環境・エネルギーユニット 浦島 邦子
言うまでもなく、水はあらゆる生命にとって不可欠であり、生命維持に決定的な要素である。近年、水への関心が高まっている。たとえば、先進国においては上下水道管の老朽化対応が各国で大きな課題となっている。中国では大気汚染が最大の環境問題と思われてきたが、水質汚染がここのところクローズアップされている。上海近郊の太湖では生活廃水や工場廃水によってアオコが大量発生し、国家プロジェクトが進められている1)。発展途上国では深刻な水不足と資金不足によるインフラ(上下水道)の不備が大きな問題であり、これには公的資金のみならず、先進国からの資金導入によるプロジェクトが不可欠である。
最近、欧州では上下水道事業分野で民営化が進められており、大手企業がこれに参入している。さらにこれらの企業はエネルギーや通信などのインフラへも参入、マルチ企業としての戦略を推進している。この背景には、世界的に景気が低迷する中、従来地方自治体が手がけていたインフラ市場が有望な事業として注目されるようになっていることがあげられる。さらにこれらの企業は、自国で確立したサービスなどのノウハウを有用して、他国へも進出することを視野に入れている。本稿では、このような問題意識に立ち、各国の水事業および水処理技術の現状について述べる。
世界を見ると、水道水をそのままの状態で煮沸もなしに飲む習慣がある国は、いったい日本以外にいくつあるだろうか。むしろ、そういう習慣がない国、地域のほうが多い。国によって水質が違うこと、また地域によってもその差があることから、当然上水道の処理技術は場所によって違う。図表1に各国の水道水中の無機イオン成分比較を示す2)。
2‐1. 上下水道を巡る最近の状況
都市部や産業地域では、有害物質や細菌類による汚染が深刻化し、水の安全性の問題がクローズアップされている。当然、水源の汚染までモニタリングされるようになってきている。水を管理する自治体は、従来よりもさらに安全で効率的な浄化技術・システムへ関心を持ちはじめている。
元来、わが国は水質および水源には非常に恵まれた国であった。20年以上前、ミネラルウォーターやお茶を購入する人は少数であった。しかしいまや、水道水を飲むなら煮沸するか、浄化装置を通す家庭も多く、また飲むならミネラルウォーターという家庭も増えている。
おいしい水を得るには、まず水源の保全が当然であるのはいうまでもないが、現実問題として湖沼やダム、河川など水道水源の富栄養化に起因する水道水の異臭味、有機塩素化合物による地下水の汚染、浄水処理過程でのトリハロメタンの発生など多くの問題が発生している。また、O157(1)などの問題から塩素投入量が増え、結果として水道水は“おいしくない”“まずい”ということになってしまった。このような問題を解決するには、国や地方、企業や住民など総力を挙げての努力が必要であり、一朝一夕に改善ができるものではない。
(1)O157
大腸菌は、家畜や人の腸内にも存在し、ほとんどのものは無害であるが、このうちいくつかのものは、人に下痢などの消化器症状や合併症を起こすことがあり、病原性大腸菌と呼ばれている。病原性大腸菌の中には、毒素を産生し、出血を伴う腸炎や溶血性尿毒症症候群(HUS)を起こす腸管出血性大腸菌と呼ばれるものがある。腸管出血性大腸菌は、菌の成分(「表面抗原」や「べん毛抗原」などと呼ばれている)によりさらにいくつかに分類され、「O157」はこの腸管出血性大腸菌の一種で、毒素により出血性腸炎を起こすことから、正式には「腸管出血性大腸菌O157」と呼ばれている。
2‐2. 水処理技術の現状
場所によって水質が異なることから、図表2に示すように目的に応じてさまざまな技術が使用されている。
浄水場での上水処理および下水処理として、凝集、沈澱、ろ過、消毒が基本となっているが、これは水中の濁り成分の除去に主眼がある。ただし、この処理方法ではかび臭いなどの問題を解決することはできない。また塩素が効かないクリプトスポリジウム(2)による水道汚染がわが国でも発生し、被害者が多数出たことから、塩素に替わる他の処理方法が検討されている。
(2) クリプトスポリジウム
人や感染性腸炎の病原体検索で、下痢症、腹痛、発熱、嘔吐などの症状を引き起こす原因となる原虫。塩素殺菌では効果がないため、先進諸国では水道水やプール遊泳による集団感染が毎年のように発生。国内でも1996年に水道水による大規模な集団感染を経験した。
わが国においても関西地方の自治体は、水道水のかび臭さなどに対処する必要があったことから、早くから高度浄水処理技術に関心を持ってきた。厚生省は昭和63年3月に「高度浄水施設導入ガイドライン」を作成し、このような高度処理施設を設けようとする水道に対して国庫補助制度を発足させた。このガイドラインによると、高度浄水施設の定義は「通常の浄水処理方法では十分に対応できない臭気物質、トリハロメタン前駆物質、色度、アンモニア性窒素、陰イオン界面活性剤等の処理を目的として導入する活性炭処理施設、オゾン処理施設及び生物処理施設をさすものとする」としている。つまり、これらの高度浄水施設を従来の施設に単独あるいは組み合わせて付設し、問題解決を図るものである3)。
このプロジェクトとして、これまで厚生科学研究費などによる研究開発が進められている。平成9年度からは、5年計画で総額約13億円かけて高効率浄水技術開発研究(ACT21)が、(財)水道技術研究センターを主体として企業(45社)、大学などの参加の下に進められた。その一覧を図表3に示す4)。
「高度浄水処理システム」は塩素剤の使用を少なくし、水中の有機物を除去するものである。従来の浄水処理プロセスに「生物処理」「オゾン処理」「活性炭処理」を組み入れたシステムである。これは、通常行われている標準的な処理よりも、処理水の水質を向上させるために、有機物を高度に除去したり、標準的な処理では十分に除去できない窒素、リン等を除去するために行うもので、同時に内分泌攪乱物質(環境ホルモン)もほとんど除去する。図表4は上水道の高度処理の一例である。処理フロー中にはpH調節用薬剤の注入などもあるが、ここでは省略している5)。
生物処理は、水中に含まれる各種の物質を微生物の働きによって分解または凝集させ、水を浄化する方法である。生物処理は原水中のアンモニア性窒素を効果的に除去でき、また臭気なども除去できるので、その後に加える塩素の量を減少させることができる。高度浄水施設の生物処理の方式としては、浸漬ろ床方式(ハニカム方式)、回転円板方式、生物接触ろ過方式の3方式がある。さらに、生物処理と活性炭を組み合わせた方式も実用化されている。活性炭はその細孔構造により比表面積が非常に大きく、微生物が繁殖しやすい。この繁殖した微生物により、活性炭層は生物処理の効果も持つようになる。このような効果を持った活性炭を生物活性炭と称し、これによる処理を生物活性炭処理と言う。活性炭処理が塩素処理より前にある場合などは、この生物活性炭処理が新しい方式として注目されている3)。
オゾン処理は主に殺菌、脱臭、脱色を目的として行われているが、オゾン酸化によって生ずる副反応生成物を除去するために、その後段に活性炭処理を設けなければならない。オゾン処理は特にコストが高いために、その低減に向けて、高濃度のオゾンを発生させるオゾナイザ(オゾン発生装置)の開発が要求されている6,7)。
活性炭はその吸着作用による臭気物質の除去、トリハロメタンや全有機ハロゲン化合物などの除去、農薬などの微量有害物質の除去に効果がある。能力の低下した活性炭を再生する活性炭再生設備(加熱法による再生炉)も実用化されており、活性炭使用量が多い場合には経済的である。
以上のような生物処理、オゾン処理および活性炭処理によって、トリハロメタン生成の原因となっている物質の70%以上が除去され、塩素要求量の低減にも大きな効果を発揮している。また、通常処理では除去困難であった界面活性剤も90%以上除去されている。
最近、フランスが「飲料水供給と下水道に関するサービス活動の標準化」をISOに提案した。これは今後予想される世界的な水不足に対処しつつ、顧客に最適な価格で良好なサービスを継続し提供する上下水道のサービス業務活動の指針策定である。しかし、この提案書はフランス規格がメインであり、このまま国際規格となると日本の規格の見直しを迫られることもありうる。また、ISO規格が自国基準に近い国の企業にとって海外進出に有利となることから、現在の日本における上下水道の維持管理(年間約3兆円)が大きな影響を受ける可能性がある。そこでこの国際規格の作成に積極的に関与することを国内対策会議で決議し、国際会議の場を通じ多くの提案をしてきている。詳細を図表5に示す。
また国内でもISO/TC224国際規格化の動きを積極的に受け止め、国内の水道事業体の効率化、透明性確保のために、国内サービス規格(ガイドライン)をつくる動きも出てきている。国際的に用いられている業務指標により現在の運営状況を分析し、自分自身の業務状況の把握や経年比較が容易にできる。サービスの質、効率性が数値として常に追求され、結果としては水道事業自体の向上につながると予想される。
このISO/TC224が上下水道の関係者にとって注目されているもうひとつの理由は、WTO(世界貿易機関)との関係である。ISOは本来民間の任意の規格であり、使うか使わないかは民間の自由意思により決定されるものである。現在政府間で交渉されているWTOサービス交渉で、環境サービスについての合意がなされると、国または自治体が発注する、ある一定金額(中央政府の調達では約2,100万円、地方公共団体は約3,300万円)以上の物件については、WTO‐TBT協定(国際規格が存在する場合は、国内法より推奨されるとする取り決め)により、全て国際規格に基づいたものを発注しなければならない可能性が生ずる8)。
果たして他国の実情はどうなっているのか。以下に各国の上下水処理状況と運営状況を述べる。
4‐1. ドイツ
ドイツでは、シーメンス社によるオゾナイザの開発によって、古くから上水の殺菌用としてオゾンが使用されている。オゾンは,自然界に存在する物質の中でフッ素に次ぐ強力な酸化力を持ちながら、自然分解して酸素に戻り残留毒性を持たないため、その酸化力を利用して水や大気の脱臭・脱色や難分解性有機物の生物分解性を高めることによって消毒・殺菌などに利用されている。また、プールの殺菌用としてオゾンが使用されており、1983年には1,057か所で使用されていた。オゾンは、原則として活性炭と組み合わせて用いられる。図表6にオゾナイザの内部写真を示す。現在、ドイツでは水道水源保全に力を入れている。また塩素注入は行っていない。
民営化の現状として、ドイツの電力とガスの大手メーカーのRWE社が、イギリスの水道事業大手のThames Water社を買収し、世界のインフラ(上下水道)市場に照準を当てている。さらに、最近では2001年9月にRWEが米国最大の民間水道会社American Water Worksを9,120億円で買収した。北米市場は年間10兆円とも言われ、また今は60〜120兆円の老朽化の改善・改築事業があると見込まれている。
4‐2. フランス
フランスでは高度浄水処理と膜処理が盛んであるが、ここでは他の技術動向について具体例を用いて以下に述べる。
現在フランスではエコロジーシステムとして、バイオトリートメント技術が注目されている。これは、1960年代にドイツで考案されたバイオテクノロジーを応用した廃水浄化システムで、約10年前から実施されている。自然環境の中で、バクテリアによる浄化作用を利用し、電力を一切使用せず、また化学的処理を行わずに植物によって廃水を浄化するのが特徴である。この技術はアメリカ、イギリス、オランダ、デンマーク、オーストリアなどでも普及発展している。5年前仏全土で約20ヵ所であったプロジェクトが、現在では約100ヵ所で進行中である。この技術は、主に数人規模の家庭用廃水処理用に検討されているが、工場からの廃水にも対応すべく、研究開発中である。
フランスは、水事業において小規模の自治体が多く、その約75%が民間委託である。これは、コンセッション/アファーマージ方式と呼ばれる基本的な管理権限を自治体に残した民間委託によって、自治体・公社が資産・管理責任を持ち、事業運営のみを民間企業に委託している。そして、Vivendi,Suez,Saurの上位3社で国内市場の90%を独占しているのが実情である。ノウハウ、資本の蓄積がこの事業には欠かせず、それらを備えている企業が優位となるからである。民営化率は上水が78%、下水が74%に達している。その一方で最近Vivendi社がプラハの上下水道会社PVKの全株を購入していることから、じわじわとヨーロッパの市場を開拓していることがわかる9)。しかし、このような民営化によって地区間での水道水の価格、品質の格差が生じていることから、最近、政府でも水政策に関する検討を開始しはじめた。本件を担当するエコロジー・持続可能な開発を担当する大臣は、EUでの水枠組み取り決めを受けて、フランス国内の水政策について詳細に検討するため、全国的な討議を開催している。討議は、全国、地方レベルで、産・官のみならず一般市民も交えて、各団体、市民集会、インターネットを用いたアンケートなどによっても意見が収集される10)。
4‐3. イギリス
イギリスでは古くからプールの殺菌に紫外線が使われていた。紫外線は、ウイルスに対する殺菌効果がほかの方法よりも強いために、小児麻痺の伝染予防として広まった。紫外線は残留性が全くなく、大腸菌、一般細菌、カビ、酵母、ウィルス等に有効であり、トリハロメタン等の有害物質の生成がないことから水質への影響もほとんどない。紫外線処理は、原水を装置内に通し、紫外線によって秒単位で殺菌処理する方法である。しかし、濁度のある水においては紫外線が透過しないために効果がない。そこで塩素処理法が開発され、多くの国で使用されるようになったが、副生成物としてトリハロメタンの発生する弊害から、1960年代からは紫外線に加えてオゾンが使用されるようになった11)。
スコットランドの水道でクリプトスポリジウムが発生し、住民のみならず管理関係者も連絡体制の不備で大混乱に陥った。英国では、1989年までは10の水管理公社によって水事業は運営されてきたが、それ以降、設備投資の公的資金不足によって公社の事業の担当部分を民営化した。Thames Water(英)がこれら民営化された市場を占有していたが、2000年1月RWE(独)に買収された。現在では民営化率はほぼ100%となっている12)。
4‐4. オランダ
オランダには、KIWA水質研究所があり、主に水を中心として環境・エネルギーに関する研究をしている。ここでは、飲料水や産業水の水質調査および管理、環境調査、水に関わる人材の調査、パイプライン設置などに関する事業および情報提供などを行っている13)。特に最近、国を挙げて水質向上に取り組んでいる。そういった中で、電気・ガス・水道サービスを事業としているNuon社は、米国の大手水サービス会社を2001年はじめに買収している。隣国フランスと同じような動きが見られる。
4‐5. アメリカ
ヨーロッパよりもだいぶ遅く、アメリカにおいてオゾン使用に関するガイドラインを制定したのは1986年であった。アメリカでは、水質規制強化に伴う施設増強、老朽化施設の更新などの問題から、上下水道施設に対する資金と需要が増大していたが、1990年には連邦補助金が廃止されてしまったために、民間資金の活用を積極的に取り入れるようになった。1992年には公の施設に対し税の優遇措置が5年から20年となった。USフィルターは米国最大の水処理メーカーであったが、1999年4月にはVivendi社(仏)が9,720億円で買収した。また水処理薬品最大手であるNalcoおよび米国2位の民間水道会社United Water社が、Suez(仏)によって1999年6月に6,120億円で買収された。これは、ヨーロッパ勢によるアメリカ市場への参入を意味し、世界の水処理市場をも支配したことになる。事実、世界130カ国、3億6千万人の民営化上下水道市場において、Vivendi,Suez,RWEの仏・独3社で約80%のシェアを占有、急速に寡占化が進行している。図表7に各社別水処理事業の売上比較を示す。
公益事業への民間資金導入のための規制緩和により、民営化率は上水は35%、下水は28%となっている。また一方では水道事業民営化契約解消の問題がおこっている。これは、実際アトランタ市で起こったもので、1997年には市はUnited Water社と20年2,200万ドルで契約、公営時には5,000万ドルだった経費が、民営化によって2,800万ドルも節約された。ところが、実際事業を開始してみると、予想以上にひどい老朽化、不正確な統計数字での契約が数多く発見された。たとえば、メーター補修が1,200箇所といわれていたものが、実際は11,200箇所、本管破損は100箇所といわれていたものが、実際280箇所、消火栓修理は730箇所が実際は1,630箇所で、さらには労組対策や不払いが市の関連施設だけで500万ドルあったことから、2002年1月にはUnited Waterが施設の老朽化対策、そして契約内容違反から契約を解消してしまった。それによって、再公営化のための資金が4,800万ドルかかり、市と企業、両者にとっては大きな痛手となった。
最近米下院に上下水道プロジェクトに5年間で250億ドルを支出する法案が提出された。これは、上下水道の脆弱性評価および分析、インフラ資金不足を改善するための革新的な方法の検討、水源の保護、新汚染物質の規制およびインフラ整備などの項目も取り組まれている。また、高度処理技術として使用している塩素に関して、殺菌剤/消毒副生成物規制などの項目も重点課題として提案されている。
最近、EPAのミーハン3世・水質担当長官補は、水を効率的に利用する製品を推奨する国のプログラムについてEPAが検討していることを公表した。今後10年間に、36を超える州で干ばつがなくても水不足が生じると予想されていることから、水不足には全国的な関心が集まっている。国のプログラムでは、節水型製品に関する情報を提供すること、より節水型の製品を生産するよう事業者に促すこと、卸売業者や小売業者による販売促進を推奨することなどにより、水利用の効率性の向上を目指す14)。
日本は水質および水源には非常に恵まれ、水源や上下水管理などは十分行われていると信じられてきた。しかし、O157、クリプトスポリジウム、井戸水の有機塩素化合物やヒ素の混入、配管の老朽化による異物混入、塩素投入による副生成物の発生、トリハロメタンの発生など、上下水ともに処理管理プロセスを見直さなければならない問題が生じている。その他上下水道事業の諸問題として、老朽化施設の改善、水質規制の強化による技術力の向上、経営効率の向上、情報開示の徹底、町村合併による広域化、不況による料金収入の伸び悩みなどがあげられる。また、土壌汚染による水質の低下や汚染も長い間指摘されている。平成14年度末現在の日本全国を対象にした下水道水環境保全率は、27.6%であり、最も値が高かったのが滋賀県の71.8%なのに対し、最も低かった群馬県は1.3%と、地域によって相当な差がある状況となっている15)。水、と一言でいっても、水源、上下水、廃水、工業用水、井戸水、海湖沼水、河川などそれぞれの環境が異なるゆえに、問題解決のための議論は複雑化している。
水道処理技術は日々研究・開発されており、高度浄水処理の導入によって水質が向上したように、技術革新も進んでいる。同時にフランスからのISOの提案を受け、世界標準化への取り組みが日本でも活発に議論されるようになり、水道事業サービスへの関心が高まっている。ISOの導入によって、水質管理がさらに一層向上するのであれば、安全な水の供給を求める視点からは望ましいことである。
ヨーロッパでは水事業の民営化が進み、サービスの向上とコストダウンに力を入れている。わが国においてもこれについて議論する時期が来ると考えられるが、前提としてアメリカの例に見られるように、水事業の実状が的確に把握されることが重要である。
一方、日本ではミネラルウォーターの需要の上昇に示されるように、国民の水に対するレベルが“飲める水”から“安全でおいしい水”へと要求が上昇してきている。
これらすべてを考慮すると、これからの水道処理技術に要求されることは、単純に飲める水を作る、廃水を処理するだけではなく、品質の向上を実現するとともに、日本の風土に適する技術を確立していくべきである。そして総合的なサービスの向上に向けた技術革新を進めていくべきである。問題解決のために、高度処理システムを導入するだけではなく、水源のモニタリング、海外の技術や管理システムを導入するなど、国内のみならず常に世界の動向に目を向け、必要に応じて水循環を捉えて取り組むことが望ましい。
本稿は、国連テクニカルアドバイザーである吉村和就氏の当所内での講演を元に、取材を進め執筆いたしました。講演ならびに資料提供及び多くのディスカッションをしてくださった、同氏に多謝いたします。
1) 日経エコロジー、2003年5月号、P38-41
2) http://www.jousui.com/info/good-b2.html
3) http://www005.upp.so-net.ne.jp/wanatra/Nw3/26koudoshori.htm
4)(財)水道技術研究センター発行資料
5) 沖縄県企業局発行『北谷浄水場・高度浄水処理施設』より
6) クボタホームページ http://www.kubota.co.jp/
7) 伊藤泰郎著、オゾンの不思議―毒と効用のすべて ブルーバックス、講談社
8) 水道協会雑誌、第72巻8号p88
9) Station d'epuration A LITS (Curiennes)
10) http://www.environnement.gouv.fr/actua/com2003/juin/26-debat-eau.htm
11) http://www.senlights.co.jp/gijyutu/poolseries2.htm
13) 「KIWA WATER RESEARCH」 http://www.kiwa.nl/en/home.asp