No.142 2000 8 
科学技術庁 科学技術政策研究所
NATIONAL INSTITUTE OF SCIENCE
AND TECHNOLOGY POLICY


 
青江 茂 科学技術政策研究所長
     

 
目次 [Contents]  所長挨拶 所長挨拶 科学技術政策研究所長 青江 茂
Ⅰ.論説紹介
科学技術に関する国民意識調査について −我が国及び各国の調査の状況 その2−
第2調査研究グループ上席研究官 岡本信司


Ⅱ.海外事情
OECD科学技術指標専門家会合への出席
第2研究グループ主任研究官 富澤宏之
Ⅲ.トピックス
短い研究旅行の印象 −過去の輝きをどのように再発見できるか−
ハンガリー政府教育省科学技術政策会議局長 Dr. Sandor Toth
Ⅳ.最近の動き

所長挨拶
科学技術政策研究所長 青江 茂

 この度、科学技術政策研究所長に就任いたしました青江茂です。
さて、近時のライフサイエンスとか、情報通信といった分野での科学技術の目覚ましい進展は、これまでに我々が経験してきた様々な科学技術の進歩、その社会経済への影響とは、質的に異なるもののような感じがします。
 来世紀は、好むと好まざるにかかわらず、知識基盤社会に突入するといわれています。社会経済活動のほとんどが人間の知的生産活動の所産たる知識を基盤にそれに駆動されるような社会、我々の生活もその隅々にまで知識が浸透しそれとの関わりが格段に濃密な社会、そのような社会が見通されます。
 このようなことを考えますと、科学技術の果たしていくべき役割は従来に増して一段と大きなものになってくる、そして国政の中での科学技術行政の位置付けも飛躍的に高まってくるものと思います。現に、科学技術関係の予算は、財政状況が大変厳しい中にあって例外的に増額が図られてきています。
 一方、行政は、今日、明確に変革を求められています。その際のキーワードは、"透明性"と"説明責任"であろうと思います。行政の透明度を高め国民の方々に納得のいく説明をしていくには、何よりも恣意性を排し客観的でなければならないと思います。
 科学技術政策研究は、科学技術行政に関し、その政策の企画・立案あるいは施策展開にあたっての客観的な基盤を提供するものであります。そして当研究所は、科学技術政策研究の中核的役割を果たす機関であります。
 上に述べたような、科学技術行政の重要度は今後一層高まってくること、行政の客観性が一層強く求められるようになってくることを考え併せますと、当研究所の役割は、ますます重要なものとなってくると考えます。
 設立から12年、今日まで当研究所は、着実に成果をあげてきています。一昨年には内外から多数の参加者を得て創立10周年という区切りとなる記念の国際コンファレンスも開催しました。また昨年には外部機関評価も行われ、最初の10年としてはおおむね良好な成果を出しているとの評価を受けました。
 今日、更なる充実を図り、次なる大きな発展を期すべき時期にあると認識しています。
 新たな世紀と総合科学技術会議の新設を中心とする新たな科学技術行政体制を間近にひかえた、この時期、新たな時代への展望をしっかり見据えて、当研究所が、その活動をさらに活力あるものにし、内外からの期待に応えていく存在となるよう、微力ではありますが、全力を尽くして参る所存でありますので、ご支援、ご協力方よろしくお願いいたします。

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Ⅰ.論説紹介
                


科学技術に関する国民意識調査について −我が国及び各国の調査の状況 その2−
第2調査研究グループ上席研究官 岡本信司

 

1 はじめに
 科学技術に関する国民意識調査は、欧米諸国をはじめ世界各国においても実施されており、その結果が科学技術政策に反映されるとともに時系列比較、国際比較等の調査研究も行われている。
 本稿では、我が国の状況を紹介した前号に引き続き、各国の状況を紹介する。
 なお、欧州連合(EU)の状況については欧州出張(6/26-7/6)報告として次号で、豪州の状況については執筆者がこれまで2回の現地調査を行っており、次々号にて詳細に紹介したい。

2 海外における意識調査について
 1990年以降の海外における科学技術に関する意識調査について、執筆者が把握している限りの状況は、以下のとおりである。

(1)米国
 米国では、国立科学財団(NSF)が発行している 「科学工学指標」(Science & Engineering Indicators)において、「科学技術:公衆の態度と理解 」( Science and Technology : Public Attitudes and Public Understanding)に関する1章が構成されており、そのデータとして、シカゴ科学アカデミー国際科学リテラシー開発センター(Chicago Academy of Science : The International Center for the Advancement of Scientific Literacy (ICASL))が、電話調査法による約2000人規模の意識調査を実施している。
 米国調査の特徴は、電話調査法の採用(米国は国土が広く住民基本台帳に相当するものが存在しないこと等の理由によるものと思われる)、「科学工学指標」改訂スケジュールと連動して継続的に2年に1回実施されていることであり、1970年代から関連調査が実施されて調査項目等方法論が確立しているため、各国が米国の調査票をモデルとしている。
 米国の最新調査は1999年3〜8月に実施されて「科学工学指標2000」に結果が公表されている。なお、14ヶ国比較を行った「科学工学指標1998」の一例を図に示す。
 また、1997年11月〜1998年1月にバイオテクノロジーに関する意識調査が実施されたが、この調査は1996年に実施された欧州連合(EU)及びカナダとの国際比較調査の一環として行われた(我が国にも参画要請があり、執筆者が参画準備を進めていたが、人事異動等により参画不可能となった)。
 現在、米国では欧州連合が1999年に実施したバイオテクノロジーに関する意識調査との国際比較を目的とした調査を計画中である。

(2)欧州
 欧州では、1980年代に英、仏において、科学技術に関する意識調査が行われていたが、1989年に欧州共同体(EC)欧州委員会第12総局(当時)によって、「ユーロ・バロメータ」(Eurobarometer:EC12カ国を対象として各種のテーマで実施される共通世論調査)で科学技術をテーマにした調査が実施された。
 その後、1992年に日・米・欧の国際比較を目的として、「欧州人、科学技術−公衆の理解と態度」(Europeans, Science and Technology - Public Understanding and Attitudes-)のテーマで、ユーロ・バロメータが実施された。
 参加国は、ベルギー、デンマーク、独、ギリシャ、スペイン、仏、アイルランド、伊、ルクセンブルグ、オランダ、ポルトガル、英のEC12カ国で、各国平均1000人規模の13000人に対して訪問面接法によって調査が行われた。
 ちなみにこの時のユーロ・バロメータの使用言語は9カ国語である。
 ECが欧州連合(EU)になった現在においても、EU加盟国を対象にバイオテクノロジー、環境、情報等の特定のテーマに関するユーロ・バロメータが実施(科学技術全般に関する調査は1992年調査以降実施されていない)されており、バイオテクノロジーに関する意識調査については、1991、1993、1996、1999年のこれまで4回実施されている。
 バイオテクノロジーに関する最新の1999年調査は、EU15ヶ国における15歳以上計16,082人(各国平均約1000人)を対象に実施されており、2000年4月に結果が公表された。
 この1999年調査についても、日・米・加との国際比較研究の提案がなされており、各国で準備が進んでいる。

(3)豪州
 豪州においては、連邦科学産業研究機構(CSIRO)が総合的 (Omnibus) な意識調査を1992、1994、1997、1999年のこれまで4回実施している。この他にも調査対象とテーマを特定した調査 (Focus Interview) を1997年に実施している。
 また、1995年には、産業科学技術省産業経済局 (DIST BIE:当時の名称、その後省庁再編により産業科学資源省(DISR)となる) において、我が国を含む18カ国との科学技術リテラシーに関する国際比較調査を実施している。

(4)その他
 中国においては、中国科学技術協会及び国家科学技術委員会が1992及び1994年に「中国公衆と科学技術」と題する意識調査を実施している。  この他韓国をはじめアジア諸国、カナダ、ノルウエー、オーストリア等においても、米国、ユーロ・バロメータ調査を参考にした科学技術に対する国民の意識調査が実施されている模様である。

3 おわりに
 前号でも紹介したが、当研究所においては、本年度に米国、欧州等との国際比較研究も視野に入れた科学技術に関する意識調査の実施を計画しており、そのための準備作業として、意識調査の実施・分析手法・データ等を「科学技術に関する意識調査の実施と分析手法について」と題する資料としてとりまとめているので、入手希望があればご連絡されたい。


(執筆者注)
・( )内は調査の実施年で、我が国は科学技術政策研究所における調査(「日・米・欧における科学技術に対する社会意識に関する比較調査」)、欧州各国は1992年のユーロ・バロメータ調査である。
・質問は科学技術に関するクイズ(正誤で回答)で、指数は100を満点とする正答率の平均スコアである(各国で質問項目数が異なるので比較可能な範囲で指数化している)。
①「地球の中心はとても熱い」(正)
②「電子の大きさは原子の大きさよりも小さい」(正)
③「抗生物質はバクテリアと同様にウイルスも殺す」(誤)
④「レーザーは音波を集中することで得られる」(誤)
⑤「全ての放射能は人工的に作られたものである」(誤) 等


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Ⅱ.海外事情


OECD科学技術指標専門家会合への出席
第2研究グループ主任研究官 富澤宏之
第1研究グループ研究員 伊地知寛博

 平成12年6月5日より7日まで、パリのOECD本部で開催されたOECD科学技術指標専門家会合(NESTI会合)に参加した。当会合は、OECDの科学技術政策委員会(CSTP)の下部ワーキンググループであるNESTIの年次会合として、毎年開催されているものであり、科学技術統計・指標に関する国際的調整・協力の推進および情報交換を目的としている。今回のNESTI会合は、フラスカティ・マニュアルの改訂に向けた検討、および将来のイノベーション調査(後述)とオスロマニュアルの改訂に関する検討、の二つが主要議題であった。

(1) フラスカティ・マニュアルの改訂
フラスカティ・マニュアルは、研究開発統計の調査方法や各種定義について定めた国際的なマニュアルである。今回の会議から現行版(1993年版)の改訂に関する具体的な検討が始まり、今後2年程度で改訂作業を行うこととなっている。
主要な検討項目は、サービス産業の研究開発活動の捕捉拡大、人材データの質的向上、研究開発の出資側の報告と実施側の報告による統計の差異、等であり、担当国ないし事務局より検討結果が報告され議論が行われた。
 これらの検討項目のうち、研究開発に対する人的資源の投入の測定(専従換算(FTE))に関しては、従来より我が国がその問題の重要性を指摘しており、また我が国がレビューを担当しているため、今回、その進捗報告を行った。報告内容は、現行のフラスカティ・マニュアルにおけるFTEの扱いに関する記述が曖昧であること、FTEデータの算出方法によってデータが大きく左右される可能性があること、実際に各国のFTEデータには国際比較上の問題があること等の指摘に加え、近く各国に対して行う予定の質問票調査のスケジュールを説明し協力を依頼した。また、現在、我が国でのFTEの扱いとその改善案を紹介した。
 今後の検討作業については、検討事項を「標準調査票の作成」、「サービス業の研究開発の具体的例示」、「FTE方法の改善」、「地域別統計の開発」等、20項目に整理し、各項目についてそれぞれ小ワーキング・グループにより検討し、その結果を2001年以降に開催するレビュー会合において審議するという提案が事務局よりなされた。その後は、各事項の改訂案起草のためのチームリーダー及び起草委員1〜3人を選出して半年程度かけて改訂案を策定し、その承認のためにNESTI全体会合が開催される見通しである。

(2) 将来のイノベーション調査とオスロマニュアルの改訂
 イノベーション調査は、イノベーティブな活動を行う企業等を国レベルで把握しようとする調査であり、近年、調査を実施する国が増えている。その調査方法等に関してはOECDのオスロ・マニュアルに国際的な基準等が示されている。今回会議では、早い段階から各国間で調整を行いイノベーション調査が国際的に整合性の取れたものとすることを目的として、調査項目の検討、およびオスロ・マニュアルの改訂に向けた検討を行った。 具体的な議題としては、これまでに実施された調査の評価、調査結果のユーザからの報告、イノベーション活動に対する支出の測定方法、イノベーション活動のアウトプットの測定方法、等であった。今後のスケジュールとしては、2001年の早い時期に国際的な調査が可能となるよう、検討作業を続けることとなった。
 なお、日本では科学技術政策研究所がイノベーションを体系的に把握するための調査研究を行っており、NISTEP REPORT No.48「イノベーションの専有可能性と技術機会サーベイデータによる日米比較研究」(第1研究グループ,1997年3月)などの成果を公表している。

(3) その他の主要トピックス
・研究開発統計のデータソースと調査方法:
OECDの科学技術統計のデータソース及び収集方法に関するデータベースの現状と将来計画が紹介された。
・特許統計:
国際比較が難しく不均質であるという特許データの問題に対応した指標として、ある発明を複数国で保護するために取得される一連の特許である「パテント・ファミリー」を指標化する提案があり、各国から非常に重要な指標であるとの意見が出された。
・特定分野における研究開発の測定:
バイオテクノロジー関係の統計開発に関する検討結果の報告に対して、各国よりこの分野の重要性、および政策ニーズに対応する必要性を指摘するコメントがあった。保健関係の研究開発の指標について検討を進めているカナダからは、保健に関して研究開発として捉える範囲、病院からのデータ収集の可能性、臨床試験の取扱い等について問題提起がされた。また、2001年に開催されるOECD閣僚級会合に向けて環境分野の研究開発及びイノベーションに関する統計・資料の提出が各国に要請された。

 今回の会議に参加して、NESTIの活動領域が、従来の研究開発統計・指標を中心としたものから、イノベーション、知識基盤社会、グローバリゼーション等の統計・指標へと拡大しようとしていることを改めて感じた。また、機能面では政策策定者への貢献が重視され、OECDの枠内だけでなく、非加盟国や他の国際機関との協力・連携が重視されてきている。これらのことは、科学技術に関する統計・指標に対するニーズが世界的に変化し、また、各国がそれに対応しようと様々な取り組みを行っていることを示しており、今後、このような動向を踏まえた対応が必要であると感じた。

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Ⅲ.トッピクス


短い研究旅行の印象 −過去の輝きをどのように再発見できるか−
ハンガリー政府教育省科学技術政策会議局長 Dr. Sandor Toth



 1994年から1998年までの期間中、ハンガリー大使館の外交官として、私は実際、取り組むべき課題を見つけるとともに、ほぼ完全に自由に −私なりの特別のやり方で− それらの答えを見つけることができました。私は大使に恵まれていました。在日中、私は2人の大使のもとで働きましたが、2人とも私の活動を評価し、私が自分の方針に従って、自分なりのやり方で日本の大学や研究機関、企業と関係を築くことを許してくれました。そして、もちろん、政府機関とも。
 1995年に、「東京の科学外交官のサークル」(the Science Diplomat's Circle of Tokyo)の他のメンバーと同様に、私も、ドイツのフラウンホーファーシステム革新研究所(Fraunhofer Institute and Innovation Research)との協力で科学技術政策研究所(NISTEP)により主催された「技術予測国際コンファレンス−技術予測の国際展開−」に参加するよう招待を受けました。私はそれまで技術予測について深い情報を持っていませんでしたが、政府の科学技術政策立案にはそのようなツールが非常に必要であることを知っていました。そこで、強い熱意と好奇心を持って、その会議に喜んで参加しました。
 2つの主催団体のほか、英国、フランス、オーストラリア、韓国からの専門家もテーブルを囲み、技術予測の分野において達成した進歩について短い報告が行なわれました。聴衆に発言が許された時、私は討論に加わりました。当時、私はNISTEPの活動についてあまり多くを知りませんでした。柴田治呂氏(当時、新技術事業団(JRDC))と親しくしていただいていたので、同氏の助力により、私はNISTEPの総括上席研究官で、海外でも高く評価されているこの分野に関する気鋭の専門家の1人である桑原輝隆氏を紹介されました。
その会議で強い感銘を受けたことから、私は技術予測に少しばかり深入りしました。私は自分の考えでどんな点に重点を置いたらよいか、次の技術予測調査を準備するにあたってどうしたらよいかといった点について思いついたことをいくつか短い書簡にまとめ、NISTEPの所長の坂内富士男氏(1995年当時)宛てに送りました。
 一方、ハンガリーでも、技術予測レポートを提出しようという考えが浮かんできました。1998年に外交官の任務を終えた後、私は、日本の科学技術庁(STA)に相当する機関、国家技術開発委員会(OMFB)に入りました。私はOMFBの副局長として、在外公館の科学官アタッシェとの連絡業務を担当していたにもかかわらず、技術予測への私の関心は衰えませんでした。
 幸い、NISTEPにいる日本の仲間たちも私たちの実り多い協力関係を続けていきたいと考えていました。そこで、私たちは共同作業によってこの活動を実現する価値があると考えました。このような強固な基礎に基づいて、私のSTAフェローシップ申請がNISTEPで暖かく受け入れられ、私は非常にありがたく思っております。しかし、世の中すべてが絶えず変化しており、このことは私のちっぽけな、個人的ケースにも反映されています。
 1999年に、私はハンガリー文部省から招かれて同省に入り、局長として、首相を議長とする科学技術政策カウンシルの事務局を設置しました。 科学技術政策立案と技術予測はほぼ同じものといってもよいくらい深い関係にあります(あるいは、そのような関係にあるべきです)。 国内でこのようなチャレンジを経験したことから、私は日本から寄せられたもう一つのチャレンジに応じることにしました。(滞在期間は短縮されましたが)NISTEPへ来るための承認を上司である文部大臣から得た後、私には不思議な、それでいて幸せな感情が戻ってきました。それは「二重の喜び」といえるでしょう。私がかつて在日中そうしていたようにこの国の古代文化を鑑賞できるほか、(国内での決まりきった役所仕事の代わりに)「研究の自由」を楽しめる可能性がありました。
 実際、私は経験しました。まさに光陰矢の如しでした。必要な時にはいつでも手を差し伸べてくれる日本の同僚たちからの親切な、暖かい気持ちに囲まれたすばらしい作業環境にいると、過去の輝きがどのようによみがえってくるかを容易に実感でき、その輝きをしっかりと楽しむことができます。 私は短い滞在期間中、多忙を極めました。私はとにかく日本の知識のエッセンスをハンガリーに伝えたいと思うとともに、科学技術庁によって行われた調査についてその特徴のいくつかを指摘することができれば日本の専門家にとっても有用な何らかのアイデアを提供できるかもしれないと考えました。
 何が達成されたか?
 このことは後で判断されるでしょう。以前実施した3つの日本の技術予測調査の要約が完成しています。桑原氏と、私たちはこの調査に関連した多くの点について話し合いました。同氏の暖かいご協力によって、私は技術予測の結果に関する日本企業の考え方についても知ることができました。このことは絶対他に類を見ない、それゆえ極めて貴重な成果です。
 私は、理化学研究所(RIKEN)脳科学総合研究センター所長、伊藤正男教授のような科学界の著名な方々や、文部省の佐藤禎一事務次官のような政府高官から非常に多くの招待を受けました。
 国際技術予測コンファレンス(3月7-8日、東京、NISTEP主催)は成功裏に閉幕しましたが、その会議で私は技術予測分野におけるハンガリーの成果についてプレゼンテーションを行う機会を与えられました。
 とにかく、私は東京でのこのごく短期間、研究を大いに楽しみました。そして、この良い思い出がNISTEPの皆様と私の間に保たれることを希望します −サヨナラ−。

シャンドール・トート




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Ⅳ.最近の動き


RESTPOR 2000 開催のご案内



第3調査研究グループ


第5回地域科学技術政策研究国際会議
−地域における知識創造と多様性−
5th International Conference on REgional Science and Technology POlicy Research
- Emerging Knowledge through Diversification in Regions -

1.開催趣旨
 地域科学技術政策研究(RESTPOR)国際会議は政策研究者と政策決定者が民間部門からの参加者も含めて一同に会して、科学技術と地域の問題を議論する会議であり、1993年に岩手県で開催されて以来、今回で5回を迎えました。
 我が国の地域科学技術政策も、地方公共団体の積極的な取組みと国の法整備等により、ここ数年で量的にも質的にも一段と充実して来ましたが、21世紀を直前にしてミレニアムに向けた新たな政策フレームの構築が求められています。特に、ITイノベーションは経済の知識化とサービス化を進展させ、経済のグローバリゼーションを一層加速化する傾向にあり、新たに競争力のある強い地域の創出が求められるようになって来ております。その原動力となるものが地域からの技術革新ですが、それを可能とするものとして注目されていることが知的集積(知的クラスター)による知識創造です。
 本会議では、こうした状況を踏まえ、知的クラスターも含めて7つのセッションを設定して、地域における科学技術の開発と利用に向けた新たな課題について幅広い議論を行います。

2.開催日
2000年9月5日(火)〜7日(木)

3.会場
志摩観光ホテル 〒517-0953 三重県志摩郡阿児町賢島
TEL: 0599-43-1211 FAX: 0599-43-3538

4.主催・共催
主催:科学技術庁 科学技術政策研究所
共催:地域科学技術政策研究伊勢志摩国際会議実行委員会
  (財団法人三重県産業支援センター、伊勢志摩コンベンション推進機構、三重大学、阿児町、三重県)
  (財)つくば科学万博記念財団

5.プログラム
9/5(火) 基調講演 Richard Escritt (EC 研究総局)
          吉川弘之 (科学技術会議議員(日本学術会議会長)
     論文発表 1. 地域科学技術政策の新パラダイム
          2. パートナーシップの多様化
9/6(水)論文発表(パラレル・セッション)
          3. 地域経済の多様化
          4. 大学の役割
          5. 地域技術革新のための仕組
          6. 科学技術と地域
9/7(木)論文発表
          7. 集積と知の創発
          総合討論   地域科学技術政策研究の展望
          司会:権田金治 (RESTPOR 2000 プログラム企画委員長)

主な参加予定国
米国、カナダ、ドイツ、フランス、ギリシャ、スペイン、スウェーデン、アイルランド、オランダ、フィンランド、イタリア、ベルギー、オーストラリア、中国、韓国、フィリピン、シンガポール、タイ

6.参加申し込みご案内
定 員  150名(先着順)
参 加 費  無 料
使用言語  英語 (日英同時通訳付)
申 込 先  日本コンベンションサービス株式会社
〒100-0011 東京都千代田区内幸町2-2-1 日本プレスセンタービル 4F
FAX: 03-3508-0820 E-mail: restpor@convention.co.jp
* 参加ご希望の方は「申込書」がございますので上記の申込先にご請求下さい。

7.コンファレンスの内容に関するお問い合わせ先
科学技術庁 科学技術政策研究所(〒100-0014 東京都千代田区永田町1-11-39)

第3調査研究グループ 柿崎文彦、森川晴成
TEL: 03-3581-2419 





○ 人事往来