[特集1]
読み書きのみの学習困難

(ディスレキシア)への対応策

ライフサイエンス・医療ユニット 石井 加代子


1.はじめに

 脳の研究が進むにつれ、ヒトに普遍的に備わる機能の解明とともに、個々人の機能の多様性を解析する事も可能になりつつある。総じて健常な脳機能を有し、自立して生活することの出来る人々にも、特定の作業が困難で他の人に比べて多大な努力を要する事があり、このために不利な状況に陥る危険性がある、という捉え方が広まっている。小学校の教室を思い返した時、普段会話をしているときは流暢に話す事が出来、発想が豊かであるにも関わらず、教科書を音読するように指名された途端しどろもどろになったり、内容に関する質問になかなか答えられなくなったりする級友が居た事に思い当たる人も少なくないはずである。中学以降での英語の音読でも然り。年齢とともに、音読することを求められる機会は減るが、このような児童・生徒や学生の多くは発達性難読症(Developmental Dyslexia、本稿では以下ディスレキシアと略す)を有す可能性があり、文章の読み書きが遅く、読み間違いや飛ばし読み、綴り違いが多いという困難が一生続いている。黙読も含め文章の読み書きは、学校教育や多くの職場での作業、職能向上に重要な地位を占めているため、他の能力が正常或は優秀であっても、読み書き障害ゆえに、その才能を発揮し促進する機会を失う危険性がある。又、このように自分の才能を活かせず、周囲から才能や意欲が無いと誤解される事が、自信喪失・不安・重圧・疎外感につながり、心身症や学校・社会からの離脱を引き起こす可能性も指摘されている。

 児童が初等教育を開始する際、読み書き障害を早期に発見し、適切な時期に必要な処置を施すことにより、出来得る限り通常の教育環境で学習し、持てる能力を伸ばし、満足のゆく生活を送る事が出来るように支援する体制を整える必要がある。そのため、(1)早急にディスレキシアの日本に於ける現状調査を実施し、(2)原因、症例、精度・感度の高い早期診断方法に関する研究や、障害を持つ人々を支援する体制・教材に関する研究開発を推進する必要がある。

2.ディスレキシアとは何か

2‐1.定 義

 “ディスレキシア”とは、知能障害や感覚・運動障害、注意力や意欲の欠乏、家庭や社会的要因による障壁が存在しないにも関わらず、神経学的基盤の発達障害によって、読み書きの修得のみに困難を示す障害の事である(補記)。脳科学や臨床医学・心理学では、developmental dyslexia及びその訳である発達性難読症やディスレキシアが古典的に使われてきた。近年、様々な視点から、発達性読み書き障害やディスレクシアなどが使われている。「今後本人や家族が日常使うには、簡便で“障害”などを強調しない呼称を用いるのが望ましい」という観点から、本稿では敢えて“ディスレキシア”と記す。いずれ、有識者を募って社会的通称を定める事が有用である。

《補 記

●国際ディスレキシア協会(IDA)の定義

 dyslexia:(全訳)ディスレキシアは、神経生物学的原因による特異的な学習障害である。単語認識の正確さと流暢さの一方或は両方の困難、綴りとデコーディング(文字記号の音声化)の達成度の低さによって特徴付けられる。これらの障害を引き起こす典型的要因は、通常他の認知能力や有効な教授内容から期待される水準と格差のある、言語の音韻要素に関する欠陥である。二次的に、読解の問題や読書行為の減少を引き起こし、語彙や基礎知識の拡充を妨げる可能性がある1,2)

●世界保健機構の定義

 特異的読字障害Specific Reading Disorder:(概略)読字力の発達の顕著な特異的障害を主徴候とする。単に精神年齢、視覚障害の程度、或は不適切な学校教育によって説明され得ない。読みの理解、読みによる単語認知、文字の読み上げ、及び読みを必要とする課題処理、などのいずれも障害される可能性がある。綴りの困難が伴うことも多く、読字がかなり改善した後でさえ、青年期に入っても持続する事が多い2)

 この他米国精神医学会の診断基準(DSM‐IVTR)が、日本でも用いられる事がある。

●読み書きに限って何故?

 現存のヒトが出現したのは25万年前頃。言語能力の基盤は同時期に形成されている。遺伝情報解析の手法を応用して、派生言語間の類似性を解析する事により、印欧語は7,800~9,800年前のアナトリアの言語から派生したと推定され7)、源語の起源はそれより遥かに古いはずである。洞窟の壁画に認められる最古のシンボル使用(記号化・符号化)や多様な技術発展の起こる5万年前頃迄には、現時のような音声言語が発展していたと考えられている8)。文字言語の出現、即ち「音声言語を記号で表し(書字)、この記号を音声言語に変換する(読字)」という行為の始まりは、3,000年前の甲骨文字や5~6,000年前のメソポタミア文字出現よりも大きく遡らないだろう。読み書き能力の歴史は、かくも短い。これまで、文字を持たない民族は存在したが、いくら密林の奥深く分け入り、離れ小島を訪ねても、話し言葉を持たない民族は、見つかったためしは無い。ひとたび人の世にヒトとして生れ落ちれば、重篤な障害が無い限り、独りでに言葉を話し始める。音声言語は生得的な能力であるが9)、読み書きはいかなるヒトも、意図的な訓練によって熟達化しなければならないという歴然とした差があるのだ。

2‐2.有症率

 先天的に神経学的素因の発現する頻度には、国や人種による差は認められず、軽度の例を含めると、全人口の6~10%の人々が素因を持っていると報告されている3~5)。しかし障害のある人にとっては、音韻と綴りの関係が不規則な言葉が特に読みにくいので、使用言語が不規則表記を含む度合いが高いと、学習過程における言語獲得の困難として顕在化する程度が高い。日本語は、仮名の規則性が高く、読み方が分からなくても漢字から意味が推測される事があるため、ディスレキシアは他言語に比較すれば顕在化し難いが、網羅的検査は行なわれていない。2都市(人口40万人と5万人)の3つの公立小学校(1~6年次)の調査でディスレキシア顕在化率は、音読に関し、平仮名1%・カタカナ2~3%・漢字5~6%、書字では平仮名2%・カタカナ5%・漢字7~9%となっている6)

2‐3.読み書き障害内での位置

 先ず、ディスレキシアは読み書きが出来るが、遅く・間違いが多い兆候を示し、完全に読字能力を欠く失読症状とは区別される。

 語源的には(dys+lexia)、読字の困難を指す。一度言語能力を獲得した後、脳梗塞・外傷・腫瘍などによって読み書き能力が障害される後天性(獲得性)難読症では、局所的損傷の場合、読みの障害のみが出現する事がある。損傷部位が広い症例に対しては、脳機能の局在と損傷箇所の関連を詳細に調べて、複合的症状を各要素にわけて検討する動きが早くから広まっていた10)。治療には、専門医の他、後天的難読症専門の言語聴覚士が関与している。一方、発達性のディスレキシアでは、程度の個人差はあれ、読字・書字・字に関する記憶や想起に障害を来たす。脳の発達過程で、言語特異的な神経回路の形成は、言語に晒される以前の胎児期から既に始まっているが、ディスレキシアの場合、先天的要因によって、読み書きに関与する神経形成が選択的に不全となることが原因である。近年、ディスレキシアに関しても、障害部位と症状の様相の関連付けに関する研究が進められている。治療には医師(小児・小児神経)の他、発達期専門の言語聴覚士が関与する。

 注意欠陥/多動性障害(ADHD)や高機能自閉症でも、(1)読み書きの基盤となる神経回路の発達が障害されている事が多く、この場合多様な病相の一部として読み書き障害を示す、(2)或は、注意力の欠損や、言語を含めた他者との相互作用に対する無関心によって、二次的に読み書きの習得が妨げられる場合がある。下記の現状を鑑みて、早急にディスレキシアの実態調査をし、他の障害との診断・支援方法の区別を明確にし、臨床・教育場面での正確な知識の普及を徹底する必要がある:

(1)行動や社会性に問題を示す自閉症やADHDの児童、および聞く・話す能力に障害のある児童に大人の注意が集まりがちで、一見静かで社会性や会話の問題の無いディスレキシアは、支援を必要とする事が見逃され易い。

(2)日本ではディスレキシアが未だ一般に良く知られておらず、自閉症やADHAと混同され、不適切な対応を受ける危険性がある。

(3)ディスレキシアは有症者が多く、読み書き困難のある児童の中でも半数以上を占める。

(4)一方、早期に適切な支援を開始すれば、児童はADHDや自閉症に比べ比較的容易に通常授業に同調できる。

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2‐4.症 状

 ディスレキシアの人々の示す症状は、一様でなく、個々人ごとに苦手の様相や程度が異なる。読字では、流暢さの欠如・飛ばし読みなどの兆候が見られる。書字では、鏡像文字・字体の変形・創字・見たばかりの字形の想起困難・黒板の字の書き写し困難が認められる。一般に平仮名、カタカナ、漢字の順に難易度が増す。数字も仮名と同様に、鏡像文字や変形、無意味字を生じ、読み間違いを起こす事がある。数学本来の、推論や論理操作は正常であり、優秀な事もある。

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2‐5.検査方法

(1)心理検査

 現在、一般的な心理検査法や失語症検査法を用い、総合的に「視聴感覚や運動機能に全般的障害はなく、言語の中でも読み・書き項目だけに困難がある」ことを判断している。ディスレキシア特異的に開発された検査はなく、日本の状況にあった検査方法の開発は有意義である。

(2)学力検査

 通常、実学齢よりも1~2年低学年の文字や数字を用いて、読みと書きとり、図形の模写の能力を検査する。ディスレキシアの場合2学年前に習得しているはずの字でも間違いが顕著に多く、正解率に差がない場合も、顕著に長い時間を要する12)。現在日本では、検査に用いる平仮名・カタカナ・漢字の標準が無い。研究や健診、診療等に共通の基準を用いるため、標準検査文字の種類と提示方法を制定する必要がある。

2‐6.経 過

(1)幼児期

 一般に子供は4歳程度から、文字に興味を示し始める。ディスレキシアの幼児は、読み聞かせや絵には興味を示しても、印刷物や文字に興味を示さないという兆候を現している。スウェーデンでは、遺伝的にディスレキシアを発症しやすい幼児(後述)と対照児を、誕生時から就学期まで追跡調査する研究が実施され、早期に発見する為の指標が検討されている3,13)。又、3歳半頃から兆候が見られるという知見も得られている14)

(2)就学期

 日本では、現在多くの児童が、小学校就学時(6歳)には既に平仮名を読み、6割がた書く事が出来る15~17)。小学校への就学時健診は、ディスレキシアの可能性のある幼児を発見し、通常学級への就学に備えた支援を始める好機である為、検査体制の整備を検討するべきである。読み書きの苦手は早期から現れているが、小学校低学年では、学習内容が未だ単純なことと子供の努力により、軽度ならば一見問題点が目立ち難い。読み書きに顕著な支障が無いにも関わらず、算数が出来ない、或は文章問題だけ解きづらいという徴候として目にとまる例もある。このような児童の学習能力の不均衡に関して、教師や親による発見を促進するため、留意事項の資料作成と普及が有用である。

(3)小学高学年

 小学3年次頃から、習得すべき漢字の数や抽象度が増大し、学習内容が複雑になるため、沢山練習を繰り返す等といった子供自身の努力では解消できなくなり、問題が増加する。又、10歳頃になると、自分と他者の能力を比較して自己評価し、自分の才能や嗜好を勘案して将来の自己像を思い描くようになる。読み書きの遅れを自覚したり他者から指摘されたりすると、自信喪失や将来への不安を招く可能性が出てくる18)。10歳の子供が「自分は読み書きが出来ない・頭が悪い」と思い込んでしまったら、現在の日本で「大人になって成功している自分」を想像できるだろうか? 日本の大学医学部で唯一、LD(学習障害)施設を設けている大阪医科大学では、学習障害としてディスレキシアが来院するのは、殆ど小学校の1~3年次である。ディスレキシア自体の顕在性の増す高学年の児童は、何故学習障害医療を訪れないのだろう? 「読み書きの問題よりも心身症の問題の方が重篤になっていて、心身症医療に来院している(鈴木 周平医師)」のである。比較的重度のディスレキシアにとっては特に、小学校低学年での適切な支援が必須である。

(4)中学校

 英語は音韻が複雑であるうえ、不規則な表記が多く、ディスレキシアの人々にとっては困難な視・聴覚的処理を多く含むため、症状が顕在化し易い言語である19)。そのため、中学校で英語教育が始まると、「日本語による授業では(一見)問題が無いのに、英語の学習が進まない」という徴候として現れる。これは日本だけの現象ではなく、日本語同様に表記と音韻の乖離が少ないイタリア語使用圏でも生じる。現時点で日本の英語教師の殆どは、ディスレキシアの存在さえ知らない。更に英語学習の遅れを克服しようと生徒・学生が門戸を叩く英語塾でも、ディスレキシアに関する知識は普及していない。英語教育に関与する人々が早急にディスレキシアの問題を把握し、英語圏の状況を参照して、支援体制を整備する事は必須である。

 一方、日本語での学習に於いても、他の子供に比べて読み書きに多大な労力を割かなければならないため、意味内容の読解や語彙・知識の増大が妨げられている20)。この影響による他者との格差が蓄積し、中学以降では軽度のディスレキシアでさえ、二次的に学習の遅れる危険性が増す。

 数字についても読み書きの困難な児童もいる。しかし、数学の本質である、論理操作や推論は本来、ディスレキシアでは阻害されず、むしろこの分野に優れた才能を示すディスレキシアが存在する21)。脳科学の分野でも、数学的処理には2種の脳機構が関与している事が分かってきている。苦手な作業を支援するだけでなく、得意な作業を見つけて、その方面の才能を助長する、或は得意な作業を介して苦手な作業の遂行を促進する迂回方法を活用する事が重要である。

(5)高等学校以降

 試験では、所定時間内に問題を読解し、回答を書き記さなければならないため、読み書きの遅く間違いの多いディスレキシアは本来の力を提示できない。このため、入学試験や就職試験で不本意な結果に終わる事が多い。英国では、試験時間などの優遇措置がとられ、ディスレキシアの大学入学を支援している。しかし、大学での膨大な授業内容の処理や提出文章の作成に対応しきれず、離脱する学生もいる。情報の横溢する現代社会では、就職後も、多くの職場で多量の文章を正確・迅速に取り扱う事を要求され、ディスレキシアの困難は一生続く。

2‐7.ディスレキシアの原因

 心理・学習面での定義を表層的に捉えてしまうと、他の障害もディスレキシアに含めてしまう可能性があったが22)、脳神経学的研究により、生物学的基盤に関する知見が増大した。ディスレキシアの原因に関して未だ決定的な説は出ておらず、原因解明のため基礎研究の推進が必要である。

(1)解剖学的要因

 殆どのヒトで言語の優位脳は、左側脳半球に存在し、大脳皮質の言語野は右半球の相同部位よりも拡大している23)。言語野の左右非対称性は、胎生31週には既に観察され24)、言語能力生得説の根拠の一つとなっている。ディスレキシアの脳では、言語野の左右非対称性が減少している事が解剖学的にも25)、画像解析によっても26)観察されている。又、左脳半球の言語野を中心とした、大脳新皮質の微細な(幅0.2mm程度)構造異常の分布が報告されている27)

(2)生理的要因

 熟達者は意識しないで行っているが、通常の書字を言語として理解する際には、視覚情報を音声情報に変換しており、流暢な読文にはミリ秒水準の速い情報処理や眼球運動が必要とされる。感覚感受する段階から大脳段階まで、速い情報処理を行う大細胞性経路と遅い情報処理の小細胞性経路がある。ディスレキシアでは、大細胞性の経路が解剖学的にも情報伝達速度からも変化しているという説が多く提出されている28)

 通常、安静時に比べて読み書き作業時には、左半球の言語野の活動が活性化するが、非侵襲性脳活動画像解析によると、ディスレキシアでは読み書き中の言語野の活性化が小さいという知見が得られている(図表3b)29)



 心理学的にも、速い視覚・聴覚情報処理は、左脳半球が有意であるといわれているが、ディスレキシアの人々では、左脳の速い情報処理が不全であり、これは訓練により改善されるという説がある30)

(3)遺伝的要因

 ディスレキシアが家系的に出現するという事は、早くから指摘された。疫学的研究からは、複数の遺伝子が関与することが示唆された。フィンランド・英国・米国・カナダに、ディスレキシアの有症率の高い大家系が知られている。フィンランドでは、一般家系での有症率9%に比べ、有症家系内の有症率は34%となっている3)。又、一卵性双生児の両者が有症である確率は66%、二卵性双生児の場合43%である。有症家系と対象家系に生まれた子供の、誕生時から、正確に診断可能な年齢、更に学校での学習過程に至るまで、追跡調査が行われ、遡って対象群とどのような差がいつ頃から出現するか解析が行なわれている。近年の研究では、染色体1、2、3、6、12、15、18、Xに関与遺伝子が存在するという意見があり、6番、及び15番染色体の遺伝子座が特に重要視されている。各国の有症家系間で関与する遺伝子座に相違が認められる。日本では家系的ディスレキシア発現の解析は行なわれておらず、疫学的調査が必要である。

(4)原因では無い因子

 子供の怠け、注意力や意欲の欠如が原因ではないことは、テレビ番組や印刷媒体を利用して早急にあまねく一般市民に広報する必要がある。

 1960年代、親の育て方が原因という説が流行したが、以後否定された。但し、ディスレキシアの知識が十分浸透していない社会では、子供の読み書きが出来ないと、特に母親が罪悪感を抱き、子供の抱える障害を否定したり、客観的に対応できなかったりして、必要な支援の機会を逃す危険性があるため、親の感情にも配慮する事が重要である。教師についても少なからず同様な配慮が必要である。

 性別では、男子に多発との説が有ったが、最近は否定説もある。幼少時は女児の方が言葉の発達が早いため、平均より1~2歳言語発達が遅れているという基準のみで判断すると見逃す傾向がある。大学入学年齢では同程度、或は僅かに女性が多いという結果も出ている31)。但し男女で全く同じ経過を辿ると確定したわけではないので、個人差も含め慎重な解析が必要である。

3.支援方法

 教科書の読み上げ教材などは、ディスレキシアにとって非常に有用のみならず、視覚障害者などにも活用できるが、著作権の問題などから実用化が進んでいない。ディスレキシアの支援教材の開発を早急に推進する必要がある。

 英語教育では、日本語による学習の達成度と英語学習の能力に極端に乖離の有る学生にディスレキシアの可能性を疑って対応しなければならない。日本語に無い音韻処理を始め、英語圏での特別支援方法を研究して必要な事項を取り入れ、日本の英語教育に適した支援方法を開発する必要がある。

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4.発達障害支援政策内での位置

 2002年に「障害者基本計画」が閣議決定され、「学習障害、注意欠陥・多動性障害、自閉症などについて教育的支援を行うなど教育・療育に特別な必要のある子供達について適切に対応する」ことが指示された。2004年12月3日には、発達障害者支援法案が国会で可決され(2005年4月1日から施行)、国及び地方公共団体が、「自閉症、アスペルガー症候群とその他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害、その他これに類する脳機能の症害」など、知的障害の無い発達障害児に対しても、早期発見・発達支援を行なう責務のある事を明確にした。

 一方、文部科学省では、目下教育体制の改革が着手され、「2007年までに全小中学校において、学習障害の特別支援教育に対応できる事を目途に体制の整備を目指している」。ここで行なわれる特別支援教育は科学的根拠に基づいた教育である必要があり、これを支える科学研究を推進する事が重要である。

 文部科学省の「学習障害(LD)の判断基準(試案)」は、「聞く、話す、読む、書く、計算するまたは推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す」者を含む32)。ディスレキシアはこのうち、読む・書く能力に関わるものであり、計算能力にも影響する。脳・認知科学の分野では、読み・書きの他、数学のうち推論処理系と計算処理系の相違など、個々の能力の機構に関して、研究が盛んになりつつある。これらを新たな教育方法の科学的根拠として役立てるよう、計画的に推進する必要がある。

5.ディスレキシアに対する対応策

5‐1.現状調査

 日本では、ディスレキシアの実態が網羅的に調査されておらず、先ずはこれを行なう事が急務である。日本では、ディスレキシアの公式の定義も無い現状である。そこで、下記の事が必要である。

5‐2.広 報

 政府が、テレビ番組・印刷媒体・インターネットなどの報道手段を活用して、ディスレキシアに関する知識を普及し、支援の必要性を説得することにより、社会の理解を獲得する事が急務である。

5‐3.早期発見方法の確立

 就学前幼児の平仮名に関する読み書き習得は、年々早期化してきた(図表5)。現在、幼児の殆どは小学校就学前に平仮名を読み、6割がた書く事が出来る。入学時には、多少憶え間違いを示すが、通常1年次に修正される。ディスレキシアは、鏡像文字が多いなど特徴的な間違いを示し、これが通常の練習によっては修正されない。ディスレキシアに関する知識が社会に浸透していない段階では、就学時健診の段階で、ディスレキシアの可能性のある幼児を発見する事は技術的に可能であっても、保護者の心情面での準備情況を配慮すると容易ではない。そこで前段階として、小学校1年次の1学期末までに、読み書き学習の効果が上がらない児童を教師が発見し、『(1)発達障害の一部として、読み書きのみが苦手な児童が存在する事、(2)各地域の専門医で詳細な検査を受けられる事、(3)地域や非営利団体等のことばの教室で、相談したり、基本的な訓練を受けたり出来る事』等を記した印刷物を、保護者に渡し、注意を喚起するという手段が取れるだろう。このため、学校が地域の専門医・言語聴覚士・ことばの教室・関連NPO(非営利活動法人)などと連絡体制を整えておく必要がある。

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 平仮名習得の早期化の理由が、強制的な教え込みか、文字環境の整備か意見が分かれている16)。幼児期に強制的な教え込みの影響が大きいとすると、ディスレキシアの子供は幼児期に既に、精神的苦痛を感じている事は想像に難くない。子供の心の問題に関して、小学校のみならず、家庭や幼稚園・保育園での文字・数字教育の実情と幼児の心の発達への影響を調査する必要がある。

5‐4.医療現場で

(1)臨床医

 臨床医が、言葉の問題に接するのは、これまで大人の脳損傷後の言語の障害が殆どであった。こころの発育や学習など複合的な子供の言語の問題を扱う事の出来る、臨床医と医学研究者を育成する必要がある。そのため、医学部の学部に於いて、神経科学・認知科学・行動科学・心理学を系統的に教える講義を設置し、国家試験でもこれらの問題を取り上げる。医師免許取得後は、少なくとも小児科・小児神経科・小児眼科では読み書きの発達の障害やそれによる二次的問題を扱えるよう、研修する体制を整備する必要がある。

 小児の発達障害の診療及び支援には少なくとも一児童当たり1時間~1時間半を要する。ディスレキシアの場合、内容としては、心理学的検査・指導・カウンセルであり、投薬の必要はなく、医療報酬面では評価が低い。良い診療・指導方法が開発されても、経営上採算が合わなければ普及し難い。公立医療機関や民間病院でも、通常の医療経営の範囲内で、子供の心と学習の問題に対応できるよう、医療体制を検討する必要がある。

(2)言語聴覚士

 日本ではディスレキシア以前に、そもそも発達期の言語上の問題に対応できる言語聴覚士の数が少ない。現時点では、後天性難読・失読症の患者に接した経験のある言語聴覚士に、発達期特有の問題に関して講習を行い、協力を要請する一方で、読み書きの困難に由来する二次的問題に関する配慮も含め、脳や心理に関する知識を備えた、発達期専門の言語聴覚士を育成する必要がある。人材育成に関しては、現在実際的訓練を行なう場が極めて限られている。教育委員会や学校が、特別支援教育を推進する為に言語聴覚士の関与が必要であることを認識し、実習の場を提供する必要がある。

5‐5.学校で

(1)教師に対する研修体制

 2003年の「今後の特別支援教育の在り方について(最終報告)」33)で、教師に対する質問形式の調査ではあるが、読み・書き・計算に困難を持つ児童の存在が数値で示された影響で、2004年の日本LD(学習障害)学会大会では、読み書きに関する発表がいくつか現れた。LD学会は、特別支援教育士(LD・ADHD等)の研修認定を行なっており、国立特殊教育総合研究所や先端的研究拠点から発せられる知見を踏まえて、特別支援教育士の質と数を拡充することは有用である。また、各地域内での連携を計るため、教育関係者・医師・言語聴覚士のみならず、科学者を交えた研究会を、継続的に開く事が有用である。

(2)翻訳科学

 科学技術研究の発する知見を、専門外の一般教師が理解し利用するため、翻訳科学の促進と、実施者の育成が重要である。大学の教育学部、或は生命科学・医科学部門の大学院に育成課程を設置する事が効果的である。また、文部科学省の推進により大学院学位取得者が増加したが、この中から、実験研究従事よりも科学著作・啓蒙などの分野に適正を示す人材を選んで採用することも有効である。

5‐6.社会的整備

 発達障害者支援法では、放課後の学童保育の充実を促している。各地方自治体に「ことばの教室」が設置され、子供の話しことばの発達を支援している。ディスレキシアの子供は、読み書きのみが困難で、話し言葉は正常、或はしばしば流暢・豊饒であるため、ことばの教室で受入れを断られる事が多い。ディスレキシアに関する理解の進んだ一部の都市では、ディスレキシアも受け入れており、全国的に波及する必要がある。この他、専門家は、親の会や関連NPO(非営利活動法人)への知識供与と同時に、当事者の問題意識34)、の掌握(需要分析)に努める必要がある。

(1)イギリスの支援体制

 国語である英語で障害の顕在化し易い英国では、1970年代初頭から、ディスレキシア支援を行なうNPO(非営利活動法人)が存在し、知識の普及、子供や成人に対する個別、或いは小集団規模での特別支援教育、専門教育者の育成、支援方法の開発にあたっている。又、企業が製品を開発する際など、人口の一割を占めるディスレキシアにとって使い易い仕様にするため、助言を行なっている。ディスレキシアに対応した特別教育を行う設備・体制を有すると認定された私立学校学が存在し、公立校でも特別支援教育が拡充している。英国では有症児童は全体の10%としているが、3%程度が、認定士によって特別支援教育の必要有りと認められ、学校に政府補助金が支給される。但し、高額の認定料は保護者の負担であり、保護者が認定料や私学の学費を払える児童ほど手厚い支援を享受する傾向は否めない。2003年10月には、ディスレキシアが法的に障害者として認められ、生涯に渡って充実した支援を受ける権利のある事が、法的には保障された。

 基本的に学校では、IEP(Individual Education Plan:個々の児童に適した個別の教育計画)を作成し、それに即した指導を行なう。学校内にSENCO(Special Educational Needs Coordinator)が存在し、児童の状態を見ながら、担任・特別支援専門教師・言語聴覚士など複数の支援者間の調整と方針の検証を行なう。

(2)スウェーデン

 福祉の進んだ北欧でも、早くからディスレキシアに対する対応策が進められた。スウェーデンでは、1990年代初頭に国立の障害児教育研究所が設立され、支援教材の開発・製造・普及・使用法の指導・一般の教材製作者に対する助言を行ってきた。活動基盤が整った2001年には、国立機関から特殊教育学会へと移行している35,36)

(3)シンガポール

 シンガポールで注目すべきことは、ケンブリッジ大学法学部を2学科主席で卒業し、1959年から1990年まで総理職、現在も顧問相の任に当たって、普く国民に知られ信頼を得ている、李光輝(LEE Kuan Yew)氏が、60歳を過ぎてからディスレキシアの診断を受けて、1996年自らディスレキシアであることを公表し、更にNPOによるディスレキシア支援活動に私財を投じている事である。このためシンガポールでは、急速にディスレキシアに関する知識が社会に普及し、本人の羞恥心や周囲の人々の偏見を払拭し、支援体制が整ってきた。確かに、シンガポールでは国家規模が小さく、LEE氏を中心とした施政者の権限が絶大という、特殊な事情がある。しかし、日本でも、国が確固たる指導力を発揮して、ディスレキシアに関する知識の普及と支援体制の整備を推進すれば、シンガポールのように、急速に体制を整える事も不可能ではない。

(4)フィリピン

 フィリピンでも、逼迫する国家財政のなか、ディスレキシアの子を持つ親の設立した非営利団体が、比較的財政の豊かなカソリック系大学運営陣を説得し、特別支援教育と教育者育成を実施している。非営利法人の代表曰く、「財源が乏しくても、出来る事はある。」

 

5‐7.科学技術研究の推進

 ディスレキシアは「神経・生物学的原因による」事が明白であり1)、全容の解明と、特別支援教育への科学的根拠提供のために、神経生物学的研究の促進が必要とされる。又、遺伝的に言語機能に特異的障害を生じるディスレキシアの機序を解析する事は、言語能力の遺伝的背景、言語の起源、言語の生物学的基盤を解明するための有力な手がかりとなる。

 ディスレキシアの大脳言語野における左右非対称性の変化や、局所的構造異常に関しては、20年前から記述されているが、その発生機序に関する解析は進展していない。一方日本では、突然変異動物やヒトの滑脳症(大脳の皺が無くなる特徴を示す脳の形成不全)の解析などに端を発し、大脳の神経細胞形成・細胞移動・層構築・特異的神経回路形成などの課題に関し、先端的研究が行われている。これらの研究が、最終的にヒトのどのような具体的高次精神機能の解明を目指すのか、未だ明確にされていない。ディスレキシアの原因解明を介して、言語能力など高次機能の機序を解明する事は、極めて有意義なことである。

 正常な脳の形態は、発生初期の神経細胞の過剰生産とその後の系統立った自然細胞死によって形成される。解剖学的解析から、ディスレキシアで右半球が通常よりも拡大しているのは、右半球での自然細胞死の減少によると推測されている37)。近年、特異的遺伝子発現による脳内の区分形成や、細胞の自然死の機序に関して、詳細な研究が進んでおり、脳の左右非対称性や機能局在の解明につなげる研究推進が期待される。

 言語は現生のヒトにおいて、突然出現したものではなく、他の動物と共通に持つ様々な機能の組み合わせを含んで発達したという考え方がある。現在日本では、サルの視覚・聴覚の認知機構に関する研究や、鳥の音節学習の神経機構に関する研究が進んでいる。これらの研究や、正常な言語能力発現に関わる遺伝子の解析によって、言語の生物学的起源・基盤を解明することは、有用なことである。ヒトの認知・神経機序に基づいた最適な言語情報の作成・伝達・提示方法を開発する事が期待される。

 速読の訓練を受け熟達した速読者は、1分間に1万語以上読む事が出来る(通常人は約500語/分)。この、ディスレキシアと逆の様相を示す速読者が、速読を行なう時には、ディスレキシア同様、左脳の言語野の活性化が低い事が見出されている38,39)。この認知・神経機構を解明することにより、読字学習の苦手な人々の為の新たな迂回訓練法を開発する事が期待される。

 ディスレキシアを主要な研究課題とする学術組織としては、国際ディスレキシア学会(IDA、本部米国)40)や日本の発達性ディスレクシア研究会、認知神経心理学研究会が挙げられる。これらの学会では基礎研究から医学・福祉医療・心理・教育学・教育現場・報道・NPO(非営利活動法人)など多様な分野からの研究発表や講演があり、科学の翻訳技術が益々重要になっている。

 日本では、情報科学や工学分野で、視覚・音声・言語認識に関して膨大な基礎研究が行われており、民間の研究所でも情報の解析・発信装置や機器の研究開発が行なわれている。ヒトの音声を認識し書字化する機器は、ディスレキシアをはじめ視覚障害や老齢の人々にとって非常に有力な支援となる。成人に比べ子供の音声認識や視線計測は難しいが、支援機器の積極的な開発・製品化が望まれる。企業は製品化の際、障害を持つ人々にも使いやすい仕様を心がける事が益々要求されている。ディスレキシアに配慮した製品仕様は、他の読み書き障害者や、年長・年少者にも有益である可能性が高い。特別支援教材・機器の開発により、新たな産業と市場を開発する創意工夫が求められる。

5‐8.包括的な視点の導入

 個人は障害のみによって規定されるものではなく、個人の一生は、その時々に属する教育機関や社会組織によって分断されるものではない。厚生労働省・文部科学省・法務省や関連省庁、地方公共団体の連携によって、ディスレキシアに対し、障害に渡って一貫した支援を行なう必要がある。

 ディスレキシアは、医学・教育の問題に着目すれば“機能障害”であるが、脳の機能という観点からすれば“ヒトの多様性の一様相”である。個人を総合的に捉えるならば、苦手な点だけを検査して評価するのでは不十分である。脳機能の平均からの逸脱について述べるならば、負の要素のみならず、平均範囲の要素と正の要素(得意)を調べて評価するのが公正である。ディスレキシアの場合、平均的或は優れた能力を知る事は、自信回復につながるのみならず、優れた能力を迂回路として苦手な能力を補うという利点がある。優れた能力を評価する方法と尺度も必要である。ディスレキシアで障害されず、むしろ優れていることもある資質として、『話し言葉での理解力や流暢さ・表現の豊かさ、抽象的思考や論理的思考(概念構成の早熟な利用、概念操作における一般化や視覚化などの使用)、柔軟で迅速な思考・豊富な情報処理能力、卓越した問題解決能力、創造性(多様で関連性の低い要素を俯瞰し、考案を統合する能力、独創的・強力な空想力)、視覚―運動連関、美術・音楽的才能』などが挙げられる41,42)

6.ディスレキシア支援体制整備の道のり

 以上述べた課題の実現時期は、初段階に政府がどれだけ明確な政策を設け、強力な指導力を発揮するかに依存する。心の問題や教育など国民に理解し易い課題で、政府が国民の福利のために政策を提示し、実践過程を開示する例を増すことにより、国民の政府に対する信頼が増し、政府先導の科学・技術促進が益々円滑になるだろう。また、一般市民が未だ適切に把握していない脳や認知関係の研究がどのように国民の生活に貢献するか、研究者が解り易く示す好機である。

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7.おわりに

7‐1.識字率向上の次に来るもの

 江戸時代後期、全国の寺小屋教育では市民層の子女・子弟は習熟度別に読み書き算盤の教育を受け、日本の識字率は当時既に世界最高の水準だった。更に明治政府は「家に文盲の人は無く、村に文盲の家は無し」なる目標を掲げ、一定年齢での一斉就学と、識字率向上に努めた。この政策と効果は第二次大戦後まで続いた。高い識字率が、明治維新後の近代科学技術の急速な導入や、第二次大戦後の目覚しい復興に寄与した事は想像に難くない。この間採られた方策は、とにかく沢山読んで沢山書く練習を繰り返すということだった。今や従来の概念による「識字の普及と早期化」は、ほぼ飽和状態に来ている(図表5)。

 これまで日本にとっては、日本語の構造ゆえディスレキシアの顕在化し難い事が、識字率の向上に幸いしたが、現状のままに留まれば、かえって災いする可能性もある。英語圏ではディスレキシアが顕在化し易いという不利を、「読み書きが苦手な事は、勉強が出来ない事と同じではない」と云う発想の転換に繋げ、全児童の一割にあたるディスレキシア児童が学習効果を上げられる条件を整え、更に他の学習障害の認知学的要因を解明して支援するという方向に邁進している。日本では、表面的に高い識字率の裏に潜んだ現状を再検討し、ディスレキシア児童がこれまでのように多大な労力を用いなくても読み書きを習得し、その労力を、創造的活動や、問題設定・解決能力の育成、広範な知識の獲得に向けられる体制を創るべきである。このため、意思疎通・情報伝達・学習・教育に関して、従来の方法に拘泥することなく、これらを技術として捉えて機序を科学的に解明し、熟達化の条件を見出すべきである。また、情報媒体についても、認識しやすい形態や提示の仕方を開発すべきである。

7‐2.多様で柔軟な社会

 自己の能力を十全に伸ばして活用し、この能力を正当に自覚出来、他者からも評価される日々を過ごす事は、国民個々人の幸福にとって根本的且つ必須の事柄である。特に子供のこころの成育にとって重要な要因である。個性を伸ばす教育が唱えられるが、それは既に存在する「個性的と思われる活動」を、子供に伝授することではなく、個々の子供が自分の力を十全に発揮する為の必要条件は何か解明して、その条件を整え、後は子供に任せることである。又、頭脳の多様性や斬新な問題解決、創造的発想は、時として画一化しがちな日本社会にとって、現在最も求められていることの1つである。ディスレキシアの支援体制を整備する事が、このような改革に一石を投じ得ると考える。


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