[レポート1]

日本の医工連携イノベーションの推進
―OCTの産学官連携を事例に―

立野 公男
情報通信ユニット


1. 緒 言

 平成18年度よりスタートした第三期科学技術基本計画1)において、先ず第一に、イノベーションの重要性が力説されている。そして、先期に続き、学際・融合的研究の重要性が強調されている。その中でも、医工連携は最も重要な課題の一つである。

 実際、日本では、少子高齢化が急激に進み、将来の若手労働力の不足が深刻な問題になりつつある。その解決策の一つに挙げられているのが、平成18年度より施行された「改正高年齢者雇用安定法」、すなわち、定年延長政策による労働力不足の解消であり、定年延長による年金支出の低減である。これを実あるものにするには、年配の方々が元気に就労できるための健康長寿が不可欠である。また、老若男女を問わず、健康の維持は、これまで肥大し続けてきた医療費支出の削減をもたらす。そして、何よりも、生きることの基本に立ち返れば、健康であること、すなわち、病からの解放は、誰もが幸福な一生涯を全うするための基本的ニーズであることは明白である。

 一方、日本はこれまで、自動車、機械、電気、電子、材料など“ものづくり”を得意とする国として過去数十年間、強い国際競争力を発揮1、2)してきており、医療機器開発という上記ニーズに応え得る条件のうち、少なくとも技術開発力としては既に高いポテンシャルを有している。しかし、現在、世界の医療機器市場の規模は約20兆円で、日本の市場は約2兆円と推計されているが、平成4年度には、輸出入額がほぼ同額であったのに、平成16年の輸出入額はそれぞれ、4,300億円と9,550億円であり、輸入額が急速に増えているのが現状3)である。

 さらに、ゲノム解読プロジェクト終了後の次のステップとして、分子イメージング技術の開発によってもたらされる分子ライブラリ整備の上に立った、分子レベル治療や予防医学の推進というロードマップが国内外で描かれている4、5)。このロードマップ上を走るべき日本の医工連携イノベーションの推進はまさに最大の重要課題と言っても過言ではない。

 本レポートは、このような潮流の中で翻弄されながら成長しつつあるOCT(Optical Coherence Tomography)6)という技術を取り上げる。この技術は、遡って日本の経済がバブルの頂点にあった1980年代の終わりに、日本の地方にある大学の中から世界に先駆けて特許出願された発明であり7)、当時から医療機器への応用としてのビジネスチャンスが見え隠れしていた。ところが、製品化は、発明としては後発の欧米に大幅に先を越された残念とも言える事例である。

 もちろん、日本においても、1998年に技術移転(TLO)法が施行され、2006.3に閣議決定された第三期科学技術基本計画1)を引用すると、「産学の共同研究の増加や技術移転機関(TLO)による技術移転実績の増加、大学発ベンチャーの設立数の増加(1,000社達成)など、産学官連携は諸般の制度整備によって着実に進展した」、そして、「産学官連携が十分な成果をあげていくためには、大学知的財産本部やTLOの活動を一層活性化し、効果的なものとすることが必要である」とされており、大学スタートアップ振興のための施策は、既に打たれていると考えてよい。そして、このような政策が、もう10年早く80年代の終わりのバブル経済の時期の前に打たれており、昨今叫ばれている技術イノベーションへの公的投資がより早く行われていればビジネスも含めた医療機器開発においても日本と欧米との優位性は現状よりも改善されていたかもしれない。

 このように考えると、TLO法の有効性が再確認されるとともに、現状および将来に向けて日本のOCTをはじめとする技術開発が、この技術移転振興の波に乗り切れているかどうか、今後の進展を妨げる隘路はないかどうかの検証の必要がある。また、厚生労働省の中からも指摘があるように8)、新しい医療機器製品の認可に伴う、治験制度を含む薬事法制度の運用に課題がないか、その結果として起業者の開発意欲を削ぐことになり、医療機器開発の日本の国際競争力の低下を招いていないかなどの検討が必要である。

 我が国の第三期科学技術基本計画1)でも、「その戦略の基本は、質の高い研究を層厚く生み出す人材育成と競争的環境の醸成、科学の発展と絶えざるイノベーションの創出に向けた戦略的投資及びそれらの成果還元に向けた制度・運用上の隘路の解消であり、このような多様な政策課題への挑戦が今後5年間の科学技術の使命である」とされ、具体的な検証の重要性が強調されている。

 以上の観点から、本レポートでは、OCTを応用した眼科診断装置を事例として、その発明から製品化までの経緯を日本と欧米で年代順に比較検討する。そして、OCT技術の第一世代のみならず、第二、第三世代へ向けて巻き返しを図っている日本の産学官連携体制の活躍ぶりを見ながら、日本における医工連携型イノベーションのさらなる推進策を提言する。

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2. OCTの原理と開発経緯

2‐1.OCTの原理

 OCTはマイケルソン型の光学干渉計を応用した技術である。その原理を図表1に従って簡単に説明する6)。光源は、波長が780nm、830nm、1.3μm、あるいは、1.5μm近辺の1〜2mm生体内へ浸入する赤外光であり、空間的コヒーレンスは十分高いが、時間的コヒーレンスの低いSLD(Super Luminescent Diode)と呼ばれる電流注入型の半導体光源である。この光源からのビームを、ビーム・スプリッタで二つに分割し、ビームスプリッタを透過した方の光は、試料の表面に至り、内部に浸入して、屈折率の異なる境界や散乱物があるとそこで反射、あるいは、散乱する。反射、あるいは、散乱して戻った光は、ビームスプリッタで今度は反射され、物体光となって光検知器に至る。ビームスプリッタを反射した方の光は参照ミラー面で反射され、ビームスプリッタを今度は透過し、先の物体光と重ね合わせの原理によって互いに干渉しながら光検知器に至る。

 このとき、物体光の経路長(ビームスプリッタで分岐されてから再び出会うまでの経路の長さ)が参照光の経路長と等しくなった場合(経路長の差がゼロ)に、二つの波の間で強め合いが生じる。そのため光検知器が受ける光の干渉強度が、経路長の差がゼロでない場合よりも大きくなる。このような測定を参照ミラーの位置毎に行い、かつ、サンプルを入射光軸と垂直に二次元で走査すれば、サンプル内部の層構造(屈折率の境界)を三次元的に表示することができる。

 ここでもし、光源がレーザ光のように時間的コヒーレンスが高ければ、参照光と物体光の経路長が等しくなくても干渉の強め合いが発生してしまい、サンプルの層構造を見ることは困難になる。すなわち、光源の時間的コヒーレンスが低いほど、深さ方向の解像度が高くなる。ここが、発明のポイントであり、光源波長のスペクトルの広がり幅(約50nm)で決まる深さ方向の解像度として、10〜20μmが得られる。

2‐2.日本での開発経緯

 このようなOCTの原理の特許出願として最も早かったのは、1990年に丹野直弘元山形大学教授によってなされた日本国特許庁への出願特許7)である。しかし、この特許は米国など外国への出願はされていなかった。論文としては、1991年の第14回レーザセンシングシンポジウムで発表された“後方散乱光ヘテロダイントモグラフィ”9)が最初である。この論文も日本語であり、英文の発表ではない。これは、2002年にノーベル化学賞を受賞した田中耕一氏の場合に、英文で発表された論文が、唯一、中国での学会発表しかなかったためあまり注目されなかったという有名な話と通じるところがある。残念ながら、当時の日本からの学術成果の海外への情報発信活動や知的所有権の主張は、資金的にも不十分であったことが伺え、英文での発表の重要性が改めて認識される。

 当時、同教授は、稲場文男元東北大教授が率いる、(株)生体光情報研究所(旧通産省が出資)のキーメンバーの一人として活躍していた。このプロジェクトは、1979年にノーベル生理学・医学賞を受賞したX線CT(Computer Tomography(アラン・コーマック:理論、ゴッドフリー・ハウンズフィールド:装置))の考え方に触発されて発足しており、X線をレーザ光に置き換えて人体を含む生物の内部を透過光検知で観察する方法を模索していた。

 このプロジェクトの中で、同教授により、レーザ光源の空間的コヒーレンスは活用するが、時間的コヒーレンスは意図的に低下させた光源を干渉計の光源に適用するアイデアが出された。もちろん、白熱電球のような時間的にも空間的にもコヒーレンス度の低い光源を用いた干渉計は古くから市販されていた。しかし、白熱電球は、点光源ではなく広がりを持つ、すなわち、空間的コヒーレンスが低いため、観測物面上での高い解像度は得られない。もちろん、白熱電球の後にピンホールを置けば解像度は向上する。しかし、強度が減衰するため光検知器には計測に必要な量の光の信号が到達しない。従って、OCTでは、SLD光源の特徴を生かして空間的コヒーレンスを高く保ち、時間的コヒーレンスを低下させた干渉計測法を用いたところが発明としての由縁である。

 また、X線CTは物体の透過光を検出するが、OCTでは逆に反射光を検出し、非侵襲で生きたままの状態(in vivo)の生体の表面近くの断層の組織情報を画像として捉えることができる。この発想は、当時、(株)生体光情報研究所で主流であったレーザのコヒーレンス性を積極的に生かそうという本来の発想とは、一部逆の方向であったため、プロジェクト内では必ずしも歓迎される提案ではなかった。そのため、プロジェクトの成果の柱として取り上げられることがなく、医療機器応用などOCTの活用先への働きかけが優先的に行われたわけではなかった。それでも、同教授らは、OCTの発明の直後から、山形大学医学部に声をかけ、年に数回のセミナーを開催し、工学サイドからの技術シーズの紹介を定期的に行った。

 このようなOCTの発明から医療機器として製品化されるまでの日本での経緯と、対応する欧米での開発経緯を年代順に図表3で一覧する。すなわち、丹野元教授らは、その後も山形テクノポリス財団にてOCT技術の紹介を行い、地域企業に向けて半導体の検査装置応用などの可能性も示唆しながら技術シーズの発信を続けた。しかし、研究の実働としては、当時の山形大学には博士課程がなかったため、修士課程の学生にシミュレーションなど計算方法を指導する程度に終始し、1994年に初めての英文の論文を発表した10)が、本格的な実証実験を行うところまでには至らなかった。

 このような空白期間とも見える状況が続いていたところ、1996年に、ドイツの光学機器メーカの老舗であるカール・ツァイス(Carl Zeiss Meditec)社の米国子会社であるハンフリー(Humphrey)社が、OCT技術を活用した業界初の眼底断層撮影装置の試作機を発表した。これに目をつけた群馬大学医学部の岸 章治教授らはこの第一号機を購入し、日本で初めての臨床データを採取し、眼底疾患の診断に有効であることを実証して喧伝した11)

 これらの報に接した同教授は、眼底断層撮影装置に使われている原理が、自分の発明と同じであることに気づき、カール・ツァイス社に通知した。そして1998年5月に制定された大学等技術移転促進法(通称TLO法)に基づく政府からの支援をバックに、2000年、JST(科学技術振興事業団)から資金援助を受け試作を開始した。さらに、2001年には、カール・ツァイス社の社長の訪問を受け、特許交渉の結果、日本出願が先行している事実を認めさせ、日本での特許使用に対する応分の特許料支払いを引き出し、国内販売の全ての製品に日本特許登録番号を刻印することで合意した。この特許交渉の成功に活気づきながら、2001年には中小企業創造活動促進法認定、東北経済産業局からの補助金、山形県創造技術開発からの補助金など支援を受け製品開発を推進した。そして、2002年、山形大学地域共同研究センター長に就任していた丹野元教授は、取締役としてベンチャー企業、マイクロトモグラフィー(株)を松村澄男社長、長谷川倫郎取締役らと地域の半導体製造装置メーカ、エムテックスマツムラ魔ニの共同出資で設立した。その後、2003年に日本の薬事法の承認を受け、最初の発明から14年後の2004年に日本初の眼底検査装置の製品化をついに達成し、発売を開始した。欧米に遅れること8年である。

(画像クリックで拡大表示)

2‐3.欧米での開発経緯

 以上のような日本における開発経緯に対し、欧米でどのような動きがあったか、図表3に従って説明する。米国における産学連携の拠点で有名なMIT12)のJ. Fujimoto教授らが丹野元教授と同様の原理を独自に発明し、1991年に米国特許出願を行い、同じ年のScience誌に“Optical Coherence Tomography”と題する世界初の英文論文を発表した13)。現在世界中の専門家の間で使われているOCTという技術用語は、このFujimoto教授らの命名に端を発している。そしてFujimoto教授は、MIT内の画像処理グループや、リンカーンラボのアイセンター(Eye Center)の医学者らと、文字通りの医工連携プロジェクトを組み、1993年に、世界で初めて生きたまま(in vivo)の眼底網膜断層の観察例を発表した14)。さらに、同教授は前記ハンフリー社から600万ドルの資金援助を受け、眼底断層撮影装置の製品化に猛進した。そして、1996年、同教授らの主導のもとに、OCT技術を使った眼底断層撮影装置の臨床治験によって採取した厚さ5cmにおよぶ臨床データ集を出版し15)、世界中の眼科医を驚かせた。また、ほぼ同時に、ハンフリー社が世界で初めての試作機を発表した。この初出荷以来10年を経た2006年の現在、上記二社に、カナダのOPI(Opthalmic Technologies Inc.)社が参入し、これら3社が製造販売している。しかし、世界シェアは、カール・ツァイス社がその子会社であるハンフリ社分を含めて、90%を握っている。

 欧米におけるこのスピーディな開発経過は、あたかも、OCTという名のサッカーボールを、ディフェンダー、ミッドフィルダーを経てフォワードに向け、選手から選手へと効率よくパスしながら連携し、発明からシェア占有というゴールまで最短距離を走ったかに見える。大学発イノベーションのための分業力と連携力が迅速に、しかも総合的にバランスよく機能した成果である。米国には、医工連携イノベーションのしかけ、すなわち、研究の芽の創出と迅速な技術移転、および、臨床データ採取などの仕組みが、実際の運用を含めてダイナミックなシステムとしてすでに整い、日夜稼動しているのである。日本の大学、あるいは、公的機関にある研究者は、米国における産官学グループ間の巧みな連携プレーを謙虚に学び、日本独自のダイナミックな医工連携イノベーションのしかけを着実に育成していく必要がある。

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3.制度・運用上の課題

 ここで、日本の医工連携イノベーションのスピードに影響を与える法的手続きについて述べる。医療機器開発の工程、すなわち、[研究開発(発明)→試作装置→臨床データ収集→申請→薬事法審査→製品化→出荷]の前段階では、前述の技術移転(TLO)法が運用されるが、後段階の臨床データ採集以降は、薬事法が運用されて初めて世に実用される16)。眼底検査装置は医療機器であるが、認可は医薬品と同じ薬事法のもとで審査される。

 本レポートの事例であるOCT活用の眼底検査装置の開発においても、その装置が臨床的に有効な装置であるかどうか、副作用がなく安全であるかどうかを証拠立てる臨床データ、すなわち、治験(Clinical trial)が事前に必要である。そのためには、リスクを伴う臨床テストを避けることができない。ここで、事故が発生した場合の責任問題が浮上する。そのため、審査には慎重さが求められ、時間と費用がかかる。ところが、米国では、Fujimoto教授らは、5年という短期間で製品化に成功した。これに対し、日本では発明から製品化まで14年の歳月を要している。今後の医工連携イノベーションにおいては、大学からの技術移転の円滑化の問題だけではなく、日米における薬事法の運用の仕方の違いも含めて、総合的に考えて開発を進めねばならないことを示唆している。例えば、米国では、治験プロセスでの医師や教授の裁量権がより大きく、医師や教授が自らの責任で安全と認めた場合には臨床データ採取を主導できることが認められており、医療機器の安全性と有効性を実証する臨床データをより迅速に、より多く蓄積することが可能である。

 本事例における薬事法認可の場合は、カール・ツァイス社がまず欧米で申請して認可を取得し、続いて日本での認可を取得した。カール・ツァイス社は、眼底検査装置開発の成功に続き、OCTを用いた眼球の軸長を計る装置も製品化し、日本の薬事法の認可も他社より先に受けた。これに対し、日本のマイクロトモグラフィ(株)も同種の対抗製品を開発し、眼底検査装置の後発機として2004年11月に薬事法の認可を申請した。しかし、同社の製品の光源の波長が830nm17)であり、認可されているカール・ツァイス社の波長780nmと異なる。このため、2005年3月に一旦取り下げることになり、新規として、2005年11月に申請したが2006年6月の時点でまだ認可は下りていない。

 また、医工連携の別の典型的な事例として、聴覚の難治性疾患の治療法に関する医師からの報告がある18)。この疾患は、鼓膜と脳の聴覚脳幹の間にあって音の振動を神経電流に変換する機能をもつ蝸牛官の疾患である。その治療法の一つが、患者の蝸牛官に人工内耳を手術で移植し、聴覚を回復させる医工連携の医療技術である。人工内耳は、体内部のレシーバーと電極部分と、体外部のマイク・スピーチプロセッサーと電池からなる。世界では、6万人以上、日本では4,000人以上に手術が行われている。この治療法は、開発当初日本がリードしていた。しかし、現在世界で使われている人工内耳デバイスは、オーストラリア、米国、オーストリア、そして、フランス製がメインであると伝えられた。この事例報告は、日本学術会議が主催して日本生体医工学会と共催したMEフォーラム10回記念講演会“異分野の融合と新しい研究の流れ”(2006年1月23日、東京大学 山上会館)においてなされた。

 そこでは、厚生労働省医政局の鈴木康裕氏からの報告8)があり、引用すると、「…先端的基盤技術に関しては、我が国は欧米と並んで世界をリードしている。一方で、これらの要素技術を臨床側ニーズとマッチさせた新しい医療機器の探索的研究、それらを用いた臨床試験及び治験の基盤、さらにはその薬事審査の体制は、欧米と比して大きな課題を抱えているのが現状である」と述べられている。そして、欧米では、新しい医薬品や医療機器の申請を審査し認可する審査者の数が多く、例えばアメリカのFDA(Food and Drug Administration)の9,000人に対し、日本では300人であると伝えられた。また、同報告では、「基礎研究からトランスレーショナル研究に至る部分だけでなく、その先の臨床研究や治験を行う環境整備も喫緊の課題であると認識している。“治験の空洞化”といわれて久しいが、アジアにおける急速な治験環境の整備等を背景に、我が国での治験はますます減少の傾向を示している。これは、先端的な医療機器が国民に提供される機会を奪うだけでなく、国内企業のシェア低下にも直結する」とされ、「厚生労働省では、治験のみならず臨床研究を行う基盤を抜本的に整備するために、平成18年度から厚生労働科学研究費補助金において、“臨床研究基盤整備推進研究事業”を立ち上げ、」さらに、「治験を確実に遂行するための環境整備として、医師主導治験のモデル事業を行っている」と述べられており、制度運用の改善策への積極的な取り組み姿勢を読み取ることができる。

 また、新しい医療機器や医薬品の認可はいずれも薬事法の審査のもとで行われ、製品の安全性確保は国民からの強い要求である19〜21)。平成17年度の厚生労働白書22)でも、「…安全かつ有効な医薬品等を国民に供給し、医薬品等の副作用や不良医薬品等から国民の生命、健康を守るべき重大な責務があることを改めて深く自覚し、これらの医薬品等による悲惨な健康被害を再び発生させることがないよう、最善、最大の努力を重ねることを確認した」との決意が述べられている。

 このような安全性の確保とイノベーションが必要とする迅速性は、一見、相反する要求である。しかし、この重い相反問題は、いずれの国にも共通する最重要課題であり、我が国だけが避けて通るわけにはいかない。その意味で、先の厚生労働省の中からの報告8)に、「…優れた医療機器を国内で開発し、臨床データの収集を経て、迅速に審査を行い、臨床導入することは欠かすことのできない流れである。ただし、この流れには、各段階において“リスク“と“責任”が伴う。この“リスク”と“責任”に関する国民的コンセンサスを早急に取ることが、真の意味での医療機器開発に係る課題の克服への早道となるのではないか」との呼びかけがある。医療機器や医薬品開発の第一の目的は、患者と潜在患者の健康の回復と維持であり、医療機関やメーカーはそれらの供給の担い手であるという当然のことを再確認し、目的と手段を取り違えることのないよう、誰もが納得する透明度の高い解決策を捻出することが国民からの絶えざる要求である。

 今後の日本の医工連携イノベーションの推進のためには、審査者の増員や医師主導の透明度の高い治験制度に加え、審査の透明性、すなわち、研究所や現場への立ち入り許可、審査プロセスのさらなる情報公開、審査する方々の裁量権の拡張など制度運用の改善策を模索して行くことが望まれる。そして、そのための予算の増額を行い、関係する産学官の担当部署を支援して行くことが必要である。さらに、中長期的観点からは、法律だけでなく、医学や工学を学んで資格を持つより高いレベルの判断ができる、より多くの人々が、医療機器の研究開発や薬事法の審査に当たれるよう、文理融合の人材育成システムを構築して行くことが望まれる。

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4.次世代OCT

4‐1.第二世代高速OCT

 以上述べて来たように、OCT技術は、特許出願としては日本が世界で最も早く、その点では称賛されるべきである。しかし、製品化時期は大幅に遅れ、少なくとも第一世代については、ビジネスとしては苦戦を強いられているのが現状である。そこで、次世代以降のOCTについて日本に巻き返しの機運があるかどうか検討する。

 図表4は、半導体におけるムーアの法則ともいえる、OCT装置性能の年次推移をOCTの処理速度を指標として表示したものである。第一世代のOCT装置の処理速度は、1991年当時の実験室レベルのおよそ1Hzから、1999年には4KHzに向上し、約4千倍も速くなっている。しかし、その後は飽和傾向にある。一方、OCT装置の医療応用では、生きたまま(in vivo)で生体の断層像の実時間の動画データを採取したいという強いニーズがある。このため、第二世代のOCTでは、処理速度向上の技術競争が繰り広げられ、最近の製品では200KHzに達しており、ビデオ信号レートの実時間で三次元動画記録再生が製品レベルで達成されている。

 このような高速ニーズを実現する技術のうち最も興味深い方法は、機械的な可動部分を削減するFD‐OCT(Fourier Domain OCT)23、24)、あるいは、SD‐OCT(Spectral Domain OCT)25)である。第一世代のOCTでは、三次元の断層像を採取するのに、参照ミラー、および、光干渉計からなる可動ヘッドを機械的に走査する必要があり、測定速度を律速していた。ところが、FD‐OCTでは、参照ミラーを固定したままで、試料の深さ方向のデータが採取できるという発想である。すなわち、図表1に示した干渉計から得られる干渉光を、回折格子からなる分光器で波長スペクトルに分解してCCD(Charge Coupled Device)アレーで検出し、その検出信号をコンピュータによって実時間でフーリエ変換して、深さ方向の反射強度分布を、一回の測定でほとんど同時に採取する25)。つまり、参照ミラーの機械的走査を削減できるということである。さらに、光学系の強みである空間的な一括並列処理の特徴を生かし、円筒レンズを利用する1次元結像光学系を採用すると、試料面の一軸走査も削減できる。また、波長可変のSLD光源を用いれば、分光器が不要となり、装置の高速化だけでなく小型化も実現できる。

 これら、光波特有の特長を生かした高速OCTを使えば、眼底の血流を動的に実時間でしかも三次元的に観察できる。このような光学技術の粋を集めた研究開発は、筑波大学の谷田貝豊彦教授が率いる計算光学グループで活発であり、平成16年度から19年度の期間は「生体計測用超高速フーリエ光レーダ顕微鏡」と題するテーマでJST(科学技術振興機構)の支援を受けて推進されている。さらに、同グループは、産学連携体制による技術移管も進めており、平成17年度より「OCTの眼科応用に関する研究」と題して、(株)トプコンと技術提携し、次世代高速眼底検査装置の製品化を推進した。因みに同社は、OCTが出現する前の従来型の眼底検査装置で世界トップシェアを維持している会社である。この場合の産学連携体制は、MITのFujimoto教授とハンフリー社の関係と類似している。大学側は、工学系と医学系と連携して装置の基本設計までを行い、装置化のためのノウハウや、特許出願を分担し、企業側はマーケティングをはじめ、治験や薬事法申請などの法的手続きを、長年培ってきた経験と実績を生かす形で分担するという体制を採っている。もちろん、大学内での治験データの採取は、平成17年度より開始した大学の倫理委員会にかけて審議するという手続きが取られている。そして、筑波大学側は、高速OCTに関する特許と技術ノウハウをTLO法に準拠して(株)トプコン社に売却し、売却収入を発明者と大学でシェアした。高速OCTの場合は、TLO法が有効に機能した事例であり、いわゆる“死の谷”、“ダーウインの海”を産学連携で果敢に乗り越えた成功例と言える。この製品は、2006年6月、(株)トプコン社により世界で初めて製品化された。今後、OCT活用の眼底断層検査装置全体として、カール・ツァイス社のシェアにどこまで食い込めるか注目を集めている。しかし、現状では残念ながら、この装置を用いた治療には保険が適用されていない。

4‐2.OCT応用の多様化と海外状況 ―第三世代へ―

 さらに、糖尿病の悪化は視力劣化に結びつくことは周知であるが、OCTを使って網膜に露出している毛細血管の血中ヘモグロビンの酸素飽和度を測定する方法がマイクロトモグラフィ社から現在提案されている。また、眼底の血流測定装置の開発が、京都大学病院眼科のリーダシップの下、山形テクノポリス財団、(株)浜松ホトニクス、(株)トプコン、(株)ニデックなどが連携して、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の資金的援助を受けながら推進されており、成功したときのインパクトはさらに大きい。ここでは、眼底の断層像の解像度を回折限界まで改善する目的で、(株)浜松ホトニクスの補償光学技術、すなわち、液晶からなる位相型空間変調器を活用し、眼球の収差を実時間で測定、補正しながらデータを採取する方法も採用されようとしている。

 このように、OCT技術は、眼底検査装置への応用がメインであるが、今後、眼科だけでなく、皮膚科、歯科、口腔外科、消化器外科、循環器外科など応用は多岐に渡り、第三世代へ向けて益々応用が広がる様相を呈している。その一つが、大阪大学の春名正光教授26)らが開発中の光源波長1.3μmや1.5μmを用いたOCT技術である。波長1.3μmや1.5μmは水分の吸収があるため、眼底検査には使えないが、角膜、皮膚、化粧品開発と関係する顔面の断層、そして、内視鏡と組み合わせて胃壁の断層を非侵襲で観測する装置などへ展開できる。さらに、高速OCTで連続コマ取りして汗腺や分泌腺のダイナミクスを観察し、生体の生理機能を解明しようとする試み27)もなされている。この波長域は光ファイバ通信で使われており、かつてのNTT社をはじめ豊富な研究開発投資が行われたこともあり、波長多重方式や希土類ドープの光ファイバによる光増幅を含めて、光源から光検知器までの最先端デバイス技術の成果を転用できる可能性がある。

 米国においては、ゲノム解読プロジェクト終了後の次のステップとして、NIH(National Institute of Health)が分子イメージング技術の開発によってもたらされる分子ライブラリ整備の上に立った、分子レベル治療や予防医学の推進というロードマップを描いている。 現在Fujimoto教授は、NIHでの業務を兼任しており、OCT技術の分子イメージング技術への展開を模索している。また、Fujimoto教授のグループから独立してMGH(Massachusetts General Hospital)に移ったde Bore教授らも、高速OCT技術を駆使した医工連携を進めている。さらに、カリフォルニア大学Irvine校でも、MGHと同様に医学部と工学部が一体となった医工連携センターが創設されており、米国における医工連携イノベーションは大学の制度としても整備され益々加速されている状況である。欧州では、オーストリアのウイーン医科大学のFercher教授ら、および、このグループからイギリスのImperial Collegeに移ったDrexler教授らのグループで、高速OCT技術の研究開発が盛んである。

 このように、OCTをめぐる世界的な医工連携イノベーション競争は、技術面だけでなく、産学官連携体制の整備や、薬事法の運用を含めて、日増しに激化している。技術もビジネスもグローバル化している今日にあっては、日本の企業が、欧米で先にその国の治験や製品販売の認可を受け、その後で、日本国内で普及させるという傾向を止められない。この治験の空洞化を改善するために、先の厚生労働省の中からの報告8)にあるように、「治験及び臨床研究等のヒトを対象にした研究を行う場合には、事前にその研究内容を第三者機関に届けなくてはならないという世界の流れを受け、我が国においても臨床試験登録制度を整備し、その情報を国民に公開する仕組みづくり」が行われている。以上のように日本における医工連携イノベーションのさらなる推進のためには、TLO法の一層の活用のみならず、薬事法の安全で、迅速かつ透明な運用がこれまで以上に求められる状況である。

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5.結 言

 本報告ではOCT技術を事例に、日本の医工連携イノベーションの推進策を、第三期科学技術基本計画で謳われている「イノベーションの創出に向けた戦略的投資及びそれらの成果還元に向けた制度・運用上の隘路の解消」の観点で検討した。

 緑内障や網膜剥離の診断に威力を発揮している眼底検査装置は、大学における医工連携の典型的な事例であり、この装置の原理であるOCT(Optical Coherence Tomography)技術は、1980年代末に、山形大学の中から世界ではじめて日本で特許出願された。そして、OCTは、医工連携のさきがけとして日本の地方にある大学発スタートアップが成功するチャンスを萌芽していた。その意味で、この事例は、「研究の芽は欧米から、製品化とビジネスは日本で」という1970年代から80年代にかけて見られた技術移転パターンとは異なる現象の一つである。

 しかし、OCT技術の発明から製品化までの経緯を日本と欧米で比較すると、製品化は欧米に8年間の差をつけられ、しかも、2006年の現在、すでに世界シェアの90%を奪われている。このような遅れを取り戻すためには、技術移転の問題を解決するだけでなく、医工連携分野に特有の薬事法の審査過程を見直す必要がある。例えば、医師主導の透明度の高い治験制度の推進、すなわち、治験プロセスでの医師、教授や大学の倫理委員会の裁量権をより大きくし、自らの責任で安全と認めた場合には臨床データ採取を進めることができ、しかも安全が確保できるような仕組みを構築して行くことが望ましい。

 現在、第二世代の高速OCT技術において、国内外での熾烈な製品開発競争が展開されている。この第二世代では、日本でTLO法が産官学連携体制で適切に運営され、一旦は遅れをとった欧米に、追いつき、先行できる段階にまでに来ている。そして、OCT技術は、今後の第三世代に向け、現在の眼科応用だけでなく、皮膚科、歯科、口腔外科、消化器外科、循環器外科などへの応用が広がる様相を呈しており、新たな世界的競争が展開されている。このようなOCTをめぐる世界的な医工連携イノベーション競争は、技術面だけでなく、産学官連携体制の整備や治験制度の運用を含めて、日増しに激化している。技術やビジネスがグローバル化している今日にあっては、厚生労働省の中からの指摘にもあるように、日本での法制度の運用が諸外国に比べて必要以上に日時を要するような状況が続けば、日本の企業が、先に外国でその国の治験や販売認可を受け、その後、国内で普及させるという状況から脱却できない。それは、日本の医療水準の低下をまねき、医療機器開発の自立性を損なうことにつながる。

 このような事態を改善していくためにも、例えば、治験及び臨床研究を行う場合には、事前にその研究内容を第三者機関に届けるという世界の流れを受け、我が国においても臨床試験登録制度を整備し、その情報を国民に公開する仕組みづくりを進める必要があり、そのための予算の増額を支援して行くことが望まれる。また、医学と工学を一緒にした医工連携センターの一層の強化拡充、さらには中長期的観点から、法律だけでなく、医学や工学を学んで資格を持つより高いレベルの判断ができる、より多くの人々が医療機器の研究開発や法制度の運用に当たれるよう、文理融合の人材育成システムの普及が期待される。

 以上のように、日本の医工連携イノベーションのさらなる推進のためには、TLO法の一層の活用は勿論のこと、「進めるべきものは迅速に進め、止めるべきは早期に止める」という、薬事法の安全で迅速かつ透明な運用がこれまで以上に求められ、医工連携イノベーション推進のための透明度の高い、総合的戦略立案が急務である。それは、これらの施策が、日本の医療水準の一層の向上と医療機器開発の国際競争力増強に結びつくと考えるからである。

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謝 辞

 本報告を執筆するにあたり、貴重な情報、ならびに、ご助言を提供頂いた山形大学元教授の丹野直弘氏、マイクロトモグラフィ株式会社社長の松村澄男氏、同取締役の長谷川倫郎氏、筑波大学教授の谷田貝豊彦氏、大阪大学教授の春名正光氏、厚生労働省医政局の鈴木康裕氏、及び、岡田就将氏、帝人(株)の鷲見芳彦博士、そして、(独)物質・材料研究機構の菊池正紀博士の各位に感謝します。

1) 「科学技術基本計画」閣議決定資料(平成18年3月28日)

2) 藤本隆宏:「日本のもの造り哲学」日本経済新聞社、2004

3) 堀口 光:「わが国の医療機器産業の現状と方向性」日本学術会議・日本生体医工学会主催、フォーラム2006(2006.1. 23)、(於東京大学)

4) 松尾泰樹:「平成18年度文部科学省ライフサインス関係政府予算案の概要」日本学術会議・日本生体医工学会主催、MEフォーラム2006(2006年. 1. 23)、(於東京大学)

5) 田村 守:「光による分子イメージングの現状と将来」光学、Vol. 35、No.2(2006)

6) 丹野直弘:「光コヒーレンス断層画像化法と生体映像への応用」光学Vol.28、No.3(1999)

7) 丹野直弘、市川 勉、佐伯昭雄:「光波反射像測定装置」日本特許第2010042号(出願1990年)

8) 鈴木康裕:「医療機器の新たな地平―厚生労働省の取り組みー」日本学術会議・日本生体医工学会主催、MEフォーラム2006(2006.1. 23)、(於東京大学)

9) 千葉慎二、丹野直弘:“後方散乱光ヘテロダイントモグラフィ”、第14回レーザセンシングシンポ ジウム(1991)

10) Tan‐no, T. Ichimura, T. Funaba, N. Anndo, and Y. Odagiri: “Optical multimode frequency-domain reflectometer”,Opt. Lett., (1994)

11) 岸 章治、光学、Vol. 28、No.3(1999)

12) 立野公男:「半導体微細加工装置技術の最新動向−開発研究における日本の産学連携への提言」“科学技術動向”文部科学省科学技術政策研究所、2004. 5. No. 38

13) D. Huang, E. A. Swanson, C. P. Lin, J. S. Schuman, W. G. Puliafito and J. G. Fujimoto: “Optical Coherence Tomography” Science, 254(1991)

14) E. A. Swanson, J. A. Izatt, M. R. Hee, D. Huang, C. P. Lin, J. S. Schuman, C. A. Puliafito and J. G. Fujimoto:“In vivo retinal imaging by optical coherence tomography”, Opt. Lett., Vol. 18 (1993)

15) C. A. Puliafito, M. R. Hee, J. S. Shuman and J. G. Fujimoto “Optical Coherence Tomography of Ocular Diseases”(Slack Incorporated, NJ, 1996)

16) http//pmda.go.jp/pdf/iryokiki.pdf/

17) (独)産業技術総合研究所監修:「レーザ安全ガイドブック」新技術コミュニケーションズ

18) 加我君孝:「人工内耳と人工聴覚脳幹インプラント」日本学術会議、日本生体医工学会主催、MEフォーラム2006(2006年. 1. 23)、(於東京大学)

19) 昭和54年度、厚生白書:http://wwwhakusyo.mhlw.go.jp/wpdocs/hpaz197901/b0143.html

20) 増山元三郎編「サリドマイド―科学者の証言―」UP選書、東京大学出版会(1971)

21) 「空前の薬害訴訟:“スモンの教訓”から何を学ぶか」中央公論 (1996)

22) 平成17年度 厚生労働白書:http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusho/kousei/05/dl/2-9.pdf

23) G. Hausler and M. W. Lindner:““Coherence rader” and “spectral rader”―New tools for dermatological diagnosis,” J. Biomed. Opt., 3(1998)21‐23.

24) Y. Yasuno, M. Nakama, Y. Sutoh, M. Itoh, M. Mori, and T. Yatagai:“Optical coherence tomography by spectral interferometric joint transform correlator”Opt. Commun., Vol. 186(2000)

25)伊藤雅英、安野嘉晃、谷田貝豊彦:「フーリエドメイン光コヒーレンストモグラフィ」視覚の科学 Vol. 23, No. 3(日本眼光学会雑誌)2005

26) 春名正光:「光コヒーレンストモグラフィ(OCT)の医療応用と技術展開」光設計研究グループ(日本光学会)、第34回研究会(東京大学)(2006)

27)M. Ohmi, K. Nohara, Y. Ueda, T. Fuji and M. Haruna:“Dynamic observation of sweat glands of human finger tip using all-optical-fiber high-speed optical coherence tomography,” Jpn. J. Appl. Phys., Vol. 44, No. 26, pp. L854-L856(2005).

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