、食品、および下水・河川・海水を対象としたウイルスの制御が必要である。具体的対策として、個人の徹底した衛生管理による生活環境中からのウイルスの排除、およびヒト、食品や下水などに存在するウイルスの検出法と除去・不活化法の開発が挙げられる。
今後、ノロウイルスの制御には、ヒトに対する病原性を解明し、培養細胞を用いた感染性ウイルスを得るための実験系や感染動物モデルの構築といった基礎研究が必要不可欠であり、微生物学、公衆衛生学、食品衛生学、水道工学などの分野を横断し、行政機関、大学を含む研究機関、医療関連機関や関連事業者の一丸となった推進が必要である。

【レポート2】日本の危機としてのIT人材問題
「IT人材」と呼ばれるようになった「情報技術者」の不足が、以前にも増して激しく叫ばれつつある。これには過去の危機説に無い「IT人材不足により日本が衰退する」という国家の真性の危機としての特徴がある。これから必要とされていくIT技術は、従来の「既存の人間システムを自動機械で置き換える技術」ではなく、ハードウェア・ソフトウェア・ネットワークの進化を受けて経済的競争力のために「イノベーションを起こす新しい社会・技術システム」を生み出す技術に変化してきている。多くの産業分野が「IT産業化」し、情報システムによりサービスの品質が決定される状況となっているからだ。
現在、日本においては、従来型IT人材の育成さえ十分に機能しておらず、IT業務のオフショアが進み始め「IT鎖国の終焉」と、それに伴う、弱体ITベンダーの窮地が語られ始めている。反面、米国、インド、韓国、中国などにおいては、すでに国を挙げた産学官による高度IT人材育成の努力が行われている。日本は出遅れ、いくつかの動きがようやく見え始めたという段階である。日本が米国と互角なレベルに達することは無理であっても、少なくともIT以外の産業の競争力維持のために、高度IT人材を育成しなければならないだろう。
高度IT人材育成を国家的な急務、内閣のIT戦略の最重要課題として推し進めるべきである。また、政府は言うに及ばず、日本社会の総力を挙げて、この危機に対処しなくてはならない。

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