科学技術に関する意識調査
- 2001年2〜3月調査 -

概要

平成 14 年 1 月
文部科学省
科学技術政策研究所

  科学技術政策研究所は、一般国民の科学技術に対する関心度、理解度、態度等意識を調査するため、2001年2〜3月に一般国民3000人を対象に「科学技術に関する意識調査」を実施したが、今般、単純集計を中心に可能な範囲で時系列比較、国際比較、多変量解析による分析を行った結果をとりまとめた。

調査の主な目的

調査の概要

調査分析結果の概要

(注)

自己評価認知度
当該問題を「知っている」とする自己評価レベル
公衆の注目度
関心度と自己評価認知度、新聞閲覧頻度等での総合評価レベル
15ヶ国地域
比較可能なデータのあるEU、EU加盟国、米及び加

(関心度と自己評価認知度)

図1.諸問題への関心度と自己評価認知度(指数得点による比較)

(指数得点)

指数得点 = 「非常に関心がある」(関心度)、「よく知っている」(自己評価認知度)回答率×100点
     + 「ある程度関心がある」、「ある程度知っている」回答率×50点
     + 「全く関心がない・わからない」、「全く知らない・わからない」回答率×0点

  なお、我が国1991年調査は4択式のため、100点、67点、33点、0点の補正値で計算

  「自己評価認知度」とは、当該問題について、どの程度知っているかを自分で評価したもの

(「科学的発見」関心度指数得点国際比較)

図2.「科学的発見」関心度指数得点15ヶ国地域国際比較

  「新しい科学的発見に関する問題」について、「非常に関心がある」、「ある程度関心がある」、「全く関心がない」を選択する質問に対する回答率から指数得点を計算

(「技術発明利用」関心度指数得点国際比較)

図3.「技術発明利用」関心度指数得点15ヶ国地域国際比較

  「新しい技術や発明の利用に関する問題」について、「非常に関心がある」、「ある程度関心がある」、「全く関心がない」を選択する質問に対する回答率から指数得点を計算

(「医学的発見」関心度指数得点国際比較)

図4.「医学的発見」関心度指数得点15ヶ国地域国際比較

  「新しい医学的発見に関する問題」について、「非常に関心がある」、「ある程度関心がある」、「全く関心がない」を選択する質問に対する回答率から指数得点を計算

(「環境汚染」関心度指数得点国際比較)

図5.「環境汚染」関心度指数得点15ヶ国地域国際比較

  「環境汚染問題」について、「非常に関心がある」、「ある程度関心がある」、「全く関心がない」を選択する質問に対する回答率から指数得点を計算

(「科学技術に注目している公衆」の割合国際比較)

図6.「科学技術に注目している公衆」15ヶ国地域国際比較

「科学技術に注目している公衆」:
「科学的発見」又は「技術発明利用」について、「非常に関心がある」かつ「よく知っている」かつ「新聞を毎日読んでいる」あるいは「科学技術雑誌を定期購読している」と回答した人の割合
「科学技術に関心がある公衆」:
「科学的発見」又は「技術発明利用」について、「非常に関心がある」と回答した人の割合(上記「科学技術に注目している公衆」を除く)

(科学技術基礎的概念の理解度)

図7.科学技術基礎的概念の理解度(クラスター分析による4グループ分類)

クラスター分析:
グループ分類を行う統計解析手法で、この場合、正答率、誤答率、「わからない」回答率の割合が近いもの同士によって、4つのグループに分類されたG1〜4の分類は表1参照
表1.科学技術基礎的概念理解度のクラスター分析による分類
* は15ヶ国地域国際比較に使用された10問
(グループ1) 正答率70%以上
光と音はどちらが早いか (光)  
放射能に汚染された牛乳は沸騰させれば安全だ (誤)  
喫煙は肺がんをもたらす (正)  
大陸は何万年もかけて移動し続けている (正)  *
現在の人類は原始的動物種から進化したものだ (正)  *
地球の中心部は非常に高温である (正)  *
(グループ2) 正答率50%以上70%未満
我々が呼吸に使う酸素は植物が作ったものである (正)  *
宇宙は巨大な爆発によって始まった (正)  
地球の公転及び公転周期 (地球公転1年)  
すべての放射能は人工的に作られたものである (誤)  *
(グループ3) 誤答率35%以上
ごく初期の人類は恐竜と同時代に生きていた (誤)  *
男か女になるかを決めるのは父親の遺伝子である (正)  *
抗生物質はバクテリア同様ウイルスも殺す (誤)  *
(グループ4) 「わからない」回答率45%以上
電子の大きさは原子の大きさよりも小さい (正)  *
レーザーは音波を集中することで得られる (誤)  *

(科学技術基礎的概念理解度国際比較)

図8.科学技術の基礎的な概念(科学技術に関する基礎的な知識)理解度

15ヶ国地域共通10問平均正答率比較


  調査年の相違はあるが、関心度と異なり、知識理解度はそれほど大きく変化しない傾向にある:米国1999年及び1995年データ参照

(科学技術に対する態度)

図9.世界は科学によって良くなったか

図10.科学技術の肯定的意見への賛否

(科学的研究等の利害)

図11.科学的研究等の利害について

(科学研究政府援助)

図12.科学研究への政府援助への賛否

(科学技術の情報源)

図13.科学技術情報:現在の入手方法(複数回答可)

表2.公共施設訪問回数(1年間:単位は%)
  1回 2回 3回 4回 5回以上 0回(行かなかった) わからない
美術館 16 10 5 1 3 65 1
自然史博物館 14 4 1 0 1 80 1
動物園と水族館
(両方合わせた回数)
23 11 5 2 2 57 0
科学技術博物館 10 2 1 0 1 87 1
公共図書館 9 8 6 3 21 53 1

(科学技術の情報源:科学技術雑誌購読)

図14.科学技術雑誌の購読

図15.科学技術情報:満足している入手方法(複数回答可)

図16.科学技術情報:将来使ってみたい入手方法(複数回答可)

(科学技術理解増進活動の名称周知度)

図17.理解増進活動名称周知度(複数回答可)

(科学技術理解増進活動への意見:理解増進に努力すべき層)

図18.理解増進に努力すべき層(2つまでの複数回答可)

(科学技術理解増進活動への意見:研究への国民理解に必要な取り組み)

図19.研究者が行う研究についての国民理解に必要な取組み(3つまでの複数回答可)

科学技術政策への示唆

今後の調査研究に向けての課題

  1. 今般の調査を踏まえ、以下の項目が今後の調査研究に向けての課題として指摘される。
  2. 今回の意識調査については、今後1年を目途に、クロス分析、合成変数分析、多変量解析等の詳細な分析を行っていく予定であるが、本報告書の分析結果に関しては、研究者、行政担当者、教育担当者のみならずマスメディア等において様々な観点から幅広く議論して頂くことを期待する。