[レポート2]
LSIの配線設計の課題と設計自動化ツール開発の重要性

野村  稔
情報・通信ユニット


1.はじめに

 科学技術政策研究所が行なった「科学技術の中長期発展に係る俯瞰的予測調査」での「デルファイ調査報告書」1)に、我が国の研究開発水準の調査結果がある。図表1は、このなかの現在と5年前の対米国の研究開発水準を示している。5年前に比べほとんどの領域で水準が上昇していると判断されている。しかし、シリコンエレクトロニクスの領域は、唯一、水準が低下していると指摘されている。デルファイ調査では、各領域がもたらす「知的資産の増大」「経済的効果」「社会的効果」の程度も評価しており、シリコンエレクトロニクスは、それらの全軸で効果が高く重要な領域として位置づけられている。それにも拘らず、その研究水準が落ちてきているとの結果である。

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 現在、シリコンエレクトロニクス領域では、「システムの複雑化に対応する設計の高度化、デバイス・配線の微細化の物理限界への接近」などで生じる様々な課題に直面している。ここでは、そのなかでも、高速LSI実現に最も直接的に影響する「配線問題」に焦点を当て議論の掘り下げを行う。以下では、シリコンCMOSロジックLSIを対象とし、「配線問題」とは何かを示し、配線問題に関わる製造技術と設計技術の研究開発、それらの現状および課題を抽出し、今後の対策と提言を行いたい。

2.配線問題とは

 LSIでは、トランジスタや抵抗などの回路素子の組み合わせによりANDやNANDなどの基本的な論理ゲートが構成され、ゲートを組み合わせて更に複雑な論理機能を持つマクロが形成される。これら回路素子、ゲート、マクロ(以下ではこれらを回路部品と呼ぶ)間を相互接続するものが配線である。広義には回路部品への電源やグランド供給線も配線に含まれるが、以降ではLSI性能に焦点を絞るため、主に信号に関する配線について述べる。配線は、半導体の微細化に伴いLSIの性能や製造性を決定付ける大きな要因として浮上してきており、「配線問題」とは、設計および製造を通して、この配線を如何に最適に実現するかという問題である。

 図表2に、LSI開発工程とその中での「配線問題」の位置づけを示す。LSI開発工程は大きく設計と製造に分けられる。「配線問題」は、設計においては配線設計(1)に、製造においては、マスク製作工程と配線工程に影響する。

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(1)配線設計

 狭義には回路部品間の配線パターンの設計をさすが、ここでは、回路部品の配置、その間の配線、信号のタイミング検証、電気的検証、デザインルールチェック、マスクデータ生成など物理的な設計に関係する設計全般と広義に捉える。物理設計またはレイアウト設計とも呼ばれる。


 ここで、配線設計とは、回路部品の配置とその間の配線を行い、製造で使用するマスクデータを作成する作業である。マスク製作工程とは、マスクデータを起点としてリソグラフィ(2)を考慮したマスクを製作する作業である。そして、配線工程とは、ウェーハ上で物理的な配線を実現する工程である。「配線問題」への対応としては、設計自動化(EDA)ツールを基盤とした設計手法(設計方法論とも呼ぶ)に支援される「設計技術」(3)、材料・構造、配線技術により配線を物理的に実現する「製造技術」のバランスある進展が求められる。


(2)リソグラフィ

 回路パターンなどを「現像」する装置、またその過程をいう。

(3)設計技術

 LSIを設計する技術であり、アーキテクチャ、回路など設計そのものと、それを支援する設計手法からなっている。ここでは、EDAツールを基盤とした設計手法に支援されるLSI設計の技術を「設計技術」と呼び、以降の議論の対象とする。LSIの高集積化、高速化に伴い「設計技術」は、EDAツールに大きく依存し、「設計技術」の進展はEDAツールの進展と密接に関係し分離できないものとなっている。


2‐1.配線構造

 図表3では、LSIの多層配線構造を例示している。LSIは、下からシリコン基板、その上にトランジスタや抵抗などが形成される基板部、そして回路部品間を接続する配線層からなる。

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 配線層は、水平と垂直の層が交互に設けられており、配線はこれらの層上で立体交差状に実現されている。この水平、垂直層を交互に積層した三次元構造を多層配線構造と呼んでいる。この多層配線構造では、トランジスタや抵抗間をつなぐ短い配線はMetal1層、クロック信号のようにLSI全体に配られるGlobal信号配線はGlobal層、電源やグランド供給の配線は最上層、それ以外はIntermediate層を用いるなど、各配線層の使い分けが行われている。微細化の進展により最近のLSIでは配線本数は数千万本にも達しており、配線層数も次第に多くなり、製造工程における配線工程の割合が大きくなってきている。

2‐2.信号伝搬遅延時間

 配線上を信号が通ると伝播遅延時間が生じる。配線は抵抗と容量を持ち、これらを配線抵抗と配線容量という(隣接配線との間には寄生容量も生じるが、この配線容量に含めて考える)。伝播遅延時間は、容量と抵抗の積に比例するため、配線抵抗と配線容量が大きな長い配線は伝搬遅延時間を大きくしてしまう。理想的には微細化により配線の容量も減るはずであるが、配線間の距離が小さくなるため結合容量が大きくなり、また微細化すると配線の幅が狭くなるため、結果的には配線抵抗が増してしまう。図表4は微細化、高性能化での配線遅延の影響を例示している。

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 図表4は、配線材料としてCu、層間の絶縁膜として低誘電率(low‐k)材料を用いた場合のゲート遅延と配線遅延の相対的な割合を示している。ゲート遅延とMetal1の配線遅延は微細化に伴って減少するが、Global配線の遅延時間は増加する。これを解決するため、一般にはリピータと呼ばれるバッファ回路を挿入することでドライブ能力を上げて遅延時間を改善する方法が採られるが、代わりに消費電力と面積が増加してしまう。このようにテクノロジーノード(ノード:最小配線ピッチの1/2)が250nm以降の世代からは、ゲート遅延より配線遅延がLSIの動作速度を律速する主要因として顕在化してきている。高速化のためには配線遅延の最小化が必須である3)

2‐3.クロック分配とクロックスキュー問題

 この配線遅延の影響で最も深刻なのは、動作周波数の高速化におけるクロック分配とクロックスキューに関する問題である。現在のLSI設計においては、同期式回路が主流を占めている。同期回路においては、回路中の数万〜数十万ビットといったフリップフロップ(4)全てにクロック信号が同時に到達する様に供給される必要がある(クロック分配)。しかし、現実には、配線遅延時間の差がクロックスキューと呼ばれる到達時間のばらつきを生む。クロックスキューは、クロック周期の短縮の妨げとなるばかりでなく、その大きさによっては回路の誤動作の原因になる。クロック周期の短縮に伴い、クロックスキューの性能に与える影響が相対的に大きくなっている。


(4)フリップフロップ(Flip-Flop)

 「high」と「low」の2つの安定状態を持つ電子回路で記憶回路の一種。次のクロックが加えられるまでは以前の状態を保持する働きをする。


2‐4.配線に起因するその他の問題4)

(1)クロストークノイズの発生

 配線間の距離が短くなるにつれ、隣接する配線間で生じる容量が増加し、信号の漏れ(クロストーク)が発生する。隣接配線の電位変化により、配線間の容量が変わるため遅延時間が変動する問題もあり、これもクロストークに含める場合もある。これらのクロストークにより、シグナルインテグリティと呼ばれる「信号波形の品質」が悪化し、回路の誤動作を引き起こす可能性があるため、適切な対処が必要になる。

(2)配線による消費電力増大

 電力消費の主役は、かつてはゲートであったが、今日ではLSI上の配線が膨大になり、配線容量を充放電するための電流がCMOSデバイスの抵抗でジュール熱(導体に電流を流すとき導体の抵抗のために発生する熱)を発生させ、これによる電力消費が支配的になっている。特に、クロック信号はLSI全体に分配されるため配線本数が多く、かつ長い配線が多い。そしてクロックごとにスイッチングするため電力消費はますます膨大になる。このクロック配線における消費電力削減は大きな課題である。

(3)エレクトロマイグレーション

 エレクトロマイグレーションとは、高密度電流を流したときに配線中の金属イオンが電子からの衝突を繰り返し受け、金属の原子配列が乱れて断線してしまう現象である。微細化により配線が縮小し、一方で動作速度を上げるために駆動電流が増大している。すなわち電流密度は増大傾向にあり、エレクトロマイグレーションはますます起こりやすくなる。

3.配線の製造技術に関する研究開発

 配線工程の製造技術は、プロセス、製造装置、製造ラインにまたがる技術であるが、ここでは性能に関わるプロセスにおける配線材料・構造と配線技術の研究開発について述べる。

3‐1.材料・構造の研究開発

 配線工程の配線層形成、絶縁層形成、層間接続構造形成などのプロセスの各分野においては、材料・構造面の各種の研究開発が行われている。具体的には、配線抵抗が小さい材質(Cu)への変更や、配線容量を低く抑えられる低誘電率(low‐k)材料の開発、ビア(配線層間をつなぐ金属配線)形成方法の研究開発などが主体である3)

3‐2.今後の配線技術

 配線技術の研究開発では、配線長短縮方法や、高速伝送のために電磁波や光を活用した技術が提案されている。

(1)オンチップの伝送線路配線

 伝送線路は、電磁波の速度で信号伝送を行うものである。長距離伝送において低消費電力で高速な信号伝送が実現可能となる。差動伝送線路は2本の信号線の電圧の差で信号を伝えるため、線路外からのノイズをキャンセルすることができ、小振幅での信号伝送が可能になる。オンチップ(チップ上の)伝送線路配線では高速信号伝搬が実現できるが、一般の配線構造と比較して配線面積を必要とするという欠点も併せ持つ。クロック配線や長距離信号配線に選択的に採用することで高速化が期待できる5、6)

(2)三次元積層

 三次元積層とは、複数のLSIを積み重ねて相互間を接続する方式である。有線と無線による接続方式の研究が行われている。三次元積層でのLSI間接続においては、LSI周辺に配線を引出して接続する方式に比べ、信号伝送距離が垂直分の距離だけで済むため、伝搬遅延時間を短くすることができる。

 有線での三次元積層では、LSIに貫通する埋め込み配線を形成し、LSI同士を張り合わせていく方式で積層する。LSIを複数個積み重ね、LSIを貫通する埋め込み配線を用いた垂直配線によってLSI間を電気的に接続する。この技術により、世界初の三次元積層型の人工網膜チップおよび視覚野チップの試作を行うなどといった先端研究も進められている7)

 無線による接続方式は、インダクタ結合や電磁波伝搬などの無線手段を用いて通信する方式である。インダクタ結合では、多数のインダクタ対をLSI上の任意の位置に形成し、隣接LSI間を磁力線で無線通信する8〜10)。また、電磁波伝搬では、LSIを透過して高周波の電波を伝搬させることができ、各LSIに形成したマイクロアンテナで送受信する。複数のLSIを亘ってデータを転送できるため、システム全体のクロック供給やデータの同時伝送に用いることができる8)

 三次元積層は、LSI平面上に異なるLSI間の接続を多数設置できるため、LSI間の並列データ転送が可能になる長所も持ち、高性能処理に必要なCPUとメモリ間の高速通信の可能性を持つ。現在のEDAツールは二次元レベルの設計機能にとどまっており、三次元で必要となる回路部品の配置・配線や解析に向けては新たなツールが必要となる。

(3)オンチップ光配線

 シリコン光導波路、フォトニック結晶、ポリマー光導波路など、オンチップの光配線に適した幾つかの有望な要素技術がすでに現れてきている。シリコンを使っても超高速となるナノフォトダイオード(受光素子)などによる光‐電気変換素子も研究開発が進んでいる11)。この分野では、従来は化合物半導体での開発が中心であったが、最近は汎用性が高くコストも有利なシリコンプロセスでの研究が進展してきた。また、シリコンを用いて光を増幅できる連続発振レーザの研究も発表されており、将来的にはコンピュータの内部を光速でやり取りできる光デバイスを安価で実現できる可能性もある12)

 オンチップ光配線は、配線同士がクロスしても干渉がないこと、配線が近接してもクロストークがないことなどの利点を持ち、クロック分配などに利用することで高速化が期待できる。

(4)配線に関する研究開発体制の動き

 米国では、従来から共同研究開発会社であるMicroelectronics Advanced Research Corporation (MARCO)が米国の大学での半導体研究に資金を出し、Focus Center Research Program(FCRP)という研究開発計画を進めている。この中にInterconnect Focus Center(IFC)があり、電気や光配線などの先端研究が行われている13)。また、企業コンソーシアムであるSEMATECHでも三次元配線に関する研究を計画している14)

 我が国では、C新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDOと呼ぶ)が、2005年10月13日に「次世代半導体材料・プロセス基盤プロジェクト(MIRAI)において計画している産学官連携研究に関する先導調査」と題する公募15、16)を行った。この研究開発項目として、「新探究配線技術開発」があり、技術世代45nmノードを超えた集積回路に適した配線基盤技術開発として、(1)極限低抵抗配線技術とA新コンセプトグローバル配線技術の開発が取り上げられている。例として、カーボンナノチューブ(CNT)等の新材料を使った極限低抵抗配線技術の開発や、光配線技術やRF(高周波)配線技術等の開発などが挙げられている。

4.配線の設計技術に関する研究開発

 「設計技術」は、アーキテクチャ、回路など設計そのものとそれを支援する設計手法からなっているが、以下では、最も注目すべきEDAツールを基盤とした設計手法に支援されるLSI設計技術に焦点をあて、その概要を述べる。ここで言う設計手法とは、如何に最適にLSIを設計するかの方法論であり、EDAツールを駆使した設計フロー、ライブラリ、設計機器などの構成要素からなる設計環境として具現化される。設計は、システム設計、論理設計、配線設計、テスト設計、そして回路部品を設計する回路設計等からなるが、ここでは、そのうちで配線問題に大きく関係する配線設計について述べる。

 配線設計の役割の第一は、指定された大きさのLSI内に回路部品を配置し、回路部品間に要求された配線を誤りなく収容することである。それと共に、所望の性能を得るためのタイミング設計、各種検証などの処理が必要になっている。以下、主だった内容を示す。

(1)設計ルール

 使用可能な材料・構造、配線技術をベースにしてLSIを設計するためには、設計基準(デザインルール)が必要になる。設計基準とは、回路素子の各部分の平面的な寸法や隣接する部分との間隔、さらに回路素子間の立体的な相互の位置関係などを決めた基本的な規則である。設計基準は、微細化された回路素子や配線をLSI上に実現し、安定的に量産するために必須となる基準である。配線設計では、この設計基準以外に、配線の抵抗、容量、隣接または上下層間の配線容量、クロストーク量など様々な電気的な制約を規定することで設計が正しく進められるためのガイドが設けられている。このようなガイドを含めて、これらを設計ルールと呼んでいる。設計ルールは、製造技術を生かして配線設計を行うためのインターフェースであり、その遵守により正常な設計が可能になる。

(2)タイミング問題への対応

 タイミングが合わなければ、論理回路は正しくてもLSIは正常に動作しない。タイミングの設計は近年のLSI開発における最大の難問である。その設計の難しさは遅延制約の遵守にある。遅延制約とは、全てのフリップフロップへの同時クロック分配、信号伝搬における許容時間制限などである。許容時間制限とは、フリップフロップの出力データが次のフリップフロップまたは外部端子に伝播する時間に、下限値および上限値があり、これを全ての信号線に対して満たすという制限のことである。

 タイミング問題への対応としては、クロック信号の分配方式、クロックスキューの最大値を最小化する自動配置配線、タイミング制約違反箇所へのバッファ回路挿入や配線幅調整、そして以下の(3)で示すタイミング検証ツールなどがある。

 参考文献17にはマイクロプロセッサ用のタイミングを考慮した設計手法が示されているが、設計期間の大部分をタイミング改善に費やしていることがわかる。タイミング制約を満たす設計の複雑さを表す事例である。

(3)設計の検証

 設計ルールを完全に満たすような自動設計はまだ実現されてない。現実には、自動ツールによる配置・配線と人手による設計が混在しているため、設計ルールが遵守されているかを検証する必要が生じている。検証の代表的なものに、前記した設計基準が満たされているかを検証するDRCがあり、これまで設計と製造の間のコミュニケーション手段としての役割を果たしてきた。しかし、製造での歩留まり問題を解決するにはこれでは十分でなくなってきている。

 タイミング問題に対しては、全論理パスにわたって遅延制約を検証する静的タイミング検証、LSIの製造ばらつきを考慮した統計的静的タイミング検証などのツール化が行われている。クロストークノイズに対しては、LSI内の各信号線が他の信号線から受ける影響を解析するツールやクロストークノイズを遅延時間に換算しタイミングを検証するツールなどがある。また、その他の検証ツールとして、伝送線路解析、消費電力解析、電磁界解析、熱解析などがあり、これらも重要性が増してきている。

 検証ツールは、事実上、計算機処理の自動ツールで実現できない機能の補完をしてきたことになる。検証結果による不具合箇所の修正は、人手を介して行われてきたが、これが膨大な時間と品質上の問題を招いているため、自動ツールへの機能組込みが進められつつある。

(4)配線設計におけるEDAツールの研究動向

 1980年代に配線設計用EDAツール開発は活況を呈したが、その後、配置・配線処理の機能向上が一段落し、研究対象は上流のシステム設計や論理設計分野に向かった。その結果、配線設計の研究は、1990年代は下火になった。しかし、1990年代終わりからは、微細化に伴う配線設計の複雑化により、配線設計用EDAツール開発が再び脚光を浴びるようになった。2005年6月の第42回設計自動化会議(DAC:Design Automation Conference)では、配線設計関係(Pysical/Circuit design,Timing & DFM)での論文数が65件と全体の約35%を占めている。

5.設計技術の状況変化と課題

 2章で、「配線問題」は、「製造技術」と「設計技術」のバランスのうえで改善していくと述べた。我が国のこれらの技術の優位性はどうであろうか。

 1軸目の「製造技術」であるが、かつて我が国の「製造技術」は世界をリードしていた。しかし、DRAM競争で韓国の後塵を拝したこと、パーソナルコンピュータ分野のマイクロプロセッサで標準化が出遅れたこと、台湾におけるファンドリ・ビジネスの進展の逆風にさらされたことなどで、現在は活況さを欠いている。ただし、設計と製造の垂直統合で培った「製造技術」は、世界的なレベルとして、依然として高いものを堅持している状態と言える。配線技術の分野に限っても、大学および企業で高度な研究が進められており、世界的な認知度も高い。

 一方、2軸目の「設計技術」はと言うと、EDAツールにノウハウが集約されており、ここでは米国の優位さが圧倒的である。「配線問題」の解決に向けては、2軸のバランスある発展が必要になるため、EDAツール依存の「設計技術」の弱体さが問題となる。今日の先端技術の開発には、「すりあわせ」の技術開発が必要になってきており、「設計技術」の強化は必須の課題である。以下では「設計技術」面における状況の変化と課題を述べる。

5‐1.設計技術の状況変化

 図表5は、LSI開発工程の中での配線設計の位置づけと、微細化の進展による開発の変遷を示している。LSIの開発工程は設計と製造に大別されることを前述したが、設計が製造に近くなるにつれて、LSIの物理特性に依存する部分が大きくなるため、両者を分離して考えることができなくなり、設計はいっそう複雑化する。従来は、設計部門で設計が完了した設計結果をマスクデータとして製造部門に渡すことで、製造部門がマスク製作以降の製造を分担し、完成したLSIを設計部門に納品し、テストを行なうという分業体制をとることができた。しかし、その役割分担が変化しつつある。その様子を図表5に示す。

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(1)論理設計と配線設計の分離の時代(図表5の

 以前、設計部門での工程は、論理の正当性を確認した後、配線設計を行っていた。両工程は、設計変更が生じると繰り返されるため完全な分離はできないが、基本的には論理設計と配線設計とは分離していたと言える。

(2)論理設計と配線設計の融合(不分離)の時代(図表5の

 微細化の進展により配線遅延がゲート遅延に比べて支配的になると、単純に論理設計した結果を基に配線するだけでは全体の遅延時間を満たした設計ができなくなった。そのため、配線した結果を基に論理設計内容を変更する方法が採られるようになった。配線結果から遅延時間を求め、信号が伝搬する論理パスの中からクリティカルとなるパスを求め、このパス上に存在するゲートのドライブ能力を変更するなどの補正により論理と配線との整合をとる設計となった。図表5では、この時代を論理設計と配線設計の融合(不分離)として表した。

(3)設計と製造の融合(不分離)の時代(図表5の

 微細化が更に進むと、製造上での露光装置の限界から、新たな問題が発生してきた。配線幅が露光波長より細くなってきたために、配線設計で設計されたマスクデータが製造過程で変形し、断線やショートなどの欠陥が発生するだけでなく、遅延ばらつきによりタイミング制約違反を起こすなど、歩留まりを大きく低下させるようになった。従来は製造部門で歩留まり向上のためにマスクデータの補正をしてきたが、それだけでは解決がつかない状態になってきた。そのため、設計段階で歩留まりを向上させるべく配線設計を行う必要が生じ、すなわち、設計と製造の融合(不分離)の時代が始まった。

5‐2.設計と製造との境界の変化

 設計と製造の融合(不分離)の状態を説明する端的な例として、ウェーハの露光時のパターン解像度を高めるために、設計の段階でフォトマスクにあらかじめ細工をしておく「位相シフトマスク(5)やOPCマスク(6)18)などの対策が挙げられる。このように、製造の歩留まりを向上するために、配線幅やビア個数などの設計ルールが制約を受けるという、設計まで遡った製造技術向上策の必要性が益々強くなっている。


(5)位相シフトマスク

 位相シフタを通過して位相の変わった光とシフタを通過していない位相の変わっていない光との干渉を利用して解像度を向上させる方法。

(6)OPCマスク(光近接補正)

 パターン形状の向上のために補助パターンなどを付加する方法。


 (株)半導体理工学研究センターの下東氏は、次の様に述べ、この設計と製造との境界が変化している問題を重要視している。「ナノメータCMOS時代を迎え、突破しなければならない壁/ボトルネックの1つとしてDFM(Design For Manufacturability)がある。DFMとは製品の製造性を最大にするような設計全般の活動と定義される。ナノメータ時代のDFMはその規模と複雑性で特筆されるべきものである。微細化によってもたらされた副次効果が脅威へと変化し微細化そのものを律速することになった。設計と製造が協調してシステマチックに問題対応できる新しいワークフローが不可欠である。」19)

5‐3.設計課題の増加

 図表6では微細化に伴う設計課題の増加を示している。新たな課題が次々に顕在化し、顕在化した課題が微細化の進展でさらに複雑な課題となり、課題の複雑さが指数関数的に増加していく。

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 あるCPUチップの実績では、トランジスタ数が6,000万であるのに対し、LSI内の総配線長は数100メートルを越え、配線間を結ぶビア数に至っては10億に近いものとなっている。配線数が多いLSIの歩留まりが極端に悪いという事例も出てきており、歩留まりを決めているのはトランジスタではなく配線であるとも考えられる。

5‐4.設計を意識した製造技術の研究の必要性

 図表7は、配線関係の主要な学会であるIEEE International Interconnect Technology Conference(IITC)での多層配線技術の研究論文状況を地域別に示したものである。欧米では、設計技術を中心に多面的に多層配線技術を捉える研究開発が進んでいることが示されている。これに比較して我が国のこの視点での研究は少ない。

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 製造技術は、設計技術との依存性を高めることで、より高度な要求に応えられる技術へ進化する。製造技術においても、設計との境界の変化を理解した取り組みが必要である。

5‐5.米国の市販EDAツールの支配

 現在、市販されているEDAツールの殆どは米国のEDAベンダー製のツールである。

 現在の我が国のEDAツール事情については、次の記述が端的に状況を表していると思われる。「90年代に入ってから、日本の産業界では自社内でのEDA技術の研究開発をあきらめ、欧米のEDAベンダーのツールを用いて設計を行っている。短期的に見ると外部から導入する方が低コストで設計環境を整備できる可能性が高い。しかし、長期的・戦略的に考えると、その“つけ”は大きい。・・・中略・・・EDAツールは単なる道具ではなく、その道具を作った人の設計手法を具現化しているので、その道具を作った人の設計手法の正しい理解なくしてその道具のよさを最大限に引き出すことは難しい。したがって、我が国の設計力を強化するためには、EDA技術の研究開発を続ける必要があろう。」20)「設計技術」は、EDAツールの開発とその使用上での問題解決活動の繰り返しで進展する。しかし、我が国では、企業は、一部を除き配線設計のEDAツールの研究開発をもはや行っていない。理由は、研究開発に要求される人的パワーが巨大化し、対応ができなくなったからである。企業での開発がなくなるにともなって、大学での研究も極めて少なくなった。この状態が続いて現在を迎えている。市販EDAツールへの過度の依存は、「設計技術」の弱体化、無力化を招く。

 市販EDAツールに依存する場合でも、単に購入すれば設計ができるほど容易ではなく、設計対象への整合、企業内での設計文化を生かした選択が必要になる。優れた市販EDAツールの選択にはEDAツールの良否の判定が鍵となる。実際の運用を通した活用の目、継続したベンチマークによる評価の目、開発経験から来る技術の目の養成が重要である。かつてEDAツールを開発してきた人材が、現在は、市販EDAツール選択時の目利きやEDAを教える役割を担っているが、そうした人材さえも減少しており風前の灯の状態となっている。

 配線設計がこれから益々複雑化してくる状況下で、この状況は危機的である。

5‐6.ノウハウの保護について

 製造工程での製造装置の使い方に関して装置レシピ特許というものがある。半導体製造装置の制御技術を、従来のような「製造方法」の特許ではなく、装置レシピ特許という「物」の特許として権利を取得する方法であり、使用法のノウハウに対する強力なガードになる。装置レシピ特許とは、「実質的には製造装置の制御方法に関する特許であるが、制御方法の内容をプログラム又は記憶媒体、記録媒体という末尾として、制御装置の制御方法をソフトウエア化した特許」である。今、ファンドリ企業は製造装置の制御方法をソフトウエア化した装置レシピ特許として取得することに力を入れている。今まで、我が国の半導体デバイスメーカーは、製造装置の使い方の法的保護については、無防備に製造装置メーカーに渡しているということはなかったろうか3)

 同様なことはEDAツールの使い方にも当てはまるのではなかろうか。我が国の半導体デバイスメーカー、コンピュータメーカー等のEDAツールのユーザは、EDAツールの使い方の法的保護について無防備にEDAベンダーに渡しているということはなかったろうか。ノウハウを無償で提供していたことはなかったろうか?

 EDAツールの実際の使用面では、様々な使用上のノウハウが要求される。いかなる優れたEDAツールであっても未完成であり、この機能不足を補うものがノウハウである。EDAツールに対するEDAベンダーへの問題提起、機能追加要求はEDAツールを育成し、その結果、EDAツールはより良いものになっていくが、その育成されたEDAツールは世界に流通されることになる。この様な形で、無意識のうちにノウハウが流出してしまう。

 特に製造関係のノウハウには機密事項が多く、設計と製造の融合では一層の法的保護が必要となる。

6.今後の対策と提言

 前記したように、「配線問題」の解決に向けては、「製造技術」と「設計技術」のバランスある発展が必要になる。今、微細化が進展し設計に大きな変化が起こっている。配線遅延時間を遵守した「タイミング問題」と製造歩留まりを考慮した「設計と製造との融合」がそれであり、共に「配線問題」に起因するものである。先端技術の開発には、まさに「すりあわせ」の技術開発が必要な段階になってきている。これは世界的な課題であり、ファブレスとファンドリ・ビジネスという分業体制では特に大きな課題になっている。EDAツールの進歩は目覚しいが、この様な設計の複雑化のスピードには追いついてはいない。そのため、今こそ、我が国の「製造技術」の強さを生かした「設計技術」を生み出せるチャンスであるとも言える。以下では、将来の配線問題に備えた「設計技術」の強化に向けた推進策を提言する。

6‐1.配線設計の強化に向けて ―核となるEDAツールの開発(産官学連携の長期的視点での提言)―

 上述したように、「タイミング問題」と「設計と製造との融合」領域は、本来は、我が国の強さを発揮できる領域である。もし、核となる機能部分を自製EDAツールによって開発できれば、EDAツールはもとより、開発されるLSIの優位性につなげることができる。また我が国が強いと言われているデジタル情報家電、自動車、そしてロボットなどの製品において、その実現の鍵となる「アナログRF混載設計」の領域は、EDAツールが未だ不十分の状態である。こうした部分へのいち早い注力により、LSI製品の優位性も確保できるだろう。自製EDAツール開発を通して、設計ノウハウと技術力の蓄積、継承、そして保護を行うべきである。以下にその具体的推進方法を述べる。

(1)「製造技術」を活かす先行的な設計手法とEDAツールの開発

 先端技術開発へ向けた製造技術との「すりあわせ」での設計技術の開発では、まず、設計手法の開発が重要であるが、設計手法の開発のためには遵守すべき設計ルールの決定が必要である。そこでは、設計と製造が共に歩み寄った設計ルールの設定が必要であり、いたずらに他方へ制約を強いるものであってはならない。そのためには、設計ルール採用による投資効果を定量的に把握できることが必要になる。すなわち、どのような配線パターン制約が、歩留まりやタイミングへどのように影響するか、という効果の把握である。ここが不明確のままでは、設計と製造の融合は掛け声だけに終わる。設計手法は設計フローとして具現化され、その設計フローを最適に実現するEDAツールの要求仕様が決定され、自製EDAツールの開発へとつながっていく。既存の市販EDAツールへの依存だけではこの様な設計手法の構築は難しい。3章では配線技術研究の新しい動きを述べたが、こうした最先端の研究開発を遅滞なく進めるためには、新しい設計手法とEDAツールのタイムリーな先行開発を進めるべきであろう。また製品優位性を確保できる領域を見極め、それに向けて先行したEDAツールの研究開発が有効である。

 なお、ここでは「設計技術」の中で「配線問題」に直接関係する配線設計に焦点をあてたが、システム設計、論理設計、テスト設計は、設計生産性、設計品質の向上に重要な役割を果たすため、それらの基盤たるEDAツールに対しても強化が必要と考えられる。

(2)異研究領域のコラボレーション

 EDAツールの開発にあたっては、設計と製造の知識、微細化の進展で接近しつつある物理限界への対応としての物理法則や原理などの基本的な知識などが求められる。専門化が進んだ現状では、これをすべて一個人に求めるのは難しい。そのため、異研究領域のコラボレーションが重要になる。設計・製造の研究者・技術者、そして製造装置メーカーも含めた連携と情報共有も必要である。製造装置メーカーからの課題解決提案を、EDAツールへ反映できれば、大きな発展が望めるだろう。

 また、シリコンとナノテクノロジーの研究者によるコラボレーションも必要になる。例えば、配線設計の事例ではないが、高・低誘電体材料の解析への計算科学技術の研究21、22)やプロセス開発の基盤としてのTCAD(Technology Computer Aided Design)も進化している。微細化は既にナノの領域に突入しており、今まで分離していたこうした技術領域が接近しつつあり、これらが重なる領域には革新的なLSI開発環境の実現も考えられる。異研究領域のコラボレーションは、積極的に推し進めていく必要がある。

(3)開発推進に向けた体制作り

 この分野は、企業での実際の設計・製造現場での意見の反映無しには具体的な成果は期待できない。そのため、開発の推進体制は企業主体のコンソーシアム形式にならざるを得ないだろう。大学の研究者には、このようなコンソーシアムへ積極的に参画し、科学的知見と理論面からの貢献を期待したい。コンソーシアムの成果は、メンバー企業が持ち帰り、各企業の個別要件を追加して活用することになろう。企業間協業でのノウハウの共有化については、メンバー企業内に閉じるもの、公開して広く標準化を狙うものなど委員会を設置し協議して決めていくのが望ましい。

 企業と大学の協力体制の推進では、大学の研究者へのモチベーション向上が課題となる。研究の中には企業秘密として開示不可を選択する場合もあり、大学で評価される論文数には貢献できない場合も生じうる。モチベーションの向上に向け、論文、特許以外の評価(例えば、産学連携による研究資金調達額など)の設定も必要となろう。しかしながら、世界に目を向ければ、既に多くの大学の研究者が設計の分野で活躍し、多くの論文が大学から発表されているという事実があり、このような問題が我が国で解決できない訳はなかろう。

6‐2.「製造技術」と「設計技術」のバランスある先端化にむけて

(1)積極的な知財活動の推進(産業界に向けた短期的視点での提言)

 「設計と製造の融合」という領域では、製造で生じる欠陥(ゴミによる欠陥、プロセス欠陥、リソグラフィ欠陥、ランダム欠陥など)を、設計のどの段階(論理設計、配線設計など)で盛り込むかによって、解決法に複数の組み合わせが考えられる。この解決法は、歩留まりに直接影響するため、ビジネスに直結する知財価値の高いものである。ここでは、特許か、企業秘密かを区分けした知財方針の選択が重要である。配線パターンのように目で見えて侵害判定が容易なものは特許に、製造歩留まりに関係する情報や解析手法などは侵害判定不能のため企業秘密にする、といった区分けを明確に行なうことである。企業秘密とする場合には、門外不出を確実に行えるセキュリティシステムの完備も必須になる。

 実は、設計ノウハウの保護は、6‐1で述べたような自製EDAツールの開発だけでは解決しない。実際の設計現場では、市販EDAツールの選択的な活用と、核となる機能部分の自製EDAツール化の併用によるLSI設計フローが構築され、運用されるだろうからである。市販EDAツールを活用する場合には、ノウハウの価値を意識し、これを積極的に保護する方策を採るべきである。EDAツール使用にかかわるパラメータ設定や使用法を、装置レシピ特許のようにプログラム化し、「物」として管理することも検討すべきである。そして、侵害判定の容易化を意識したグラフィカル・ユーザ・インターフェースを取入れることなどの工夫が必要となろう。このように、ユーザとしての立場も生かし、ノウハウの戦略的活用を図るべきである。

(2)ターゲットの明確化(政府が行なうべき中長期的施策)

 「製造技術」と「設計技術」の先端化に向けては、既に様々な研究が行われているが、それらの力は、結集することではじめて革新的な技術が実現される。研究のベクトル合わせが必要であり、そのためにはターゲットの明確化が必要である。特に、波及効果の大きいターゲット設定が必要になり、政府は、このターゲットの明確化に力を注ぐべきであろう。そして、ターゲットを実現する要素技術開発に積極的に支援を行い、要素技術を生かした応用開発を企業で行うというサイクルを目指すべきであろう。

 現在、高速化と低消費電力化は別課題として捉えられており、特に、情報家電向けの低消費電力化に力点が置かれている。しかし、本来、将来のLSIは高速化と低消費電力化は別問題ではありえない。高速化への対応も必要である。例えば、携帯電話では多機能化の進展に伴い、高性能化の追求も盛んに行われている。また、自動車では半導体部品の採用が急激に進展しており、自動車用部品では、厳しい環境条件下での高性能化への要求が非常に高くなっている23)。現在、NEDOなどから示されているロードマップは低消費電力LSIに向いているが24)、高性能化を視野にしたロードマップ作成にも期待したい。

 高速化への対応として、今後のスーパーコンピュータで用いられる高速CPUをターゲットにした「製造技術」と「設計技術」を開発していくことは、Pre-Competitiveな研究領域におけるベクトル合わせという意味でひとつの候補と考えられる。過去にもスーパーコンピュータ開発に伴った先端技術が追求され、その成果が商用システムやCMOS LSIの開発に使われた経緯がある。EDAツールについても、タイミング問題への対応など今日の微細化で直面している問題に対して、スーパーコンピュータ設計で生まれた技術が多く生きている。

 また、アナログRF混載設計領域をターゲットにした「製造技術」と「設計技術」を開発していくこともベクトル合わせの候補になりうる。ここでは、厳しい電力制限のもとでの高性能化の追及を特徴としており、極めて高度な技術が要求される。

7.おわりに

 ここでは、シリコンエレクトロニクス領域での具体問題としてLSIの「配線問題」を取り上げ、配線問題の改善に大きく影響する配線設計の課題を明確化し、将来の配線問題に備えた設計技術の強化の必要性を述べ、その推進策を提言した。この領域はシリコンエレクトロニクスでの我が国の研究水準を復活上昇させるポテンシャルを持つと考えられる。特に、EDAツールにはノウハウが集約されるため、EDAツールの技術開発は重要であり、LSI開発力の強化に向けて必須の研究開発課題である。

謝 辞

 本稿の執筆にあたって、広島大学 ナノデバイス・システム研究センター 岩田 穆センター長、東京工業大学統合研究院 益一哉教授、東京工業大学精密工学研究所 大嶋洋一客員教授、京都大学大学院 情報学研究科通信情報システム専攻 小野寺秀俊教授、中央大学 理工学部 電気電子情報通信工学科 築山修治教授、(株)半導体理工学研究センター(STARC)下東勝博社長、同 研究推進部 平田雅規上級研究員、(株)東芝 研究開発センター 先端機能材料ラボラトリー 伊藤聡研究主幹、同 LSI基盤技術ラボラトリー 加藤弘一研究主幹、日本電気(株) コンピュータ事業部 片桐勝LSI技術エキスパート、(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構 電子・情報技術開発部 五十嵐泰史主査ほかの皆様から、ご意見、資料の提供などのご協力を頂きました。ここに関係の皆様に厚く御礼申し上げます。


参考文献

1) http://www.nistep.go.jp/achiev/ftx/jpn/rep097j/pdf/rep097j07.pdf

2) International Technology Roadmap For Semiconductors 2003 Edition Interconnect

3) 平成15年度特許出願技術動向調査報告書 LSIの多層配線技術(特許庁、平成16年3月)

4) LSI配線の解析と合成 ディープサブミクロン世代のLSI設計技術(C.チェン他、小野寺秀俊監訳、培風館)

5) SiCMOSオンチップ伝送線路配線(益 一哉、2005年電子情報通信学会エレクトロニクスソサイエティ大会)

6) オンチップ伝送線路配線による回路性能向上予測(上薗他、DAシンポジウム2005)

7) 脳型情報処理システムのための視覚情報処理プロセッサの開発:http://jstore.jst.go.jp/image/research/pdf/R03/R030000146.pdf(小柳光正)

8) A 3D Integration Scheme utilizing Wireless Interconnections for Implementing Hyper Brains (A.Iwata他 ISSCC 2005.2)

9) A 0.95mW/1.0Gbps Spiral-Inductor Based Wireless Chip-Interconnect with Asynchronous Communication Scheme(M.Sasaki他 Symposia on VLSI Technology and Circuits 2005.6)

10) A 195Gb/s 1.2W 3D-Stacked Inductive Inter-Chip Wireless Superconnect with Transmit Power Control Scheme(N.Miura他 ISSCC 2005.2)

11) エレクトロニクスの限界を打破するSiナノフォトニクス(大橋啓之、NEC HPC研究会、2005年7月)

12) http://www.intel.co.jp/jp/intel/pr/press2005/050217.htm

13) http://fcrp.src.org/member/centers/int/about.asp

14) SEMATECH's Idea-to-Market Strategy(A. Oscilowski The Second Annual IP Innovation Symposium 2005.11)

15) http://www.nedo.go.jp/informations/koubo/171013_1/171013_1.html

16) http://www.nedo.go.jp/nedopost/h18_3/data/18np3-ele1-a.pdf

17) 2.16GHz SPARC64マイクロプロセッサ設計用タイミング・レイアウト設計手法(伊藤則之他、DAシンポジウム2005)

18) 半導体LSIのできるまで(日刊工業新聞社)

19) 設計から見たDFMに関する提言(下東勝博 半導体界面制御技術第154委員会、第51回研究会資料、2005年10月)

20) システムLSI開発の現状と課題(2005システムLSI技術大全、電子ジャーナルp.32)

21) 第一原理計算によるHigh‐k膜解析(2005年半導体MIRAIプロジェクト成果報告会資料p.142、2005年10月)

22) 計算材料科学によるナノ材料設計と産業応用(物質・材料研、大野隆央、計算科学技術シンポジウム、2005年9月)

23) 自動車がマイコンやセンサーの塊に ハイブリッド化が車デバイスの進化を促進(藤川東馬、日経マイクロデバイス創刊20周年 特別編集編、2005年10月)

24) 電子・情報分野の技術ロードマップ(C新エネルギー・産業技術総合開発機構、2005年4月)

略語のフルスペル

CMOS:Complementary Metal-oxide Semiconductor

DRAM:Dynamic Random Access Memory

DRC:Design Rule Check

EDA:Electronic Design Automation

OPC:Optical Proximity Correction

RF:Radio Frequency

SEMATECH:Semiconductor Manufacturing Technology Institute